2024.10.10
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田中圭一氏(以下、田中):じゃあ、セブ山さんと、谷沢川コウさんの「コミPo!」を使って名作漫画」ってやつですね。そちらをまず披露していただけないかなと思うんですけども。まずは、セブ山さんのほうで作ったものが。
セブ山氏(以下、セブ山):そうなんです。ただ、今日僕は本当に別にコミPo!をめちゃくちゃ使ってるユーザーというわけじゃないのに呼ばれたんですよ。まずは、僕が作った4コマを見ていただきたいんですけども。
田中:じゃあ、見せてください。
ダ・ヴィンチ・恐山氏(以下、恐山):部外者の作った(笑)。
セブ山:もう仲間だからね。これ、ふだん僕がやってることなんですけど。
(会場笑)
たぶん「セブ山って誰なんだ、どんなやつなんだ」っていうのが一番よくわかると思うんですけれども。
田中:オモコロでよく見る?
セブ山:セーター1枚で冬を乗り切ろうというので。僕がこうセーターを着て。お金がないから服を。
谷沢川コウ氏(以下、谷沢川):モザイクなしですから。
セブ山:セーターを逆向きに着ると、こうなって暖かいよっていうのを、普段オモコロというサイトで。
(会場笑)
田中:よく幼稚園上がるくらいの子供がやってるやつですよね、本当に。
セブ山:こういうことをやってるんですけど。これをね、じゃあどういう名作にしてくれるんだと、送ったんですよ。
谷沢川:はい、いただきました。『キングダム』知ってる人?
(会場挙手)
ああ~、みなさん6~7割方知ってますね~。『キングダム』は名作ですわ。
セブ山:知らない人のためにも説明すると……何でしたっけ?
谷沢川:三国志の前の、項羽と劉邦より前の、始皇帝の時代の戦いを描いた戦国ものですね。戦記ものといいますか、ヒーローアクションものですわ。バトルがすごい。何万体と戦ってる、英雄がいっぱい出てくる話ですよ。これを……。
セブ山:これやります? めちゃくちゃなこと言ってるでしょ。これを『キングダム』風にやるっていうのは。
僕はちょっと素人の目ではわからないんで、教えてもらっていいですか? どういう独特のコマ割りか。
谷沢川:独特のコマ割りの説明は、セブ山さんの漫画に変えたときに話しますから。これは戦ってるわけですよね。
戦ってる最中。この一騎打ちが、今こういう戦いの中でやりますよっていう話なんですね。バーンって。これもう一番前半の盛り上がりですわ。
これ何巻だっけ、今? 21巻ですね。今40巻まで出てますから。ちょうど中盤の盛り上がりですね。廉頗 (れんぱ)将軍と戦ってるところです。廉頗将軍の四天王である輪虎 (りんこ)と信 (しん)が戦ってるところですね。もう一番盛り上がる。
このシチュエーションを……もうパンパンいきましょう、セブ山さんと合体したら。
取り囲まれてるシーン。
セブ山:「バババ」。ぐはぁ。
谷沢川:次のページは。
恐山:なんでダメージ受けてる?
