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ニコ生岡田斗司夫ゼミ3月13日号「ブラック企業も裸足で逃げ出す!ブラック家庭の海洋堂創業史!!」対談宮脇修一(全5記事)

調子がいいときは年6回ボーナス!? 黒光り企業・海洋堂の社長が語る、零細企業論

オタキングこと岡田斗司夫氏がおくるニコニコ生放送「ニコ生岡田斗司夫ゼミ」。今回は海洋堂の宮脇修一社長(通称:センム)をゲストに大人のオタクトークをお届けします。北朝鮮のテポドンが沖縄に落ちているジオラマをリクエストする岡田氏。「いっしょに左翼フィギュアも作ったらええやないですか」といったゴリ推しに思わず苦笑いする宮脇氏。また、今後の情勢に備えて、戦争や兵器に関して事前知識を持つことの重要性についても語り合いました。

岡田氏がテポドンのジオラマをリクエスト

岡田斗司夫氏(以下、岡田):ということでですね、今日はセンムのほうにちょっといくつか聞いてみようと思って、今日は企画を持ってまいりました。

宮脇修一氏(以下、宮脇):何ですか? 今日の企画。 

岡田:「こんなことやったらどうでしょうか?」っていう。

宮脇:おもしろそうな。

岡田:あのね、戦車とか戦闘機とか、海洋堂がやるやないですか。

宮脇:はいはい。

岡田:現用兵器も、最近けっこうやりますよね。

宮脇:やってきました。

岡田:いっそのこと、「もうすぐ北朝鮮がテポドン落とすんちゃうか?」とか言うやないですか。あれやれへんのですか?

宮脇:あー。

岡田:あの、沖縄にテポドンが落ちたジオラマとかですね。

宮脇:はいはい、あー。

岡田:はいはいはい。

宮脇:テポドンはおもしろいねんけど、テポドンってなんかかっこわるいというか、いまいち……。

岡田:形自体はかっこわるいんですけども、今すでにあるフィギュアを、「日本を狙う悪の国家」っていうようなタイトルにしてっていう。いわゆる、なんでしょうかね、炎上商法的な商品企画って、マジな話、ないんですかね?

宮脇:炎上商法は、最初から考えるのはええねんけど、僕らわりとそこはね、オタクの正しい心としては、例えば、もっともっと。海洋堂ってけっこう右翼的なところがあって、大砲買ったりとか、日頃から言動も、それこそ首領さんのポーズ取ったりとかしてはりますけど。

わりと海洋堂、それを例える場合が、うちまだお父ちゃん現役やし、息子も独裁国家やし、自分でも独裁者であることは、独裁国家であることは標榜してますから。

わりとリアルに、例えば自衛隊の戦車にしろ、さっきのスカッドのもとになる、そういうものをリアルに作って、みんなにちゃんとしたそれをね、教育してあげようと。つまりは、テポドンはこういうもんだよっていうのが、リアルに。

だいたいほら、ああいう事件が起こると、軍事評論家とどっかで作ったちゃちなおもちゃが、発泡スチロールで作ったのが、テレビのこのへんにズラッと並んで。

政治家さんもそうやけど、模型にするのはリアルにわかりやすいじゃないですか。口先でスペック説明するよりも、ああいういろんな、「ロケットはここ分かれてましてね」とか、大きなジオラマ作って、たしかに岡田さんが今言うたような……。

叩かれたら商売しにくくなる

岡田:海洋堂がやってる自衛隊の戦車も、「自衛隊の戦車です」っていう売り方もあるんやけど、「もうすぐ中国が攻めてくる。日本の防衛は10式戦車に任せた!」っていうパッケージも可能でしょ?

