2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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城繁幸氏(以下、城):一旦新卒のときにコケて既卒になってしまうと、今日本は新卒至上主義ですから、なかなか挽回、リカバーできないという話がありまして。
それからあと、高学歴フリーターってありますよね、博士だとか。そういうところに行った人というのは何でフリーターになるのかと、何で企業は採らないのかと、そういうのを全部探っていくと、結局は年功序列というのに行き当たるんですよね。
22歳の人というのはお給料が一番安くて、年齢に応じて上がっていきます。つまり27、28、30になっちゃうと非常に割高になっちゃうと、企業はなかなか採らないという、そういう文化があるんですよと。
西村博之氏(以下、ひろゆき):でも大学院に行きました、26歳です、社会人経験ありませんとかって、超使いづらいじゃないですか。
城:(笑)。
ひろゆき:だから僕、雇う側から見ても「うぜえ」とか思っちゃうんですけれども。
城:そうですか、おもしろい人いますよ、結構。
ひろゆき:おもしろいだけなら、いいんですけれども。
城:うざくない人?
ひろゆき:別に要は、能力値がそこまで高いわけじゃないじゃないですか。18歳で2、3年働いているやつのほうが、社会人としてのスキルは高かったりするじゃないですか。
城:もちろんそうですよ。
ひろゆき:でもそうすると21、2歳の人が、じゃあ26歳のやつを使えるかというと、しかも学歴が大学院卒みたいになると、お互いに気を使っちゃうじゃないですか。だから超使いづらいとかというのはあると思うんですよ。
実際やっぱり教えるのって、普通だったら22歳で入って、25、6で中堅どころになって、新卒で新しく入ったやつを教えるとかだったらできると思うんですけれども、同い年とかちょっと上で、しかも学歴が上のやつに、ものを教えるってかなり難しくないですか?
城:多分それも1つの僕は昭和的価値感というか、年功序列的な発想かなという気はしますけれどもね。
ひろゆき:マジですか……。
ひろゆき:じゃあ、説教とかできますか?
城:(笑)。
ひろゆき:年上の方に。
城:必要とあらば。
ひろゆき:マジですか。
城:うん。でも結構普通ですよ、外国・外資とかだと。
ひろゆき:外国・外資だったら普通だと思うんですけれども、ここは日本じゃないですか。
城:ううん……。
ひろゆき:できるんだ。やるべきか、やるべきじゃないかというのは、やるべきというのは正しいと思うんですよ。でもそこで、いさかいが起こるほうが僕は面倒くさい。
城:(笑)。
ひろゆき:僕は社内で女性とは絶対にもめないようにしているんですよ。
城:(笑)。それは古いな。
ひろゆき:いくら正論で勝ったとしても、その後女性を敵に回したことの、その後のデメリットのほうが全然大きいじゃないですか。
城:まあね。
ひろゆき:後々変なところで足を引っ張られるとか、どこから矢が飛んでくるかわからないみたいなところがあるので。だから僕は何かちょっと、言っていることは正しいと思うんですけれども現実論として、「それはやっぱり使いづらいんじゃねえ、大学院卒」とか思っちゃうんですよ。
城:でも年上で学歴も上なやつが、ちょっと注意されただけで逆ギレしたらめちゃめちゃカッコ悪いですよね。
ひろゆき:そうですけれども、でも社会人経験がない人って多いじゃないですか、自分は賢いと思っていたりするので。
城:それだとだめですよ、いっぺんバーッと言ってやらないと。
ひろゆき:それで何か言ってやって面倒くさいことになるぐらいだったら、最初から若手で、きびきび動くやつのほうがいいんじゃね、みたいな。
城:でも僕の知っている、おつきあいのあるベンチャーさんなんかだと、中卒の人と大学院出た人というのが同じでお給料いただいていますよ、1年目で。
ひろゆき:某ドワンゴ社とかもそうですけれども、中卒と東大の院卒が同じところで働いていますけれども。
城:それでいいと思いますよ。それで成果を出したやつにお給料をボンと払えばいいんであって。
ひろゆき:それは技術職という形で、成果がある程度数値として見えやすい業界であればいいと思うんですよ、営業ですよとか。世の中って数値にならないものが多いじゃないですか、企画みたいなものだと。何の要素で当たったかわからないみたいな。
なかなか、功利主義的にうまくいくかなというと難しい気もするんですよね。仮にじゃあ、中卒と大学院が同じラインになりました。一緒に働きます。じゃあ大学院に行く必要ないじゃんという。
城:ないでしょうね。
ひろゆき:大学院に行く必要ない派なの?
