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Why Are Paper Cuts So Painful?(全1記事)

紙で指を切るとめちゃくちゃ痛い科学的な理由

本を読んだり書類を扱ったりした時に指を紙で切ってしまった経験、ほとんどの方があるのではないでしょうか。傷自体はたいしたことがなくても、いつまでも痛むあの感じ。なぜあんな小さな傷があれほど痛く感じるのでしょうか? 実は、それにはいくつかの科学的な理由があるのです。今回の「SciShow」では、指とほかの部位の違いや紙の性質などから、指を紙で切ると痛い理由を解き明かします。

指は痛みを感じやすい部位

マイケル・アランダ氏:あなたは寝る前にベッドで本を読んでいます。今日はここまで、と思い本を閉じようとしたとき……。

いてっ! ページで指を切ってしまいました!

紙で切れてできた小さくて浅い傷が、とても痛いことには理由があります。

傷は普通、手の指にできます。足でページをめくったりはしませんからね。

ふだん使う体の部位を怪我すると、いつも以上に気をつかいますね。手を怪我した場合、脳は腕や足を怪我したときの10倍も意識を向けます。そして当然、意識を向けるということは、痛みも気にかかるということです。

さらに、指先はより痛みを感じやすい部位でもあります。身の回りのあらゆるものに触れるため、指先と手のひらには「侵害受容器」という、圧力や温度を感じる仕組みが備わっています。

紙で指を切ると、肌のもっとも外側である表皮にある侵害受容器がダイレクトに傷つけられます。その結果、神経の束が痛みを脳に伝えるのです。

さらに指先にある単位面積あたりの侵害受容器の数は、体のほかのどの部位よりも多いため、指先の傷は腕にできた傷よりはるかに痛みを感じます。

しかも紙は、指を切ってしまうほかの刃物などに比べてとてもギザギザしています。ナイフは切り口が綺麗でスパッと切れますが、紙は鈍く、ノコギリのように肌を切り裂いてしまいます。

さらに紙は目に見えないような破片や化学物質などを傷口に残していき、それが表皮の奥の真皮を刺激するのです。

また、肌を傷つけてはいますが、紙で切った傷は大抵血管までには届かず、出血や血液凝固もほとんどありません。それも痛みの原因です。あらわになった傷口を守るかさぶたができないため、なにをするにしても傷口に直接刺激が与えられてしまいます。

さらに手にできた傷はなかなか治りません。皿を洗ったり、ギターを弾いたり、荷物を持ったりと、傷口が開いたままでばい菌も入ってしまうと、治るのにさらに時間がかかります。

ちょっとの怪我だからたいしたことはない、と思っていた指先の切り傷が予想以上に痛むのは、こうした理由が重なり合っているからなんですね。

手と紙、最悪の組み合わせです。

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