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Sensory Deprivation Tanks, and Other Overblown Human Closets(全1記事)

「五感を奪う」カプセルは、人類に何をもたらすのか

アイソレーション・タンクと呼ばれる、カプセル状の装置が人気を集めています。この機械は、体温程度の暖かさに調整された塩水に浮かぶことにより感覚を遮断してリラックス効果を得るものです。古くから研究されてきた感覚遮断ですが、その効果は医療的な裏付けがあるわけではありません。現在、アイソレーション・タンクの他にも、酸素カプセルを使った高濃度酸素治療や、とても寒い場所で数分間過ごす全身凍結療法など、タンクを使った医学療法が研究されています。今回は、YouTubeのサイエンス系動画チャンネル「SciShow」が「タンク」にまつわる最新の研究を解説します。

人間の五感を遮断するカプセル

最近、自分自身を部屋に閉じ込めることが人気です。ストレスを軽減したいとき、体重を減らしたいとき、また痛みを和らげたいとき用の「タンク」があります。感覚遮断タンク、酸素セラピータンク、信じられないほど冷たいサウナといった感じで、ここで過ごすためには誰かにお金を払う必要があります。

これらのほとんどは医療原理に基づいていますが、一般的に、より特別な状況において使用することが意図されています。それらはあなたが抱える全ての問題を解決してくれるのでしょうか? それは少し簡単に考えすぎだと言えます。

みなさんが聞いたことのある中に、アイソレーション・タンクまたフローティングタンクというものがあると思います。外部の環境から遮断されたタンクの中に、塩水溶液を入れて横たわります。水はあなたが浮くのに十分な濃度になっており、肌の温度も維持するので基本的に何も感じません。普通は、耳栓をつけるのでタンクの中は完全な暗闇となります。

完全な刺激の欠如は非常にリラックスできると考えられており、科学的にこのアイデアは理にかなっていると言えます。ここに1つフローティングタンクについてある科学的な定説があります。 研究では、タンクでの治療中とその後において、ストレスを軽減し、痛みを和らげ、創造性を高めることができるということが発見されました。

ある研究では、リラクゼーション効果によるホルモンや神経伝達の変化が見受けられましたが、一方で他の研究者はその効果を再現していません。これは、感覚遮断についてあることを意味しています。

フローティングタンクで示された利益は非常に微々たるものだったので、統計的には弱いと言えます。効果が間違っているというわけではありませんが、みんながタンクの効果を「奇跡的」と呼ぶには早すぎるということを意味しています。

暗い水中タンクに座ることで、何らかの利点があるかもしれません。そしてもしあなたが、1時間あたりまたはそれ以上の時間で60ドル払う意思があるのなら、何も害するものはないかもしれません。しかしあなたの生活を変える魔法のようなことは起こらないでしょう。

酸素カプセルは意味がない?

そこで、密閉したタンクに気圧と酸素の濃度を高めた高気圧酸素治療というのがあります。もともとこのテクニックは、ダイバーの減圧病の治療として使われていました。減圧病とは、窒素の気泡が血流に流れ血管を遮断してしまう病気です。気圧を高めることは、気泡を縮小させ、高濃度の酸素は他のガスを排出させるのに効果的です。

このタンクは、特に他の治療法と組み合わせることで、医療目的であると証明されています。最近は自閉スペクトラム症の治療として流行り出しました。このアイデアは、自閉症患者の脳が赤く腫れてしまうという、少々内容の乏しい主張に基づいています。

しかし、私たちは実際に自閉スペクトラム症がどのように発生するかわからないので、もしそれを治療したい場合でも、高濃度の酸素が有効だという確証はありません。自閉症のための高濃度酸素をテストした臨床的な追跡考察では、その治療法を推奨するには十分な確証がないと結論づけられました。あえて言うなら、高額ですし、何も効果がないかもしれません。

そして他の人々は酸素タンクに飛び込みたい気持ちになるでしょか? 正直に言って、その必要はありません。健康な人は、約99%の血液酸素飽和度があります。それはできる限りの酸素を吸収していることを意味します。吸収できる以上の許容量の酸素を取り入れようとし、かなり多量の酸素を吸収した場合、急性呼吸急迫症候群を引き起こしてしまいます。これは、酸素を血液に入れたり出したりする際に肺が支障を来たす病です。したがって、酸素タンクには注意した方がいいでしょう。

冷凍カプセルダイエットの効果は

最後は、全身凍結療法です。これはマイナス100度の部屋に2分から3分入るというものです。これは地球上で記録された最低気温よりも約10度低い温度です。この治療は、筋肉の痛みや疲労回復を早める目的でアスリートに人気です。

これは理にかなっていると言えます。低い温度は血管を収縮し、炎症を抑えます。しかし2015年の考察によると、全身凍結療法が運動からの回復を促進すると科学的に立証するには十分な確証が無いと発表されています。したがって、もしあなたがとても優秀なアスリートならば、自分で危険のリスクを伴った上でペンギン運動をおこなってください。

減量のために凍結療法をあなたに売り込む人がいるかもしれません。しかし、それは正しい方法ではありません。寒さとカロリー消費には明らかにつながりがあります。人間を含めた哺乳類は、少し脂肪分のある褐色脂肪組織があります。それはあなたの体が冷えると燃え始めます。

あなたは、背中がぞくっと冷え、そして体の脂肪を熱に変換しようとすることによる効果を期待するかもしれません。この理論はもっともらしいですが、研究ではこれを支持していません。実験で、短期間とても冷たい場所に置かれたマウスは、多くのカロリーを消費したのですが、それを埋め合わせるために消費したカロリーよりも多くのカロリーを食べたのです。

ある研究では、寒さに晒されたマウスは体重が増えたと言う報告がされています。あなたがプロのスポーツ選手でない限り、またコーチがロッカールームに凍結部屋を置かない限り、1回の使用で、100ドルは払わないといけません。運動疲労の回復に効くという十分な証拠はありませんし、これが他に何か効力があると言う決定的な証拠はないのです。

したがって、ファンシーなタンクに自分を閉じ込めるという一般的に信頼されている化学療法に関して言えば、あなたの大切な現金を使うに適したものではないと言えます。あなたが大金を相続し、また究極に退屈でない限りは。一般的に、本当に信じられないくらい素晴らしいと思うなら、おそらくそうなのでしょう。

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