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モテと非モテの境界線(全6記事)

「女性をはべらせても幸せにはなれない」自分の器以上にモテることの危険性

秘密の会場で行われた独身男性限定のイベント「モテと非モテの境界線 -魔女の夜会 for Men-」。「なぜモテないのか」という永遠の悩みを、AV監督の二村ヒトシ氏と、「女のプロ」の異名を持つ川崎貴子氏が語り合います。まずは「モテと非モテの境界はどこにあるのか?」「モテの定義をどうして男性はわかっていないのか?」ということから話しが始まります。現代の文明社会において衣食住には事欠かず、されど時に胸を押しつぶすような虚しさは尽きない。その苦しみがもしもモテないことに起因するならば、霧を晴らすにはにはモテと非モテの境界を知ることに他ならない。「どうせ素敵な女性が選ぶのは、イケメンか金持ち」といった考え方を持っていたとしても、2人のトークを聞いているうちに、その考えはきっと変わっていくはず。

モテの定義とは何か

川崎貴子氏(以下、川崎):皆様こんばんは。

観客:こんばんは!

川崎:魔王の夜会にようこそお出でくださいました。何で「魔王の夜会」なのかと言うとですね……。これは、ninoyaという会社が主催しているセミナーなんですけれども、もともと女性向けに「魔女の夜会」というのをやっておりまして、前回、4回目を過ぎたところで。

女性側ばっかりをフォローしていてもしょうがない。男女が出会って、男女が幸せになって欲しいという思いで、魔女の夜会、魔女のサバトという勉強会を運営している事に気づいたのです。私はそこで黒魔女を担当、こちら、カナザワさんが白魔女担当で、女性向けに恋愛指南、結婚指南のほうを行っているわけです。

今回はぜひ男性たちにも、特に「モテ」というものに対して、ご興味を持っていただける方々に、AV監督であり、恋愛のカリスマである、二村ヒトシ監督をお呼びして、講座をやってみたいなと思ったところがこの会を開催した大きな理由です。

ですので、あやしい名前のセミナーなんですけれども(笑)。ぜひ皆さん、今日はたくさんいろいろ持ち帰っていただきたいなと思っております。後ほど質疑応答の時間も30分ほど用意しておりますので、第1部のご講演の内容だけ聞いていただいてその後、個人的なことでもいいですし、一般的なことでもいいですし、女心のことでもいいですし、それぞれぜひ積極的にですね、ご質問いただけたらと思っております。

その様子なんですけど、今日、「魔王の夜会」ってハッシュタグがついてますので、もう写真撮り放題(笑)。Twitterに流し放題! Facebookどんとこい! でございます。今日は一応、男子禁制ということで……。

二村ヒトシ氏(以下、二村):女子禁制!

川崎:あっ、女子禁制か(笑)。いつもそれ言ってるんで、口グセに……。失礼しました。では、第1部。「モテと非モテの境界線」ということで、私のほうで質問をさせていただきながら、二村ヒトシ監督の、色んな著書で書いておりますが、ご本人は「ヤリチンだった」と仰っていますが、それも反省され……(笑)。

今ではですね、本当に迷える女性たちが二村さんの本を読んだり、講演を聞きに来て泣きまくっているという。AV女優さんたちもそうだと思うんですけども、なんでこんな風に慕われるのか?

というのはやはり、いろんなところから、色んな角度から皆で分解していきたいなと思っています。今日は魔王という形でですね、お話していただきたいんですけど。皆さん、モテたいですか?

じゃあ、モテの定義って、何か皆さん。「モテるとはそういうことだ!」ってあります? 定義っていうと難しいですよね。それくらい色んな角度があったりするんですけど。でも女性から言わせてもらえるとですね「こんな簡単なこともわかんないのか!」ってことがいっぱいある(笑)。

その辺を男性目線で……。二村監督とは本当にたくさんの媒体で対談させていただいてますが、「そんなことまでわかられてるんだ!」ってことが、いっぱいあるわけです。そうか、それがヤリチンへの道なんだ(笑)。そして、「ヤリチンでは駄目なんだ」っていうことで今、意気投合してまして。

「本当に女性を幸せにできるような男性が、実はモテに繋がるんじゃないかな?」なんていう質問をぶつけたことが、こちらを開催するスタートになったわけです。そんな二村監督にぜひですね、今日はたっぷりお時間いただいてモテについて、「モテと非モテの境界線」についてお伺いしたいと思っております。ではどうぞ、よろしくお願いします。

(会場拍手)

二村監督に登場していただきます。二村監督、よろしくお願いします。拍手お願いします!

