2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
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宮脇修一氏(以下、宮脇):ということもありますけどね。そういう意味では個展は。
古賀学氏(以下、古賀):いろいろ話題がある方が。
宮脇:フィギュアとかもそれだけ話題になったら、ちょっと面白いし、いろんなネタがつけれるから。
古賀:誰も水中ニーソの新作にフィギュア作ってるっていうのはあんまり思わない。というか海洋堂が絡んでるってなったら「フィギュアかな」って思ってくれるけど。こういうフィギュア作ってるって思わないですね。
宮脇:思わないですね。これで僕ら胸張って、でも本当に嬉しいのは、こういう形でできたっていうのは、すごく結果的に。
古賀:これですごいのは、レジンキットの話をセンムとして、「辻村さんが原型を直したいそうですよ」って言い始めた(笑)。(※注:組み立ての不具合を直す原型修正のみでした)
宮脇:あほかーっ! よくある本当に作家の悪い癖で、癖というかほっといたら永遠に作り続けたい、なんぼでも。どの造形師でもみんな過去の作品、ちょっと前のやつでも、「また再販する」っていうから「絶対やめてください、手を入れたいです!」って。「それぐらいする気があるんやったらもう1個作れ!」とか思うんですけどね。やっぱり次々もっといいものにしたいという気持ちは分かる、これで。
「とりあえず取り上げたから、もう返さへんから、こっちのもんやから」と。彼がいくら「やり直したいと」言っても、「それやったらもう1個新しく作れや」と。
古賀:社長凄いですね。
宮脇:それぐらいじゃないと、本当に造形する人っていうのはみんな。
古賀:やっぱり社員の原型師もそうなんですか。
宮脇:全部そうですよ。だから締め切り作って、絶対にその通りにはしないけど、3日4日ビシビシビシビシとしばきまくる。
古賀:谷(明)さんとかもずっと作り続けるんですか。
宮脇:谷君も。だからみんな、自分の身を削るけど、本当に1ヶ月2ヶ月、下手したらなんぼでも伸ばしよるから、奪い取らないと、奪い取っていかないと。それは竹谷さんしかり、辻村さんしかり、松村しかり。あの辺の人ってみんな、基本的に谷君もそうですし、辻村さんはちょっと違いましたけど。
古賀:辻村さんめちゃくちゃ早いんですよ。
宮脇:早いんですよ。
古賀:今日(7月8日)ね、しまりすちゃんは来れなかった理由は、この前のセンムが来て。
宮脇:土曜日(7月4日)、潜ってましたね。
古賀:ここ3週間土曜日曜で、水中ニーソの撮影を毎週末やってて。
宮脇:大変ですよ。水の中ずーっといたからね。
古賀:辻村さんに、この週がラスト撮影なんで、「写真集に載せるならこの日にあると嬉しいですけど」って言ったら、仕上げていただいたんですよ。
宮脇:そうなんですか、なるほどね。
古賀:ただ、たぶんいろんな無理をして。
宮脇:そうですね。そりゃ普通できないですよこれ。どれだけの時間と手間と労力がかかっているか。
古賀:ラスト撮影当日までに完成させていただいて、それから熱で倒れられた。
宮脇:ハッハハハ(笑)。でもできるというのが分かれば、1回それでやってしまうと、奇跡を1回起こすと、それが当たり前になりますやん。次からは、「できるやん」「ええとこ以前やっとるやん」と。
(会場笑)
古賀:ミラクルがデフォルトになる。
宮脇:そうそう、ミラクルがデフォルトになるんですよ。日本作家も、受賞1回取ったら次も取らんと。
古賀:それがデフォルトになる。
宮脇:デフォルトになって、「なーんや」と言われてしまう。「出来るやん」。
古賀:しまりすちゃん、毎週撮影ができるという状態になってたけど、さすがに今日来るまでに。
宮脇:僕もわずか2時間ぐらいしか滞在せず、水の中プカプカ浮いて。気持ちいいんですけどね、ずーっと浮遊してるだけでも。夜ゆっくり寝れましたから。思いっきり疲れますからね。水の中っていうのは本当に、凄い体力というか、すべてを奪ってしまう。
特に水深4m5mの水圧たるや、なかなか人としてはすごいですよあれは。水の上に浮いているだけでも。僕は大きなお風呂が大好きで、風呂好き人間としても、小さいバスタブと、でっかい水のかかる水圧と気持ちよさというか、水圧すごいけど、気持ちいいけど疲れます。
古賀:体力がね。
宮脇:よくもまぁというか。しまりすちゃんもあんなに小っちゃい人なのに。僕らみたいなブヨやったら、わりと皮下脂肪があるから。
古賀:あったかいですね。
宮脇:あったかいですけど。
古賀:寒そうですもんね。
宮脇:寒いですよ。
本橋:実際にすごく寒そうにしてましたよね。
宮脇:だって寒そうですよ。寒いですよ普通の人は。
古賀:本橋さんもね、しょっちゅう現場に見学に。
本橋:はい。
宮脇:泳がれてます?
