2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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司会:では、最後のトークテーマとなってしまいましたけれども、最後のテーマはずばり「婚活」です。企業努力の話などもありましたけれども、コミュニティー内の出会いだけでは、なかなかいい相手に巡り会えないという方々が、コミュニティーの外で出会いを見つけるように婚活に対するサポートが国や自治体の取り組みとして始まっています。
釈さん、このコミュニティー外での婚活をされていらっしゃる方って、お友だちなど周りにいらっしゃいますか。
釈由美子(以下、釈):はい、身内にもちょうど結婚相談所に登録をして、カップルが成立して、昨年結婚して、今幸せな夫婦生活を送っている身内がいますね。
司会:またこれは、新たなコミュニティー、別のところに飛び込んでいくといった感じですね。
少し前ですと、婚活という言葉自体ちょっと驚き、「何ですか、これは?」というような斬新な思いがあったんですけれども。本当に今は、誰でも参加するようなものになってきてますよね。
釈:そうですよね。
司会:結婚するパートナーを選ぶ際の重要なポイント、先ほどもいくつか「ひらめき、ピピピと来た」という点もあったと思うんですが、大切にしていたポイントっていうのはありますか。
釈:居心地の良さとか、価値観が合う方がいいですよね。私がパートナーと出会った時に、お互い止まらないくらい、ずっと会話が成立して楽しかったので、そういうような時間を忘れさせてくれるような空気感を共有できるような相手っていうのは、すごく合っているんじゃないかなと思います。
司会:そういう方がいらっしゃるんだなというのが、このメディアを通じて聞くだけでも、「そういうパートナーがいるって幸せことだな」と、きっと改めて今、婚活に励んでいらっしゃる方も思われますよね。
司会:そして、先ほど増田さんから、加盟企業のサービスを利用できる「婚活スタートチケット配布の実施」というふうに、社団の活動についての発表がありましたけども。小室さん、このコミュニティー内の婚活について、企業が社員の婚活をサポートすることの必要性について、先ほども触れられていましたけれども、どう思われますでしょうか。
小室淑恵氏(以下、小室):結婚だけに留まらず、社員の生産性っていうのは、まず1つ、ライフが充実している人ほど高いというのは明らかに出ています。これは、アメリカのある調査会社が調べたんですが、ボランティアを例に取ったんですけど、ボランティアにしっかりと活動をしている人は、そういう活動をしていない人よりも、仕事に対する意欲が4倍高かったとかですね。
そういった自分のライフの充実っていうのは、仕事へのモチベーションを高めるという意味では、まず非常に重要な点だと思います。
もう1つは、これは当たり前なんですけど、この国がシュリンクしていくようでは、一緒にそこに乗っかっている企業も沈んでいくんだということですね。これこそ、増田さんが出されていた試算ですけれども、現在の出生率の一定のまま、しかも、私は団塊ジュニア世代でジャスト40歳なんですけれども。
日本は第一次ベビーブームになって、第二次ベビーブームがあって、第三次がなかったので、第二次ベビーブームの最後の尻尾の人たちの出産適齢期が終わったら、もう人口増やせるチャンスってないんですね。これが、あと3、4年なんです。
このあと3、4年で増やせるか否かで、2100年の日本の人口が、今のままの出生率でいったら現在の4割ですね。しかも、このまま下げ止まらないので、だーっと下がっていって。
これ、人口が減り続けることが問題なのではなくて、人口が減り続ける国は必ず借金が返せませんので、どこかの時点で破綻するということですね。中国に買われるとかも、全くないことではないかもしれません。
それが、今の出生率をこのあと3、4年の団塊ジュニア世代の人たちが、「この国は確実に働きながら産める国になった」という、「結婚したいと思えるような国になった」という意欲の転換が短期間で訪れると、2100年の日本の人口、現在の7割で下げ止まるんですね。
7割で止まれば、7割になっちゃったとしても、日本は先進国の中では人口はものすごく多いほうでキープできるという話になるので。産業競争力は、ほとんど人口規模で決まるというところがかなりあるので。
4割なのか7割なのかっていうようなことは、自分たちの乗っている船をしっかり沈ませないようにしないことには、一緒に競い合いながら一緒に沈んでいくというような、残念なことになってしまう。
これは、企業も政府と同じ方向を向いてしっかり努力をするっていうことは必要なのかなと思いますね。
司会:少子化、人口の問題、そして、財政の問題からも、結婚が必要になってくるということなんですけれども。政府と一緒になって、企業もサポートすることが必要な点がよくわかるんですが。
では、実際に企業はどういったことをサポートすればいいんでしょうか。
小室:先ほどあったような、いわゆる福利厚生の扱いで婚活をサポートするというようなこと。これは、見た目では福利厚生になると思いますけれども、企業においては企業戦略、経営戦略になると思いますね。
なぜなら、ちょうど昨年くらいからですけれども、完全な人材が奪い合いになってきているんですね。一昨年くらいまでは「お前の代わりなんか、いくらでもいるんだぞ!」っていう態度で企業は大丈夫でした。
すぐ転勤させて、猛烈に残業させて、それでも文句を言わずに企業はちょっとストを起こすんだけど、すぐに辞めてくれるっていうような従業員は、それで全く企業の言うことを聞いてくれました。
でも昨年から、ストを起こされてそのまま休店になって、閉店になって……というような、そんな企業も出てくるくらい、人材は奪い合いなんです。
そうすると、「この企業に入ると結婚できるらしいよ」とか、「この企業に入ると子どもまで産めるらしいよ」っていう、働き続けられることと、すごくハッピーが見えるっていうことは、学生の時点から獲得する時の1つの大きなポイントになってくるかなと思います。
