2024.10.10
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おおしまりえ氏(以下、おおしま):志乃さんは、恋愛アドバイスとかを求められることも結構多いと思うんですけど。例えば、ずっと恋愛をしてないっていう人に対して、どういうアドバイスを普段されるんですか?
杉沢志乃氏(以下、杉沢):そうですね。とりあえず、恋愛とか性のことに消極的な人には、オナニーしろって言ってますね。とりあえず。
おおしま:あら、飛びますね(笑)。
杉沢:というのも、やっぱり自分の体をよく知ることと、自分の感じるところを自分で理解することがすごく大事で、またそれをパートナーに伝えてあげることがいい関係を作るポイントになってくるので、まずは自分で自分を慰める。慰めると言ったらおかしいですけど、自分で自分のことをよく知ろうということです。
おおしま:それは、好きな人がいないようなシングルの人でもってことですか?
杉沢:そうです。準備運動みたいなもんですよね、いい人が現れてからの。
おおしま:ちょっと私データがないんですけど、逆に、ずっと恋愛していない人ってそういう行為も少ないんですか? 1人でするみたいな回数とかも、少なかったりするんですか?
杉沢:それは私のことを言ってますかね(笑)。今、それ引き出そうとしてます?
おおしま:いえいえ、そうじゃなくて(笑)。
杉沢:私なんかは、もう3年くらい何もないので。恋愛もセックスもなく過ごしてますけど。オナニーは最近やっとですよ。気持ちが女に戻ってきたのが。妊娠してからずーっと頭ん中が“お母さん”でしたから。子供がいると、違うほうに、お母さんになっているので、なかなかないですけど。
独身の人も、アラサーやそれを超えてくると、意識が性から離れてくる人は多いと思います。離れてる人いますよね、きっと。30前後になると。
おおしま:いるかもしれない。
杉沢:私の話になっちゃうんですけど、知り合いで7年彼氏がいないという子がいたんですね。でも結婚したいって、婚活をすごく頑張っていて、ネット婚活で出会った人と付き合うことになったんですって。
おめでとうっていう話で、それはそれでよかったんですけど。3、4か月付き合ってて、「どうなの、調子は?」って聞いたら、「ぼちぼち」って言うんですよ。「したの?」って聞いたら、「まだしてない」って。でも、もう結婚の話は出てるみたいなことは言ってて、なんかバラバラ……。
私は、それを聞いた時に信じられないって思ったんですけど。この時代って、そういうスタイルももしかしたら増えるんじゃないかなって。結婚ありき、そのあとにセックスとか、そのあとに恋愛感情、みたいな時代がもう来るのかな。来てるのかなと思って、ちょっと衝撃だったんですよね。絶対、結婚する前にやれって言ったんですけど(笑)。
杉沢:今、男性がものすごく消極的で、大学生でもセックスレスみたいなカップルがいたりとか、特に男性のほうがね、なかなかしてくれないわっていう。女性の悩みで結構多いのは、そこですかね。彼が誘ってくれないとか、まったく……。
(おおしま氏のほほを見て)大丈夫ですか、本当腫れてますね!? この角度から見るとめちゃめちゃ腫れてる。
おおしま:ごめんなさいね。もう、本当に見苦しい(笑)。
杉沢:セックスに関する悩みで多いのは、男性が草食化することで生まれるマンネリやセックスレスについてそこですかね。
おおしま:勝部さんも、結構性の悩みとかを聞いたりすることも多いんですか? あまり、そっちの話をガッツリ聞いたことがないんですけど。
勝部元気氏(以下、勝部):聞くことは多いですし、自分自身、高校へ性教育の講演に行ったりしてるので、直に生徒たちの悩みを聞く機会は多いですよ。
たとえば、大人から見ると、今の子供はどうしても性に対して嫌悪感を持っているって思うかもしれないですけど。子供から見たら、「なんで大人はあんなに興味あるんだろう?」って思うわけじゃないですか。だから「子供がなんで興味なくなってるんだ、まずい!」って言うのは、ちょっと一方的な視点過ぎると思っていて。
ないんだったら、ないでいいんじゃないのかなって、個人的には思います。ないなら、ないなりに楽しむ生き方がありますし。望むのに嫌悪している場合とか、そういう面では先輩たちがほぐしていかなきゃいけないですけど。ないならないで、いいんじゃないっていうのが一番初めに伝えたいメッセージですね。
草食系男子と言いますけれど、実は、調査では女性のほうが性嫌悪になっている人が多いので、10代で5割から6割くらいが性嫌悪。ちょっとその急増っぷりを生み出す社会背景こは、由々しき問題があると思っていますけどね。それから、若い世代って言ってますけど、性嫌悪は実は全年齢でちょっとずつ上がってるので、若い世代に顕著っちゃ顕著ですけど、日本全体の傾向ですよね。
だいたい女子会に行くと、セックスレスで旦那さんが原因というのは、わりとよくあるテーマかなと。
おおしま:例えば、セックスレスなんですっていう話を聞いた時に、どうアドバイスするんですか? それはしょうがないって、言い切っちゃうんですか?