本橋:泳いでないです。
古賀:ただもう上がってきたモデル達が、凍えているのをいっぱい見てます。
宮脇:あがった瞬間に、さっきまで見てた水の中の。
古賀:キャラと違う。
宮脇:違う。本当に寒そうな、「大変やなぁ」っていうのが。
古賀:水中ニーソは結構、大変ですよね。
本橋:プールサイドとか、すごい温度が高いのもそういうことなんですね。
宮脇:そういうことですよね。僕なんかも浸かって、だからあったかいですよね。
古賀:真夏でも冷房禁止ですから。
宮脇:入ってきたら本当に。1回目の時は泳がなかったので、汗だくで、吹き出る汗で。次は気持ちいい。僕にとっては最高。水の中にずっといるのはなんの苦でもないですけど。
古賀:いつもふわふわして。
宮脇:もうふわふわして。
古賀:おもちゃがあって。
宮脇:最高ですよ。もっと早く行っとけばよかった。
古賀:最高のフィギュアがあって。
宮脇:そう。ずーっとあん中に浸かってりゃ最高ですよね。お水の中に浸かれて。でも本当にやられる方は、大変ちゃ大変なのは、現物見てると、僕も一緒に浸かっているとよくわかりますね。本当に大変な、しまりすちゃんにしても。それから辻村さん、そんなに早くできるっていうのが、ちょっと。
古賀:バラしたらまずかったですかね。
宮脇:バラしたらまずいですよ。そんなんねぇ。
古賀:じゃあここはログミーではカットしましょう(笑)。
宮脇:他の、昔の手塚治虫さんとか、1週間に3つとか、1ヶ月に4本ぐらい連載を抱えている漫画家さんと、それこそいまひと月でもなかなかに上げない漫画家さんとの違いで、やる気になったらやっちゃうっていうのはすごいですよね。
古賀:全部含むと○日ぐらいしか無いので。
宮脇:そうなんです。絶対に間に合うわけがないと思ってました。あったんですから、ビックリしますよって。
古賀:「エーッ、出来てる!」って。
宮脇:レジンのものが置いてるぐらいかと思ったら、あったんですよ。水に。すごかったですね。これが撮れたらもう勝ってるじゃないですか。誰もまぁ。
古賀:撮れないからね。
宮脇:ざまあみやがれですけど。これ写真見てると、誰もできひん才能の塊みたいなものが、いろんなものが、これだけ重なったものって、すごいですよ。
こういうものは、フィギュア市場でもなかなかに画期的な、ある種本当に革命的な。そういうフィギュアの誕生と言うのに立ち会えて、われわれも日ごろから自分たちのコンセプトとしては、世の中も悔しがらしたし。
バンダイとかタカトミも「ざまあみやがれぇ」とか、「ほらほらこんな良いものを作ったったぞ」という。造形物の造形力の力で自慢できるって最高に気持ちがいいじゃないですか。そこはね、これだけ圧倒的な戦力を見せたら、なんか戦争を始めたいなと思います。
古賀:戦闘民族ですからね。
宮脇:こんな兵器があったらね。それこそ勝てると思うよね。すいませんしょうもない話ですけど。
古賀:これもうね、ざっくり表紙。ここに「かわいくて息が苦しい」的なキャッチコピーを、今日ちょっと仕事があって来れないんですけど、天才編集大田(洋輔)君が書いて、なんて書いてくれるか。
宮脇:そもそも、なんで女の子を水に入れて苦しめてやろうと思ったんですか?
