2024.10.10
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Bitcoin: How Cryptocurrencies Work(全1記事)
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マイケル・アランダ氏:ここに1つコインがあるとしましょう。それは現在何百アメリカドルもの価値がありますが、金やプラチナなどの価値ある金属でできているわけではありません。実際、手に持ったり、貯金箱に入れたりするような種類のコインではありません。
これはデジタル通貨、つまり、電子的にしか存在しないコインです。私がお話ししているのはつまり、「ビットコイン」のことです。
ビットコインは一般の貨幣とは異なります。それは州や政府との繋がりはありません。ですから、中心となってそれを発行する権威や、取り締まる団体などは存在しません。つまり、ビットコインには、いつそれを追加で発行するかや、どれぐらい発行するかを推測したり、それがある場所を把握したり、詐欺行為を調べたりするような組織が存在しないのです。
それでは、ビットコインはどのようにして貨幣としての働きをするのでしょうか? そもそも価値があるのでしょうか?
ビットコインは、人々のネットワークと、暗号書記法と呼ばれるものがなくしては存在しません。実際それ自体が、世界初の暗号書記法であるとも言われます。それはこのように使われます。
ビットコインは完全なるデジタル通貨で、コンピュータとコンピュータの間で、世界を超えてピアトゥピアのネットワーク内で交換することができます。ほとんどのピアトゥピアネットワークの意義は、なにかをシェアすること、つまり超合法な音楽や映画などのコピーをシェアすることにあります。
もしビットコインがデジタル通貨であるなら、大量の偽物コピーを作り、大金持ちになれないでしょうか?
ビットコインはmp3や動画ファイルのような複製可能なデータではありません。ビットコインは、ブロックチェーンと呼ばれる巨大かつ世界規模の出納簿の入口です。それには理由があるので、後で説明します。
このブロックチェーン記録は、発生したビットコインの取引の全てを記録します。2016年末現在、完成している出納簿のデータは約107ギガバイトにも及びます。
ですから、あなたが誰かにビットコインを送る時、それはたくさんのデータファイルを送信するのとは異なります。その代わりに、あなたはこの大きな出納簿にその交換を記録するのです。例えば、「マイケルはハンクに5ビットコイン送る」といった具合にです。
そこであなたはきっとこう思うことでしょう。「ちょっと待って、ビットコインには全てを記録する中心となる権威がないと今言ったじゃないか!」。確かに、このブロックチェーンは中心となる記録ですが、その出納簿をアップデートしたり、銀行のようにみんなのお金を記録する正式なグループは存在しません。それは分権されています。
実際、誰もが、ブロックチェーンを新しい取引と共にアップデートするボランティアをすることができ、大勢の人がそうしています。これが上手くいくのです。なぜなら全ての取引が正しいかどうかを確認するために、大勢の人々が同じ取引の記録をとっているからです。
あなたが仲間とポーカーのゲームをしているところを想像してみてください。誰もポーカーのチップを持っておらず、現金も家に置いてきてしまっています。テーブルの上にはお金がありません。そこで何人かが紙を持ってきて、掛け金がいくらか、誰が勝ったのか、誰が負けたのかを書き出します。あなたは他人を完全に信頼しないので、みんなが出納簿を別々に記録することになります。
そしてゲームが終わると、それぞれの記録を照らし合わせます。そうすることで、もし誰かが間違えたり、ズルをして余計なお金を誰かから騙しとろうとしたとしても、それらの矛盾は見つかってしまいます。
何回かのゲームの後、お金の動きの記録でノートのページが埋まるかもしれません。そのページ1枚1枚を「取り引きのひと固まり」と考えることができます。やがて、あなたのノートは何ページにも及ぶ情報でいっぱいになります。そのようなひと固まりのチェーンができるのです。それがつまり、「ブロックチェーン」となるのです。
では、もし何千人もの人たちが個別にビットコインのブロックチェーンを維持しているとしたら、どのようにして全ての出納簿が同期していられるのでしょうか?