宮脇:ああ、なるほど。

岡田:商品がまったく同じでも、パッケージを、なんでしょうね、右翼的にすることは可能やと思うんですよ(笑)。

で、それのほうがおもしろいんちゃうかなというか。たぶん5年前の海洋堂は、いわゆるコンビニで広くみんなに愛される、これからのなんか、なんて言えばいいんでしょうかね、日本のコンテンツ産業の要の1つが海洋堂やったんですけども。

岡田:もうこんなセンムの稼働フィギュアを出すようになってしまってはですね、「なんでもありやないか」と思うんですよ(笑)。

宮脇:たしかになんでもありやけど、あまりね、生に政治持ち込んでくると、グワーッてこっちは評価するけど、叩かれるとですね。最近、海洋堂さんも、だいぶ商売だけで考えると、「それをやるとなかなか利益にはつながらんなあ」というのもあって。叩かれたら、いろんなとこで扱ってくれんなるわけですよ。

岡田:じゃあ、左翼フィギュアも作ったらええやないですか。「『絶対戦争はやめて!』と花を10式戦車の前に出したんやけど、轢かれる少女」っていうジオラマを出して(笑)。

宮脇:あの中国の天安門事件……。

岡田:戦争反対のえぐいフィギュアと、「中国いてまえ!」っていうえぐいフィギュアの2種類を、赤と白バージョンで両方出して、「どっちが多いかが本当の民意です」と。

宮脇:(笑)。

岡田:海洋堂は判断しません! 海洋堂は民意を問います!(笑)

宮脇:いやあ(笑)。

岡田:我ながら、口だけはうまい(笑)。

もう1回、戦争インフレを起こすしかない?

宮脇:民意というか、たしかにそれをクレバーな形にして、今言うたんやったら、大きく言うんではないけど、言うたら「北はこんなん持ってます」「中国は今、兵器はこんなんありますよ」「ロシアなんか、プーチンさん、こんな変な……」。

まあ言うても、あとあとの話になるんでしょうけど、どの道ね、また戦争きっと起こるやん。

岡田:(笑)。

宮脇:岡田さんがいっつも、大阪の番組で言ってるけど、あれ見れば見るほどロシアも中東もなんでも、結局これを、ぶっちゃけた話、こんだけ景気が、いろんな外国も悪なったら、もう1回、戦争インフレを起こすしかないわけですわ。どっかで起こりますやん。

岡田:だって、みんなもう、ほしい商品がなくて、お金の投資場所がなくてっていう状況が2年ぐらい続いてるから、たぶん戦争しかブレイクスルーないのは、政治家の人らも経済の人らもわかってるんやけど。

だからといって「戦争起こそう」とは言われへんから、「中国や北朝鮮、けしからん!」ということで雰囲気だけ作ってるわけですよね(笑)。

宮脇:まあ、ほっといてもロシアなり、中国なりが、もう行き先はそれしかないわけやから。結局はどっかでガス抜き的なもので、それなりに大きな戦争って起きるのはもうしゃあないわなってのは、今までの歴史見てても。

これはわりと歴史見てたら、どっかで、第一次も第二次も、みんな世界大戦って言うたところで、そんな気もなくいきなり始まって、ドカーンドカーンなんねんから。まあ、なるんちゃいます?

そしたら、そういうこと以前の問題で、まあリセットされると。今度はどういう仕事すんのがええのかわからんへんねんけど、それまでに一応僕らのほうは学習しとくと。ほら、僕らが賢くて、岡田さんがいつも求められる意見としては、例えばミサイルの性能であったり、ヘリコプターがどうであるとか。

知ってる僕らがほら、何も知らん連中が平和語る前に、まずは兵器がどういうものかとか、いったい10式戦車って何人乗りやねんと、で、何発、弾を積めて、どれだけの戦闘力があるのか、わかったうえで戦争語らんと。

「何も知らんバカどもが、何、戦争語ってんねん、おまえら!」って。いつもね、テレビで見てるおっちゃんら見てたら、もうちょっとは兵器なりなんなりの、経済的なものとか、どれだけお金かかるとか。

最近は『艦これ』のワンフェスでも、兄ちゃんら、お姉ちゃんとしゃべってて、「あ、そうか」と思うことがあって。航空母艦来ますやん。で、戦艦大和に3500、3600人乗って沖縄行くわけですよ。

航空母艦が日本に来たら、5000人以上乗ってるわけでしょ。毎日あの人らがご飯食べたら、1日で1万5000食のご飯がいるわけやないですか。ご飯の置くスペース、どれだけ必要って。

