「間」について

野村尚義氏:プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義です。さて、デリバリー8つの技術、4番目の要素は「間」についてです。何も話していない時間を上手く効果的にプレゼンの中に取り込んでいきましょうということですね。もし、あなたが自信なさげに見られるとか、なんだかおどおどして焦っているように見られる、そういう風に言われることがあるのだとしたら、あなたは「間」の威力をうまく使えていない可能性があります。

「間」この沈黙の時間をうまく使うと、話し手自身を堂々と自信があるように見せることができます。逆にいうと、堂々としていない、自信がない人って間が怖くなるんじゃないですか。早く次喋らないといけない、逆にいうならば、間をとることによって話し手自身はそんな状況じゃないですよ、という風に伝えることができます。

あなたのプレゼンテーション、ぜひ録音して聞き直して欲しいですね。それで、間が入っていないとしたら、こんな風になっていませんか? 「えー」「あー」ということがすごく多くの時間をとってしまう。そうするとものすごい自信なさげに感じるんですね。イメージでやってみましょう。

プレゼンテーションの例

はい。えー、プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義です。えー、今回お伝えするのがですね、えー間についてこれをお伝えしていくんですが、えー間の取り方というのがですね……。

こんな風に聞こえます。一方、今「えー」って言ったことを間に変えるとこういう風に聞こえます。

はい、プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義です。(間)今回お伝えするのが、(間)間についてですね。(間)間をとったプレゼンテーション。これがどのような効果を発揮するかというと、実はですね……。

こんな風に聞こえます。「えー」を入れたプレゼンテーションと、「えー」がないプレゼンテーション。ずいぶんと印象違うんじゃないでしょうか。これですね、間をとると聞き手にとって落ち着いて見えます。話し手にもいい効果がありまして、ゆっくり次話すべきことを考えられるわけですね。逆に、次話さないと、次話さないとって思ってしまうと、どんどん自分自身をプレッシャーかけてしまうじゃないですか。間をとったほうが話し手も楽なんだ、ということに気付いていただきたいと思います。

「えー」「あー」と言ってしまう理由

それにも関わらずなんで「えー」「あー」って言ってしまうかというと、沈黙に対して聴衆に「なんかこの人、喋ることなくなって詰まってるんじゃないの」と思われたらまずいなという風に考えてしまうからなんですね。正直、聞き手側にとったら、多少の沈黙なんか正直どうでもいいですというか、気にもとめてません。間があったほうが沈黙があったのかっていうことすらわからない状態レベルで気付かないです。

ぜひやってほしいのは、1度間をとるということを意識的に聴衆の前で行い、結果として全然沈黙が場の空気を乱さなかったという経験を積んでほしいです。それを通じて、あなたは間、沈黙に対する恐怖をクリアすることができ、これを武器として道具として、うまく使っていただくことができるはずです。

間、沈黙の威力。ぜひ自分の武器の1つに足していきましょう。プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義でした。