古賀:苦しめてやろうとは思ってないですよ(笑)。ふわふわしている女の子の感じ。
宮脇:フワフワはすごいですね。
古賀:これでもふわふわで、このポーズを中層で。これ表紙だから気合が入ってるんですが、これ撮るのに2日かけてますから。
宮脇:そうでしょうね。
古賀:これだって撮れないですよ。
宮脇:僕も横で見てて、本当にそのメイキングを見ていると、あれはあれでどっかで動画を出さんとダメですね、しばらくしたらね。
古賀:裏側を見たら全体がね。
宮脇:あれを見てるとね、「アホちゃうか」と、本当にね。
古賀:アホです。
宮脇:アホですよ、いろんな撮影現場って模型の雑誌とか、早稲田にあるいろんな撮影スタジオとか、いろんなところでスタジオで見ながら、だらだらと長い。でも皆大変なんですよ、ライティングとかなんでも。そういうの全部含めて、水の中で、ねぇ。
古賀:センムご覧になったんですけど、アホみたいにギチギチの香盤表があるじゃないですか。
宮脇:そうなんですよ。あれ見てたら「絶対こんなことやってられんわ」と思いますね。
古賀:これを連続して撮るとモデルが疲れて表情が死ぬので、疲れる限界ぐらいで、交代なんです。
本橋:古賀さんは水中にずっと入りっぱなしなんですよね。
古賀:まぁそうですよね。
宮脇:カメラマンとライトの人と。
古賀:あとサポートの女性ダイバーがいて。
宮脇:すごいですね。
本橋:その辺は、今後また全天球映像とか、メイキングっぽいのも公開されるかと。
古賀:メイキングっぽいのも原宿で見れるように、全天球チーム渡邊課と一緒に。今回、だいたい全天球が入ってる。全天球で見ると、写真集で見るほど、全然エッチじゃない。すげー大変ていう。
宮脇:エッチとかフェチの差って、古賀さんのこの前撮影された10月の個展見て、それこそ10代の僕が見たらえらいことになる、変態になるしかないじゃないですか。リアルな10代のセンムが見てたら、フェチの方に行っちゃいますよ絶対に。スッポンポンの裸を見ててもあんまり面白くないけど、こっちの方がなんかエロいというか、フェチなエロさというのは。
古賀:さっきセンムがおっしゃってた、見る理由があるとガン見できるじゃないですか。
宮脇:そうそう。水中だし、だからガン見しやすいというのと、ちゃんとそういうパーツパーツは、膨らみであり、窪みであり、いろんなくい込みでありとか、あの素晴らしいものが。パーツパーツフェチは。模型の国の人ってそういう意味では、フェチな、さっき言うたタミヤの彫刻にニコーッとできる人間からすると、もうやりたい放題というか、柔らかさ硬さ、水、浮遊感。そうですね。
古賀:表紙写真については、しまりすちゃんはお尻がいいから、お尻が見えて、ニーソが見えないといけなくて。ざーにゃちゃんは腰が綺麗だから、この角度で腰を見せるとか。どれだけ無茶振りをするんだって感じで。
本橋:それを水中でキープしないといけないですね。
宮脇:水中でキープして。
古賀:さらに2人そろって顔がかわいく撮れている絵っていう。
宮脇:この位置で高さを維持するのは本当にね、できないですよ。この位置で止まれるって。操演しているわけじゃないから。特撮はね。
古賀:前回がタコとか、メカとか、特撮祭りだったじゃないですか。今回3作目でみんな特撮がくるんだろうと思いきや、ほぼ画像加工なし。分身の術もミニチュアっていう。
宮脇:ミニチュアまで絡ます。ついに成功できたから、「10月にやりたいっすよねー」って話してて、辻村さんの登場で、やっぱり模型の神様が、何かこれに関してはレボリューションを起こしてくれるようにしてくれた。これを機にそれこそ、古賀さんだけじゃなくって、辻村さんもうちらもそうですけど、続々といろんなものがやりたいですね。できますから。
僕らとしてはそういう、ネタがもらえれば、ゼロから作る。こういうものが目の前に。作るネタがあれば、あるときはエヴァであろうし、艦コレであるし、何でもあるわけですけど。ニーソというものが出てくると、これは素晴らしい。「いい感じでまとめるぞ」って思いながら(笑)
古賀:まとまったー! タイトルは『水中ニーソキューブ』になります。
宮脇:キューブ?
古賀:3作目だから『3乗』からはじまったんですけど、最初は。
宮脇:なるほどね。
古賀:『3乗』で、あと立体化がプロジェクトとしてあるので。たまたまですけど全天球が話題になってて、全立体的ってだねっていう。水中ニーソと、さらに女の子と女の子を掛け算するんで、ほぼ全部の写真、実は百合編という。百合編は(トークイベント当時)まだ未解禁なんで。まだまだ。表紙案は思わせるぐらい。
宮脇:思わせるけど、まだそこまで行かなくてもいいと思いますよね。今度はリアルに、合成じゃなく普通に?
古賀:合成もせっかくだから。しまりすちゃんとしまりすちゃんを合成した特撮があったじゃないですか。
宮脇:はい、ありましたけど、今回は。
古賀:今回もちょろっとやります。あれともっとウルトラCみたいなやつをやります。あんまりメインじゃなくなったかな。(※注:新刊「水中ニーソキューブ」に百合特撮は未掲載です)
本橋:古賀さんの中では、ですね。
古賀:そうですね、合成は。特撮は当然ね、オタクなので大好きなんですけど。
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