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人生の“やりたい”を“できる”に変えるお金の教養(全3記事)

老後資金はいくら必要? 人生を狂わせないために今、身につけておくべきこと

老後の資金はどれくらい必要になるのか。「1ヶ月の生活費×12ヶ月×老後年数」という簡易的な計算式を使って、平均的な生活費をもとに導き出した総額は6,000万円超。これは、今30歳とすると、これから毎月13万円以上を貯金し続けないと貯めることができない金額です。「お金の教養スクール」を運営するエフピーウーマンが「Girls Be Conscious 2016~ お金の教養フェスティバル for woman ~」を開催。同講座でも講師を務める藤川里絵氏がこれからの時代を生きるうえで必要とされる「お金の教養」について話しました。本パートでは、老後資金、資産運用、収入アップ、寄付の法則について解説を行います。

老後資金はいくら必要?

藤川里絵氏:では、次に参りましょう。老後資金の法則です。みなさん、老後は必ず迎えることになるんです。老後資金がいくらくらい必要かって、いろんな数字を耳にすると思います。5,000万円、6,000万円、1億円必要なんて聞くかもしれません。

今日はせっかくなので、みなさんの老後資金がどのくらい必要かというのを簡易的に計算したいと思います。スマホでも携帯でもいいです。計算できる物をお持ちでしたら出してください。

この式はどうやって出すかというと、本当に簡易的です。「1ヶ月の生活費×12ヶ月×老後年数」ですね。1ヶ月の生活費っていうのはみなさんが老後どこに住んでいるのか、持ち家なのか賃貸なのかとか、それによっていろいろ変わってくるかと思います。

1つの目安として、これは生命保険文化センターというところのデータですが、夫婦2人でだいたい月24万くらいかかるというデータがあります。これを目安に、もし1人だったらとか、自分だったらとか夫婦だったらどれくらいっていうのを1つ決めてください。

老後年数ですけど、これも何歳まで生きるか、何歳までお仕事するのかで変わってきます。今だいたい65歳で定年退職なので、65歳から老後と考えて、何歳まで生きるかってことなんですけれど。今、日本女性の平均寿命って長いです。86歳なんですね。なので、仮に86歳まで生きるとしたら、86引く65で老後が21年間あると思ってください。

これを計算してほしいんですね。みなさんの1ヶ月の生活費×12ヶ月の生活費×老後の年数です。

毎月13万円を貯め続けなければいけない

因みにこの計算式で計算すると、老後は6,048万円必要になります。これは都市のマンションを買える値段ですね。けっこう必要になります。じゃあ、この6,048万円を今から貯めていくのに、毎月どれくらい貯金しなきゃいけないかを計算してみましょう。

みなさん、これは今、ご自分の計算で出た数字を使ってください。老後までの毎月の貯金額ですね。これは必要な金額。ここでは6,408万円割る、65歳から今の年齢を引いてください。例えば、もしみなさんが30歳だとしたら、65引く30ですね。それ割る12です。

今計算してみてください。「必要な金額÷(65—今の年齢)÷12」ですね。

出てきましたか? 因みにこれで計算すると、毎月13万4000円を貯めなきゃいけない。35年間、毎月1回も休まず、月13万4000円を貯金すると。これけっこうハードル高いと思います。

これは老後の資金なので、これ以外に教育費がかかったり、もしかしたらご両親の介護の費用がかかったり。それは別なんですね。それを除いて、毎月13万4000円を貯めるってなると、かなり大変だと思います。

じゃあ、どうするかということなんですね。ここであまりにも数字が大きすぎて、もう無理、考えたくないって放置しちゃうと、これはもしかしたら大変なことになるかもしれません。なので、なんらかの対策を立てなきゃいけないんですね。

確か、去年の6月に、藤田孝典さんの『下流老人』っていう本が流行って、話題になりました。この本のなかで藤田さんがどのようなことをおっしゃっているかと言うと、「このままでいくと日本人の9割の人が貧困化する」と。「老後貧困、老後破産に陥る可能性がある」とおっしゃっているんですね。

賢く資産運用をして老後に備える

なので、早い内からなんらかの対策を立てなきゃいけません。どうするかって言うと、それがこちらです。資産運用の法則です。投資をすることをみなさん視野に入れてください。この資産運用の法則っていうのはこちらです。

分散、集中、分散って書いています。これは分散投資、それから集中投資、また分散投資に戻るっていう、投資の順番なんですね。一般的におそらく投資をするってなったら、「分散投資をしましょう」と本に書いてあると思うんです。

