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会議を見せるテレビ 第2回(全6記事)

キンコン西野「炎上するのが嫌なんじゃない」ネットの“切り取りハラスメント”による弊害を語る

キングコング西野亮廣氏と絵本作家のぶみ氏による「会議を見せるテレビ」第2回。ハロウィンの翌日にゴミ拾いを行う渋谷ゴーストバスターズを成功させた西野氏は、まるで子供の作戦会議のような“たまり場”から生まれるアイデアの面白さを語ります。西野亮廣オンラインサロンは実現するのか? 本パートでは、西野氏が、自身の発言を取り上げるネットニュースの炎上について、発言の背景を知らずに誤解を受けた人々への説明に追われる苦労を語りました。

地方の良さだけをアピールしても突き抜けられない

のぶみ:でもやっぱり、アイデアをバンバン出せるやつって、ちょっと変わってる職業についてますよね。

西野:まあ、そうです。でも、アイデアじゃなくてもいです。僕はあれが好きなんです。この間も鹿児島に一緒に行ってきて、客層は40か50、けっこう上の方でしたね。

のぶみ:そうですね。

西野:それも60人限定なんですよ。お客さんがそれ以上絶対入れない。60人限定で、ディスカッションみたいなかたちで、僕と落合陽一さんというメディアアーティストの方。物とか浮かしちゃうみたいな。

のぶみ:物……どういう(笑)。

西野:物をバっと浮かして、びゃっとやる。魔法使い。

のぶみ:現代の魔法使い。

西野:現代の魔法使い・落合。

のぶみ:怪しい人ではない。

西野:博士です。むっちゃ頭いい人ですね。落合さんと2人で行って、僕と落合さんが地元の方とディスカッションして、この人たちの悩みを解決していくみたいな。みんないいことを言うんですよ。「鹿児島に人を呼びたい」「まちおこししたい」とか。

(それで)「まちおこしするためにどうしているんですか?」と言ったら、みなさんいいところをアピールするんですよ。「焼酎がおいしい」とか、「うちのさつま揚げはこんなものを使っている」と言ってやっているんですけど……。

トンボ:いや、うまいですよ。

西野:それってほかの都道府県もやっているじゃないですか? みんないいところを見せているから、突き抜けはしないよと。逆に、「鹿児島ならではの最悪なところって何なんですか?」と聞いたんです。

のぶみ:そんなところがあるのかな。

西野:「鹿児島ならではの最悪なマイナス面って何ですか?」と聞いたら、「火山灰」と言うんですよ。「火山灰が降ってくるから、これは本当に最悪です」と言ったんですけど、「いや、とんでもない」と。東京には降らないですよ。

大阪にも降らないし、京都にも降らない。鹿児島にしか降らない。火山灰って、雨みたいにスカスカじゃないですから、密度が濃い。

のぶみ:すごいですよ。

西野:火山灰ってすごいじゃないですか。「じゃあ、(これに)光を当てて映像つくれるじゃん」という。「空中を全部スクリーン化できるやん」という。それって鹿児島にしかできないことじゃないですか。

のぶみ:そうですね。

西野:それを1個つくったら、例えばホテルの人だったら、「皆さんおめでとうございます、今日は火山灰が降っているからこういうのをお見せできます」という、娯楽が1個できるじゃないですか。

のぶみ:ああ、そうか。

アイデアは人の悩みから生み出しやすい

西野:何でこのアイデアが出たかといったら、別に話し相手がアイデアマンじゃないんですよ。悩んでいる人がいてくれたから、これが結局ヒントになったんですけど。要は、集まるメンバーは別にアイデアマンだけじゃなくてよくて。

「うちの会社どうしたらええの」とか、「どうやって宣伝したらいいの」というマイナスの悩みからモノって生みやすいなと思うので。恋バナは知らないです。俺は本当に恋愛とか興味がないから。

のぶみ:興味ない。

西野:興味ないですよ。

トンボ:でも、そういうのっておもしろい。そういう会議が超おもしろいから、これは娯楽だよなと思って。

イナギ:そういうのをする場所が欲しいと。

のぶみ:それをするための場所っておもしろい。この人は変わってるよ。

オンラインサロンの値段設定

西野:欲しいんですよ。何かもう、話したいんですよ。おしゃべりしたい。しかも超密な感じでおしゃべりしたい。

トンボ:やりましょうよ。

西野:やりたい。どうしたらいいですか? これ、今できるんですか。

のぶみ:登録できるんですか?

