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The Evolution of Getting Punched in the Face(全1記事)

我々の顔は殴り合いの喧嘩によって進化した

SciShowのパーソナリティ、ハンク・グリーン氏が最新の新学説3つを紹介していきます。まず最初に紹介する学説は「人類はパンチを受けられる顔に進化してきた」というもの。我々の祖先であるネアンデルタール人やホモ・エレクトスはにぎりこぶしを作りやすい手を発達させました。そして彼らは殴り合いの喧嘩で、パンチを受けられる顔の造形に発達させたのです。その他にも、統合失調症や鳥インフルエンザ関する実験結果について紹介していきます。

我々はパンチを受けられる顔に進化してきた

ハンク・グリーン氏:もしあなたがまさにこんなことを思わせる奴を知っていたら、

ああ……彼はパンチするのに適した顔を持っている……あなたは何かに勘づいているのかもしれない。

なぜなら、ぼくたちの祖先のうちの何人かが、現在人類学者たちが考える2つのとても重要な進化的変化を経験したこととおそらく関係しているからなんだ。

4〜500万年前、人類の共通の祖先であり、絶滅したネアンデルタール人やホモ・エレクトスを親戚に持つアウストラロピテクスは、にぎりこぶしを作りやすい手を発達させた。そして彼らはパンチを受けられる顔を発達させたんだ。

生体起源に関するジャーナルの今週のレポートによると、これは偶然じゃなかった。それどころか、生物学者のデイヴィッド・キャリアーと医師のマイケル・モーガンは、人間とその最近親者独特の丈夫で平たい顔の特徴は一種の防衛強化として発達したという説をうち出したんだ。

長い間人類学者たちは、ヒト亜科の顔は、とくに木の実のような噛みにくい食べ物を食べる顎(あご)の力をつけるために発達したと信じていた。

しかし歯の証拠から、ぼくたちの初期の祖先はほとんど果物を食べていたことがわかったんだ。そしてキャリアーとモーガンは、けんかのときにもっともよく砕ける骨が、長い時間をかけて厚く、強く、頑丈になってきたのと同じ骨だったことを発見した。

とくに顎、頬(ほほ)、そして目の周りを形成する骨だね。彼らはまた、これらの変化は女性よりもよりけんかを行なう男性に目立つものだったことも指摘した。

しかしね、この件に関するすべてにおいてぼくの言うことを信じていいから、大きなバーへ乗り込んで行って自分の顔がどう壊れるかを見てみるのはやめてくれよ。

統合失調症に関する実験結果

別のニュースでは、セント・ジュード小児研究病院が、統合失調症のもっとも顕著でかつ消耗させる症状の1つである声の起源を明らかにした。

統合失調症にかかっているのは世界の人口の1パーセントで、あまりよく理解されていないんだ。その治療は多くの人々の症状をコントロールするのに役立つけど、そのほとんどがどうやって、あるいはなぜ機能しているのかわからないんだ。

何十年もの間、DRD2として知られるドーパミン受容体と結合することによって声として現れる幻聴を、抗精神病薬が抑えると思われてきた。

それらの受容体と結合することが、科学的なドーパミンの活動をブロックするんだ。でもどうしてそれが何かの助けになるんだろうか。ぼくたちはだれもわからなかった。

ところが化学の今週号で、幻聴という現象は、脳がドーパミンを放出する方法に影響する遺伝性疾患に関連するかもしれないと研究者たちが言っている。その疾患は基本的に22番目の染色体の一部を欠損させ、その患者は25の異なる遺伝子に関して2つでなく1つのコピーを持つことになる。

そしてこの遺伝子疾患を持つ人々の30パーセントが統合失調症を発症するんだ。

この欠損した遺伝子を持つネズミと持たないネズミの最初の研究によって、チームは、欠損した遺伝子のうちの1つが、聴覚視床におけるタンパク質の生成を調節する分子を作る指示情報を持っていることを発見した。

それが、実際に処理される前にすべての聴覚情報が通過する脳の部分なんだ。しかしその遺伝子が欠けている患者は、脳のその部分が少し弱い神経信号を出す。脳はその信号を強くしようとしてより多くのドーパミンを出すことで反応する。

そして、ドラッグや依存症に関する回を見たことがある人はわかると思うけど、脳はドーパミン浸けになり始めると、あらゆる種類のおかしなことが起こりはじめるんだ。

研究者たちは、統合失調症の人とそうでない人、合わせて22名の被験者から取った脳組織のサンプルも研究し、ネズミだけでなく人間にも同じ聴覚の変化が起こることを確認した。この幻聴に関する新たな見解が、最ももどかしく、消耗させる状態の薬を取り扱う方法を医者が見つける手助けになるといいね。

鳥インフルエンザはスペイン風邪に近い

そして今週の最後に、びっくりしないでほしいんだけど、鳥インフルエンザがぼくたちが思ってたよりずっとスペイン風邪に近いってことがわかったんだよ。

そう、1918年に5,000万人を死に追いやったあのスペイン風邪、かつて記録された中では最も破壊的な病気の発生だったね。

今週発行されたCell Host&Microbe誌の研究で、ウィスコンシン大学のウイルス学者である河岡義裕は、鳥インフルエンザの現代の株はスペイン風邪とほんのいくつかのアミノ酸の違いしかないことを示したんだ。

ウイルスというのは基本的にはタンパク質に包まれたDNAの小片で、そのタンパク質の構成がどのようにしてそれらが機能するかを決定するものなんだ。現代の鳥インフルエンザは人間に効率よく広がることができないんだ、とても感謝すべきことだね。

河岡とそのチームは、どういうわけかぼくたちにその免疫システムがよく似ているフェレットの間でまたたく間に広がることが可能であったインフルエンザにかかっている赤ちゃんの、現在循環している8つの株を使ってウイルスを作った。

河岡は、いくつかの重要なタンパク質に7つのアミノ酸を追加するだけでこれを行なうことができたんだ。野生のウイルスがこれらのアミノ酸をなんとか自力で発達させてきたってことが、最悪のニュースだろうね。そしてウイルスは進化するのがとても得意なんだ。

河岡は彼独自のほ乳類に感染するウイルスを作った後、できれば箱に入った大きなビルの中にある箱の中にある箱の中に閉じ込めておいて、さらなるインフルエンザのワクチンと抗ウイルス薬の研究を必要としたんだ。それは我々人類ができる限りの最大の努力だよね!

そうこうしているうちに、巨大なプラスチックの泡の中で暮らすって選択肢ができたら、きみたちはちょっと調べてみたいって思うかもしれないね。

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