分散投資はもちろん間違いではないです。なんのために分散するかと言うと、リスクを分散するためなんですね。ですが、リスクを分散するっていうことは、当然リターンも分散されます。なので、資産運用の効率はそれほどよくないってことになるんですね。

もし、みなさんがなにか得意な分野を見つけたら、そこに人生のなかの一時は集中投資をすることを考えたらいいと思います。人生のなかの一時で集中投資することで、大きく資産を増やす。そしてその後、今度は分散投資をする。これは守りの分散投資ですね。増やしたお金を減らさないために分散投資をする。この順番で考えていくといいと思います。

実際に私もそういうふうにやっています。私はちょうど13年くらい前から投資信託の分散投資を始めて、5年くらい前から日本株の集中投資をしているんですね。希望ですが、ここでどんどん資産を増やして、ある程度までいったらまた守りの分散投資をしようと思っています。

集中投資で大きく資産を増やすことも視野に

詳しく見てみましょう。分散投資っていうのは、この4資産に分散するのが王道なんです。国内株式、国内債券、海外株式、海外債券ですね。この4つに分散すると、バランスよくリスクも分散しながらリターンが取れるっていうのが王道です。

これなぜかって言うと、リスク分散するためには同じ動き、同じ値動きをするものに分散しても意味がないんです。反対の動きをするものに分散しないと意味がないんですね。

一般的には株と債券は反対の動きをします。株が上がれば債券が下がる。債券が上がれば株が下がる。それから、海外と国内に分けるっていうのは、通貨を分散するっていう意味です。円が上がればドルが下がる。ドルが上がれば円が下がるっていう。これも反対の動きを一般的にしますね。なので、この4つの資産に分散するのが、一般的にバランスがいいと言われます。

ただ、さっきも言いましたが、分散するのでリターンも分散されます。例えば、みなさんが100万円、各25万円ずつ4つの資産に分散して1年間投資をしたとします。100万円が3パーセントの利回りで運用できたとします。そうすると、1年間で100万円だったものは103万円になりますね。

一方で、集中投資をしたとします。株式投資に100万円集中投資をしました。これは仮にですが、アベノミクスが始まった2012年の11月。そこからの1年間で日経平均株価は1.7倍上がっているんです。なので、もしみなさんが日本株に集中投資をしていたとしたら、1年間で100万円が170万円に増えたと思ってください。ずいぶん大きく増えるんですね。

こういうふうに自分が得意な分野があってそこに集中投資をできれば、大きく資産を動かすチャンスっていうのができます。もちろんこれだけリターンを得るっていうことは、それだけリスクもありますので、知識が必要だと思いますが、その知識を身につけて運用することができれば、大きく資産を増やせる。老後の資産を十分貯められる余裕が出てくると思います。これが資産運用の法則です。

年収より大切な“時給”

では次です。収入アップの法則です。もちろん節約する。貯金をする。資産運用するっていうのは大事なんですけども、やっぱり1番核となるのはみなさんの収入です。収入力ですよね。特に若い方は自分の収入力をアップすることで、投資の種銭(たねぜに)って言います。元手ですね。元手になるお金を貯めていく。これがすごく大事になると思います。

収入アップしようと思った時に、年収を上げようと考える方は多いと思うんですね。なんですが、収入アップの法則っていうのは実はこちらです。

年収ではなくて時給を上げようっていうことなんですね。これはどういうことかと言うと、こちらを見てください。

年収1,000万円の方と年収500万円の方、どちらが稼いでいるように見えるかっていうと、当然1,000万のほうが倍稼いでいるんですね。なんですが、この2人の労働日数と時給を比べてみます。

まず年収500万の方は一般的な労働日数。週休2日で有給も適度に取っているとします。そうすると、労働日数は230日ですね。1日8時間働いているとしたら、それを時給で割ると、2,700円ってことになります。

一方、1,000万稼いでいる方の内訳を見ると、休めるのは月に2回程度。ほとんど有給も取っていません。労働日数は336日です。1日残業もして12時間働いているとしましょう。けっこうこういう方いらっしゃるんですね。こういう方の時給は2,480円。

どっちが効率良く稼いでいるかというと、2,700円の方なんですね。なので、みなさんは労働時間を増やして収入を増やすって考えるのではなくて、自分の時給単価を上げて収入を増やすって考えて欲しいんです。

どうすれば自分の労働単価、時給が上がるかってことなんですね。みんながやっている仕事をやっていたら時給はなかなか上がらないと思います。逆にもしかしたら下がっちゃうかもしれません。

今、世の中がIT化、グローバル化してるんですね。なので、ロボットやコンピューターが代わりにしちゃう仕事、人件費が安くてもできる仕事を選んでしまうと、時給はどんどんどんどん下がっていく傾向にあると思います。

