「張りのある声」と「張りのない声」の違い
野村尚義氏:こんにちは、プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義です。さて、ではデリバリー8つの技術、1つ目の声の大きさ、ここから行きましょう。声の大きさ、これはですね、シンプルです。声は大きい方が必ず得をします。実際は大きさ、ボリュームというよりも、大きい声を出そうとすることによって声に張りが出る。この張りが話し手の魅力に変わってくれるんですね。張りのある声の出し方と、張りのない声の出し方。この2つにどのような違いがあるのでしょうか? 簡単に言うとこうです。張りのある声の方がエネルギーがある。自身がありそうに話している。やる気、熱意が感じられる。
一方、声の張りのない話し方だと、話し手自身にエネルギーがない、元気がないという風に感じられたり、やる気がない、熱意がないという風に感じられたりしがちです。
今の話し方、張りのある話し方と張りのない話し方。あえてちょっと強弱つけてやってみましたが、大分印象違いませんか? ほとんどの人は前者、こちらの方に魅力を感じたんじゃないでしょうか? 後者のこういう話し方に対して魅力を感じる人はゼロではないかもしれませんが、やっぱりレアケースですよね。
このように、大きな違いを生み出してしまいます。感覚的に聞くだけでわかると思うんですが、じゃあどうやって声を張るんですかという話に当然ながらなってきます。具体的なやり方ですよね。声の張り方、大きく2つです。
張りのある声を出すための具体的な方法
1つが姿勢を良くするということです。声の通り道をしっかりと確保してあげる。そしてもう1つは口を大きく開けながら話す。あ、い、う、え、おみたいな、口を大きく開けて話す。
逆に言うと、小さい話し、ぼそぼそ話している人って大きく口を開けながら話しているイメージってないんじゃないでしょうか? 事実そうなんですね。だから、はっきりと声の通り道を確保すること。これが気をつけることの1つ目です。
実はもう1つあるんですが、こっちの方はある種の精神論に近いんです。声を張ろうと、大きく話そうという風に意識を向けるということです。意識を向ける。なぜか? だって、プレゼンテーションのときに、ここ一番のときに普段やっていないことなんかできないと思いませんか?
実は声の大きさ、声の張りに関わらず全てに関してそうなんですが、ここ一番でできることというのは基本的に普段から意識できていることの中のごく一部だけです。ここ一番だから、色々なことを忘れてしまうと。
そしてなによりも話の中身に集中してしまうからこそ、話し方というところに自分の中の意識、フォーカスが向かないわけですね。そしてそうあるべきだと思います。私は話し手が前に立ったとき、プレゼンテーション、スピーチをするときに、その人の内容にこそ集中するべきだと思うんですよ。
だからって話し方がまずくなって良いわけではない。結果的にどうなのか? 普段から話し方なんか意識してなくてもできるから。結果として前に立ったときも魅力的に話すことができる。それは声の張りに関してもそうであると。こういうことなわけなんですね。
少しだけ私自身の話をします。私はですね、十数年前に今のマーキュリッチという会社を立ち上げたのですが、講師業を始めたとき、実は声が、大きい声がでないというのが1つの悩みでした。
気づいたらいつの間にか声が小さくなっていると。これ良くないなと思いましてですね、取り組み始めたのが、今申し上げた通り、普段から声を大きく、張りのある声を使うという風に意識しました。
もう少し具体的に言うと、2割増しの声、2割増しの張りで普段から話すということです。それを心がけ始めて、ずっと、いつの間にか意識が抜けてしまうということもあったんですが、1ヶ月経ち2ヶ月経ち3ヶ月経った頃、私は100人くらいの会場だったらマイクなしで、半日くらいだったら普通に話せるようになっていました。
やったことはった1つだけ。声張ろうという風に心掛けたこと。ぜひあなたも、ここ一番のプレゼンテーションのときだけ良い声で話す、声張って話す。そうじゃなくて、普段から魅力的に、普段から心がけて話す。ここから第一歩目を始めてみていただきたいと思います。
以上、声のボリューム、声の大きさ。もっと言ってしまえば声の張りについてでした。以上、プレゼンテーション・アドバイザーの野村尚義でした。
(編集協力:伊藤勇斗)