社会人経験なしの大学院卒は使いづらい

城繁幸氏(以下、城):一旦新卒のときにコケて既卒になってしまうと、今日本は新卒至上主義ですから、なかなか挽回、リカバーできないという話がありまして。

それからあと、高学歴フリーターってありますよね、博士だとか。そういうところに行った人というのは何でフリーターになるのかと、何で企業は採らないのかと、そういうのを全部探っていくと、結局は年功序列というのに行き当たるんですよね。

22歳の人というのはお給料が一番安くて、年齢に応じて上がっていきます。つまり27、28、30になっちゃうと非常に割高になっちゃうと、企業はなかなか採らないという、そういう文化があるんですよと。

西村博之氏(以下、ひろゆき):でも大学院に行きました、26歳です、社会人経験ありませんとかって、超使いづらいじゃないですか。

:(笑)。

ひろゆき:だから僕、雇う側から見ても「うぜえ」とか思っちゃうんですけれども。

:そうですか、おもしろい人いますよ、結構。

ひろゆき:おもしろいだけなら、いいんですけれども。

:うざくない人?

ひろゆき:別に要は、能力値がそこまで高いわけじゃないじゃないですか。18歳で2、3年働いているやつのほうが、社会人としてのスキルは高かったりするじゃないですか。

:もちろんそうですよ。

ひろゆき:でもそうすると21、2歳の人が、じゃあ26歳のやつを使えるかというと、しかも学歴が大学院卒みたいになると、お互いに気を使っちゃうじゃないですか。だから超使いづらいとかというのはあると思うんですよ。

実際やっぱり教えるのって、普通だったら22歳で入って、25、6で中堅どころになって、新卒で新しく入ったやつを教えるとかだったらできると思うんですけれども、同い年とかちょっと上で、しかも学歴が上のやつに、ものを教えるってかなり難しくないですか?

:多分それも1つの僕は昭和的価値感というか、年功序列的な発想かなという気はしますけれどもね。

ひろゆき:マジですか……。

正論と現実論

ひろゆき:じゃあ、説教とかできますか?

:(笑)。

ひろゆき:年上の方に。

:必要とあらば。

ひろゆき:マジですか。

:うん。でも結構普通ですよ、外国・外資とかだと。

ひろゆき:外国・外資だったら普通だと思うんですけれども、ここは日本じゃないですか。

:ううん……。

ひろゆき:できるんだ。やるべきか、やるべきじゃないかというのは、やるべきというのは正しいと思うんですよ。でもそこで、いさかいが起こるほうが僕は面倒くさい。

:(笑)。

ひろゆき:僕は社内で女性とは絶対にもめないようにしているんですよ。

:(笑)。それは古いな。

ひろゆき:いくら正論で勝ったとしても、その後女性を敵に回したことの、その後のデメリットのほうが全然大きいじゃないですか。

:まあね。

ひろゆき:後々変なところで足を引っ張られるとか、どこから矢が飛んでくるかわからないみたいなところがあるので。だから僕は何かちょっと、言っていることは正しいと思うんですけれども現実論として、「それはやっぱり使いづらいんじゃねえ、大学院卒」とか思っちゃうんですよ。

:でも年上で学歴も上なやつが、ちょっと注意されただけで逆ギレしたらめちゃめちゃカッコ悪いですよね。

ひろゆき:そうですけれども、でも社会人経験がない人って多いじゃないですか、自分は賢いと思っていたりするので。

:それだとだめですよ、いっぺんバーッと言ってやらないと。

ひろゆき:それで何か言ってやって面倒くさいことになるぐらいだったら、最初から若手で、きびきび動くやつのほうがいいんじゃね、みたいな。

大学院は別にいらない

:でも僕の知っている、おつきあいのあるベンチャーさんなんかだと、中卒の人と大学院出た人というのが同じでお給料いただいていますよ、1年目で。

ひろゆき:某ドワンゴ社とかもそうですけれども、中卒と東大の院卒が同じところで働いていますけれども。

:それでいいと思いますよ。それで成果を出したやつにお給料をボンと払えばいいんであって。

ひろゆき:それは技術職という形で、成果がある程度数値として見えやすい業界であればいいと思うんですよ、営業ですよとか。世の中って数値にならないものが多いじゃないですか、企画みたいなものだと。何の要素で当たったかわからないみたいな。

