2024.10.10
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『俺たちをセックスレスにしたのはどの漫画だ?〜初デートサイゼリア問題から少子化は男の低レベル化が原因説』 山田玲司のニコ論壇時評 1/2(全7記事)
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山田玲司(以下、山田):そもそもこの問題(注:サイゼリヤで初デートは是か非か)のじゃあ解決……解決じゃないんですけど、「そもそもじゃあデートってなんですか?」って話じゃないの。
乙君氏(以下、乙君):おっ。デートってなんなんですか、先輩?
山田:いきなりMCっぽくなったな(笑)。お前が散々読んでただろう? 俺の漫画のさ、『Bバージン』ってやつにめっちゃ書いてあるよな。
乙君:めっちゃ書いてましたよ。
山田:91年にな(笑)。
乙君:うん。
山田:もうな、『ウテナ』よりも前に書いてたからな。俺な。まあ『ウテナ』はあとでやるとして。
それで俺、『Bバージン』という恋愛指南漫画で、あるオタクの少年が好きな女の子に好きになって欲しいと思って一生懸命特訓してデートに行くと。
その時にヒデさんというコーチみたいな人に言われるのが、「お前な、デートってなにかつったらな、デート、こうやって女の子いるだろう?」つって。「周りに5つのカメラが回ってるのがデートだぞ」と。って言ってたんですよね。僕の漫画でね。
「向き合ったときに、彼女の周囲には5つのカメラが回っていて、笑いながらも、お前の言動すべて冷静にチェックしているんだ!」という。この1カメ、2カメ、わざわざ描きました、僕。これ。この状態がデートですから。超恐ろしい。
そんで、そのカメラ、1カメ、2カメ、3カメの話なんですけど、1カメは基本的に見た目を見ています。「少女はこれを押さえていれば落ちるが、やがて『かっこいい人よりやさしそうな人が好き』みたいなことを言い出す」みたいなことが書いてある。
2カメはノリですね、これ。ユーモアのセンスや会話のテンポ。これがないと暗いやつと言われると。
これ3カメ。3カメは価値観・アイデンティティですね。「ノリだけの男と付き合ったやつで、失敗した女とか言い出す」って書いてある。
4番目、包容力。「自分の話ばっかする女に限って、自分の話ばっかする男が嫌い」って書いてある。
乙君:なるほどね。
山田:ねえ、91年に書いてますね。
乙君:早い。
山田:まあこれ、「手のひらの上で遊ばせてくんなきゃ」とか言ってますけどね。これは「後ろから抱いてみよう」って僕が書いてますけどね。
乙君・しみちゃん:(笑)。
山田:これすごいこと書いてあるね。3カメ目の価値観。今気がついたけど、これ価値観が基本的に大事だって言ってる。「やっぱ人生観とかさ、自分の考えのしっかりした人っていないのよね。今の日本に」つって、「(ちょっとレンホー)」って書いてますね。これね。
乙君:(笑)。
山田:後にねえ、あんなことになるとはね。予言の書ですね。これね。
乙君:すごい! え、何年先取り? 26年先取りしてますよ!
山田:やってますねえ。26年先取りさせてもらってます。
乙君:すごい。四半世紀……すごいねえ。
山田:5カメはね。
乙君:2番じゃダメなんですかと。
山田:5カメは大事です。5カメ、将来性。「1から4までに絶望した女はもはやブランドや金に頼るしかない。暗い学生時代を過ごしていた国立理系連中の巻き返しである」とかって書いてあるんだけど。
乙君:なにを言うてるんですか(笑)。
山田:バカなこと言ってますね。すごいバカ。
乙君:めっちゃおもしろい。
山田:「これ、歳食うほど厳しくなってくるな」って。「ヒデさん」「愛がないじゃん……」つったあとに大爆笑されるわけですね。「そんなもんはじめからねえよ!」って言われてるわけ。
これ笑っちゃうよね。でもね。自分で読んでて笑っちゃうけど。「バカかおめーは。よく見ろ!! 自分にとってどーメリットがあるかってチェックだぞ!」というさ。「愛なんて実体のないものを根拠にして、てめーを正当化してるだけだ!」っていうこの恐ろしいつっこみ。この人ゲイなので女の人に厳しいという設定なんですよ。
乙君:もうこれでいいじゃないですか?
