2024.10.10
将来は卵1パックの価格が2倍に? 多くの日本人が知らない世界の新潮流、「動物福祉」とは
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西野亮廣(以下、西野):僕はよう言うんですけど、たとえば箱根駅伝あるじゃないですか? 箱根駅伝のランナーの方のスピードって時速20キロなんですって。時速20キロって超早くて、50メートルだと9秒切るんですよ。たぶん我々、今50メートルで9秒切るってなかなか難しいですよ。小学校のときとかで8秒台くらいでしたから、おっさんが9秒切るってむずいですよ。
50メートルを9秒切るって結構全速力で、箱根駅伝のランナーの人ってずっと走ってるんですけど、でも箱根駅伝ってそのランナーの異常な早さ、あまり伝わってこないじゃないですか?
語られるのはいつだって、どこどこの大学が勝ってるとか、タスキが途絶えたとか、往路どこ優勝だとか。そんなことばっかりで、ランナーの方の異常な早さが伝わらないじゃないですか? でも、伝えたほうがいいじゃないですか? むっちゃ早いから、伝えたほうが楽しいじゃないですか?
なんで伝わんないのかなと思って、箱根駅伝見てたら、やっぱまず1つとしてランナーの方の前からカメラで撮ってるから、カメラが同じようなスピードで後ろに下がっていってるから、まずそのスピード感がどうしたって伝わんないです。
でもまあ、それはランナーの方の顔を撮らなきゃいけないからそれは仕方ないです。でも、犯人はこのカメラ位置じゃなくて、このカメラとランナーの間に白バイのおっさんがいるんですけど、この白バイのおっさんがまあ、トロトロして走ってますよ。
(会場笑)
西野:確かに白バイからしたら20キロなんて本当に超低速ですから。でもその超低速で走る分にはいいんですけど、顔まで超低速で走ってますよって。だから、その後ろにいるランナーのすごみがよくわかんない。
あれ、僕提案なんですけど、1回白バイのおっさんには白バイは置いていただいて、ママチャリに乗り換えていただいて、こうやって(こいで)やったら、「ママチャリのこのスピードについていくなんて、あのランナーすげーな!」ってなるじゃないですか?
(会場笑)
西野:そっちのほうが箱根駅伝はおもしろくなるんじゃないかなと。箱根駅伝のおもしろさをちょっとおもしろくなくしてるのは、白バイじゃないかなと思ったんですよ。ママチャリのほうがよくないですか?
これって次の2020年の東京五輪にも何か使ってほしいなと思うんですけど、これをそのままっていうわけじゃなくて。あの人たちって超人じゃないですか? みんなすげー超人じゃないですか?
でも超人を超人たらしめるためには、やっぱ普通の存在がすごい必要だなと思ってて。YouTubeで上がってるから見ていただきたいんですけど、チェ・ホンマンVSボブ・サップ戦っていうのがK1であったんですよ、超でっかい化けもん対決。
身長、ボブ・サップが2メートルでチェ・ホンマンが2メートル18なんですけど、このチェ・ホンマンVSボブ・サップ戦の審判の身長がボブ・サップくらいあるんですよ。
(会場笑)
西野:でかさがよくわかんないですよね。なんであんな凡ミスをしちゃったんだ? と。それこそ審判の身長はなるべく低く、160くらいにしといたらでかさが伝わるじゃないですか? そっちのほうがスポーツとしておもしろいし、画面見てて楽しいし。
僕はスポーツ見てたときに、その取りこぼし結構あるなと思って。2020年の東京五輪ね、わかんないですけど100メートルの、タイソン・ゲイとか早いやついるでしょ? ウサイン・ボルトとか。
何レーンあるんですかね? 10レーンくらいあるんですかね? 11レーン目くらいはサラリーマンのおっさん走らしたら、「こいつらホンマ早いな」ってなるじゃないですか?
