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This is not what an atom looks like(全1記事)

学校で習った「原子核の周囲を電子がぐるぐるまわるモデル」はもう古い?

原子はどんな形をしているかと問われれば、昔学校で習った「原子核のまわりを電子がぐるぐる回るモデル」を想像するのではないでしょうか。しかし、科学が発達するにつれ、原子の形は変わってきたのです。太陽のまわりを地球がまわるようなイメージは間違いとは言えないにしても、正確というわけでもありません。量子力学においては、電子は特定の場所に存在しているわけではなく、あくまでも電子が存在する可能性がある場所として示されます。これは電子雲と呼ばれ、存在する可能性が高い場所ほど雲は暗く描かれます。今回のYouTube科学系チャンネル「SciShow」では、原子の形をめぐる科学の発達を追っていきます。

電子は本当に原子核のまわりをぐるぐる回っているのか?

オリビア・ゴードン氏:みなさんはこの番組(「SciShow」)の冒頭部分をちゃんと見たことがありますか? 細かい部分までじっくりと見たことはあるでしょうか? それならば原子の図解と核の周りを旋回する小さな電子に気づきましたよね。

でもお伝えしなくてはなりません。原子は本当はあんな形ではないのです。

何年間もかけて、科学者たちは原子モデルの働きについて、私たちの知識に基づいたそれぞれ違う原子の形にたどり着いてきました。この番組の冒頭で出てくる原子の形は、そのうちの1つにすぎません。その背景には多くの歴史があるのです。しかし、もっとも確実な原子の形はもう少し複雑です。なぜなら原子自体が複雑だからです。

20世紀の始めまでに、科学者たちは原子はマイナス電子を帯びた電子と、ある種のプラス電子で成り立っていると知っていました。難しいのは、その電子がどうくっつきあっているのかを解明することでした。

現在もある理論としては、電子はプラスの球体に組み込まれているということでした。

これは伝統的なクリスマスプリンに似ていたことから、プラムプディングモデルと呼ばれていました。しかし、1911年にアーネスト・ラザフォードという科学者とマンチェスター大学の彼のチームがあの有名な金箔実験を行った時に、すべてがひっくり返りました。

ラザフォードと彼の同僚は、薄い金箔にプラスの電子を帯びたアルファ粒子を照射しました。プラムプディングモデルによれば、アルファ粒子は金箔を通り抜けるはずです。なぜならば、原子は散在する電荷を帯びたほとんど空っぽな空間だとされていたからです。そして、原子はほとんど空っぽな空間です。そのため、ほとんどのアルファ粒子は金箔を通り抜けたのです。

しかし、ラザフォードが起こした驚きの結果によれば、アルファ粒子のいくつかははじかれたのです。偶然にね。

彼は原子のプラス電流は薄い中央の核の部分に集中し、その核の部分はプラスの電子を跳ね返すアルファ粒子を屈折させたのだと結論付けました。彼はまた、電子は惑星が太陽の周りを廻るように、核の周りを旋回しているのだろうと予想しました。このため、彼の理論は時々惑星モデルと呼ばれるのです。

ラザフォードは、「陽子は電子をまとい中央に存在する」ということに関しては当たっていました。そしてみなさんは、このモデルが原子の基礎を説明するために、現在でも使われているのを目にするでしょう。それがこの番組の冒頭に出てくるものです。

しかし、惑星モデルには大きな問題がありました。旋回する電子は放射能の形成の過程でエネルギーを失うだろうと予想されていました。そして電子が内側で旋回することとなり、最終的には核に衝突すると考えられていたのです。これはすべての原子は最後には崩壊するということを暗示しています。しかし、静的な原子は存在するということはわかっています。何かが欠けていたのです。

原子の形の変遷

その2年後である1913年にデンマーク人の科学者であるニールス・ボーアは、この問題を解決したラザフォードのモデルを調整しました。

ボーアのモデルは、彼が「軌道」と呼ぶ、とても特別なエネルギーのレベルにおいて電子は軌道を描くと予測しました。電子はちょうどそのレベルでしか軌道を描けません。だから内側では旋回できないのです。

もしエネルギーを吸収するか、放出すれば、電子はレベルを変更することができました。しかし、離散準位のみが許容され、そして電子は最低レベルを下回ることはできませんでした。それがなぜ静的な原子は崩壊しなかったのかを説明しているのです。

ボーアのモデルはすぐに原子の理論としてもっとも有名なものとなりました。そして今でも原子が配列される基本的な方法を説明する場合によく用いられます。しかしそれでもすべてが正しい内容ではないのです。

突破口となったのは、1932年にイギリス人物理学者のジェームス・チャドウィックが中性子を発見した時です。中性子が電荷を持たないということが、核がなぜ重いのかを説明する助けとなりました。また、電子は核の周りを回る必要は一切ないという考えと、量子力学は別の突破口となりました。

実際、電子はどんな場合でも特定の場所にあるわけではありません。代わりに、より大きな空間において一度に多くの異なる場所に存在するのです。

電子を測ろうとするなら、電子はその空間の中のある特別な場所に存在するでしょう。私たちが通常世界を経験するのとはかなり違う、おかしな概念となります。しかし、それが量子力学なのです。

電子を測ろうとするならば、それを見つけられる可能性がある場所は電子雲と呼ばれるものです。電子を測ろうとするとき、普通、電子が存在する可能性が高い場所は雲が暗く描かれます。水素やヘリウムのように基本的な原子とともに、その雲は大きな球体のように見えます。

電子はボーアの軌道の1つになる可能性が最も高いということになります。

そのおかげで、私たちはボーアのモデルによって物事を簡潔にすることができるのです。しかし、電子をより多く使って原子をもっともっと大きくするなら、この雲はお互いを干渉するようになるでしょう。

そしてさらにおかしな形を形成するようになるでしょう。電子雲のモデルは原子モデルの中で最新のものとなります。そして世界中の科学者が使っているのです。

しかし、そのせいでほかのモデルに利用価値がなくなるわけではありません。エネルギーレベルや放射能に注目するのであれば、ボーアのモデルは助けになるでしょう。もし化学的な結合を研究しているなら、電子がどこに存在するのかを知るために電子雲のモデルが必要となるでしょう。

基礎を表すモデルが必要で、しかもそれがかっこいいものであってほしいならば、惑星モデルがあっているでしょうね。

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