先ほどのポーカーの例で考えてみましょう。ビットコインの全てのピアトゥピアネットワークが、非常に巨大なポーカーテーブルに大勢の人々が座っている状態だと考えてみてください。その中の何人かはお金を交換しています。しかし多くのボランティアが出納簿を記録しています。それゆえ、あなたがお金を送ったり受け取る時には、それをテーブルについている全ての人に対してアナウンスしなければなりません。
それにより、記録を取っている人々が自分の出納簿をアップデートできます。ですから、毎回取引をするたびに、あなたはビットコインネットワークに対していくつかの発表をします。あなたの口座番号、ビットコインを送る相手の口座番号、ビットコインをいくつ送りたいか、という情報です。
するとブロックチェーンのコピーを記録している全ユーザーが、あなたの取り引きを最新のブロックに追記します。たくさんの人たちが取引を記録するのは、安全面ではいいことですが、1つや2つの口座にビットコインを送るだけでこれら全てが生じる必要があるというのも安全ではないような感じもします。一般の貨幣であれば、これは大きな問題です。
犯罪者たちが人々のクレジットカード情報を盗もうとして行うさまざまな手口を考えてみてください。ビットコインでは、あなたの生涯の貯金をビーフジャーキーに注ぎ込んだ、などというおかしな動きを察知して詐欺行為を止めることのできる中央銀行は存在しません。
では、ハンクが私のふりをして、私のビットコイン全てを彼自身に送るのはなぜ不可能なのでしょうか?
暗号書記法のおかげで、ビットコインはかなり安全に守られています。それゆえにビットコインそのものが「暗号通貨」と呼ばれるのです。ビットコインは鍵により安全が守られています。その鍵とは「これは本当に私ですよ!」という厳密な保障となるメッセージを作ることのできる、情報の塊でできています。
あなたがビットコインネットワークでアカウントを作る時、それが「ウォレット」と呼ばれるのを聞いたことがあるかもしれませんが、そのアカウントは「プライベートキー」と「パブリックキー」という2つの鍵と繋がっています。この場合、「プライベートキー」はあるデータを取り、印、またはサインをつけることができます。それにより、他の人が後に必要ならばそのサインを立証することができます。
例えば私が「マイケルがオリビアに3ビットコイン送る」というメッセージをネットワークに送りたい場合、私は自分のプライベートキーを使ってメッセージにサインをします。プライベートキーは私しかアクセスすることができませんし、他の人が真似をすることもできません。
それから、私はそのサインしたメッセージをビットコインネットワークへ送信すると、みなさんは私のパブリックキーを使って私の署名されたメッセージをチェックアウトすることができます。
そうすることにより、全てのビットコインの取引を記録している全ての人が、私の取引情報を、彼らのブロックチェーンのコピーに追加することができます。
言い換えるなら、もしパブリックキーが使えるならば、それが私のプライベートキーで署名されたメッセージであり、私が送信したいものであるという証拠になるのです。
手書きの署名やクレジットカード番号とは異なり、この身分証明は詐欺師によって偽物を作られることはありません。各取引における、「誰であるか」という部分が明らかに重要で、正しい人々がビットコインを交換しているのだということを確証しなければなりませんが、「いつ」という情報も重要です。
例えばあなたの銀行口座に千ドル入っているとしましょう。そしてそれぞれ千ドルのものを2つ購入しようとするとしましょう。銀行は1つ目の購入は許可しますが、2つ目の購入は認めません。
もし銀行がそうしないなら、あなたは同じ金額を何度も使えるようになってしまいます。そう考えるとすばらしく聞こえるかもしれませんが、同時に恐ろしくもあります。金融システムはそのようであってはなりません。なぜならそれでは誰も給料を支払われることがなくなってしまうからです。
もし私がオリビアかハンクどちらかに支払うお金しか持っていないにもかかわらず、2人両方に支払おうとした場合、ビットコインシステムにはチェックが埋め込まれています。ビットコインネットワークとあなたのウォレットの両方が自動的にあなたの前の取引をチェックして、そもそもあなたが送信するのに十分なビットコインを持っているかをチェックするのです。
しかし、タイミングに関しては他の問題が生じるかもしれません。なぜならたくさんの人たちが世界中でブロックチェーンのコピーを記録しているため、ネットワークに遅れが出る、つまり取り引きのリクエストを正しい順番で受け取れないかもしれないということです。つまりそこには少しづつ異なるブロックの塊を持つたくさんの人たちがいて、あなたはその中から選ばなければならないのです。
しかしその全てが、間違いだというわけではありません。そうですか、ビットコイン。この問題をどう解決するつもりですか?
