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How to Make Pokémon GO?(全1記事)

『ポケモンGO』はどうやって作られた? 現実とゲームの融合を実現した技術

世界中でリリースされており、日本でも社会現象になっている『ポケモンGO』。しかし一方で、歩きスマホの危険性が指摘されており、JRや大手私鉄などがポケモンの出現停止を求めたり、消費者庁が安全対策を要請したりといった動きもニュースになっています。『ポケモンGO』は、街中に現れるポケモンをモンスターボールでゲットすることができ、“ポケモンジム”でのほかのプレーヤーとの対戦や、街中に存在する“ポケストップ”でのアイテム入手などが可能。鉄道会社や消費者庁が動くほどの騒ぎになっている理由は、これらがすべて現実世界と連動しているためなのです。開発元のNiantic(ナイアンティック)社は過去に『Ingress(イングレス)』という位置情報ゲームも開発しており、そのデータがポケモンGOにも流用されています。今回の「SciShow」では、そんな『ポケモンGO』に使われている3つの技術を紹介します。

『ポケモンGO』のしくみをおさらい

ハンク・グリーン氏:最近、こんな光景を見たことはありませんか?

携帯をみながら道を歩いていると、立ち止まって辺りを見渡し、引き返す人たち。もしくは突然立ち止まって、携帯画面を無理やりスワイプしようとして、コーヒーを落としてしまう人たちです。

もしそんな光景を見たとしたら、それは『ポケモンGO』をプレイしている人たちを目撃したということです。おそらく、僕みたいな人間の1人を見たということですね。

まだこのゲームにはまっていない人に説明すると、このゲームに夢中になる大きな理由は、できるだけ多くのポケモンを捕まえようとするためです。

もしポケモンを少しでも知っていたら、この言葉がすべてだとご存知でしょう。まさに文字通り、「ポケモンゲットだぜ!」というわけです。

ポケモンはいろんな場所に現れ、モンスターボールを投げると、そのポケモンをキャッチすることができます。そして、ボールのようなアイテムが手に入る“ポケストップ”という場所もあるのです。

またプレーヤーは、“ポケモンジム”と呼ばれる特別な場所を奪うために、ほかのプレーヤーと対戦することもできます。

しかしこれらのキャラクター、場所、私が述べた目的だけが、ゲームの特性というわけではありません。

人々がいろんな場所で、街灯に向かって歩いたり、歩道でコーヒーをこぼしたりしている理由は、現実の世界で先ほど述べたプレイができるからなのです。つまりこのゲームの世界は、今あなたがいる場所だということになるのです!

では『ポケモンGO』を、現実世界でGOさせているものはなんなのでしょうか?

GPSと『イングレス』のデータでゲームと現実世界を重ねる

具体的に言うと、開発者たちはゲームのキャラクターと現実世界の物体を統一するために、少なくとも3つの技術を独特の方法でつなげました。

最初の技術は、グローバル・ポジショニング・システム(GPS)です。ゲームのほとんどは、プレーヤーの場所がベースとなっています。ですから、ゲームはGPSを使ってプレーヤーを追い続けているのです。

地球を周回する24機の衛星と連動させたこのシステムは、携帯内の受信機を使うことでプレーヤーの場所を正確に示します。衛星は常に信号を発信し、正確な場所を送信しているのです。

そして携帯内の受信機は、プレーヤーの一番近くにいる衛星からの信号を拾い、その衛星と比較して、場所を計算して出すのです。

ゲームはプレーヤーの場所を追跡するのにこの情報を使用しています。捕まえられるポケモンがプレーヤーの近くにいるのか調べるために知る必要があるのです。

そう、これが、このゲームがあなたの場所を知っている理由なのです。

しかし地上では、ポケステップやポケモンジムを見つけられる場所を測定する、別の技術が存在します。これはデータ解析の結果なのですが、世界中のあらゆる町や都市のほとんどの地理データベースを解析しています。

そして開発者たちは、実際にこの作業のほとんどを数年前に行っていました。『Ingress(イングレス)』という別のゲームのプログラミングをしていた時です。

イングレスもまた、ポータルという特別な場所を軸にして展開するゲームで、ポータルはそもそも実際の歴史的建造物にありました。

そのため開発者たちは、世界中の歴史的建造物のデータベースを構築しなければならず、その後もすべての建造物をより分け、ポータルの場所に変換させるプログラムを書かなくてはいけませんでした。

そしてしばらくの間は、イングレスのプレーヤーたちも新しいポータルになるような場所を提案することができました。結果、ポケモンGOのプログラムを書くタイミングが来た時、もっとも人気だったポータルの場所、つまり一番プレーヤーたちが使っていた場所がポケモンジムになり、人気がない場所がポケストップになったのです。

しかし、おそらくニュースで聞いたことがあるかもしれませんが、これにはいくつかの問題がありました。使用しているデータベースが常に更新されていなかったのが理由です。

たとえば、マサチューセッツの家族の家がジムになってしまったのはそのためです。その家はかつて教会で、イングレスのポータルになっていた建造物だったのです。

ポケモンが現実に存在するように見せるAR技術

そして3つ目の技術は、ほぼ間違いなく、このゲームをさらにすばらしくさせているもの。コンピューター生成された情報を現実環境に加える時に使う、拡張現実、またの名をARです。

これはVR(仮想現実)とは違います。VRは、HTC ViveやOculus Rift(オキュラス・リフト)などのヘッドマウントディスプレイを使うことで体験できます。これらの装置は、完全に現実環境とシミュレーションを取り替えることを意図しているものです。

しかし拡張現実は、すでに存在しているものをベースに築いています。ARは今でもかなり新しい技術ですが、ポケモンGOの開発者たちはゲームプレイと現実世界を統合するための方法を編み出しました。

たとえばポケモンを捕まえに外に出た時、携帯のカメラが起動します。ゲームはプレーヤーの周囲の場所を解析するためにカメラを使います。そして画面の中に見える周囲にポケモンの画像を出すのです。

前後ではなく、少し横へ動くぐらいなら、ゲームコンピューターは補正するので、あなたの周囲内の同じ場所にポケモンが表示され続けます。

ですから、もし木の根元にオニスズメを見つけたら、たとえ木から目をそらして、また目線を戻しても、オニスズメはずっとそこにいるのです!

それは、それはまるで現実に存在しているようであり、あなたの携帯はポケットモンスターたちが住む魔法の国へとつながる扉なのです。

またポケモンジムでの戦いでも、ポケモンがまるで地上にいて隣で戦っているように見える拡張現実を使っています。位置追尾、データ解析、拡張現実は、現実の世界でポケモンの後を追いかけさせてくれるスペシャルコンビネーションなのです。

それでは、よろしければ退出してもいいですか? さっき、うちの近所でシャワーズを見つけたので、行かなきゃいけないんです。

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