山田:いいんです。これで。
しみちゃん:(笑)。
山田:だから『Bバージン』を読んでください。
乙君:もう91年にこの議論終わってるじゃん(笑)。
山田:だからこれがいかに普遍的かというね。だから女子たちの夢を壊すデートをしてる。要するに。5カメあるのを忘れていきなりサイゼ行った時点で、ものすごいランクガーッと下がるわけだよ。逆に言えば……あれ、音大丈夫? 大丈夫? OK? 逆に言えば、上げることもできると。
乙君:おお。
山田:だけど、今の俺の言ってたジャッジ、うの政権だったら、うの政権下にある思想を持っている女子から見ると、一発目にサイゼに連れていく男というのはどう見えるかというと、センスがなくて、創意工夫がなくて、ケチで雑。要するに考えてないヤツという、これジャッジが。
乙君:レッテルをバンって貼られるわけだ。
山田:俺たちの大事なサイゼに行っただけで、こういうこと言い出すやつがいるんですよ! 奥野さん。
乙君:なるほどねえ。
山田:なぜかつうとだね、店いっぱいあんだよ。同じくらい安くても、ちょっとここいいよねって店探すくらいの努力はしろよって話。創意工夫の話なんだよ。基本的に。
乙君:えっ、サイゼより安いところってけっこうなくない?(笑)。
山田:大したことない。そんなに額は変わらない。だって、10倍と言ってるわけじゃないんだよ。5倍ぐらいであるよ。選択肢は。
乙君:5倍? サイゼのサイゼの5倍ってけっこうな店……。
山田:最初だよ。最初のデートだよ。初期投資だよ。
乙君:あ、わかった。今、ここでわかったわ。バブル世代と就職氷河期世代の。
山田:あっ、お前なー。
乙君:こっちの感覚、うの政権ですよ! うの政権生きてる。
山田:あっ、うの政権にされた。バカヤロー、お前な、女たちの洗脳が簡単に解けると思ってっか?
乙君:いや、まあ……。
山田:いや、だから、うの政権下で育ったお母さんに育てられた女たちだぞ。今の若い女たちって。そしてVERYになりたいって思ってるんだぞ。だから、彼女たちを変えるなんてことは無理なんだから、初期投資しかねえべって話なの。
だから最初にケチったら「こいつ絶対つきあったら、ゲーセン行ったりパチンコ行って、私のことほっとくよな」って思われてしまいますよ。一発目サイゼつったら。だから、ちょっとした創意工夫でいいわけですよ。
乙君:まあまあま、そうですね。
山田:そうですよ。あなたもあれじゃないですか。ロケーションのいいところでさ、「ここでよくね? 飲もーぜ」とかよくやるじゃないっすか。「星空の下で飲もうぜ」とかやるじゃないですか。
乙君:そりゃ、そうですよ!
山田:いや、サイゼより安いじゃん?
乙君:サイゼより絶対安いよ。
山田:あれだって。創意工夫とセンスなんだって、あれって。
乙君:それは俺、正解なんですね?
山田:正解なんだよ。だからちょっとあれじゃない?
乙君:あら。
山田:結果、お前ちょっと残したじゃない?
乙君:ちょっとよかったじゃない。
山田:ちょっと今寂しいかもしんないけど(笑)。そういうこともあるじゃない?
乙君:まずジャッジされてて、なんも考えていないと思われちゃうと。それはダメだよということですね。
山田:そうですね。そうそう。
だからサイゼ連れていって勝つ方法があるのかって話だよ。最後。あえてサイゼっていう選択する場合は、サイゼリテラシーを高めて。だからサイゼについて詳しくなって、サイゼのすばらしさをちらっちらっと語りながら。
「ここ、いいんだな。こんな見方もできるんだ」とか「この人といると、低コスパですごい楽しい時間を過ごせるぐらい、この人は頭良くてリテラシーが高いね」というぐらい、サイゼ通になるしかないんですよ。これはもう。もはや。
もしくはですわ、サイゼを忘れるぐらいおもしろいプレゼンができるかっていう。
乙君:それじゃあ、もうサイゼでも吉野家でもどこでもいいじゃん(笑)。
山田:そうです。どこでもいいんです、本当は。だから女の子が一番言いたいセリフはなにかというと、「本当に好きな人と一緒にいれば、どこでもいいよね」って言いたいんだよ。言いたいの。なのにサイゼに文句がつくってことは、そいつ好きじゃない。
乙君:なるほどね。結局、お前に魅力がないんだと。サイゼうんぬんじゃねえんだと。
山田:そういうことです。残念ながら、そうなんですよね。
乙君:「(イケメンに限る)」っていうところに戻ってきちゃうってこと?