(会場拍手)

なぜ女性に優しくされたら嬉しいのか

二村:今日はどうもありがとうございます。さきほどから川崎さんが僕を紹介していただく時にいろいろ、僕自身も知らなかった僕の過去について、ヤリチンだとかヤリチンが治ったとか(笑)。

今日は本当に、こんなに沢山お越しいただいて、僕もびっくりしています。いつも恋愛のイベントやると、わりと女性が多く来て下さって。

川崎:そうですよね。

二村:本業のほうでイベントやると、お客さんは男性ばっかりですけど。そういうときは僕が主役じゃなくて、AV女優さんに、いろいろ突っ込んだり裸にしたりする役で(笑)。男性の方は僕をあんまり見ていない感じなので。

川崎:二村さん目当てじゃないっていうことですね。

二村:今日はいつもとちがう感じなので、ちょっと緊張しております。男性の前でね、話す資格があるのかどうかわからないですけど。

川崎:二村さんの本って読んだことある方、いらっしゃいますか?

(会場挙手)

川崎:あっ、すごい。

すべてはモテるためである (文庫ぎんが堂)

二村:ありがとうございます。僕が書いた『すべてはモテるためである』を読んでいただいた方は、さっき川崎さんが始めるにあたっておっしゃった(笑)。「モテとは何でしょう?」っていう問いへの、僕の答えをご存知かと思うんですけど。僕が考えるに、まず「俺は、どういうふうに女性から愛されたいのか?」っていうことを自分の頭で考えるのが重要かと。

もっと言っちゃうと、僕の本業に引きつけて言うと「自分の欲望は何なのか?」っていうことをわかってるっていうことが、モテること、愛されることにつながっていくっていうことです。この本でも一番最初に「貴方が考えるモテとは何ですか?」と問いかけまくっていまして。

まぁ、本ですから、問いかけても読者は僕にわかるように答えてはくれないので、ダーっと事例が書いてあるんですね。「これがモテではないか」色んなことが書いてある感じなんですけれども。読んでいただいた方も、今、初めてそういう僕の考えを聞いた方も、ぜひ、ご自分の考えがあったら挙手していただいて……。

「自分にとって、モテとはこういうことだと思うんです!」っていうのがもしあったら、いかがでしょう?

質問者:女性から優しくされることが……。

二村:そうだよね(笑)。それは男性の究極の夢というか、俺たちはそのために産まれてきたんじゃないか、とすら思えますよね。それにしても我々は何で女性から優しくされたらあんなに嬉しいんですかね? 母の胸に帰りたいのかな(笑)

川崎:お母さんに比べたら、そりゃあ、優しくないですよ!

二村:女性の側にもちろん、女性の側の自我があり、女性の側の都合がありますから。そりゃあ、お母さんみたいにはしてくれないわけですよ。それ今、仰ったのは「愛される」ことかなと思うんですけど「モテ」っていう言葉につきまとうのに「モテモテになりたい」。

川崎:モテモテ……。

二村:非常に下品な言葉ですが(笑)。

川崎:どんなイメージ? はべらせてる感じですか?

二村:ウハウハとかね、食べ放題とか(笑)もっと下品な言葉はいくらでもありますけれども、みなさん、どうなんですかね? やっぱりそういうこと夢見たりするのでしょうか?

(会場静か)

二村:答えがないが……。

(会場笑)

男性の「モテ」と女性の「モテ」は違う

川崎:女性だと「モテ」っていうのは自分の好きな人からモテる事であり、自分が好きじゃない人にモテるのは「モテ」じゃないと。自分が興味があったり好意がある人に、言い寄られたり口説かれたりするのが「モテ」であるという。

二村:女性向けのモテ講座は、けっこう盛んですよね。大昔は「モテ」などという下品な言葉はあんまり使われてなかったけど今や「モテコーデ」とかね、愛され……。

川崎:「愛されコーデ」ありますね。

二村:川崎さん仰った通り、女性がイメージする「モテ」っていうのは、自分が素敵だと思う、受け入れたいと思う男性から言い寄られるというか、プロポーズされる、口説かれるように……。

川崎:「素敵ですね」と言われるとか。

二村:興味のない男性からね。

川崎:興味のない男性からモテるのは不愉快……。

二村:っていうか「迷惑だ」って話ですよね。ただ、自分の好みの男性からモテやすくするために、間口を広げておこうというか。一般論として「男性はこういう女性が好きだ」っていうことをやるのが、モテメイクだったりモテ服だったり。

川崎:そうですね。確率が上がるからですよ。

二村:一方男が、「これがモテ服だ」みたいな決定級のお洒落ってあんまないんですよ。

川崎:ない!

二村:「お洒落をしてればいい」ってものでもないし。仕事のときは「ちゃんとスーツを着とけ」とか。スーツ着ない仕事だったら「知られてるブランドの服を着とけ」みたいなことは、男にもありますけれども。基本的に男は男らしくしとけばモテるんじゃないか?っていうような幻想というか(笑)。これは僕は幻想だと思うんですよ。非常に間違った……。

川崎:さっき、「女性はそうだ」って言いましたけど、男性は別に好意のない人でも「好きです、好きです、カッコイイですね」って言われるのは、けっこう「モテ」ですか?