大和でいったら、特攻するときに「大和飯」っておにぎりを1人に3つ渡すだけでも、超巨大な、何トンのお釜かな、大和の中にすごいでかい施設があるわけですね。

岡田:炊飯器があるわけですね。

宮脇:そういう経済のこととか考えていって、どうやって日本が南進していくのか、石油を止められて戦争したわけですけど、そういういろんなことを考えていくとですよ、もう第二次世界大戦の起こった理由であろうが、これから起こるもんであろうが、戦争経済とかそういうの見とかんことには。

だから、そういうのを教えていくのに、「君に戦争を教えてあげるよ」という、教育的商品。それも、右も左も真ん中も全部入って、「平和になりたいんか!」とか、「戦争したいんか!」とか、「どうやねん!」っていうのは。

岡田:(笑)。じゃあ、パッケージありやの? 「平和になりたいんか! 海洋堂の戦車買え」「戦争したいんか! 海洋堂の戦車買え」っていう(笑)。

宮脇:とりあえずは、そういったものを知ろうやということですよ。

岡田:とりあえずものを知ろうや、それはええですよね。

宮脇:それをリアルに言うと、なんや「右や!」とか「左や!」とか言われるんで。それを僕らはわりとクレバーにしたいですな。

海洋堂は黒光り企業?

岡田:じゃあ、ものは出すんやけど、解釈の仕方っていうのは、あくまで消費者とか、遊び方は子供に任せるみたいなもんでやっとけへんかったら、海洋堂に色がついてまう。色がついてまうのは、あんまりよろしくない。

宮脇:色まではつけず、持ちながらも、そこまで言うたら、僕らはまだ、言うても僕なんか模型屋さんだから。

岡田:もう、すぐ中小企業ぶるんやから!

宮脇:当たり前やん!

岡田:(笑)

宮脇:言っとくけど、僕らは零細企業で。だから、いつも「センム」と呼ばしてるし、海洋堂から40人ぐらいしか、もうこれ以上、絶対増やせへんのですよ。さっき岡田さんが言ったブラックどころか、僕らはスーパーメタリックグレー企業やから。

岡田:(笑)。

宮脇:ガンメタル企業ですからね。銀色も混ぜて、ツヤがピカピカなブラックなんですよ。

岡田:黒光りしてる。

宮脇:40人ぐらいやったら、内乱ももう起こさせへんぞっていうことになるので。

岡田:もう起こさせへんぞって、なにがあったん、センム(笑)。

宮脇:いろいろあったんすよ(笑)。それも普通の会社に戻そうと思うなんて、そんな。独裁主義を貫くために、小さく。

岡田:みんなコメントで「黒光り企業」と呼んでますよ(笑)。

宮脇:黒光り企業、かっこいいですね。ブラックよりも。

岡田:そんじょそこらのとは違う。散々ブラック、擦り切れるぐらいやったから黒光りしてまっせっていう。

宮脇:今でも、日曜日も土曜日もずっと来てやってる奴らが、うちにも何人もおるわけですよ。そういうのは、お盆も正月もなしで。零細企業で。普通の野菜屋さんも……。

岡田:(コメントにて)「ええぞ、センム!」っていうのが、だんだん増えてきましたよ(笑)。

宮脇:すばらしいですね。だってほら、自営業の人ら、そんなこと言うてられへんやん。普通の企業、ここで見てる人、おるかもわからんけど、お家が酒屋であろうが、模型屋であろうが、お餅屋であろうが、ケーキ屋……。家が仕事やってたら、ねえ、そんなん。労働基準もくそもないやん。

岡田:労働基準もくそもなかったですね(笑)。

宮脇:家庭内企業で僕らやってるもんですから、だから海洋堂は……。

岡田:僕も「宿題やるより、内職やれ」って言われましたから(笑)。

宮脇:やっぱやってました?

