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Sleep: Why We Need It and What Happens Without It(全1記事)

我々はなぜ眠るのか 謎が多い睡眠に関してわかっている、いくつかのこと

人や動物はなぜ眠るのでしょうか。睡眠の時間がなければ、もっと活動できるのに、と思ったことがある人も多いでしょう。眠りに関してはまだはっきりとわかっていないことが多いですが、生きる上で欠かせないものだということはわかっています。寝ている間に記憶を整理したり、エネルギーを蓄えたり、私たちは眠らずに生きていくことはできないのです(SciShowより)。

我々はなぜ眠るのか

ハンク・デルビス氏:睡眠スケジュールが普通だと言う人を探しているのなら、私の出番ではないですね。夜の間、私たちは皆働くか遊ぶかに大忙しで、ついつい朝の8時まで起き続けてしまいます。私のことではありませんがね。

眠らずに済むというのなら、楽しめることがたくさんあるのは間違いないでしょうが、睡眠は私たちの体が必要とする生物学的な衝動なので、その欲求に抗うのは簡単ではありません。

眠らないということは、はやく死ぬことを意味します。飢え死にするよりもはやいんですよ。

今回は私たちが生きるために必要な3つ目の欲求に隠された化学を解き明かしていきましょう。しっかりと目を覚ましておいて下さいね。

人が眠りに費やす時間を平均すると、25年もの歳月に相当します。しかし、なぜ私たちは眠るのかという疑問には誰も化学的に回答してくれていません。

脳の視床下部の底に位置する小さな領域、小さな房や細胞がタイマーの様な働きをする視交さ上核は私たちに眠るように促します。

光を感じると、起床ホルモンであるコルチゾールの分泌が行われ、暗くなると分泌される睡眠ホルモン、メラトニンが押さえられるますが、暗くなると、逆のことが起こります。

眠りの2段階は、まず、脳内でアデノシンの混合が構築されることから始まります。アデノシンは神経細胞やその他の細胞がエネルギーを蓄えるために使う主要分子、アデノシン三リンを燃焼する時の副産物です。研究によると、脳内のアデノシンが余分に蓄積されると眠たくなるのだとか。

カフェインについて述べる前にアデノシンについて言いましたが、カフェインはアデノシンのような受容体と結びつき、体の疲労を感じさせないように働きかけますが、寝ようとするときにアデノシンが神経細胞により徐々に再吸収されますので、起きた時に、良く休めたと感じれるのです。

つまり、脳が眠れと言う時には眠れば良いのです。とは言え、最大の疑問が残されています。なぜ私たちは眠りというものに縛られているのでしょうか。

眠りの効能

眠らなくてはいけないなんて、不便なことですよね。ジャガーなんかに囲まれている時なんて、めちゃくちゃ危険じゃないですか。

そこにはいくつかの説があって、真実はたった1つしか無い、というわけでは無さそうです。眠りについて知ることは、眠りについての疑問を解決に導き、また、その押さえられない衝動の理由を解明かしてくれるに違いありません。

全ての哺乳動物や鳥類は眠ります。また、爬虫類や魚類も眠っているような様子を見せてくれます。1000メートルもの長さの線虫でさえ夜が来るとストレスを経験するのですよ。

夜に寝ずに行動する生物は、攻撃されやすい時間帯を避けて自身の種族をより多く生き残らせようという進化の表れだと提唱する科学者も居ます。基本的に、眠るという行為はじっとしているということで、その間周囲に注意は払っていないのですから。

睡眠はエネルギーを維持するためのものという説が、眠りに関する2つ目の説です。野生の生き物も含め、新たにカロリーを摂取するのは体を維持するためなのですがね。つまり、1日の3分の1を眠りに費やすというのは賢い方法なのですね。

人間が眠っている間に消費するエネルギーは10パーセント以下です。呼吸と鼓動と体温、全ての働きが緩やかになりますが、それはより良い睡眠を導くためなのです。睡眠というものは体を休めるという行為そのものなのです。

睡眠は記憶と大きく関係している

睡眠というのは、結局のところ、筋肉組織やたんぱく質を合成する細胞や体を修復する組織を成長させるためであったり、ホルモンを成長させたり放出させたりするためのものであったりするわけですが、すべて意識しないままに行われているのです。

なぜ私たちの細胞は私たちが長椅子に座って”ミルウォーキーの主婦たち”を見ている間に眠りにつこうとするのでしょうか。それは、脳が体が感じる以上に眠りを欲しているからに他なりません。

新たに報告された調査によると、眠りは脳を活性化させ、再構築させる働きがあるのだとか。

この説は脳の柔軟性を示しています。私たちは日々見たり、聞いたりする様々なことをすべて覚えておきたいと願うでしょうが、それは脳にとって必要なことでは無いのです。

脳の柔軟説によると、睡眠というものは、脳が一日に起きた新たな出来事の記憶を集めたり、記憶したり、繰り返したりするために必要不可欠なもので、眠っている間の8時間かそこらをかけてその作業を行うのだとか。