イナギ:打ち合わせをさせていただいて、「どういう人をターゲットに、こういうことをやっていきましょう」というのを決めて、宣材写真をいただいて、バナーをつくらせていただきます。

西野:なるほど。

のぶみ:そろいますね。

イナギ:内容を決めていく会議を今見せているというかたちです。

のぶみ:お金はどのくらいかかったりするんですか。

イナギ:開設費用は無料です。

のぶみ:無料でできるということですか。

イナギ:はい。その後、決済された毎月の月額会費の中から、一部プラットフォーム利用料として手数料をいただく。

西野:その手数料はどのぐらいなんですか。

イナギ:それが今、20パーセント。

西野:20パーセント、なるほど。

イナギ:ニコニコ有料チャンネルよりも安い手数料です。

西野:バチバチしてるんですか(笑)。

のぶみ:何か嫌だな。

西野:仲良くやりなさいよ。

のぶみ:ニコ生もいいですよね。

トンボ:ニコ生はいいですよ。

イナギ:ニコ生の有料チャンネルにも入っていただいて、その続きもSynapseで楽しめるということ。

のぶみ:なるほど。

西野:へえー、超おもしろい。

イナギ:実は自分は、元ドワンゴなんですよ。

西野:ああ、そうなんですね。 値段はどれぐらいになるんですか? 僕がやりたいことって。

トンボ:参加する側の?

西野:そう、お客さんが払う値段。

イナギ:基本的に今のSynapseは安いものは月500円、高いものは月1万円なんですけど、やっぱり気軽に入ってこれちゃうと、逆にアンチの方も入ってこられる。

西野:なるほど。僕多いですよ(笑)。500円で20〜30人だったら、アンチで埋まっちゃうぐらい。非常に多い。

のぶみ:目的がぜんぜん変わる(笑)。

西野:それはありますよ。

のぶみ:意味わかんないですよね。

トンボ:これは、値段設定が大切な感じしますね。

イナギ:ある程度、それに本当に価値を感じてくれる方がギリギリ入ってくれるくらいの設定にしたほうが。

アンチ・週刊誌を締め出せるメリット

西野:僕、夏にクラウドファンディングやったんですよ。

のぶみ:すごかったですよ。

西野:すごい集まって。それのリターンで、制作の状況をお伝えするメールを1週間に1回とか、週に2、3回やるときもあるんですけど。メールをお送りするというリターンがあるんです。

トンボ:なるほど、そんなのあるんだ。

西野:それはいくらかであったんですけど、もうクラウドファンディング締め切ってるじゃないですか。だから、今から新しく会員になることは無理なんですよ。

僕はこれが超よくて、たしか200〜300人ぐらいか、もうちょっといたと思うんですけど。後から週刊誌の記者とか、ネットのライターが介入できないから、その中ではボロクソに思っていることを全部書けるんですよ。

そのことをFacebookとかTwitterで書いちゃったら、だいたいワッと燃えるんですけど、それがないので。超密な空間ってすげえいいんですよね。もう絶対秘密厳守で、外に漏れないという。

のぶみ:そんな秘密がいっぱいあるんですか(笑)。

西野:いや、そんな秘密なんてないんですけどこれは有料になってからしゃべります(笑)。

10年以内に死ぬ会社ベスト3の予想

僕がやっているサーカスという学校とか、あれはライブだからしゃべれるんですけど。そのときは「この企業絶対潰れるよ」とか言ったよね。

トンボ:言いましたね。

のぶみ:うわー、すげえな。

トンボ:10年以内に死ぬ会社みたいな。

西野:この間、ベスト3を挙げたんですけど。やっぱりもう1個潰れたものね。

トンボ:1個潰れましたね。

のぶみ:そうなんだ。

西野:わかるじゃないですか、それって。

のぶみ:すげえな。

西野:でもそれって、別に僕がすごい魔法を使っているかというと絶対そうじゃなくて。例えば何だろうな……。

のぶみ:言える範囲で大丈夫。

「ひな壇は死ぬ」発言の真意とは

西野:言える範囲で言ったら、Facebookに書いちゃってるから大丈夫なんですけど、ひな壇って終わると思うんですよ。絶対に終わる。これはみんなすごいひな壇、ひな壇と言いますけど、もう間違いなく終わる。