岡田:やってました(笑)。

宮脇:社長の子やのに。

岡田:いや、社長の子っていうのは、つまり、一番働かなあかんっていうことやから。指の指紋がなくなるまで、おれ、ノリ塗ってました(笑)。

宮脇:ですよね。

岡田:フェルトの裏にノリ塗って、アップリケ貼って。おれが貼ったものが、なんかね、3週間ぐらいしたらね、あびこ道商店街で売ってるんですよ。

宮脇:なるほど。

岡田:ちょっと感動するんですよね(笑)。

宮脇:今回も『フィギュア王』かなんかの雑誌で、1966年の僕が小学校5年生のときの、海洋堂がサンダーバードを路面で売ってるときに、あのとき、僕は小学校5年生やったんやけど、一生懸命、一番よう働いて、チラシを1日3000枚ぐらい配ってましたから。その頃から働いてますからね。

岡田:いくつのとき?

宮脇:小学5年生。

岡田:小学5年。

宮脇:もう、『じゃりン子チエ』以上に働いてましたからね。

岡田:そんときに、どういうふうに親を見てたんですか?

宮脇:いや、親もなにも。僕ら毎日ワクワクですから。いろんな作戦考えるから。今回、枚方公園、……東京でいったら、としまえんみたいな遊園地で、イベントやるぞとか、毎日イベントやったから。

岡田:普通の親子の話と違って、なんでしょう、模型テロリストの話聞いてるみたいですね(笑)。模型テロリスト一家の話。

宮脇:たしかにテロリストみたいなものでしたから。だから、海洋堂っていうのは模型屋さんでもちっちゃな模型屋さんやったけど、知名度だけは当時から、40年前、50年前から、名前だけは鳴り響いていたというのが。例えは悪いけど、テロリスト集団っていうのが、一番。

岡田:そうやって子供も使ってたような家庭が海洋堂のベースなので、うちはブラック家庭やったと。

調子がいいときは年6回ボーナス!?

宮脇:そうそう。ブラック家庭からブラック企業になっただけ、まだええやないかと。ブラック家庭の頃は、海洋堂でバイトした奴らに飯食わすだけで、金も払ってへんかったと。

それが、調子ええときは年間6回も8回もボーナス出すようになったから、なんの文句があるんや、というえげつない主張を今、お届けしております(笑)。

宮脇:そうですよ。食玩ブームのときなんかね、ほんとに6回ボーナスが出て、とんでもない年収をみんな。

岡田:あの当時の海洋堂のパーティーめちゃくちゃおもしろくて、いろんなコンビニの人が来て、センムが全部ね、そのコンビニの人の役職と名前を覚えてて。

例えば、「あ、セブンイレブンは関西方面の本部長が来た」、それに対して「ファミリーマートは全国の取次ぎの人が来た」みたいなもんで、「そうか、ファミマはうちに対してそれぐらいか。で、セブイレはこれくらいやってくれるんか」っていうのを、パーティーで紹介しながら、いちいち言うっていう(笑)。

「セブイレさんはうちにようしてくれますね」って、ファミマもおるところで言うっていうえげつないパーティーで、おれあんな怖いの知らんわって思って(笑)。

宮脇:うちも、だから、そういう意味では、死の商人だから。今でもそうやけど、ローソンも、言うたらすべての、セブイレもファミリーマートもサンクスも、ありとあらゆる全コンビニとお付き合いするし、お酒もなにもかも、ほんと全部のところと付き合ってます。

そういう意味では死の商人をやり続けてきたわけですよね。出版社も、小学館も講談社も、どこでもここでも、おまけも付録もなんでも付けるし。だからそれだけ、やるときはやるけど、あかんときはぜんぜんあかんのが、零細企業のええところでございます。

岡田:また、そういうところで、すぐに零細企業(笑)。あのね、調子がええときはガーッと言うて、調子悪なると「うち零細企業」って言うのが、ブラック企業のやり口ですから(笑)。

宮脇:そうですよ。調子ええときでも、うちは「永遠に零細企業でおります」って言うとかんと。

岡田:ええ、ぼちぼちですね、限定放送のほうにいきますんでですね、じゃあ、なんやろ、内紛があったりとかですね、あとは独裁のメリット、デメリット。

今日はちょっと政治っぽい話してるってこともないんですけども、独裁体制でやることのメリットとかデメリットに関しても、ちょっとお話をうかがっていきたいと思います。

では、限定放送に切り替えてください。

宮脇:帝国主義万歳!

有料会員放送に続く)

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