城:今の大学院って結構、無駄な大学院が半分ぐらいありますよね。
ひろゆき:はい。
城:僕は大学院は別にいらない派なので。もっと言えば僕、大学に行かなくていいと思っているので。
ひろゆき:あら、さすが最高学府卒だから言えるような上から目線。
城:(笑)。
ひろゆき:言うても東大卒ですからね。
城:言ってもね(笑)。必要性があるとか、感じた人とか、目的がある人が行けばいいのであって、用もないのに田舎から出てきて大学に行って、プラプラしているやつに税金を払っているわけですからね、助成金、私学とか国立もそうだし、もったいないですよね。それなら4年間遊ばせておくんだったら、働かせたほうがいいですよ。
ひろゆき:結構、弱肉強食世界好き?
城:わりと。
ひろゆき:努力した人は報われるべきだしみたいな。
城:そうですね。
ひろゆき:じゃあちょっと本の内容に戻っちゃっていいですか、すみません。大分脱線しましたけれども。
城:あとそれで日本型雇用という世界で、実は若者だけじゃなくて中高年もすごく損をしていて。今は転職って35歳が上限だというのは昔から言われているんですけれども、これはやっぱり当たっていて、これもやっぱり35過ぎると年齢に応じてお給料が高くなっちゃうから、やっぱり採りにくい、コストに合わないと。
だから結局それより上に行っちゃうと、しがみつく人がすごく多いんですよね。そこからいわゆるパワハラとか、あんまり男にセクハラってないけれども、あとは会社の辞令1枚で全国転勤をやらされたりとか、そういう不合理というのはあるんですよね。
労働市場がちゃんと機能していれば、不利益ってあんまり押しつけられないものですから。だって嫌なら転職すればいいんだし。
ひろゆき:そうすると35歳以上であんまり使えないやつって、いきなり職にあぶれちゃいません?
城:(笑)。業種によっては、それはあるでしょうね。だけど、現実問題それは僕はないと思います。なぜなら、完全にホワイトカラーは年俸制になっている欧米諸国なんかを見ても、そうなっていないですから。
城:一部の金融だとかコンサルみたいに、30代ガンガン稼ぐような職種というのはそうなっていますけれども、それ以外の事務系というのはそうなっていないですから。
ひろゆき:でも日本って、年を取ったらそれなりに給料は高くなるというので、一生スーパーのレジ打ちをするというのが概念としてないじゃないですか。アメリカだと別に一生バイトでレジを打って楽しく暮らすんだぜ俺は、イエーイって、全く気にしない人がいっぱいいるんですけれども、日本はなぜか出世するのが当たり前と思っちゃっているじゃないですか。
城:それは、ありますね。
ひろゆき:そうすると50歳で、お前のうちの父ちゃんスーパーのレジ打ちなのみたいな、というのがちょっと難しくないですかね。
城:何て言うんだろうな、やっぱり男が仕事で大黒柱になって、家を買って、家族を養ってというのはありますよね、すごく。
ひろゆき:はい。
城:それも僕はひとつの昭和的価値観だと思っていて、変わっていくべきかなとは思っていますけれどもね。
ひろゆき:そうするとじゃあ共働きで、スーパーのレジで、60歳まで働く夫婦みたいなのが……。
城:もしくは、カミさんの稼ぎのほうが多いと。
ひろゆき:はい。そういう社会になるべき。
城:変わりつつあります。そんな気がしますね。
ひろゆき:それはそっちのほうが正解ということなんですか? それともそっちのほうが好きだから。
城:1つの進化の形でしょうね。フランスなんかだってそうなっているじゃないですか。男がヒモになりたいやつが4割ぐらいいたりとか。それが1つの成熟した進化の形かなという気がしますけれどもね。
ひろゆき:城さんはヒモにはなりたくない。
城:僕はなりたくないですけれども、別にヒモになりたいというやつがいても、僕はそれはそれでいいと思います。
ひろゆき:でも、だらだらしていて女の人がお金をくれたら全然楽じゃないですか。
城:(笑)。
