CLOSE

TIME | 5 Artists in 5 Minutes | LittleArtTalks(全1記事)

目に見えない「時間」を芸術に 時の流れをアートにした5人の芸術家

「時間」は目に見えませんが、どんな人も感じている身近な存在です。また、学問の枠を超えてさまざまな分野で研究がされている概念でもあります。芸術の分野でも、時間はさまざまな表現の追求に用いられてきました。YouTubeのアート系チャンネル「Little Art Talks」。今回は時間にまつわる5人の芸術家をご紹介します。

時間に挑んだ芸術家たち

私たちは「時間」というものはとりわけ視覚的には捉えられないものと考えますが、時間という要素は私たちにとても重要なものなので、今回はちょうど5分で時間に関連したアーティストを紹介します。

タシータ・ディーンはイギリス人のアーティストで、主に映画で活躍した人です。映画「アマデウス」は16ミリ映画で漁船がフランスのブローニュ・シュル・メールから英仏海峡を渡ってディーンの育ったイギリスに向かいます。到着した港はかつては賑わっていたものの、今は閑散としています。私はこのアーティストが描く変化の描出が好きです。

このサイレント映画は徐々に夜明け前から早朝に移り変わり、同時に現代のフェリーの旅へと誘います。しかし、漁船上で繰り広げられる旅は実際には過去と現在を繋ぎ合わせるのにより時間がかかっています。

伝統的な映画のいいところは、その独特なフィルムの質が強調されており、居心地のよい自然な色合いによる絵画的な描出をもたらしているところで、この映画はその雰囲気と余韻で満ちています。

クリスチャン・マークレーはビジュアルアーティストであり作曲家です。24時間の単一チャネルモンタージュは何千もの映画やテレビの画像から作られました。映像の中で示される時計はどこにあっても地元の時間で表示され、時計の機能を示すように編集されました。

登場人物が深夜にバーに飲みに行き、明け方に寝て夢を見て、目を覚ましてはセックスをして、朝食を食べるなどの部分を切り抜き画像の編集がなされました。

映画の内容は真夜中に至るまで作りあげられ、その中で登場人物はより大慌てで乱暴に金切り声をあげます。真夜中にオールソン・ウェルズは誰も知らない時計台の上に連れて行かれ、大きな爆弾がビッグ・ベンの中に設置され、爆発し、データを是正します。

オラファー・エリアソンはデンマーク生まれの、アイスランドのアーティストであり、大規模な設備を使うことで知られています。奇妙な不確実性が天井から滴る水滴によって表され、暗い部屋の防水の床に落ちます。

その現象はたった一筋のストロボライトが照らされており、それにより時間が止まって水滴が極寒の空気中に満ちている様子を表現します。

フェリックス・ゴンザレス=トレスはアメリカのビジュアルアーティストです。

『perfect lovers』と名付けられた作品は1組の同一のストロボ時計が出てきて2つの時計は似た大きさとデザインの白い商業用の時計と置き換えられます。結果的に秒針と分針は展示中に次第にずれ、シンクロすることに対する理解を深めます。

もし、時計の1つが電池交換が必要なら、電池が切れると適宜交換されるでしょう。その時計は水色の壁にかけられました。この2つのシンクロした時計は、電池交換によってしだいに一致しなくなり、1991年に病気で亡くなった恋人のロスリー・コックに捧げられました。

愛するもの同士はいつか別れることは不可避であることの隠喩であり、またその語はその2人が出会った経緯を祝福し、いかに短い瞬間であってもその時が存在し、完全な結束であったことも祝福しています。

2002年にはカナダ人のアーティストでありデザイナーであるトビ・ウォンは永遠の恋人を創りました。それはまさにゴンザレス=トレスのアイコンの模倣のようでしたが、それはやや神秘的でした。その時計はアメリカの原子時計とシンクロしており、外線受信機で接続されていました。

両方とも何百万年もの時を秒単位で正確に刻みます。ゴンザレス=トレスの時計は意味深くて美しくなめらかな一方、ウォンの時計はそれにほぼ理想的で安定したロマンを付したのです。

言い伝えによると、数人の個人収集家の家に3つかかっており、ウォンとその内在するロマンスは自身がアーティストの信条としてベッドの壁にかけ、時間は永遠に正確に刻まれるのです。

続きを読むには会員登録
(無料)が必要です。

会員登録していただくと、すべての記事が制限なく閲覧でき、
著者フォローや記事の保存機能など、便利な機能がご利用いただけます。

無料会員登録

会員の方はこちら

この記事のスピーカー

同じログの記事

コミュニティ情報

Brand Topics

Brand Topics

  • 民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?

人気の記事

人気の記事

新着イベント

ログミーBusinessに
記事掲載しませんか?

イベント・インタビュー・対談 etc.

“編集しない編集”で、
スピーカーの「意図をそのまま」お届け!