勝部:やるべきことはいろいろあると思うんですけど、どうしても両者いないと何もできないんですよね。どっちもいないと。
片方だけに、ああしたほうがいい、こうしたほうがいいって言えるかもしれないですけど、結局はそのあとのコミュニケーションの取り方が一番問題だと思うので。まずは2人でどっか相談するとか、2人で共通の相談者がいるとか、そこから始めないとなかなか難しいのかな、とは思います。
おおしま:志乃さんは、1人でするっていうのが1つの解決策ということですが。
杉沢:そうですね。大人は、ですけど。
おおしま:Juliさん的には、そういう相談とかも受けたりするんですか?
Juli氏(以下、Juli):今、恋愛してないですからね、私。恋愛してたら、セフレいないですからね。
おおしま:恋愛してる時は、いないんですか?
Juli:全部切ります。セフレが何人もいるって言うと、ちゃらんぽらんというか、サバサバしてるとか、恋愛にあんまり興味ないと思われがちなんですけど。
私、恋愛至上主義なので、すごく重くなっちゃうくらいの人なんですね。なので、好きになったらそういうのは全部切って、その人だけ。毎日連絡取りたいし、毎日会いたいし。ただ、いまはそういう相手が見つからないんですよね。
おおしま:どのくらい(相手が)いらっしゃらないんですか?
Juli:1年くらいですね。
おおしま:そうなんですね。
Juli:見つけにくい市場ですね。女の子同士っていうのが、なかなか。
おおしま:数が少ないですからね。もともとの。
Juli:女の子って、多分男の人よりも……。今テレビで結構ゲイとかってオープンにしてる方いるんですけど、あまり「私、レズビアンです」って言ってる人っていなくて。まだタブー視されてるというか、ちょっと変態の域みたいな。
レズビアンのAVがあるとか、そういうのも関係あるかと思うんですけど。そういうことで、ちょっと言いづらい環境ではあるので、やっぱり見つけづらいですね。恋愛したいです。私が相談しちゃいます(笑)。
おおしま:どうアドバイスするんですか? そういうことが、もしあったら。
勝部:アドバイスですか。私にはちょっと……。
Juli:単純に、レズビアンとかじゃなくて、普通の……。私も普通ですけど(笑)。大多数の異性愛者の人が、「私、恋愛したいんだけど、相手見つからないの」って言ったら、どうします? どうアドバイスします?
勝部:アドバイスですか。
Juli:恋したいのって。特別な人が欲しいのって。これ今、私、切実な質問なんですけど。
おおしま:恋してない人は多いですよね。レズビアンの方、ノーマルな方関わらず。
小野麻衣子氏(以下、小野):なかなか人のことを好きになりづらいっていう質問が、圧倒的に多いかなと思います。昔より人を好きになれなくなったっていう。
勝部:逆の発想なんですけど。そこがネックになっている人は、いわゆるお見合いチックなことをやってもいいのかなと思ったりしますけどね。
小野:今だからこそ?
