2024.10.10
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How to Break the Internet(全1記事)
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ハンク・グリーン氏:人類の知識を取り入れたマシンとつながることができる、巨大なネットワーク。私たちはそれを「インターネット」と呼んでいます。私たちは現在、このインターネットへ依存するようになってきています。
インターネットにはセキュリティ上の問題があり、それによって使えなくなる可能性が潜んでいます。みなさんは気づかなかったかもしれませんが、2014年に「グローバルルーティングテーブル」が問題となり、広い範囲でインターネットサービスが使えなくなっていたのです。
このグローバルルーティングテーブルとは、インターネット上でのマップを指しています。インターネットに接続された機器にはそれぞれアドレスが割り当てられていて、ユーザーがインターネットを利用するとき、アドレス間でデータを送受信する必要があります。
そのデータを正しく届けるためには、指示が必要となります。指示は、すべてのルータのグローバルルーティングテーブルに格納され、各ルータはデータのパケットをひとつのネットワークから別のネットワークへとリダイレクトするとき、このグローバルルーティングテーブルを利用します。
問題はルータのメモリの容量が限られていることにあります。旧型のルータはインターネット・マップに51万2000件のエントリを格納するようにしか設計されておらず、それよりも多くなってしまうと問題が生じます。
2014年8月、ルーティングテーブルに登録された経路数は51万2000件を超えました。その時点で「メモリ・オーバーロード」を記録した旧式のルータは動作を停止してしまい、インターネットが使えなくなりました。
この問題を回避するために割り当てるメモリを増やし、より多くのエントリをルーティングテーブルに格納できるようにしました。しかし、容量は約100万経路まで増加しただけで、数年間の猶予しかありません。この修正をするのに時間がかかってしまい、そのあいだ、多くの人がインターネットへのアクセスができなくなっていました。
ただ、ルーティングテーブルのオーバーロードは、事前に予測して対処ができる方法で、インターネットが使えなくなる可能性はまだ他にもあります。そのうちのひとつは信じがたいほど単純なケーブルの切断です。
ここで言うケーブルとは各家庭に引かれたケーブルのことではありません。もっとも君の家のケーブルを切断すれば、君の家のインターネットは壊れたことになるだろうけど。
そうではなく、僕が言っているのは、大陸間でインターネットを繋いでいる、海底に伸びる巨大な「ファイバーケーブル」のことです。
現在のケーブルは昔ほど脆いものではなく、ファイバーケーブルが浅いところにある地域では、サメよけの対策もされていて、ファイバーケーブルを切断するのはかなり難しくなっています。 そう、インターネットにはサメよけが必要なのです。
ある地域では、ファイバーケーブルが深いところに設置されているため、点検などでケーブルに触れる必要があるとき、特殊な船を使ってケーブルを地上に引っ張り上げなくてはいけません。その作業がケーブルの故障の問題になることもあります。
2013年には、ケーブルのうちの1本が数週間のうちに2度も故障してしまいました。その影響で、イギリスではインターネットの速度が約8分の1まで落ちてしまったのです。
さらに同じ2013年に、エジプトのアレキサンドリアにサービスを提供しているケーブルを故意に切断しようとした3人が逮捕されています。
ただし、世界全体で設置されているケーブル数は数百本あるので、長いあいだインターネットを使えない状態にするには、もっと多くのケーブルを切断することが必要でしょう。しかし、私たちがどれだけ念入りに計画しても、制御しきれないことが存在します。
太陽にはフレアというものがあり、そこから大量の高エネルギー放射線を出して、地球の磁性を歪めています。
太陽フレアから発生する太陽風には、送電網などのインフラで重要な部分を一掃してしまうほどの威力があります。電気がなくなれば、インターネットも存在しません。
太陽フレアから発生する太陽風がそのような問題を引き起こす可能性は低いですが、前回、地球が太陽風に見舞われたのは1859年のことでした。当時、電気は今ほど重要性がなかったので、太陽風が電報の一部を破壊こそしましたが、大した問題にはなりませんでした。
ところが2012年、太陽が膨大な量のフレアを放出していたのです。もしそれが地球に直撃していたら、深刻なダメージを受けていたでしょう。ですが幸運にも、太陽フレアは別の方向に向かってくれました。
つまり、ルーティングテーブルに関しての予測できない問題や、ケーブルの破損、きわめて強い太陽フレアが来なければ、インターネットは今後も無事に存続することでしょう。
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