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YOUTH | 5 Artists in 5 Minutes(全1記事)

若さってなんだ? 思春期の少年少女を扱った5人のアーティスト

人はつい、過ぎ去った日々に思いを馳せてしまうもの。若かりし日の思い出は、私たちにさまざまな感情を呼び起こさせます。今回のYouTubeのアート系動画チャンネル「Little Art Talks」では、“若さ”をテーマにした5人のアーティストを紹介します。

“若さ”をテーマにした5人のアーティスト

カリン・ユエン氏:人はみな「過去の日々に戻れるとしたら物事はどうなるか」ということ好んで話します。物事が単純で、責任もなかった若いときのことを考えるのは非常に楽しいかもしれません。しかしながら、いかなる環境に生きるのであれ、思春期や10代というのは、関係性は新しく身体はまっとうで、初めて体験することばかりです。

今日の「5 Artist in 5 Minutes」は、若さについて扱ういくつかのアートについてお話しましょう。

リネケ・ディクストラ(Rineke Dijkstra 1959~)は、アムステルダムを拠点にして制作するオランダの写真家で、1992年から1996年にかけて、ポーランド、クロアチア、ウクライナ、ベルギー、イングランド、アメリカなどさまざまなビーチで、等身大の10代の少年少女たちのポートレート写真を制作しました。

光り輝く海と砂の背景に被写体としてポーズを決めたポートレートは、国や階級などのアイデンティティを超越するような、神秘的な特性を持っています。

このライムグリーンの水着のポーランドの少女の写真は、意識と無感動の混じった表情をしています。無意識的に首を傾け、古典的なコントラポスト(片足に体重をかけて立つ)の姿勢をとり、4×5判フィルムのカメラの持ち歩き可能なフラッシュによりざらざらした影は和らいでいます。暗くなる空に対して低い角度からの撮影は、いったん少女をモニュメンタルな大きさにし、半分露出した脆弱さは、無垢と経験の中間地点にあります。

ライアン・マッギンレー(Ryan MacGinley 1977~)は、アメリカのニューヨークに住む写真家で、親しい友人の日常を記録した初期の写真は、さりげない方法論をとっています。2004年以来マッギンレーのスタイルは、即興的な範囲から離れ、モデルを採用しイメージを構築していくことに集中します。マッギンレーは、準備に長い時間を費やし、一緒に旅する人々の小グループを選び、念入りに田舎の場所を選びました。そして彼は衣服を脱いだ被写体を撮影し、即興のシナリオの中に入らせます。

「Brandee(Midnight Flight)」は大判の写真で、森の中で4人の人物が描写されます。2人の若い男と若い女性が、もう1人の若い少女が、おそらく見えない沼、あるいは川に対して飛び跳ねるのを見ています。しかしながら、より注意深く構築されたスタジオのライトと、デジタル画像のエンハンスメント(人工的に改良すること)が、マッギンレーの中心的な仕事である、若さという冒険の本質を描写することに、明確に驚くような効果を与えています。

ジェフリー・クルーガー(Jeffry Kluger)は、タイム紙に以下のように書いています。

「写真は時間の中の瞬間を凍結していようとしている。マッキンリーは、カメラのスナップのようにもろい、若くそして美しく、儚いある人生の段階を凍結しようとしている。それゆえ、すべてを保存して残す価値がある」。

現実と構築された世界の間の差異が崩壊し、現実と伝説、公的なものと私的なものの間の境界線がぼかされています。衣服や建物や工業生産された既製品もなく、事実上イメージは時間を超越するものです。彼らは所有者の支配や、共有された空間、そして本当の自由の可能性を問うています。

『不思議の国のアリス』をモチーフに

ヘレン・ヴァン・ミーン(Hellen Van Meene 1972~)は、オランダの写真家であり、故郷の北オランダで若者たちの写真を撮り始め、それ以来活動を世界中の青少年たちに拡張しています。彼女は、路上での少女に接近し、いわば不完全な顔をしたり、どこか欠陥のある身体をしているともいえる少女たちを選んでいます。彼女らはどこかぎこちなく両性的な美しさをしています。

ポートレートは静かで瞑想的なで、変わる表情と身体の中に固有の優美さを発しています。同時に不吉なくらいの空気の中、彼らは不安定に出現し、微妙に元気のない様子をしています。そして結果として、個人とのその環境への期待とその現実との大きな乖離を示唆しています。

ラウレル・ナカデイト(Laurel Nakadate 1975~)は、ニューヨークを本拠地に制作するアメリカ合衆国のヴィデオアーティストであり映像作家、写真家です。彼女の特長的な「同じであって変わらない(Stay the Same Never Change)」はカンザスシティーをそぞろ歩く2人の登場人物を追ったものです。出演者はMyspaceで見つけたアマチュアの女優であり、出演者は実際の家にいたり、水に沈んだ状態からの危険な移動する状況を設けます。

アーティストは言っています。「この奇妙な小映像は、世界が魅力的であり落胆させるものでもあるやり方です。私がやることは、まあ大丈夫だということです」。

アンナ・ガスケル(Anna Gaskell 1969~)は、アメリカ合衆国の写真家です。彼女の写真は、ルイス・キャロルの『不思議の国のアリス』など、よく知られた児童文学に言及しています。これは彼女の2つのシリーズ「Wonder」「Override」の中で見出され、それぞれの場面は断片的に分散した物語を写真で撮影するために、注意深く構築され舞台化されています。

それは、スチル写真のように、全体もなく前後の区別もなく文脈から切り離されて暗示されています。それぞれの写真における空間と時間の差異は、鮮やかで夢のような世界を想起させ、曖昧さと多層的な解釈を誘います。少女たちは衣服によって判別される統一と、個別化する精神の願望という矛盾を演じています。

彼女たちが演じる神秘的で冷酷な儀式は、その混乱と心理的な病気の暗喩なのです。アリスは、恐らく彼女自身の心の中のワンダーランドで迷い、彼女に起こっているやっかいなことが、現実かあるいは想像の中か認識することができないのです。

これが、今週の「5 Artists in 5 Minutes」でした。これらは主要な5人でも唯一の5人でもありません。みなさんのお気に入りを、下のコメント欄に書き残してください。このフォーマットを楽しんでいただけたなら、以前の「5 Artists in 5 Minutes」をチェックしてください。モバイルはこちらの枠からお入りください。まだでしたら、チャンネル登録をお願いいたします。これらの動画は毎週日曜に配信されます。他の美術史に関する動画は平日配信されます。ご視聴ありがとうございました。また次回お会いしましょう。

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