(会場笑)
西野:「おっさんがまだこの位置にいてるのに、もうゴールしてるの!」みたいな話になって。この比較が超おもしろいと思ってて、スポーツはまだ改良の余地というか、もっとおもしろくできるなっていうのは。
西野:こんなもん僕の仕事じゃないっていうのは重々承知なんですけど、僕が今一番クリアしたい、ここをクリアしたほうが絶対楽しいと思う問題が2つあって。1つは、雨。
小谷真理(以下、小谷):あ〜。
西野:雨の日ってテンション下がりますけど、「なんでこんなに振り回されてるんだ?」と思うんですよ。嫌なんですよ、なんか。農家の方とかは「雨きた! ラッキー!」と思ってるかもしれないですけど、基本的には雨降ってきたらテンション下がるじゃないですか。我々こんだけ人がいて、こんだけ脳みそがあるのに、なんで雨にやられてんだと思って。
小谷:確かに。
西野:雨クリアしたいのと、あと、交通事故です。こんだけ脳みそがあって、みんなアイデア絞ってんねんから交通事故ぐらいなくせそうな気、しないですか? ここの超いいアイデアは出したいんですよねぇ。
僕が最近なるほどなと思ったのは、Facebookに書いちゃったんですけど。交差点、横断歩道の横から見たとしてですよ、車が走ってたとしてですよ、こっち(人間が歩く横断歩道)に向かってギューンって入っていったとするじゃないですか。
で、「なるほど、これめっちゃいいアイデアだな」と思ったのが、ここ(横断歩道の横)のアスファルトをちょっと厚めに入れるんですよ。こうするだけで、車のスピードがちょっと落ちちゃう。なんでかっていうと、轢いた時に致死率が下がる。
小谷:へぇ〜。
西野:これだけですよ。アスファルトをたった2センチ厚めに盛るだけで、車のスピードって落ちるんです。単純ですけど、これだけでもしかしたら本当に救えた命があったんだろうなと思ったら、こういうのを思いつきたいですよね。
小谷:確かに。
西野:「それだけでよかったんだ!」みたいな。雨もね、「何だろう?」と思うんですよ。「なんで雨にやられっぱなしなの?」って。で、雨っていったら傘じゃないですか。で、ここに人がいるじゃないですか。これ、すでに集音装置になってるんですよ。僕、1回実験でここにiPod垂らしてみたんですよ。
で、音楽鳴らしてみたんですよ、雨の日に。そしたらね、ポツポツって傘に雨が当たる音がうるさくて全然聞こえなかったです。
(会場笑)
西野:大失敗、これは。雨降ってきて、「きた、雨や!」「これや!」と思ってやってみたら、もう……。傘に雨が当たるって考えてなくて。また話が長くなっちゃった。
西野:で、次何でしたっけ?
小谷:学校です。
西野:僕は今『サーカス!』っていう学校をやってるんですけど。僕、超頭が悪くて、学年でも下から10番目ぐらいだったんですよ、ずーっと。200人ぐらいの学校なんですけど。それで不良だとか不登校だったら言い訳できるんですけど、僕は毎日学校通ってて、ただ勉強ができなかったんですよ。まぁ、まっすぐバカだったんですよ。
(会場笑)
西野:で、勉強なんて全然おもしろくないなと思って吉本に入って、吉本でいろんな芸人さんと話すんですけど、ロザンの宇治原さんの話す歴史の話とか超おもしろくて、ダイノジの大谷さんの話す音楽の話が超おもしろくて。で、帰りに教科書とか買ったりしてるんですよ。勉強してるんですよ。「勉強ってめっちゃおもしろいじゃん」と思って。
「学校の勉強ってなんでこんなにおもしろくなかったの?」ってなったときに、1個思ったのは、勉強はおもしろい。勉強はおもしろいけど、先生のしゃべりが下手だったんじゃないかなと思って。しゃべりの能力が1だったら、知識が10あっても1しか伝わんないから。
じゃあもう「おしゃべりが上手な人だけ呼ぼう」っていうことで、学校を作ったんですよ。学校を作ったっていうか、すでにある場所で3か月に1ぺんやってるんですけど。円形の劇場で。