山田:いやいや、そんなことないよ。俺ね、思うに、今からバンド始めろって話なの。これ。
乙君:バンド始めろ?
山田:バンド始めるか、美容師になるか、なんでもいいんだよ。
乙君:3B行けと? バーテンダーか。
山田:いやまあバーテンダーはともかく、わからないけど、とりあえずなにかに、女体以外のなにか好きなものを。
乙君:自分の世界を持てと。
山田:そう。なにか女以外に、夢中になって夢語れるもので、実際に具体的に動かしてる男に、女たちはこの男の船に乗りたいと思うわけだよ。
乙君:それはくらたまさんのときにも言ってましたね。
山田:だから「できませんよ」って言うかもしれないじゃん。いいんだよ。ギター始めただけでもいいんだよ。女はそれで夢見たいんだよ。かけらでもいいんだよ。そのかけらを、恋愛という魔法によってすごい大きく膨らませてくれるんだよ。彼女たちは。
だからやっぱりきっかけとして、なにか「俺始めたんだぜ」という、「始めてんだぜ」ぐらいのやつを2種類ぐらい持ってると、サイゼでも大丈夫な場合がありますね。ありますねー、これが。そうですね。
乙君:なるほどね。
山田:そうそう。あとはカウンセリングですよね。だからさ、サイゼを忘れるぐらい、相手が聞いてほしいことを聞きまくるしかないですね。そうするとサイゼを忘れますから。「そう言えば最初サイゼだったね」みたいな感じになるな、みたいな感じですね。
はい。どうでしょう、こんな感じで?
乙君:いや。
山田:『Bバージン』読んでください(笑)。
乙君:ぜひぜひ。
山田:今無料なので。あ、これ言わなきゃ。
乙君:そう、ニコニコ静画で。まあ後でまた。
山田:ニコニコ静画で今、無料なんでね。
乙君:玲司さんの作品公開中なので。
山田:そう、よかったら、サイゼ問題で悩んでるんだったら『Bバージン』。
乙君:でも、ぶっちゃけ今そんなにいないと思いますけどね。これ話題にはなってますけど、サイゼリヤであんま文句言う女の子のほうが少ない気がする。
山田:そうなんだよ。もうね、本当そうなんだよ。うの政権終わってから長いんだよ。やっぱり。
乙君:気遣ってくれるというか、逆に落ち着かなくなっちゃうというか。「高い店いきなり連れて行かれても……」みたいな。「毎回こんなデートするんだったら、いいかな……」みたいな女の子もいると思います。
山田:だからね、いきなり個室とかやるじゃん。「そこまでやんなくてもいいよな」っていう。それぐらい女の子たち変ったよね。
乙君:なんかそんな感じはしますけどね。
山田:本当にそう。せっかく彼女たちが歩み寄ってるんだったら、ちょい、ちょっと初期投資はしたほうがいいんじゃないかなと思うよね。うん。
乙君:まあ2、3回のうち1回ぐらいちょっとね、非日常を味わえるようなことを。
山田:(コメントにて)「歩み寄ってねえだろ」。いや、歩み寄ってるやつもいるんだってば。ちょっといるんだってば。「やだやだ」そうだよな。うん、それはわかるわ。だからもう本当にミソジニーであふれるんだよ、これな。「デートがんばれ」とかいうと「ふざけんな。女たち死ね!」ってなるんだけど。
「そうは言ってもなあ……」って話じゃない? 歴史が長いんだよ。日本のディズニーから始める歴史。その話もちょっとこの次やりましょう。この次の話に。
乙君:コメントで「そして少子化」っていうのもありますけど。とりあえず、次のニュースいきましょうか。
山田:はい、このあとの話いきます。いったんサイゼ問題おしまい。
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