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The Science of Sunbeams(全1記事)

自然の神秘「天使のはしご」の謎に迫る

「薄明光線」「天使のはしご」「ヤコブのはしご」「レンブラント光線」などさまざまな呼び方がある、雲間から差し込む光が光線のように見える現象。とくに曇りの日の夜明けや夕暮れ時によく見られます。しかし、湿気が多く埃っぽい時にはいつでも見える、というわけではありません。どんなに条件が揃っていても、太陽光を遮るなにかがないと、光の小道を見ることはできないのです。今回の「SciShow」では、この不思議な現象の謎について、科学的に解説していきます。

SNSでよく見る? 薄明光線

ハンク・グリーン氏:あなたの両親や友人、両親の友人なんかがよくSNSに投稿する写真を知っていますか? それは太陽が雲を光線で突き破っているかの様に見える写真に、一言添えたものではないでしょうか?

「薄明光線」と言われているその光の帯はとくに珍しいものではありません。多少曇っているなと思われる日に空を見上げると、とくに夜明けや夕暮れ時は、見える確率が高いでしょうから。その景色にひらめきの一言が描いてあるわけではないですけどね。

薄明光線は太陽の光がさまざまな物質を含んだ空気を通過する時に発生します。太陽光は常に空気中の物質を跳ね返して反射するのですが、どのように反射するかはなにを跳ね返しているかによります。例えば、大気中のニトロゲンを跳ね返すと、太陽光の青色の部分が反射されます。空が青いのはそのためです。

薄明光線は、埃や水のような、光の中の色を平均的に跳ね返す、大きな粒子に当たった時に起こります。光の色がすべて合わさると、白色光に見えます。薄明光線が白い光に見えるのはそのためです。

光が白く見えない時があるのは、光がぶつかる粒子の中に白色を形成するものがなかった時なのです。太陽光もそうですが、夕暮れ時に見える薄明光線がそれ以外の時に見えるものよりも赤く見えるのはそのためです。

薄明光線は大気中に湿気が多く、埃っぽい時にはいつでも見える、というわけではありません。どんなに条件が揃っていても、太陽光を遮るなにかがないと、光の小道を見ることはできないのです。光は平等にそこら中を跳ね回っていて、すべてを平等に照らしているかのように見えるだけなのです。

Facebookの写真に雲が多いのも、光の小道を見るのに必要なもの2つ、大気中の粒子と太陽光を部分的に遮るものを兼ね備えているのが雲だからなのでしょう。

雲は蒸気が密集してできたものですし、埃は太陽光を遮るにはうってつけです。雲の周りはほどよく埃と水分を保っていますので、雲の切れ目から光が突き抜ける際に光を反射させる物質をまき散らすのです。

しかし、雲がなくても大丈夫です。山やビルも薄明光線を造り出すことはできるのですから。夜明けや夕暮れ時のように、太陽が地平線上に見える時に、空という空からの薄明光線を目にすることができるでしょう。

すごいですよ。どんな薄明光線の場合でも、光が太陽から放射線状に広がっているかのように見えます。1ヵ所からたくさんの光線が出ているかのように。

なぜ放射線状に出ているように見えるのか?

あなたの背後、太陽とは正反対の方向に同時に表れる光は、反薄明光線と言われている光です。

それは、あたかも地平線に存在する見えない太陽から光が放射線状に出ているかのように見える光です。一体、なにが原因でそういった現象が起こるのでしょうか。その光線は平行している光なのでしょうか。それとも、太陽から降り注がれた光なのでしょうか? その両方が考えられます。

太陽は遠くに存在しますので、地球に光が到達する時、同じ方向からの光が射します。薄明光線を生み出す太陽光は、常に平行した光線として差し込みますので、事実上平行光線だと言えるのです。

光線が太陽から広がっているように見えるのは、遠くのものが小さく見える遠近感によるものです。線路が横に立って見てみると平行して見えるのに、路線の後ろから見てみると段々幅が狭まって見えるようなものです。

遠くから見る線路のように、太陽のすぐ側から発せられる薄明光線も幅が狭く見えるのです。あなたの頭上にフリ注ぐ光線は足下の小道のようなもので、平行に見えるのです。

反薄明光線も太陽光と同じ位遠く離れた所からの光線です。なので、薄明光線と同じく、太陽に近ければ近い程光線の帯の幅は狭まるのです。

薄明光線を宇宙から見てみたとしたら、平行に見える光線を目にすることができるでしょう! 私たちは、宇宙飛行士が薄明光線を宇宙で見たことから、太陽光線が平行だということを知っていますよね。

これが彼らの目にしたものです。

次に誰かがなにがしかの感銘を受けたであろう薄明光線の写真をSNSに載せているのを目にしたら、埃まみれのすばらしい光、だと賞賛することをお忘れなく!

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