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How Apple Flies Changed the Way We Think of Evolution(全1記事)

1つの種が別々の種に分かれる「分化」のプロセスを解説

ある1つの種族が、別々の種族に分かれることを「分化」と呼びます。通常、分化は物理的な要因によって、生息する環境が変化することで起こります。しかし、ごく少数ではありますが、同じ場所にいながら種が分化していく例が見つかっています。同所的種分化と呼ばれるこの現象は、リンゴミバエというハエの一種に起こっています。今回のYouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」では、この不思議な分化の条件や理由について解説します。

1つの種族が複数に分かれる「分化」のプロセス

ステファン・チン氏:全ての地球上の生物、菌類からオオコウモリに到るまで、みんな何十億年前の原子の泥の中にいた単細胞の先祖からやってきました。そのことはみなさんもすでにご存知でしょう。

しかし、いったいどのようにして1つの単細胞の先祖が分裂して、今日地上に溢れている900万種ほどと言われる種類の生物になっていったのか、不思議に思ったことはありませんか? それこそが進化生物学者たちが多くの時間を割いて考えていることです。もちろん、その詳細部分について同意に至ってはいません。

しかし1800年代、多くのハエに生じたある現象が彼らの研究の役に立つことになりました。

1つの種族が2つ以上に分かれることを「分化」といい、それには基本となる2つの分化があります。「異所性」と「同所性」です。

「異所的種分化」は名前の通りです。1つの種族が、物理的障壁により2つかそれ以上のグループに分かれることです。

氷河期の氷河について考えてみてください。川が渓谷を削り出した時、火山噴火から溶岩が流れ出した時、新しい高速道路ができた時ですら、そのような状態が形成されます。時間が経っていくと、孤立したそれぞれの生物が、それぞれの進化の方向へ進んでいきます。自分たちがたどり着いた特定の場所に適合したり、ただ遺伝上のランダムな流れによるなどしてお互いに遺伝的、そして物理的な違いを作り出していくのです。

そのうち、それぞれがあまりにも違う種類になってしまうため、再び接触することがあっても、お互いに異種交配することもできなくなってしまいます。全く別の種族になってしまうのです。

生物学はこのような「異種的種分化」の例がたくさんあります。例えばグランドキャニオンの北と南の部分に生息する異なる種類のリス。

ガラパゴス島の異なる島に独立して住むフィンチなどがあります。

不思議な「同所的種分化」の実例

しかし、1つの種族を2つに分けるのに、いつもはっきりとした物理的障壁が原因となるのではありません。時には1つの種族が同じ生息地に住んでいるにもかかわらず、2つの分岐したグループとなる場合があるのです。それを「同所的種分化」と言います。リンゴミバエの例があります。

リンゴミバエは北アメリカに生息していますが、1800年中期に2つの大きく異なるグループに分化しました。同所的種分化が起きるには、2つの種族がまだ同じ生息地にいるにもかかわらず、何らかの要素により交配をやめるようにならなくてはなりません。突然分化しようと決めてそうなるというわけにはいかないのです。

このプロセスは通常「分岐的選択」により始まります。自然の選択が1つの種族間で同時に違う方向へいくように促すのです。それとともに「同種交配」、つまり各々が自分と似通った相手を探すことにより、2つの異なるグループがそれぞれ分化していくのです。もしその力が長い間続くなら、1つの種族が2つに分化する要因となり、共有するエコシステムの中で別々の適所に生息するようになるのです。それこそがリンゴミバエの上に起こったのです。

リンゴミバエは北アメリカに生息するサンザシの木のみに卵を産みつけます。

しかし、土着性のリンゴの木が1600年代に北アメリカにやってくると、ハエの中のいくつかは、代わりにそれらの木を使うようになりました。

1800年代中期になる頃までには、非常に多くのハエがリンゴの木に住み着くようになったので、それはリンゴ農家にとっての問題となりました。ハエは自分が生まれた種類の果物の上で交配する相手を見つけるようになるため、時間が経つとサンザシを食べるハエと、リンゴを食べるハエそれぞれが自分たちの中でとどまるようになりました。

今日では、それぞれが同じ生息地に生息しているにもかかわらず、サンザシのハエとリンゴのハエは異なるゲノムを持つようになりました。彼らはたった数百年の間に「同所的種分化」を経験したのです。

もう1つの「同所的種分化」の例は、ニカラグアにある火山湖であるアポジョ湖にあります。

この湖にはカワスズメに先祖的種族が一種だけ住んでいる時代がありました。しかし今日ではその小さな円錐状の湖で2つの種類がそれぞれ離れるのが難しい状況にあるにもかかわらず、関連性のある2つの種族が生息しているのです。そこに住むこの2つの種類の魚は、体型も異なり、歯の様子も異なり、食べるものも異なります。一方は虫を食べ、他方は植物を食べます。

私たちは実際に「同所的種分化」を見ることができているにもかかわらず、生物学者たちの間でこのことはいまだに物議をかもしています。それが起こるのは限定的で、はっきりとした「同所的種分化」が自然界で生じるのは稀です。

生物学者たちの中には、この考えに懐疑的な人もいます。リンゴミバエやアポジョ湖のカワスズメの例は、ほとんどの科学者が「同所的種分化」が起こりうることを信じさせるものとなりましたが、それがどれほどに起こりうるのかはわかっていません。

種族はいつもそのように分化してきたのでしょうか? とても珍しいケースを除いて、2つのグループの間で何らかの身体的分裂が起こる必要があるのでしょうか? 過去において生物が分化した時の地理的な状況を具体的にわかることはできないので、断定するのは難しいのです。

私たちにはっきりわかっていることは、進化はとどまることがなく、常に新たな種族が生まれ、変化し、分化し、絶滅しているのです。

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