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The Surprisingly Useful Medicines Hiding in Pee(全1記事)

黄金のおしっこに隠された驚がくの良薬

私たちは日々何気なくトイレで用を足しています。しかし、毎日出しているおしっこに、価値があるとしたら……? 今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」は、尿に隠された価値ある物質たちについて解説します。

尿には大きな意味がある?

ステファン・チン氏:毎日トイレで、1〜2リットルくらいのおしっこを深く考えることはないかもしれません。しかし、尿が渦を巻いて流し去られるとき、あなたは黄金の価値がある液体を流していると言えるかもしれません。

なぜなら淡くて黄色い液体には、分子的に良質のものが隠されており、ありふれた伝染病から更年期障害まであらゆるものを治すために利用されているからです。あなたの尿には良薬が入っています。

身体から排出される際、尿の95パーセントは水分であり、残り2~3パーセントは塩分を取り除くときに必要な尿素です。塩化物やナトリウムといった、体が必要としない余分なイオンもあります。

しかし、その残りの1~2パーセントこそが実に興味深いところです。科学者たちはその1~2パーセントを研究してきました。例えば、医師が患者の尿からペニシリンを取り出すために採尿をしていたときがありました。

第二次世界大戦中、新たに発見された薬は「SUPPLY(注:供給の意味)」と呼ばれていました。1942年の6月まで、アメリカ合衆国にあったペニシリンの量ではたった10人の患者しか治癒できませんでした。

しかし、ある人がペニシリンを摂取すると、40~99パーセントは尿に変化のないまま排出されることを医師たちは発見しました。ペニシリンは入手困難だったので、医師たちはペニシリンを採取するために患者の尿を集めては結晶にするようになりました。

外部の物質を流し去るのは腎臓の役割の一部なので、他の多くの医療薬も同じように体内を通り抜けていきます。理論上はさまざまなことに応用できましたが、そうはしませんでした。それらを作るのは、工業的には安価で大した量ではないからです。

ペニシリンの再利用は一過性のものでしたが、戦争末期までにはペニシリン生産が右肩上がりになったので、医師たちは患者の尿を研究するのをやめました。

出産を手助けする物質も含まれる

しかし、まもなく別の物質が尿から見つかりました。1940年代の終わり頃、イタリアの科学者によって見つけられた「FSH」と「LH」と呼ばれる2種類のホルモンです。排卵をするために協働する役割です。

10年後、医学生のブルーノ・ルネンフェルドは2種のホルモンを不妊治療に応用したいと考えましたが、問題がありました。このホルモンを尿から分離するためには何千リットルもの尿が必要だったのです。そんなに大量の尿をどこで手に入れられるでしょうか。

数回の失敗の後、ルネンフェルドはカトリック教会と接触。教会の修道女たちが協力してくれました。ルネンフェルドが提携する製薬会社は新鮮な尿の安定供給を得たのです。治療サンプル摂取に10人の修道女から10日分に相当する尿が必要でしたが、それはうまくいきました。

1962年にはルネンフェルドが作った薬の助けによって、最初の赤ちゃんが産まれました。約24人の赤ちゃんが次の2年間に産まれ、薬に対する需要が急上昇しました。尿治療はその後、何十年も続き、1990年半ばに化学者がホルモンを作り出すまで続きました。

しかし、今でもまだ尿由来のホルモンを処方されることはあり得ます。更年期障害の治療に用いられる「エストロゲン」も妊婦の尿から採取されたものです。

しかし、入手方法が困難かつ高価なので、代わりに薬学者は多くの量の排尿をするために、妊娠した馬から採取することにしました。その薬は「プレマリン」と呼ばれ、現在でも幅広く使われています。そして、薬はやはり妊娠した馬から作られています。

幹細胞の重要性

また、他にも尿には医学的に役立つものがあります。それは幹細胞です。

幹細胞は特別です。なぜなら幹細胞はいろいろな型の細胞になることができ、医学研究のために非常に役立つためです。

2014年には科学者は尿から幹細胞を取り出すことに成功しました。尿の細胞のたった0.2パーセントが幹細胞なので、科学者は100ミリリットルの尿から5〜10の幹細胞しか取り出せません。しかし、幹細胞はしかと存在しています。

さだかではないですが尿に含まれる他の細胞のように、幹細胞は尿が膀胱に進む途中の腎臓管からはがれ落ちます。

ほとんどの細胞にはできない働きをここでします。一度排出されると幹細胞はすぐに分裂し、2、3週間で何十億もの細胞を作ります。まったく投資しなくても容易に入手できる。これは本当に素晴らしいことです。通常は骨髄や血液などから取り出される他の幹細胞とは対照的です。

医師たちは尿から得られる幹細胞を、泌尿器の損傷を受けた部分の再生のために利用したいと期待しています。泌尿器から採取された幹細胞は、やはり泌尿器と相性がいいからです。遺伝情報を変化させることによって、これらの幹細胞が他の型の細胞のような働きをするよう再度プログラムすることができ、それらを神経疾患や心臓疾患などの研究のために用いることができます。

自宅で尿治療をしないように

通常ただ流してしまうだけの細胞をそのように使うのは悪いことではありません。ただ、尿の中には非常に多くの役立つものがある理由だけで、自分の尿を蓄えて飲むべきだと言っているのではありません。また尿療法はスタンダードな医療ではありません。尿療法支持者は尿を飲むとガンの治癒に効く、また肌に尿を塗るとニキビに効くと主張していますが。

しかし、誤解のないよう言っておきますが、そのいずれも科学的根拠はありません。あなたの尿は確かに合成物、ホルモン、医学的に利用できる可能性がある細胞を含んでいますが、それを飲めば治るわけではありません。

そして、尿は飲む必要のない多くの物も含んでいます。家で液状の黄金を掘り当てようとしないというのが最善でしょう。それは専門家に任せましょうね。

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