問題を実際に解決することによって、です。数学問題です。チェーンに取引のブロックを加えるためには、出納簿を記録している人各自が暗号書記法ハッシュ関数により作られた数学問題を解かなければなりません。ハッシュ関数はどんなサイズでもインプットでき、アウトプットは特定のサイズでなければならないように変えることのできるアルゴリズムのことです。
例えば、あなたがインプットとしてこれらの数字を持っているとしましょう。
そして私たちのハッシュ関数はこれらの数字を全て足すようにと言います。ですからこの場合はアウトプットの数字が10となります。暗号書記法においてハッシュ関数がとても良い理由は、あなたがインプットを与えれば、とても簡単にアウトプットを見つけることができるという点です。
しかし、アウトプットを持ってオリジナルのインプットを推測するのはとても難しいことです。このとてもシンプルな例をとっても、足したら10になる数字の組み合わせはたくさんあります。インプットが1、2、3、4であったということを見つけるには、当たるまで推測し続けるしかありません。
ビットコインが使うハッシュ関数は「SHA256」と呼ばれ、そのアルファベットは「Secure Hash Algorithm256-bit」から取られています。これは元々アメリカ国家安全保障局により開発されました。開発されたコンピュータはSHA256ハッシュ関数を解くために特別に設計され、平均で約10分間でそれぞれの問題を解決できます。つまり、正しいものが見つかるまで膨大な数の推測を試すのです。
誰でもこのハッシュをはじめに解いた人が、ブロックチェーンに次の取引のブロックを追加することができ、それにより、解決されるべき新たな数学問題が生み出されます。もし何人もの人がほぼ同時にブロックを作ったとしたら、そのネットワークはその中の1つだけを選び築いていきます。そうすることにより、そのチェーンは長く、信頼できるものとなるのです。
そしてそれらのオルタナティブなチェーンの中にあるどんな取引も、後のブロックに追加されるためにとり置かれます。これらのボランティアたちは何千ドルもSHA256を解くために作られた特別なコンピュータのためにつぎ込み、そのマシンを動かすために膨大な電気代を支払っているのです。
いったいなぜでしょう? ブロックチェーンの維持をやめないのはなぜでしょう? これは本当にコミュニティサービスに過ぎないのでしょうか?
実はビットコインには報酬を受けられるシステムが埋め込まれているのです。今日あなたが1つのブロックをブロックチェーンに加えるというレースに勝つたび、12.5の新たなビットコインが生み出され、あなたの口座に入れられます。
実際、あなたもビットコイン出納記録係を「マイナー」という別名で聞いたことがあるかもしれません。なぜならブロックチェーンのアップデートを維持し続けるのはまるで、裕福になるためにハッシュ関数という岩をツルハシで砕いているようだからです。
ビットコインが2009年に初めて作り出された時、認知された価値はまったくありませんでした。何十ものビットコインの価値はペニーコインの塊と大して変わりませんでした。しかし2016年11月10日現在では、1ビットコインの価値は708アメリカドルもあるのです。
ですから12.5ビットコインの価値は8,850ドルもの価値があるのです。かなり良い額ですよね!
ビットコイン1つ1つはビットコインマイナーの報酬のために作られています。新しい取り引きのブロックを追加することによる大金の報酬の他にも、マイナーは、各取引ごとに出納記録者に対して払われる非常に少額のチップも支払われます。
それに興味深いのは、その価値は21万ブロックごとに新しいブロックが追加されるときにコインが生み出され、その報酬は半分になってしまいます。例えば、50ビットコインの報酬があったものが、25、次に12.5というように下がっていってしまうのです。数年後にはたったの6ビットコインほどしかなくなってしまうでしょうし、どんどん減ってきています。
結局はブロックに膨大な取引が繋がるので、マイナーたちの報酬のほとんどはチップでも充分になるでしょう。現段階でのプロジェクトは、最後のビットコイン、たぶん2,100万個目あたりでしょうが、2140年に掘り出されるというものです。このビットコインの減少は実際地球から金が掘り起こされるときのレートの雛形に基づいています。
ビットコインの供給の限界を維持するというアイデアは時間を追うごとにその価値を上げていくことができるのです。
では、ビットコインに投資するのはいいアイデアなのでしょうか? そのような質問はSciShowらしくありません。ビットコインはまだ不安定で試験的段階にあります。多くの人が気に入っている反面、多くの人が失敗するであろうと思っています。私たちはただこれが興味深いアイデアであると思っていますし、次に暗号書記法がなにをしてくれるのか、期待を持たせてくれると感じています。
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