2024.10.10
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Why do some noises make you cringe? (全1記事)
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ハンク・グリーン氏:誰にでもそれぞれ好きな音楽のテイストがありますよね。誰かが車で大音量でかけている曲は、時には私にとってはコンピューターが殴り合っているように聞こえたりします。
逆に、私が選んだ落ち着いた曲はお客さんにつかまった時のような感じがするでしょうね。
でも私たちの音楽のテイストがどんなに違っていようと、いくつかの音についてはみんなが同じように感じると思います。名付けて「最悪で、虫唾が走るような、耳を覆いたくなるような、うんざりする音」。黒板に爪を立てる音、とかね。
口に出しただけでゾッとさせられます。こういった音がなぜ多くの人間にとって不愉快なのかには科学的な理由があるのです。人間の耳というのはある特定の音域に関してとても敏感。その敏感さがどこから来るのかについては、いまだに議論されています。
1986年に、脳神経学者のグループが、ほかの多くの研究者たちのように、不快なことを被験者たちに行うことで、人間の音への反応についての真相を探ろうとしました。
研究者たちは、24人の被験者に対して16種類の音を聴かせ、どのくらい不快だと思ったのかをランク付けさせました。被験者の人数がすごく多いというわけではないですが、16種類の音はきちんとランク付けされました。
例えば、フォークでお皿をひっかくとか、ブレーキをキーキーいわせる、といった不快な音にはある共通点があることがわかりました。
そういう音には2,000~5,000ヘルツの周波数の範囲があって、私たち人間の耳は特に敏感に反応するのです。
研究者たちは、その問題に対してなにか進化に関わる説明ができるのではないかと考えました。そして、こういった音を極度にストレスを感じているマカク属の猿の鳴き声と比較してみたのです。
その結果、研究者たちは、その鳴き声と不快なひっかき音の間には似た部分があることを発見しました。また、私たちが不快な音を嫌がるのは、遠い祖先が持っていた反射行動の名残ではないかと考えました。
仲間の叫び声は危険を察知する助けになったのではないかとも考えられます。でもそれを証明するのは難しいでしょう。
さらに、2004年の研究では、ワタボウシタマリンという猿を対象にした不快な音の実験が行われ、動物は嫌な音にも一般的な音にも同じような反応をするということが発見されました。
私たちがある特定の音を嫌がるのは、昔の名残による特質ではないのかもしれません。少なくとも、ワタボウシタマリンと同じような感覚があるということですね。きっと私たちは、爪で黒板をひっかくイメージを覚えていたり、自分の爪でひっかくことを想像して、それが恐怖を呼び起こすのでしょう。私にもそれがよく分かります。
繰り返しになりますが、今、私が話したのはある研究結果に過ぎません。もしかしたらマカク属の猿やほかの種類では違う結果が出るかもしれません。でも、私たちの音への反応に進化による根拠があってもなくても、人間は一般的にそういった不快な音に対してとても敏感だと言えるでしょう。
私たちの脳がどうやって一見無害なキーキー音を頭が痛くなるような不快な音に変えてしまうのかについては、ほかにもいくつか異なる理論があります。
2012年にニューキャッスル大学で行われた研究では、不快な音がどのように人間の脳に影響を与えるのかを、実際に脳を観察することで調査しています。この研究では16人の被験者に対して、流水音からナイフをガラスにひっかく音まで74種類の異なる音を聴かせて、彼らに心地よいと感じる音から不快だと感じる音まで、それぞれにランクを付けさせる実験を行いました。
もう一度繰り返しますが、一番最悪な音は嫌な音域の核の中にランク付けされましたが、攻撃的な音がどこにランク付けされたのかという点よりももっと興味深いのは、そういった音が人間の脳になにをしたのかという点です。
MRIの手助けにより、研究者は脳のどの部分がより不快な音に反応しているのかを調査することができました。そして、音声を処理する聴覚皮質と怒りや恐怖といった感情を含む扁桃体の間には強い関係性があることが発見されたのです。
つまり、私たちが不快に感じる音を聴いた時、扁桃体が聴覚皮質の反応に影響を与えることは可能です。そして、それはより私たちをセンシティブにし、ネガティブな感情を起こさせることにつながります。
基本的に、黒板を爪でひっかくような嫌なキーキー音は人間の扁桃体を支配するのです。突然、脳の聴覚皮質がその嫌な音を、なにかもっと落ち着いた、水の流れる音ややわらかい拍手の音よりずっと強く処理し始めるんですね。
ほかの研究者は、人間の耳の生体構造はある特定の周波数を増幅させ、現実に肉体に痛みを与えるまでになるので、不快な音というのは最悪なんだろうと考えました。
たくさんの異なる可能性があって、私たちがなぜそういった音を心から嫌に感じるのかという疑問に対する絶対的な答えはきっと得られないでしょう。でも黒板を使っているすべての教師たちに言いたい。ぜひ、気をつけてくれ、とね。
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