谷沢川:「ガギ、ギギギギギィー」。
セブ山:ふざけてんのか。
(会場笑)
谷沢川:何かと戦ってる。なんかわからないけど緊張感溢れてる。
セブ山:これどうなんですかね、これは。どうですか。
田中:『キングダム』ぽいですよね。
セブ山:ぽいですね。
田中:もう口のアップとかで完全にキングダムじゃない。
セブ山:なるほど。あ、そういうことですか。
谷沢川:そうそう。
田中:おそらく『ヤングジャンプ』に載ってても、みんな気が付かないよ。
セブ山:気が付くでしょう(笑)。
谷沢川:気がつかないと思う。
しかもね、目線がやっぱぜんぜん留まんないんですね。スムーズなんですよ、流れが。流れが綺麗。やっぱり左上の2つのコマあるじゃないですか。
セブ山:なるほどね。「人が周りにいて、あ、見られてるんだ」っていう説明が。
谷沢川:ちなみにすごいのは、ポイントは、セブ山さんのセーター持った姿があるじゃないですか。あれ、足がなかったの。
田中:1コマ目ですよね。
谷沢川:足、加えました。
田中:追加してるんだ(笑)。
セブ山:なんか変な(笑)。
田中:気持ちわる〜、これ。
恐山:進撃の巨人にこういうの出てますよね。
谷沢川:しかもね、バージョン3で出てきたパースつけるやつ。あれで立たしてるわけです。立たして周りにいるから、なんとなく立体的に見えるっていうね。
田中:ニーハイなのかなーとかね。
谷沢川:真ん中のコマは流れだからいらないっすよ。だから、意味がなくていい。
田中:何かが起きてる。
セブ山:「着てる」感じをこうバーって表してくれてるんですね。
谷沢川:実際、着てるかどうかわかんないわけですよ。わかんなくてもいいんです。次のページへ流れるコマだから。
セブ山:これやっぱ進撃の巨人じゃないですか、やっぱり。
谷沢川:なんか戦ってるじゃないですか。
田中:進撃の巨人的な魅力も、もう包括してるってこと。だから単行本にしたら『キングダム』と『進撃の巨人』の倍ぐらい売れるわけ。両方のファンがついて。
谷沢川:しかもね、こうするだけで対決シーンに見えるんですよ。
セブ山:確かに。
田中:上のコマちょっとモンハンっぽい感じしない?
谷沢川:狩られる側ですからね。序盤で狩られる側ですよ。
恐山:理性がないですもんね。
谷沢川:そうそう、顔が理性ないもん。
セブ山:なるほどね。
谷沢川:「ギ、ギ、ギ、ギ」っていうのあるじゃないですか。この「ギ、ギ、ギ、ギ」。このコマを飛び出してるこの「ギ」がいいんですよねー。あとここの血ね。この血。口から出てる。これがまた大事ですね。
ちなみに、コミPo!使ってる人はわかると思うんですけれども、ちっちゃい丸ってつかみづらいんですよ。だからどうしたかって言うと、実は丸じゃないんです。句点「。」なんです。
田中:ああ~。テキストデータ?
谷沢川:テキストボックスは必ずつかめるんですよ。だからこれもね「U」ですから。
田中:「U」?
谷沢川:汗じゃないから。「U」だから。これは使いやすい。
田中:これ「U」?
谷沢川:うん。これ「U」です。これはすごい使いやすいですよ。
田中:これが飛んでるだけでものすごい緊迫した感じが……。
谷沢川:出ますよね。一瞬時が止まった気がするんですよ。だから、空中に埃とか塵が止まっていることによって、パッと気づいて「あれ、何?」っていう。「何、あの人?」ってなるんですよ。
田中:止まって、止まって、次のコマで躍動感ですね。
谷沢川:躍動感あるんですよ。『キングダム』のスピード感ですよ、これが。これ誰でも使えますからね。絵がなくても大丈夫っていう。あと血しぶきね。これ大事。
田中:だから、皆さんあれですよ。コミPo!持っている方も当然多いと思うので、ちょっとセーター用意して、今日の夜。
(会場笑)
谷沢川:セーターを用意してもらって。
セブ山:いや、セーターじゃなくて「コマ割り」の話でしょ。
恐山:むしろ、その「セーター」が事態をややこしくしてる(笑)。
セブ山:まさにそうですね。
谷沢川:どんな素材でも『キングダム』になりますから。『キングダム』にね。大丈夫。
セブ山:なるほどな~。これはもう僕の負けですね。『キングダム』になった。
谷沢川:いや、恐縮ですね。
田中:コマ割り論を熱く語る、この柿崎さんならではのこの……。
セブ山:小回り、そのね、もう「丸」をやってるっていうのも、こだわりまで言われちゃうともう僕の負けですね。
谷沢川:あとね、何がキングダムの……。まあ、いいや。長いからいいや。
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