二村:そうですね。

川崎:ですよね!

観客:例えばいろんな人から「あの人いい人だね、あの人いい人だね」って言い寄られてる男がいれば、男性から見て「あ~、モテてるな」って……。

川崎:なりたいですか? 皆さん。

観客:そうはなりたくないですけど……。

二村:そこなんですよ。一番最初に皆さんに伺いたかったのが「世の中にあるモテの概念」っていうのがあって、貴方はそうなりたいの? どうなりたいのか? 僕も若かりし日はウハウハ……。

(会場笑)

二村:って思ってたんですけどね。そうなりたくて、そこがちょっと僕がカン違いしたというか、異常だったところ。カン違いしてAV男優になって、AV監督になってしまったというか。いささか遠回りな道を……。その辺は本に書きましたので、話してるとそれだけで3時間くらいかかるので、まぁ今日はアレですけど。

女性をはべらせてる男性で幸せそうな人はいない

二村:普通の男性は一般論として、「モテ」とはそういう多くの女性から性の対象とか結婚の対象として見られることだ!っていう風に思ってらっしゃると思うんですけど、「アレ? 俺って本当にそれがやりたかったのかな? そうしたいのかな?」っていうところがあると思う。

実はそんなに……。ねぇ。チンチンは1本しかないですからね(笑)。ただその「はべらせている」っていう、さっき、ね?

川崎:はい。

二村:非常に的確なと言うか、下品なと言うか(笑)、その状態は確かに男は求めるんですよ。それが嬉しいっていうのはあって、でもそれは、どっちかって言うと周りの男性に対しするマウンティングなんじゃないかな?

川崎:「どうだ~!」みたいな感じですか?

二村:そう。そうなってることで、男性社会の中で押し出しが利くっていうふうに思ってしまって、複数の女性から「素敵な人ね」って言われていないと「俺はこの世の中でどうなんだ?」って思ってしまうところが、男はある。

川崎:なるほど。はべらせてる男性で幸せそうな人って見たことないですね。

二村:いない! 断言しますけど(笑)。自分の器以上にモテていてもロクなことはないです。あと「誰にモテるのか」っていう問題が、実は、一番最初の話に戻ると、女性も男性も、ありがた迷惑ってことがあるじゃない?

川崎:それが悩みなの。

二村:変な女性にモテちゃう、変な男性にモテちゃうってことだと……。

川崎:自分が好きじゃない男性にモテる。で、自分が好きな人にはモテない、っていうのがすごく悩みですね。

二村:それ重要です。モテラインを突破するってのも、いいんですけど、モテ始めると……。よい女性・悪い女性って意味ではなく、困った女性っていうのが割と世の中には居て、モテることによってモテてる側も苦しくなるっていうケースがある。

あと、困った女性じゃなくても、男の側には罪悪感のようなものがあってね。モテることと言うか、その関係において自分が優位に立ってることに対する、うっすらとした罪悪感みたいなものが男性はあるんですよ。本当は尻に敷かれてるほうが楽なんじゃないか?っていうことであったり。

これも本当、変な一般論なんですけど、男性ってどっかで常に罪悪感を感じていて、女性は常にどっかでイラっとしてるところがあって(笑)。

川崎:わかります。

二村:それはまぁ、男ってものがいかにコミュニケーションが……。これもね、男とはこうだ! 女とはこうだ! っていう言いかたを僕は今してますけど、お聞き苦しいところがあるかも知れないですけど。僕自身が、男ってこうだ、女ってこうだってことは、じつは全然信じていないんです。

一応、話の便宜上、わかりやすくするために一般論として言ってますけど、男っていうのはコミュニケーション能力が低いとされている。実際、低いところはあって、それで常に女性をイラっとさせている部分っていうのがあり……。

川崎:だからコミュニケーション能力の高い男性がモテる。

二村:そうです。

川崎:あのモテ方は異常ですよね。

二村:そうなんです。そこでまた世の中によくあるモテ論で「まず話を聞こう」っていう話になるんですけど、それもね……。これもよくある、男女に共通したモテ論として「相手を褒めろ」とか「何でもいいから褒めろ」とかありますけど、それをやることによって益々困った状態になる。

そこで「モテてもしょうがない人にモテてしまう」っていう現象が起きたりするし。そもそも男がモテていると、その男性をモテさせている女性たちは、最初は「仲良くしてくれて、わかってもらえて嬉しい」みたいなことだけど、しばらくすると彼女たちは、だんだん怒り始めますから(笑)。

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