なかなか、功利主義的にうまくいくかなというと難しい気もするんですよね。仮にじゃあ、中卒と大学院が同じラインになりました。一緒に働きます。じゃあ大学院に行く必要ないじゃんという。

:ないでしょうね。

ひろゆき:大学院に行く必要ない派なの?

:今の大学院って結構、無駄な大学院が半分ぐらいありますよね。

ひろゆき:はい。

:僕は大学院は別にいらない派なので。もっと言えば僕、大学に行かなくていいと思っているので。

ひろゆき:あら、さすが最高学府卒だから言えるような上から目線。

:(笑)。

ひろゆき:言うても東大卒ですからね。

:言ってもね(笑)。必要性があるとか、感じた人とか、目的がある人が行けばいいのであって、用もないのに田舎から出てきて大学に行って、プラプラしているやつに税金を払っているわけですからね、助成金、私学とか国立もそうだし、もったいないですよね。それなら4年間遊ばせておくんだったら、働かせたほうがいいですよ。

ひろゆき:結構、弱肉強食世界好き?

:わりと。

ひろゆき:努力した人は報われるべきだしみたいな。

:そうですね。

若者だけじゃなく、中高年も損をしている

ひろゆき:じゃあちょっと本の内容に戻っちゃっていいですか、すみません。大分脱線しましたけれども。

:あとそれで日本型雇用という世界で、実は若者だけじゃなくて中高年もすごく損をしていて。今は転職って35歳が上限だというのは昔から言われているんですけれども、これはやっぱり当たっていて、これもやっぱり35過ぎると年齢に応じてお給料が高くなっちゃうから、やっぱり採りにくい、コストに合わないと。

だから結局それより上に行っちゃうと、しがみつく人がすごく多いんですよね。そこからいわゆるパワハラとか、あんまり男にセクハラってないけれども、あとは会社の辞令1枚で全国転勤をやらされたりとか、そういう不合理というのはあるんですよね。

労働市場がちゃんと機能していれば、不利益ってあんまり押しつけられないものですから。だって嫌なら転職すればいいんだし。

ひろゆき:そうすると35歳以上であんまり使えないやつって、いきなり職にあぶれちゃいません?

:(笑)。業種によっては、それはあるでしょうね。だけど、現実問題それは僕はないと思います。なぜなら、完全にホワイトカラーは年俸制になっている欧米諸国なんかを見ても、そうなっていないですから。

日米間における職業観の違い

:一部の金融だとかコンサルみたいに、30代ガンガン稼ぐような職種というのはそうなっていますけれども、それ以外の事務系というのはそうなっていないですから。

ひろゆき:でも日本って、年を取ったらそれなりに給料は高くなるというので、一生スーパーのレジ打ちをするというのが概念としてないじゃないですか。アメリカだと別に一生バイトでレジを打って楽しく暮らすんだぜ俺は、イエーイって、全く気にしない人がいっぱいいるんですけれども、日本はなぜか出世するのが当たり前と思っちゃっているじゃないですか。

:それは、ありますね。

ひろゆき:そうすると50歳で、お前のうちの父ちゃんスーパーのレジ打ちなのみたいな、というのがちょっと難しくないですかね。

:何て言うんだろうな、やっぱり男が仕事で大黒柱になって、家を買って、家族を養ってというのはありますよね、すごく。

ひろゆき:はい。

:それも僕はひとつの昭和的価値観だと思っていて、変わっていくべきかなとは思っていますけれどもね。