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「仕事は増えたのにファンは減った…」キンコン西野が振り返る、芸人時代の失敗体験

キングコング西野亮廣氏と絵本作家のぶみ氏によるニコ生チャンネル「会議を見せるテレビ第18回」。今回は、西野氏が過去のライブやテレビ出演における失敗体験を語りました。

70点のネタでウケてもファンは増えない

絵本作家のぶみ氏(以下、のぶみ):(今までの話で)すごいわかるのが、僕も講演会でやっぱり次の絵本を読みたいんですよ。ラフの状態の、まだ読み聞かせてないやつとかやりたいんですよ。

西野亮廣氏(以下、西野):はいはい。

のぶみ:そうしないと、自分がドキドキしないから。

西野:あー、わかる!

のぶみ:やってて「なんだこれ……」って。

西野:はいはい、終わった後すごい楽しくない。

のぶみ:「俺、知ってるよ」みたいな。

西野:そうそう、「これぐらいウケるのも知ってるよ」なんですよ。もうこの反応、他所で見たし。

「いきなりこんなにしゃべってすごい!」みたいに思ってるかもしれないけれども、ほかでもうウケたやつを下ろして、「どうだ!」ってやってるみたいな感じ……なんかぜんぜんおもしろくないなって思って。

山口トンボ氏(以下、トンボ):(笑)。

のぶみ:そうなんですよ。

西野:しかも、終わった後がおもしろくないんですよ。

トンボ:まあね~。

構成作家・山口トンボの落語体験

西野:そこなんです。もう安パイのネタやってドーッてウケて、「どうもありがとうございました!」って終わった後の打ち上げの、「やったな!」みたいな感じが一切なくて。僕は1回やっちゃったことがあって。トンボがちっちゃい小屋で落語をやったときがあったでしょ?

トンボ:ありましたね。

のぶみ:えー! マジで?

トンボ:2回ぐらいやってます。

のぶみ:そうなんだ。

西野:そんときにいいなと思ったのが、トンボがやっぱり一番ビビってたんですよ。開演前すごいビビってて、「むちゃくちゃ緊張する」って言って。

のぶみ:普通緊張するよね!

トンボ:しますします(笑)。

西野:本番もうまくいったところもあれば、うまくいかなかったところもあったんですよ。やっぱ緊張するし、初めてだし。だけれども、最終的にはバーンってウケて終わったんですよ。その後の打ち上げのこいつの表情がよかったー! いい顔してた!

のぶみ:通り抜けたからな(笑)。

トンボ:もうやり切ったから。

のぶみ:なるわ、それはなるわ!

西野:もうなんか、ホームランも空振りも全部やって、「僕はやることはやったんだ」って。

のぶみ:もういい酒だ!

西野:そう、いい酒だったんです! それに比べてそんときの僕ときたら……なんかこう、2塁打みたいなの打って。

のぶみ:うんうん、わかる、わかるわ。

西野:それで、「なんておもしろくない男なんだ」って思ったんですよ。それに比べて、恐怖とか不安から解放されたときのこいつの顔。

トンボ:(笑)。

西野:キラキラ、もう卵みたいやった。

トンボ:卵みたいでしたか(笑)。

西野:卵みたいにもう真っ白で。

のぶみ氏が号泣した子供のひと言

のぶみ:たぶん西野さんが、「俺、こういうふうにやりたかった」って思ってたからというのもあったんだろうね。

西野:はいはいはい。

のぶみ:「トンボみたいなことしたかったなあ」っていうのがあったからキラキラ見えた。

西野:いや、そうなんすよ。

のぶみ:そういうことだろうな。

西野:そうなんですよ。

のぶみ:この前、僕なんて(お客さんが)600人いて、テレビがバーッて来てんのに、画面が映んないし、「これどうすんの? どうやってしゃべっていくの?」って。

そんで「画面映んないですよね」っていうのをちょっと話題にしたりして、もうギリギリでやっていくんですよ。どうなるかわかんない。プルプルプルプル震えてるし。

「うわー、プルプル震えてる~」とか言って、みんなバーッて笑ったりして。もう必死にやって、「僕はすごく大事なときなんです」って言って、最後に子供たちが「とりあえず、こいつ一生懸命やってるから見よう」みたいな感じの雰囲気になって……。

最後に終わって、「今日はすいませんでした! 31日にリベンジさせてください」「でも、すごい幸せでした」って言って終わって。それで子供が「点数つけてあげよっか?」って言って、大阪の子が「100点」って言ってくれて(笑)。

西野&トンボ:あーー!