人材の獲得に差をつけられなかったら、企業が成り立たないっていうのが、今まさに大企業が置かれている状況かなと思います。
司会:改めて、国、自治体、そして、企業の全面サポートが必要になってくるなというのを感じますね。
小室:あともう1点は、そういった婚活をしようということで送り出した時に、最後は本人の力ですね。何が重要なのかって、やっぱり何か打ち込んで頑張っている、輝いている、そういうものがなければ、いろんなところに行っても、相手に自分が輝いて見えることはないわけですよね。
そういった時に必要なのは、会社ではないどこかにもう1つ自分の頑張っているコミュニティーがある。柱が2本ある人ということですね。
仕事を頑張るのは当たり前としてね、それ以外に、介護のボランティアをしている、虐待を受けた子どもたちに何かボランティアをしているとか、様々なコミュニティーに出ていると、自分のためにやっているんじゃないんだけど、人のために頑張っていたら、うっかりそれが輝いてしまって、周りから「あの人はいいね」というふうに見つけられるっていう。
そういう自分の輝いているものを持つっていうことがないと、どんなに会社が送り出しても、本人が負けてしまいますので。
そこの部分は、仕事で24時間を終えない、自分の2つ目の柱を持つっていうようなことが重要なのかなと思いますね。
司会:今日は皆さんの話を聞いていると、改めて結婚に対して、全てにおいてコミュニケーションが必要になってきているんじゃないかなというふうに感じますね。
まだまだお話を伺いたいところなんですけれども、そろそろ終了のお時間となってしまいました。最後に皆さまから、一言ずつコメントいただきたいと思います。
まずは釈さん、お願いします。今後結婚に向けて頑張っていらっしゃる男女に向けて何かアドバイスがあれば今一度お願いします。
釈:私も最近ようやく結婚できたほうなので、アドバイスなんて偉そうなことは言えないんですけど。私が独身時代に、どんどん周りが結婚していって、周りの友人たちから言われた言葉で「釈ちゃんも、頑張んなよ!」っていうふうにお尻を叩かれたんですけれども。
「頑張んなよ!」っていう言葉がすごくプレッシャーに感じて。婚活とか結婚とかって、頑張らなくちゃできないものなのかなっていうのが、すごく腑に落ちなかったんですね。
婚活を頑張るのではなく、小室さんもおっしゃったように、自分の生き様というか、プライベートな趣味だったり、そういったものをすごく頑張っていれば、絶対それを一緒に共有できる相手っているはずですし。
私も今の主人とは、趣味の登山を通じて仲が深まったんですけれども、そういうふうに、自分の心に敏感になって、普段の生活からキラキラ輝いていてほしいなと思います。
司会:うらやましい限りです! それでは小室さん、今回のパネルディスカッションにご参加されてのご感想をお願いします。
小室:ありがとうございます。先ほど、「企業の経営戦略ですよ」という話をしたんですけれども。私が最近、顕著に感じるのが、企業において働き方を変えていくと、出生率に結びつくんだなという事例を数多く見るようになりました。
ある派遣会社さんは、「労働時間に男性も女性も両方にキャップをはめて、ある時間内で成果を出した人の中でトップの人を表彰します」っていうふうにルールを変えたら、なんと女性従業員が産む子どもの数が1.8倍になりました。
それから102人の小さな会社さんでIT系の非常に長時間労働だった企業さんも、ワークライフバランスプロジェクトっていうのをやって、時間外でもっといろんな活動に出て行こう、これは独身の人も含め。
今までよく企業は、結婚した人にだけ配慮して、結婚していない人ができない人の分を、若い人に乗っけるということをやってですね、若い人がどんどん婚活に行けなくなるということが起きていたんですけれども。
そうではなくて、全員のライフがあるんだということを前提に、全員の労働時間をしっかり抑えていったら、その企業さんは毎年3人ぐらい子どもが生まれていた会社が、今年8人生まれているんですね。
そういった家庭をもっている人に配慮するのも大事なんですが、家庭を持っていない独身の人も含め、全従業員の働き方を見直していくっていうことをしていくと、子どもを持っている人もハッピー、これから婚活する人たちもそのための活動にちゃんと時間が使えるというので。
もう、結果がいろんな企業で出てきているので、是非それを戦略として自分の会社の取り組んでいただきたいなと思います。
司会:ありがとうございました。では最後に増田さん。本日のパネルディスカッションの総括をお願いします。
増田寛也氏(以下、増田):人口の問題って、国の立場から見る観点、それから、自治体から見る観点、企業から見る観点、いろいろあるんですね。ただ、いずれにせよ、中心にいるのは当事者の若い男女であって、非常に微妙でデリケートな問題も含んでいると。
今回、「結婚・婚活応援プロジェクト」っていうのを立ち上げたのは、そういう非常にデリケートな部分、当事者を決して忘れてはいけない、そのデリケートな部分に常に気を配ってないといけないんですが。
一方で、こういう各企業が持っている膨大なノウハウとかスキルとかがあってですね、それを提供することが、若い男女のいろんな期待、希望にかなうんじゃないかということで。これを応援していこうという、そういうことなんです。
やはり若い男女が自分のライフを、生涯どういう人生設計をしていくのか、キャリアパスを考えていくのかというところに、きちんとしたチャンスを提供して、それをうまく活用していただきたいなと思います。
今回の提言に、お二方のお話も大変示唆に富んでいましたけども、そういったことも含めて、さらに第二弾、第三弾の有益な提言をしていきたいなと思っています。
司会:それではこれにて、本日のパネルディスカッションを終わらせていただきます。ゲストの釈由美子さん、そして小室淑恵さんでした。どうもありがとうございました。
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