勝部:今だからこそ。昔、だいたい20年前くらいに放送していたんですけど、「未来日記」ってあったのわかりますか? 『ウンナンのホントコ!』って番組で、『桜坂』とかのヒット曲があった。
脚本の人が、結ばれていく過程を全部未来の日記で書くんです。演者はそれに従っていくんだけれども、実際にリアルに気持ちも本当にそんなふうになっていく。というのがあったと思うので、そういうことをリアルでできればいいんじゃないのかと、思ったりします。
やってれば、何かしらちょっと気持ちがノってきたりするパターンもあるので。
おおしま:やろうとしなければ、やらないままになってしまう。
勝部:だと思いますね。本にも書いたんですけど、いろんな刺激に慣れすぎているので、ちょっとしたことでは人を好きにならないですね。惹かれることって、なかなかないじゃないですか。アーティストだって、昔に比べたらそんな好きな人っていないですし。
そうなってくると、無理やり中に入ってみるっていうのが大事かなと。30歳超えて大人になってからアーティストを好きになるのって、だいたいちょっとライブ行ってみてよかったとか、何かしらの行動があってのことが多かったりするので。恋愛についても、何かしら行動があってというふうに、「やってみる」というのがあるかもしれないですね。
行動を、好きになったあとでやるんじゃなくて、先に何かやってみる。
おおしま:変な話、社会的な仕組みでの対策も必要、みたいなことですか? 今、ちょっと話題になってるじゃないですか。国が婚活をサポートするみたいな。ああいうのって、ある種の強制力に近いものだったりするのかなと思うんですけど。ああいうものに対しては、わりと賛成だったりするのかなと。
勝部:あれは、正直言うと反対ですね。税金の無駄だと、個人的には思っています。結局婚活とかって、箱にポンッと投げるだけじゃないですか。例えば、それぞれの持ってる思いや価値観とかがサポートされるわけではないし、くっつくためのコミュニケーション能力を育ててくれるわけじゃない。
ただ単にポンって投げられるだけ。街コンに参加した人も多いと思うんですけど、行ったところで、多数派男子は友達同士で話して、いわゆるヤリチンがくるくる回ってるだけっていう(笑)。
おおしま:そんなことないですよ(笑)。結局言いたいのは、コミュニケーション能力が必要ってことですね。
勝部:結局は、「行っても何も起こらなくて」とか本当によく聞きます。合コン行っても、ただLINE交換しておしまいとかしょっちゅうあるわけじゃないですか。だから結局は、場が大事なんじゃなくて、次の段階に進むステップが大事なのに、婚活の場ではそれを用意してくれていないというのはありますよね。
おおしま:くっつく能力を高めるってことですか?
勝部:それだったらまだ、例えばプロムとかみたいなのがあれば良いかなと。高校の卒業式で社交ダンスを一緒に踊るって、学校側がボンッて規定しちゃってるから、誰かしら相手を選ばなきゃいけない。
それくらい用意してあげないと、ちょっと厳しいんじゃないですかね。ただ街コン、ポーン、ポーン、だけじゃ。実際に街コンが出てきてから、日本の婚姻率が上向いたかっていうと、全然上向いてないですし。
おおしま:両者に聞きたいんですけど、くっつく能力を高めるためには、何をしたらいいんですか? くっつく能力って、いわゆるコミュニケーション能力が筆頭にあがると思うんですけど。例えば、この人に決めるとか、他にもどういう力が育つといいんでしょう?
本当にできる人って、どこにいても恋愛はできると思うんですよ。そういう人ってまさに、くっつく能力が高いからだと思うんですけど、どうしたらそのくっつく能力って高まるのかなって。
Juli:個人的には、数をこなさないといけないのかなと思いますよね。
おおしま:いや、数こなしてる人は基本的にくっつく能力は高いと思うんですけど、たとえば30でたいして恋愛もしてないみたいな人は、今から場数踏んでっていうのはちょっと時間がないと思うので、少しでも効率的なのがないのかなっていう。
Juli:即戦力というか、すぐに結果を出せるような方法ということですね。
おおしま:私もそんなにしっかりした解決策を持ってるわけじゃないんですけど、さっきのダンスとすごく近いんですけど、サルサとかすごくいいと思っているんです。疑似恋愛のダンスだから、さっき言った恋をしてない人は、そいう疑似恋愛の場に行くことで、刺激されて恋しやすくなるんじゃないかな。
だからいつもサルサをすすめるんですよ。サルサがダメなら、誰かと1発やるみたいなことは言うんですけど。
小野:急にハードルがあがる(笑)。
おおしま:もともとは誰かと1発やるっていうのは、普通に言ってたんですよ。でも、それがダメなら誰かとキスをするってところまでハードルを下げたんです。誰かとキスをするっていうのもハードルが高いって言われたから、じゃあハグ、みたいな(笑)。
でも、ハグってそれほど情熱的にならないと思って、じゃあサルサっていう結論に至ったんです。実際やったら、たいして格好よくもないオヤジがちょっとよく見えたりとかして!
小野:サルサはときめくんですか?
おおしま:ときめきますよ! ちゃんと! 私、おじさんに連れてってもらったんですけど、一瞬恋しちゃいそうになっちゃいましたもん(笑)。
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