この説はボランティアによるある実験のテスト結果から支持されています。

一方のボランティアグループには朝に一連のパターンを記憶してもらい、次のグループは夜にパターンの記憶をしてもらったのですが、朝に記憶を行なったグループには睡眠を取っていない状態の12時間後に記憶テストを行ない、夜に記憶を行ったグループには眠った時間も含めた12時間後に同じ様にテストを行なってみたのです。

すると、夜のグループの方がパターンを良く思い出せるという結果が出たのです。このことは、煮詰まった時には少し眠った方が良いということを表しているのではないでしょうか。

何か大きな決断をする時には眠ることですね。脳が、睡眠を求めているのですから。

睡眠は記憶を強化します。では、特に覚えていたく無い記憶についてはどうでしょうか。今朝ラジオCMで聞いた車の色、どこで男が家具についての歌を歌っているか、なんて覚えていなければならない理由はありません。

ありがたいことに、眠りは私たちの脳から1日の記憶のなかで不必要なものを消してくれます。脳がシナプスや神経回路の接合部を伸ばして常に新たなことを学んでいることが、神経細胞に新たなシナプスを生み出させるのです。

居眠り運転による事故は飲酒運転による事故よりも多い

話は変わりますが、何十億もある神経回路で何千回も行われる脳の電気活動の放出は夜ごとに行われます。科学者たちの発見によると、睡眠中、高周波と低周波両方の放出は増幅するが、適度な周波は減少するそうです。

言い方を変えれば、脳は起きている間に造り出したシナプスを活性化させるか沈静化させるかを神経回路の繋がりを強くしたり弱くしたりする事で自動的に選んでいるのですね。

最近起こった出来事の詳細が起きた時には失われてしまうというのは少し悲しいことでしょうが、覚えておいてください。日々脳の状態を常に新しくしておかないとあなたの脳はエネルギー不足に陥ってしまうと言うことを。

地球上の生き物にとってこの機能はハードディスクドライブを最適化するようなものなのです。

問題は、アメリカ人は特に睡眠時間が足りていないことです。国立睡眠団体が行った調査によると、アメリカ人の平均睡眠時間は推奨される睡眠時間の8時間より1時間も下回っているのだとか。

ティーンエイジャーはさらに睡眠が必要です。さらに言うと、アメリカ人が起こす自動車事故の20パーセント、年間200,000件以上の自動車事故が居眠り運転によるものだとの調査報告がなされているのですが、これは飲酒運転の車よりも多くの人の命を奪っているということになるのです。

睡眠不足はどれだけ危険か

脳や体は時間を削って睡眠を剥奪されることに長い間耐えきれるものではありません。一晩寝ずに過ごすと危険を察知するへんとう体が反応し、脳は混乱し始めます。短期の睡眠剥奪はへんとう体を酷使させ理性を司る前頭葉皮質の働きを遮断してしまいます

ある研究者は一晩の夜更かしを「アルコール度数が高いゼリーな感情になっている状態」と名づけました。前頭葉皮質を経由できないと睡眠不足の脳は他の部位を使おうとすると言われています。進化的に言うと、青斑核はと呼ばれる最も古くて原始的な部分を、です。繊維が青いからそのように名付けられた様ですが。ストレスやパニックに本能的に答える役割を担っているところです。

青斑核は、全てを脅威として解釈する事ができる唯一の部分です。車を流すことやボーイフレンドからの不安が煽られるようなそっけない内容のEメール、何もかも、誰も彼もが、不安で疑わしく思えてくるのです。

長く眠らないでいると記憶やスピードコントロールがおぼつかなくなり、次第に苦しくなってきます。しかし何日かすると事態はおかしな方向に進んでいきます。幻覚がが徐々にはっきりとした幻覚症状となって表れだすのです。

ある説によると、それは脳があなたを起きたまま無理矢理寝かそうとしているのだとか。

眠らないと人は死ぬのかという疑問が頭をもたげますが、答えは確実に、イエスです。睡眠は免疫の健康と密接に結びついています。ある研究によると、たった1週間睡眠時間を少し削っただけで、50パーセントの抗体の減少がわかり、病気持ちになってしまうとされています。

名の知れた睡眠研究者アラン・ラクシャフィンによって1980年代から行われていた睡眠研究によると、睡眠時間を削られたラットは2週間で死んでしまったといいます。

ラクシャフィンが言いたかった事は単純です。極度の疲労です。ラットは肉体的には何の問題もなかったのですから。

2002年に行われた実験でも同じ様に明確な死の原因となる候補は見付けられませんでした。

人間の不眠記録はどれくらい?

さて、人は一体どのくらい眠らずに居られるのか知りたいでしょう。自発的に一番長く起き続けていた人の記録は264時間、ほぼ11日間です。

ランディ・ガードナーは1965年、17歳の時に264の不眠記録を樹立しましたが、これは、科学博覧会のプロジェクトの一環として行われたものです。

ガードナーは彼の年齢からすると、身体的な影響は無いんじゃないかなと思っていたのですが、最終的には機能不全が見られるとされました。起き続けている間に、かすみ目や不随意眼球運動や街灯の周りに霧やありもしない帽子が見えるなどの症状を経験し、サンディエゴチャージャーズのランニングバックだと信じてしまったのでしょう。

ガードナーの記録を次に学校で行われる科学博覧会で挑戦しようなどと考えないで下さい。良いことは何もありませんから。

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