あと、これもずっと思ってて。例えば、「何かを成し遂げるために今は苦労しろ」みたいなことって言われるじゃないですか、ちょっと我慢するみたいな。「今は耐えて、最終的にやれ」みたいな。わかんないけど、賢くなりたかったらすげぇ我慢して勉強しなきゃいけないみたいなのってあるんですけど。
でも自分のことを考えた時に、俺、『ドラゴンボール』のストーリーって絶対抜けないんですよ。フリーザの前にはピッコロ大魔王がいたり、ここの順番って逆にしないんですけど、歴史とかは逆転したりするんですよ。年表とか。鎌倉幕府が戦国のあとに来たりとかそういうミスってちょっとあったりすると思うんですけど。
「これ、何やろ?」と思った時に、「楽しいことをしたかったら今我慢しろ」って言うんですけど、俺は楽しいことしてる時のほうがインプットしてるなと思う。たぶんみなさんもそうだと思うんですけど、ミスチル好きな人っていうのはミスチルの歌詞抜けないと思うんですよ。
じゃあ、勉強をまず楽しくしちゃったほうがインプットするよなと思って。で、先生をまずおしゃべりが超達者な先生だけ呼ぶっていうのが1つ。あとは、学校のあの空間。先生がいて、こっちに椅子がずーっと並んでる、あのいわゆる軍隊教育ですよね、あれが全然楽しくないと思う。
でも円形劇場にして、照明とか音響とかむっちゃ楽しい感じにして、もうレーザー光線がビャーって飛び交ってて、ドカーンっつってお客さんも……。もう「お客さん」って言ってるんですけど、もう「フゥー!」ですよ。先生が来たらお客さんがワーッてなるんです。
ずっと客席から見てるから思うんですけど、抜けないんですよ。むっちゃ楽しかった、インドの話とか。その時の先生が話してくださったこと。学校って、なんか軍隊だなんだっていうより、楽しくしたほうが絶対に効率がいいと思って。だから今、3か月に1ぺんですけど、やってますね。
西野:すっげぇ楽しいですよ。学校もエンタメにしちゃうっていう。むっちゃおもしろかったですよ、こないだの大阪のは。飛鷹全法さんっていう高野山のお坊さんに来てもらって、「なんで日本は神と仏とかが一緒にいるんだ」っていうお話だったんですけど。
なんかキリストもいれば、仏もいて、混ざってるじゃないですか。「日本っていう国は何だろう?」っていうのを、そのお坊さんは「BABYMETAL(ベビーメタル)」で例えてたね。アイドルとヘビメタ。
BABYMETALって大人気なんですよ。特に海外とかですっげぇ人気なんですよ。でもあれって、単純に掛け合わせたり、これとこれを合わせたらいいっていう話じゃなくて、アイドルとヘビメタを合わせるには、まぁ一種の天才性がいるんです。
「その天才プロデューサーがいて」っていうのと、「日本に仏様と神様を同居させたやつがいる」っていう話を、いきなり話さずにBABYMETALから行くから、すっげぇ「なるほどな」ってなったんです。
いきなり「神が〜」とか言われたら、なんか難しい話されちまったと思ってこうするんですけど、急に「BABYMETALって超いいよ」ってお坊さんが言うんですよ。おもしろいですね。そういう話をいきなり難しくするんじゃなくて、照明とか音響とか、しかも登場の音楽とかも楽しいんですよ。
タータターター♪ 「どうもどうも〜!」って出てきて。「BABYMETALがね」とか言うから、まずこっちのカギが外れましたよね。飛鷹さんはまだお若いんですよ。30代じゃないかなぁ?
むっちゃおもしろいんです。そういう先生ばっかり呼んだらスッと入ってくるなぁと思って。学校は興味ありますね。
(会場笑)
質問者:僕も同じ悩みを持っていて、同年代の友達とかでも、みんな何もわかんないのに「大学とか行く」って言ってて、やっぱ学校ってこの時代必要ないのかなと思って。そういうのをなくして、学校を壊していくためにはどうしたらいいですか?
