2024.10.10
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Who Melted the Earth?(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:以前、火山にまつわるエピソードを投稿しましたが、その中で私は嘘をついてしまいました。高校の先生から聞いた話をそのままみなさんにお伝えした結果、実はそれが間違いだったということがわかったのです。
事実を確認せずに投稿してしまったことをお詫びします。思い違いというものは、このようにして広まっていくんですね。この動画サイトでは、このような間違いがおこらないよう気を付けているのですが、今回のケースは失態でした。
以前、私は「地球の熱は地球の圧縮によってもたらされた」と言いました。
この間違いは、次の理論に基づいたものでした。気体を圧縮すると熱が発生します。このエネルギーが気体の分子中に蓄積されると、気体分子はさらに活発化して結果的にさらなる熱が発生します。
この理論を実演したものがこちらです。 筒の中の空気を高速ピストンによって圧縮し続けると……。
やがて……ボンッ! 熱が発生して、中のコットンに火がつきます。
納得ですよね。でもこの理論でマントルを溶かすことはできません。
確かに気体は圧縮されることによって熱を発します。しかし地球は気体からできているのではありません。固体と液体によって成り立っているのです。それらはほんのわずかしか圧縮しないのに加えて、この圧縮は太古の昔におこりました。
その圧縮させた重力は、今の地球ではもはや働いていません。ところが、地球の大半の熱は、実はその重力によってもたらされたのです。
地球は形成される前、小惑星が帯状に集まったものでした。
時間の経過とともにこれらの小惑星は集まって巨大なまとまりとなり、これがさらに周りの小惑星を飲み込んでいきました。このプロセスはすさまじいもので、地球に引き付けられてその一部となった小惑星のひとつひとつから莫大なエネルギーが放たれました。互いに衝突や摩擦を繰り返すことによって発せられたエネルギーが、地球を溶かして液化させたのです。
地球はドロドロの溶岩の塊となりました。地球をはじめすべての惑星が球状なのは、無重力下では液体は球状になるからです。
驚くべきことに、45億年経った今でもその時に生じた熱が残っています。もちろん(かつて液状だった)地球は冷却して美しい地殻となりましたが、その時の熱の大半は今でも残っているのです。
このほかにも、地球にとって重要な熱源が2つ存在します。1つは、重い物体が重力によって地球の中心部に向かって移動するときに発生する莫大な摩擦熱です。この移動は今現在はおさまっているように見えますが、地球が構成された初期の段階では、主要な熱源となっていました。
そして最後に、今なお地球を熱する主要な熱源となっているのが、放射性崩壊です。アイソトープの中でも「放射性」と呼ばれる構成の不安定なものにはタイムリミットがあり、その時間を超えると崩壊してほかのアイソトープや元素に変化します。
このプロセスにおいて、放射性アイソトープはエネルギーを放出します。熱の大半は、ウラン、トリウム、カリウムからもたらされますが、地球の熱量のうちどれほどの量がこれらの物質から放出されているのかは明らかになっていません。
今のところ、地球の熱の50パーセントがこれらの放射性崩壊によってもたらされ、残りが地球形成時に放出されたエネルギーの名残ではないか、というのがもっとも有力な説です。
40テラワットの熱量が地球から放出されているのに対して、放射性崩壊によって地球にもたらされる熱量は20から30テラワットですから、地球は少しずつ冷えていっているといえるでしょう。
しかし地球に蓄えられた熱は莫大で、しかも地殻が見事な断熱機能の層となっているため、地球の大部分にはマグマが存在し、今なお非常に熱い状態を保っています。私たちも時折この熱を利用して電力をつくりだしています。
というわけで、(地球の熱は)圧力とはなんら関係ありません!
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