のぶみ:ボロボロボロって。

トンボ:それ泣けるなあ!

のぶみ:「もう俺、ダメだー」って思ったから。

トンボ:それ、めっちゃ泣けますね。

のぶみ:「なんて実力がないんだ……」って思ってたから、得意だと思ってた『うんこちゃん』もうまくいかないし(笑)。「もうダメだー」って思ったときに、「100点。いや、それ以上かな」って言われたときにもう。

トンボ:すごい、泣けるなあ。

のぶみ:「のぶみさん握手して」って言われたから、めっちゃうれしくって。

西野:いや、100点っすもん。

のぶみ:だからもう、もがいてるほうが。来てた人は、後から聞くと、確かに見づらかったんだけど、「のぶみさん、めっちゃ頑張ってたじゃんか」って。

西野:はいはいはい。

のぶみ:そんで、最後までやり切るっていう。途中でやめないで、投げ出さないでやったから、「そこがおもしろかった」と言って。

西野:いや、わかります。

のぶみ:それは、子供にも親にも、おばあちゃんにも伝わる。

ファンが求めるのは大ピンチのライブ感

トンボ:ドキュメンタリーの感動があるんでしょうね。

西野:ある! もしかしたら話は違うかもしれないですけれども、テレビの最初1年目、2年目の頃って、アンケート書いて、きっちり提出して。

のぶみ:その話もしてたもんなあ。

西野:それで「このエピソードをしゃべります」みたいなのをやって、やったら70点取るけれども。やっぱりえらいもんで、70点取ったから仕事は増えたんですよ。だけれども、ファン減ったんすよねー。

のぶみ:あー。

トンボ:うわー。

西野:ファンが本当に減って、応援してくれる人がぜんぜんいなくて。「あれ?」って思って、「おれ、むっちゃ頑張ってんのに」みたいな。

のぶみ:ドキドキしないからか? 見てて。

西野:たぶんそうだと思う。しかも、梶原のドジエピソードをバンバンしゃべって、ボンボンウケてて、「これはすごいぞ、評価されるぞ!」と思ったら、確かにウケたけれど、ファンが増えないみたいな。「おもしろい」って言われなかったんですよ。

のぶみ:例えば千原ジュニアさんは、構成作家さんたちにやらせるというのがあって、みんな千原さんをちょっと慌てさせようとしてるんですよね。

それで、同じエピソードを「30秒で話して」「15秒で話して」とか言ったりするんですよ。あれはたぶん、千原さんがいつもテレビで自分で考えてるトークをきっちり話す人だから。

西野:はいはい。

のぶみ:だから、構成作家さんの人たちは、慌てさせようと思って頑張ったんだろうな。ドキドキしてんのを、ライブで見たいんだよね。

西野:とくにね、ライブなのにできあがったものを持ってきて、「どう? おれの腕前」みたいな。「何してんの? その場でやれよ!」とか思ったんですよ、お客さんとの。「その場でやっちゃえ!」って。

トンボ:なるほどね。

のぶみ:僕が言うのもなんだけど、今日の最後のテーマは大ピンチじゃないですかね(笑)。

西野:大ピンチ、いいっすよね。

トンボ:まあでも、そうかもしれないですよね。だから(独演会の)18日の日に何をするか決めるということなのかもしれない。

西野:それ、いいよね。

のぶみ:大ピンチなのに、リハーサルも……。

西野:明日何するか、マジでなんも決まってないみたいな。

のぶみ:なんか、いろいろ起こるんじゃない? ハプニング(笑)。西野さんが知らないハプニングが何個も何個も(笑)。

西野:やっぱいいっすわ、もう。

のぶみ:そんときに、対応するんじゃないですか(笑)。

西野:もう生き様で笑わしたい! 酔っ払ってるみたいなこと言っちゃって、すいませんね。

トンボ:もう、本当にそうなって。

西野:生き様がいい!

トンボ:今日はとくに2時間ずっと居酒屋みたいな(笑)。

西野:生き様! 「あいつ、イッてるな!」みたいな。

トンボ:まあ西野さんなんて、本当にそうなりましたよね。

西野:生き様! 生き様芸人です。

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