じゃあ、どんな仕事ならコンピューターに取って代わられないか。なんだと思いますか? 実は今ある仕事の65パーセントが10年後、20年後にはロボットにとって変わられるっていうデータがあるんですね。ほとんどがなくなっちゃうと。

どういう仕事だったら、人間しかできないかって言うと、これは今のところロボットには絶対にできないことです。想像するってことです。物事を創るってことですね。クリエーションですね。0から発想するっていうことはロボットには今のところできません。

なので、みなさんがクリエイティブな発想を必要とする仕事ができるようになれば、そういう能力を身につけることができれば、おそらくみなさんの時給単価が下がることはない。むしろ上がっていくと思うんですね。それを考えてみてください。これが収入アップの法則です。

「自分のために」寄付する

では最後です。寄附の法則ですね。なんとなく寄附って日本人に馴染みがないのかもしれません。

去年でしたっけ。Facebookの創設者のマーク・ザッカーバーグさんに子供が生まれたんですよね。そのタイミングで今持っている自社株の99パーセント、これは日本円に直すと約5.5兆円なんですが、これを一生かけて慈善団体に寄附するというニュースがありました。

そういうニュースを聞いていると、セレブの方が大金を寄附するというイメージが植え付けられがちなんですが。

寄附って言うのはこちらです。今の自分にできることから始めて欲しいんですね。これはなぜかって言うと、寄附は誰かのためにするんではなくて、自分のためにするって思って欲しいんです。

もし自分だけが幸せになっても、豊かになったとしても、周りの人が不幸であれば、必ずその悪い影響を受けると思うんですね。それから、お金は天下の回り物ってよくいいます。お金って必ず回るんですね。自分で抱えていてもぜんぜん意味がないです。お金を回すことで、自分にもまた必ず返ってくるんです。

寄附って聞くと、お金だけってイメージがするかもしれませんが、お金だけに限りません。最近こういう運動があります。美容院で髪を切ったらその髪を人毛のカツラにして、人毛のカツラって高いんですけど、それを抗がん剤で髪の毛がなくなった人に提供する。そういう運動を美容院でやっているところがあるんですね。それも立派な寄附だと思います。

最近は私たちが気軽に支援できる、寄附できる場所っていうのも増えてきました。例えば、こちら。これはクラウドファウンディングっていうんですけど、そのサイトですね。『READY FOR』と言うんですけど、いろんなプロジェクトがあって、このプロジェクトを応援したいって思ったら、3,000円とか5,000円とか少額から支援できるんです。

その代わりにリターンとしてちょっとしたオマケ、例えば、お米券だったりかわいいカレンダーだったり、なにかしらのリターンがもらえます。この最初に決めた目標額を達成しなかったら、支援金はみなさんに全額返金されます。もし達成されたら、必ずそのプロジェクトはやらないといけないんですね。こういうのは気軽にできると思います。

誰かを応援するってものすごく気持ちいいと思うんですね。こういうものからぜひ始めていただくといいのかなって思います。

ちなみにこれは28歳の女性が立ち上げたプロジェクトなんですね。この前、『カンブリア宮殿』でも紹介されてました。私もこれを見てすごく感銘を受けたんですが、ぜひこういうのを利用していただくといいのかなと思います。

点の知識ではなく、正しいお金の教養を

以上で10個のお金の仕組みをみなさんにお伝えしてきました。今日は限られた時間ですので、簡単な仕組みしかお伝えできませんでしたが、本当はこの仕組みをみなさんが習慣化していかなきゃいけないんですよね。この仕組みについてしっかり学べるっていうのが「お金の教養スクール」になります。

人生って選択の連続なんですね。日々私たちもお金に関する選択をしています。この日々の選択が間違っていると、人生は大きく別の方向に、狂った方向に進んでしまうんですね。

保険に入りたいと思えば、保険の窓口、住宅を買いたいと思えば住宅展示場に行けば、点の知識は教えてもらえます。なんですが、みなさんの人生は1本の線なんです。

この線のどの部分で選択したとしても正しいお金の選択をできる。それを身につけるのが「お金の教養スクール」です。こういうふうに系統立てて1回で一通り学べる場はほかにないと思うんですね。私自身この「お金の教養」を身につけることで人生が大きく変わりました。ぜひ、みなさんも「お金の教養」を身につけて、お金に不自由のない、豊かで、賢くて美しい人生を歩んでいただきたいと思います。 本日はご静聴いただきましてありがとうございました。

(会場拍手)

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