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ロマンティック数学俳句を詠んでみよう(全1記事)

17文字にロマンを込めて--知られざる「数学俳句」の世界

数学好きが集まり、数学への想いを語り合う、熱気あふれるイベント「ロマンティック数学ナイト」が8月19日に開催されました。数学のお兄さんこと横山明日希氏は、Twitter上で「数学俳句」を募り、集まったおよそ370句のなかから優秀作品を発表。17文字に込められた数学とロマンを紹介しました。

17文字にこめられた数学とロマン

横山明日希氏:みなさんこんばんは。すごいですね、みなさん、さすがですね。

ちょっと僕は、ゆっくり喋りたいと思っていますのでよろしくお願いいたします。

僕はですね、ロマンティック数学俳句を詠んでみようということで、みなさん、お気付きですか? (会場の)壁に実は、数学俳句が貼られておりました。

今日は、この17文字に込められた数学とロマンというのをお話させていただきたいと思っております。

簡単に、ちょっと自己紹介をさせていただければと思いますが、横山明日希と申します。明日に希望を持っていると、だいぶプレッシャーを感じている名前ですけども、自称数学のお兄さんで、もう早9年目ですね、活動させていただいております。

Webライターとか、いろいろとさせていただいています。キーワードとしては、ちょっとずれてしまっていますが、科学・数学を身近に、ということです。

どのようなことをさせてもらっているかというと、数学で短歌を詠んだりとか、数学で展示会したりとか、恋愛と数学を絡めたりとか、いろいろなものと数学を絡めてみようということをさせてもらったりしています。

これは、存在しない虚数を粘土で作ってみた。「存在する虚数」という作品です。

こんなことをさせていただいています。

今日は、こういったことをさせていただけたらと思っています。

みなさん、「17」ってなんですか? 

(会場から「素数」の声)

はい、ありがとうございます。素数ですが、今日は、短歌の文字数として使わせていただきます。

「819」、こちらは、今日(イベント開催日)ですけども、今日俳句の日です。実はこのロマンティック数学ナイトのためにですね、ロマンティック数学俳句コンテスト、これを開催させていただきまして、Twitter上でおよそ370句集まりました。

その俳句の一部を、みなさんにロマンを感じていただきながら、ご紹介させていただければと思っておりますので、ぜひ楽しみながら聞いていただけたらと思っております。

数学者たちが俳句に登場

どんどんいきます。ロマン×数学×俳句ということで、いくつか章に分けさせていただきました。

まずは、数学者編です。人のネタだけを使うのはよくないと思いまして、私もいくつか俳句を詠ませていただきまして、ところどころ箸休め程度にいれさせていただいております。

ご存知ですか、この2人。リーマンとペレルマン、その通りでございます。彼らはすごいロマンを作ってくださいました。

「数学のロマン リーマン ペレルマン(作者:横山)」と、完全に韻を踏むだけの短歌でございます。

(会場笑)

一応、関係性はあります。リーマン多様体の安全性定理というのをペレルマンが実は証明していたみたいなのもあったりしますが、実は繋がっている。これもロマンだよねみたいな狙いで書かせてもらっています。

このような感じで進めていきたいと思います。意外と今のところ、数学的な性質があるよね、というところで、次こちら。ラマヌジャンについて俳句詠んでいただいた方、いらっしゃいました。

「ラマヌジャン 立方の和で 書けるじゃん!(作者:みつます)」 。

(会場笑)

1の3乗と、12の3乗と表すこともできますし、9の3乗たす10の3乗で表すこともできる、すごいじゃんと。

どんどん行きたいと思います。

「俳句では 字足らずだろう フェルマーよ(作者:コロちゃんぬ)」 。

もうあんな余白がないと言っていたフェルマーが17文字の俳句を書けるはずがないというところになっておりますね。数学者編でも数学の俳句を詠んでいただきました。ロマンを感じますね。

恋心も数学にたとえられる?

まぁ、ロマンと言えば、これを忘れてはいけないと。「愛ですよ」と。恋心編を進めていきたいと思います。まずは僕が自分で傷つきますね。「自明である」。こちらについて詠ませていただきました。

「愛してる 自明と言わず 声にして」と。ちょっと心当たりのある方は、お帰りになられた後、愛してるよと、言ってあげてください。自明だと言わず、伝えてあげてください。そんな感じでちょっと進めていただきたいと思っています。

続いては、このような2本の直線のグラフを想像されながら詠まれた俳句がございました。

「交われど 傾き変えねば 離れてく(作者:kazuya)」

(会場拍手)

出会うだけではだめだと、そこからその人に合わせて道を変えていかなければ離れてしまうと、まるで僕のことを言っているような感じだと最近思ってはいますが、どんどん進めます。

続いてです。「ちょっと式の答えは違ってはいますが、公式の違う答えが間違っているかもしれないですが、こういうシチュエーションってどういうシチュエーションだっけ」というお話です。

「途中式 とばしていいよ 夏の恋(作者:y0k0t0m0)」 。

夏だから、とばしていいよね、と。ただ、とばすと答えを間違うよと、そういった俳句でございます。

(会場拍手)

季語は入らなくても、記号は入る

いいですね、いいですね。

どんどん続けていきますね。数学俳句の難点、難しいところは季語です。いやいやみなさん、季語は入れられないかもしれないけど、数学俳句、記号は入ります!

(会場拍手)

最後、記号を入れた俳句を3つ、紹介いたします。

先ほどの i がでてきました。どんな感じの俳句が詠まれたのでしょう。

「曖昧な アイを形に 複素数(作者:なちゅ)」と。

愛もアイも見えません、ということですね。

このような俳句や、こちら。

「カッコつけ 先になんでも やるあなた(作者:かしくらゆう)」と。 括弧をつけています、先に計算をやってしまうということでございます。

最後、みなさん大好きな点Pですね。

(会場笑)

みなさん、点P大好きだと思います。

そしてみなさん、ロマンティックなことが大好きだと思いますが、さぁどうなるかという話です。こちらの俳句ですね。

「点Pと ロマンティックは 止まらない(作者:y0k0t0m0)」。

(会場笑)

ということでございます。ありがとうございます。

今日はちょっと簡単にご紹介させていただくかたちなんですけども最後にちょっとお伝えしたいことがありまして数学を語るには17文字では余白が少なすぎる、とは言い切れないんじゃないかなということが、みなさんに伝わればいいのかなと思っています。

このような感じで、数学を数学だけではなくて俳句や短歌とか、いろんなかたちで数学を感じてもらえたらいいなと、そういった活動を私、させていただいております。

今日も少しでも楽しいなと思ってもらえたら私は嬉しい限りでございます。

というところで、お話を終わらせていただきます。ありがとうございました。

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