それは何で終わるかといったら、おもしろくないからじゃなくて、まずおもしろいが大前提なんですけど、その背景に何があったかといったら、薄型テレビが超流行ったというか、出てきたときで。

みんな家の薄型テレビのインチのでかさを競った時代があったんですよ。「お前ん家の40インチすげえな」「あいつん家は金持ちで100インチあるらしいで」みたいな。

そうなったときに、テレビ番組はソフトとして何が必要かといったら、まず面積を埋めなきゃいけないから、登場人物をふやさなきゃいけない。登場人物をふやさないと据わりが悪い。

要はでっかい画面で2人じゃちょっと据わりが悪いんです。登場人物をふやさなきゃいけないので、ひな壇というのがバッと出たんですけど、今テレビってみんなこれ(スマホ)で観てますから。これで『アメトーーク!』って観にくいじゃないですか。

トンボ:そうですよね。

西野:単純に見やすいか見にくいかの話。おもしろくないじゃなくて、テクノロジーに殺されるという。

だから「ひな壇ってもうなくなるんじゃないの?」みたいなことを言ったとするじゃないですか。もう今、言っちゃったんですけど。

これをFacebookやTwitterで書いたら、いかようにも切り取られて、「キングコング西野『ひな壇は死ぬ!』」というタイトルがついて、ひな壇を揶揄しているみたいな……。

それが最近すごく面倒くさいなと思ってて、炎上するのが嫌なんじゃないですよ。別に炎上したって、僕はマイナス一個もないですから。

ネットニュースの切り取りハラスメント

炎上するのが嫌なんじゃなくて、その後にそのニュースしか見てへん人が、次の職場とかで、「何で西野はひな壇死ぬとか言うの?」みたいな。

「いえいえ、だからそうじゃなくて、こういう文脈があって、こうでこうで……」というのをずっとやってきて。これが面倒くさいなと思って。

のぶみ:1行だけで切り取られるということですね。

西野:はいはい。その切り取りハラスメントに遭うのはぜんぜん嫌じゃないんですけど、切り取りハラスメントされたところしか見ない同業者の人が、「何でそんなことを言うの?」と。というのがすげえ面倒くさい。

トンボ:説明しないといけないですものね。

西野:説明しないとだめ。

のぶみ:ひな壇消えるということは、「『踊る!さんま御殿!!』はどうなる?」ぐらい(笑)。

西野:たぶん、こうなるんじゃないのとかいうのも。

トンボ:そうですよね。

のぶみ:岡村さんに怒られる(笑)。

西野:岡村さん、すぐ言うんですよ。本当にあの人、もう裏をとらんとニュースを額面どおり受けちゃって。

要は、あの人はネットリテラシーがないんだと思うんですけど……こんなこと言うからまた炎上するのか。でもしゃあないんだもの。ないものはないんだから、しゃあない。

ニュース、額面どおり受けちゃって、そのままラジオでばーっとしゃべって、それが超面倒くさいんですよ。

のぶみ:素直なんですよ。

西野:素直なんですか。あれなんか、超面倒くさかったぞ。『オールナイトニッポン』のリスナーが、「西野がこんなこと言ってましたよ」と。

言ってないんですけど、岡村さんが「何で西野そんなこと言うねん」と真に受けて怒っちゃって、ラジオで言っちゃって、そのラジオを聞いた同業者の人から、「何で西野はあんなこと言っちゃうの?」とかいう。

「いや、あれは岡村さんがバカリスナーのメールを真に受けてしゃべって……」という説明を、もう200回ぐらいしたんですよ。何で人生の中で岡村さんの間違いコメントを訂正する時間をとられなきゃいけないんだと思って、超面倒くさくて。

のぶみ:それをオンラインサロンでやりたいということなんだろうけど、何かそれも西野さんの良さの気がするんだけど。

西野:燃えちゃうこともですか。

のぶみ:うん。燃えちゃうところがみんな好きなんじゃないですか。

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