
2025.02.12
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ラリー遠田(以下、ラリー):世間はこの前までワールドカップ一色だったわけですが、日本が残念ながら負けてしまいまして。すごいですね、敗戦ムード一色というか。
梅田カズヒコ(以下、梅田):今や国民的行事ですね。こんなにみんなで盛り上がるイベントは他にないんじゃないですか?
ラリー:前回は、日本の成績がわりと良かったんですよ。ベスト16に残って。それでみんな期待して、マスコミ煽って、ファンも盛り上がったところに、今回は歴史的惨敗ですね。
梅田:FIFAランキングを見ていると、別に日本が勝てる試合ではなかったですね。
ラリー:日本がFIFAランキング40位くらいで、ワールドカップに出ている42チームの中で多分ワースト5くらい。そんなに強い方ではない。
梅田:そうなんですよ。本来、本戦に出場しただけでいいんです。FIFAランキングを基にすると。
ラリー:それが現実なんですが、やっぱりマスコミが煽るじゃないですか。それでその反動がガクンと来た感じで。
梅田:この風潮はどうですか?
ラリー:僕はこの空気感が心地良い。今までだったらマスコミやファンの人って綺麗事が好きじゃないですか。「負けちゃったけど頑張った」とか、「みんな感動をありがとう」みたいな。
梅田:「感動をありがとう」というフォーマットはよく見ますね。
ラリー:そういうテンプレのやつがあるよね(笑)。今回もやっぱりそうなるのかなと思っていたけど、あんまりなかった。そんなことを言ってられないくらい歴然とした敗北をした。
梅田:惨敗だったと。一勝もできていないと。
ラリー:そう。だから言い訳がきかないから、そんな綺麗事を言うのではなくてこの負けをちゃんと受け止めようよということになっていて。この状態っていうのは人間としてはすごく良い。これは今後日本代表が強くなるために、負けを受け止めるということはすごく大事なことだと思う。
梅田:大事ですね。
ラリー:これをごまかすとダメ。反省をしないと次につながらない。
梅田:わかりますけど、関係者は惨敗して反省をするとは思うのですが、でも国民は勝敗とはあまり関係ないじゃないですか。だから僕は国民が反省するのはよく意味が分からない気もします。
ラリー:そこはすごく際どい問題で、WEB上で読んだコラムでもこういったものありました。「我々マスコミは今の日本代表を過度に持ち上げすぎたのではないか」、「彼らが負けたのは、もてはやした我々に責任があるんじゃないか」と。気持ちはわかるけれど、そこまでのものではない。仮にマスコミが持ち上げて本田や香川が調子に乗って負けたのならば、それはそれまでだったということで、本人たちが悪いです。
梅田:本田や香川は調子に乗ってないですよね。ちゃんと頑張った結果負けたのだと思います。
ラリー:だから不思議はないというか、「しょうがないぞ日本」というか。「頑張ろう」とか「感動をありがとう」とかではなくて、負けは負け、そして次にいこう、ということで良いと思う。
梅田:まずFIFAランキングを1つでも上げていけると良い。
ラリー:そうですね、梅田さんそこしか見ていないですからね(笑)。
梅田:僕、さっきからサッカーの語彙が少なすぎて(笑)。
ラリー:かろうじてFIFAランキングだけ(笑)。
梅田:すごい怒り狂っている人がいるじゃないですか。応援しているチームが負けて怒るのは分かるんですが、「twitterで怒りをぶちまけている場合ではない」といったような、怒っている人に怒っている人もいて、そうなってくるとよくわからない。
ラリー:みんな、「誰々が戦犯」といったような采配批判するじゃないですか。今回サッカーをよく見ていたのですけれど、そういった問題ではなく根本的に他の国と比べて日本の実力が全般的に足りていない。そこを見間違えないでほしいと思う。
梅田:ラリーさんいつになく道徳的な感じですね(笑)。学校の先生でも言いそう。
ラリー:いや、僕はいつもそういうことを言っていますけど。サッカーとは皆でやるものだし、そんなに誰々の責任というような話ではない。そういう話をしたらきりがない。
梅田:渋谷のスクランブル交差点の大騒ぎはどうでしょう。
ラリー:あれはもうサッカー関係ない。あれはお祭り。リオのカーニバルのような。
梅田:なぜ渋谷なんでしょうか。
ラリー:よくわからないです。多分、最初は渋谷で大騒ぎがあった。それをマスコミが取り上げたことで、騒ぐ側が調子に乗ってしまった。そしてマスコミ側も暗黙の了解で「君たちスクランブル交差点来てくれるよね?」というようにカメラを待ち構える。そういう感じだと思う。撮る側と撮られる側の暗黙の了解というか。本当にああいったものがイヤだったらマスコミが手を引けばいい。そうしたら騒ぐ側もメリットがないので渋谷に来なくなると思う。
梅田:ではそれに関しては、マスコミは反省したほうがよいってことですね。
ラリー:ただそれを風物詩として撮りたい。撮りたい人、撮られたい人、それを見たい人がいて、成り立ってしまっているからしょうがない。
梅田:なるほど。サッカーにハマれない人たちはどうしましょう。
ラリー:ハマれない人たちは、家でパズドラでもやっていればいいんじゃないですか(笑)。
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