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What are Scars?(全1記事)

身体に残る傷跡を消すことはできるのか?

昔の傷跡が体に残っているという人は少なくありません。この傷跡は体が怪我を治癒する過程で生まれるものですが、なぜあれほど目立ってしまうのでしょうか? 今回の「SciShow」では、傷跡のさまざまな種類とその特徴、そして治療法について解説します。

傷跡はなぜできるのか?

ハンク・グリーン氏:ほとんどの人は、体にちょっとした物語のある傷を持っています。なぜこんな奇妙な組織ができるのでしょう?

ご存知だと思いますが、傷跡が残るのは通常の治癒過程の一部です。例えば、膝に怪我をしたときは、体が傷を治すためにコラーゲンという構造タンパク質をたくさん生成します。

コラーゲンは結合組織のなかで体のどこにでも現れます。コラーゲンは肌を柔軟かつ強くしてくれるものです。

そして肌に怪我をしたときは、傷口をコラーゲンで埋めて、傷口の大きさや形などによって変化する新しい組織が作られていきます。

新しい組織のコラーゲンファイバーの構造は、普通の肌の組織の構造と違うので、傷が残るのです。

ですが、傷の形は治癒過程によって変わります。

もっとも普通の傷は、肥厚性瘢痕(はんこん)です。このような傷ではコラーゲンファイバーが赤く、肌から少し盛り上がったパターンの形になります。

時間が経つと、色が薄く、肌が滑らかになって、傷は消えていきます。しかし、まれに傷口に瘢痕組織が生成されすぎて、ケロイド瘢痕を作ることもあります。ケロイド瘢痕がかゆくて、痛くて、外科手術で除去しても再生することもあります。

萎縮性瘢痕は肌の下の脂肪組織などが怪我したときに(例えばひどいにきびや水痘の後に)生じます。肌の下にあったものがなくなったわけなので、肌が治るときに穴が残ります。

瘢痕拘縮は、火傷の後によく生じる瘢痕です。治る過程で傷が小さくなると、肌を引っ張って動きの邪魔になります。

さて、傷にはさまざまな形がありますが、どう対処したらいいのでしょうか。

ビタミンEオイルが入っているローションやクリームを塗ると瘢痕が薄くなると言う人もいますが、科学的な根拠はあまりありません。でも、いくつかの治療法があります。

例えば、コルチコステロイド注射が肥厚性瘢痕やケロイド瘢痕の炎症をおさめて、傷をより滑らかにしてくれます。また、瘢痕組織の血管にレーザーをあてることで、赤色を薄くすることができます。萎縮性瘢痕の場合は、皮膚充填剤の注入で平滑化することができます。

ただし、深刻な瘢痕の場合は、もっと強い治療法が必要になります。

シリコンシートやジェルで傷がある肌をカバーして、呼吸できるようにして、細菌から守り、瘢痕化を起こす過剰なコラーゲン生成を防ぎます。また、圧迫包帯が重度な瘢痕(例えば皮膚移植後)のときに役に立ちます。

この2つの治療には時間がかかるため、患者は傷を数ヵ月間カバーしなければなりません。

痛みや運動の邪魔になる瘢痕組織を外科的に除去することもありますが、これは最終手段です。

傷はどんな人にもありえるので、医者や科学者は今でも傷の影響を小さくし、目立ちにくくするために研究しています。

ただ、効果的な治療法が発明されるまでには、傷を自分の1つの部分として認めなければなりません。でも、傷はそれにまつわるストーリーや体の治癒力の証拠でもあるのですよ。

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