ひろゆき:好きな本を書いていりゃいいやみたいな。
城:うん。確かに、それはそうかもしれないな(笑)。
ひろゆき:欧米化ということ自体が正しいのかというのも、ちょっとよくわからない部分があるんですよね。昭和的な価値観で老人は敬うべき、年取った人は偉いはずであるという価値観でずっと日本は来ていたわけじゃないですか。そこの価値観を崩す必要性までも行くのかなという話なんですよね。
城:なるほどね。
ひろゆき:今のって所詮、経済の話で、文化の話まで行っていないじゃないですか。でも経済の話を解決するために、日本人的な価値観、例えば隣近所の人は助け合いましょうだったり、うそをつくのはやめましょうだったりという、日本だと当たり前なんだけれども。
中国とかだと他人にうそをつくのは当たり前でしょう、儲かるんだもんみたいな世界じゃないですか。
城:そうなんですか?(笑)
ひろゆき:多いですよ、そういう人は。あっちを是としちゃうのかというところまで行き着いちゃうのはちょっと何か、逆に若者の同意を得られにくいと思うんですよね。言っていることは経済的には確かに正しい、正論だと思うんですよ。ただ心情的に、そこまでもう覚悟しないと世代間格差ってなくならないみたいになっちゃうと。
城:でもそれは多分、僕が今の年寄りが、高齢者中高年というのは甘えている部分というのはあると思っていて、経済的なものと社会通念上の尊敬、リスペクトというのを多分一緒にしちゃっている面ってあると思うんですよね。
ひろゆき:はい。金持っているやつが偉いみたいな。
城:そう、それで逆に努力しない部分というのがすごくあると思っていて、というのは確かに年長者を敬うという儒教的な価値観って、ずっと日本はあったじゃないですか。だけれども実は雇用で年功序列が確立されたのは戦後なんですよね。
ひろゆき:はい。
城:もっと言えば60年代以降で、実はそれ以前は全然そんなことはなくて、戦前戦後の直後にかけてというのは、めちゃめちゃ完全実力主義で流動性が非常に高い国だったんですよ。
ひろゆき:波平さんは何の仕事をしているか、わからないですからね。
城:うん(笑)。
ひろゆき:カツオが家に帰ると波平がいるみたいな、お前何してんのみたいな。
城:(笑)。
城:例えば戦前の朝日新聞で東京支局長・編集主幹だった緒方竹虎さんという人なんですけれども。今で言うと全紙面の責任者ですね、どういう紙面をつくるかという。つくっていた30年、40年代の人なんだけれども、その人が主幹のポストについたのって38歳なんですよね。
今、僕の37、8の知り合いとかって、まだ一線で走り回っていますから、夜討ち朝駆けで。あと当然バンバン、クビになるし、あと末端のホワイトカラー、ブルーカラーの人たちもバンバン辞めるんですよ。
ひろゆき:それって、その頃の朝日新聞は単なるベンチャーだからじゃないですか?
城:いや、もう朝日新聞は揺るぎない地位は築いていました。
ひろゆき:そうなの、その頃社員どれぐらいだったんですか?
城:社員はわからないけれども、大きな新聞の全国紙だというのは間違いないです。確か、そのとき多分一番じゃないかな。毎日、朝日、同じぐらい、読売はまだ小っちゃいですから、それぐらいですよ。
ひろゆき:新聞って、例えばロサンゼルスタイムスとかって名前は知っていますけども、実はものすごく規模が小っちゃいじゃないですか、だからそういう感じで、昔の新聞社のイメージが今と一緒だとかというのがよくわからなくて。
多分ネット企業でYahoo!すげえでかいみたいなのって、ここ5年ぐらいの話で、10年前は単なるベンチャーの一種だったりするわけじゃないですか。
城:そこで偉かったって、たいしたことない。
ひろゆき:そこで「井上社長若いんだよ」って、「ああそうだよね」みたいなという気はしちゃうので、若いから抜てきしていたというのの事実としては、どうなのかなという。
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