西野:「学校を壊す」って、なんか『20世紀少年』の「友達」みたいな発想してるな。
(会場笑)
西野:壊していきたいの? 破壊だね。
質問者:まずはみんなにそういうのを気づかせたいっていう。
西野:「もう学校なんていらないんじゃない?」みたいに思ってるわけでしょ? 例えば俺やったら、大学とかって、1回の授業でいくら払ってるんですかね? 5000円ぐらい払ってるのかな。5〜6000円払うエンタメってすげぇんだよ。
小谷:すごいっす。
西野:俺はずっとこういう仕事してるから、5〜6000円払うっていうのは……。みんなそこを疑ってないけど、5〜6000円払ったら、歌舞伎でも、音楽のライブでも、お笑いのライブでも、すっげぇいいもん見れるの。
それなのになんか、かったい椅子に座って、しかも先生もこうやって後ろ向いてさぁ、もうジジイが教科書そのまま朗読してるぐらいの。「2ページから3ページ読んで」みたいな。もうそれってエンタメとしてはもう最低で。
でもそれを「普通そうだよね」っていうんじゃなくて、「あいつら金のムダ遣いしてるなぁ」と思ったから、だからもう「サーカスを作っちゃおう」と。「超楽しい学校作っちゃおう」って、「みんなこっち来たらすげぇ楽しいよ」っていうのを提案したいのね、俺は。
合ってるかどうかはわかんないけど、俺の周りはちっちゃいコミュニティだけどそこでキャッキャキャッキャやってるんだけど。だからあれいらないなぁと思ったら、いらないやつのことは1回ちょっと無視して、「自分だったらこうするけどね」っていうのをやったらいいかもしれない。
(小谷が酒をこぼし、それを隠すしぐさをする)
(会場笑)
西野:今、隠してたん!? 急に体制を斜めにしたから。「急にくつろぎだしたな」と思ったら、こぼした酒を隠してたってことね。
(会場笑)
西野:いや、俺、別に「酒こぼすなよ!」って怒らへんし。俺んちちゃうし、ここ。こないだも俺んちの庭に置いてる机から生えてたキノコ食べてたやん。食べたアカンよ、あれは。
(会場笑)
西野:その日は松茸を食べる会だったんですよ。
小谷:そうや。
西野:友達から松茸をいただいて。「松茸うまいね〜」ってやってたのに。お前だけやぞ、庭に置いてる机から生えてるキノコ食べてたんは。
小谷:ピリピリした。
西野:ピリピリしたんかい! なんやねん、この話!
参加者:西野さんがやってる『サーカス!』は、どっちかっていうとアート寄りっていうことですか?
西野:俺はあんまりアートってよくわかんないけど、でもあれは本当に僕が小学生だったら「こんな学校がほしかったな」っていうのを作ってるってこと。これやったら行くし、これやったら人間って前のめりになれるし、超楽しいやんと思って。
音楽ライブとか、お笑いライブだとか、歌舞伎だとか、ギャラリーに行くとかの流れで学校があって、お客さんが選べたらいいなと思って、そういうものにしたいなぁ。絵にしたって何にしたって、俺が見たいもんを作ってるっていう。
しかも、世間の人に「これウケるだろうな」っていうのでは全然やってなくて、自分が特別な感覚があるとも思ってないから。自分が「これほしいなぁ」とか思ってるのとかって、たぶん20人に1人ぐらい僕と同じように考えてる人がいるんやろうと思って。
でも20人に1人だから、あんまり刺さらないやんか。だったら声をもうちょっと大きくして、拡声器みたいなのに持ち替えて、分母を超でかくして、もう1万人とか10万人とかに届くように「西野がこんなんしまっせー!」って言ったらいいんじゃないかって。
10万人のうちの20人に1人だったら結構な人数だから、これをやったら好きなことしながら飯食っていけるかなぁと思ってやってる。
でも、もちろん20人に1人だから、うち19人は不快に思う人もいらっしゃるかもしれない。何とも思わへん人がほとんどだと思うけど、中にはやっぱり不快に思う人もいるわけでしょ? 10万人にバーッてやったらその分不快に思う人が増えるわけやんか。
それもすげぇ思って。でもさ、僕のこと嫌いな人っていうのは数字で表れへん。たとえば僕が「CDを出しました」っていった時に、数に換算されるのは、自分のことを好きで好きでたまらない人の数だけだなと思って。どんだけ嫌われても、1億人とか10億人に嫌われても、結局これゼロだと思って。
じゃあもう、自分が「これが好きだ」っていうことをすっげぇでっかい声で言って、「俺これします!」っていうことをすっげえでっかい声で言おうって。どんだけ嫌われても、ゼロだからね。ライブしたって、(嫌いな人の数は)集客に響かないから。好きな人しか来ないし。
だったらもういいやと思って。だから自分が見たいこととか、自分がほしい建物とか、自分が食べたいものとかそういうものばっかり作るようにしてる。なんかアドバイスになってますか? ごめんなさいね、偉そうに。ありがとうございます。
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