2024.12.10
“放置系”なのにサイバー攻撃を監視・検知、「統合ログ管理ツール」とは 最先端のログ管理体制を実現する方法
リンクをコピー
記事をブックマーク
小野龍光氏(以下:小野氏):先ほどお話しした10月の大改宗祭というイベント。1年で一番大きな仏教徒のイベントがあると知らずにこの旅行に行き、そのナグプール(大改宗祭)に参加した。初めて会った佐々井さんに何度も「お前は坊さんになるんだ。これ(大改宗祭)で得度するんだ」と予言のようにおっしゃっていただいた。
こんな縁があって得度に至りました。その時の映像もYouTubeにありますが、日本と同じで、坊主頭にして宗派によって衣をいただき、龍光というありがたい名前もいただきました。
そのあと、佐々井さんは一度倒れて、亡くなりそうになりましたが、最初にもらった衣よりもいい衣をくれるとうかがっていたので、病院からようやく戻った佐々井さんに(衣を)おねだりして。出家しても未だに欲まみれ。
胸が詰まる思いですが、このような恩をいただいて、生まれ変わることができました。
得度前は、いろんな悩みがありました。数字に対して結果を出しても、「もっともっと」とキリがない。結果が出せない時は自分が無価値のように感じる。そして数字を求める中で、どんどん自己中になる自分がいる。周りの人間に対して傲慢になったり、人に対して優しくない言葉をかけたり。効率ばかりを求めて穏やかでない心で、周りに対して優しくなくなっていった。
もともと自分はモノをあまり持たない人間ではあったんですけど、資本主義の中で新しいものを作っては捨てて、ゴミまみれの地球を作っていないかとか。ソーシャルメディアの功罪でもありますけど、数字で簡単に比較をして、永遠に人との比較に苛まれる自分がいたり。いろいろな悩みを持っていました。
当然得度してすべてがなくなるわけではないんですが、ずいぶん考え方は変わりました。得度とは「1回死んで戒名をいただいた」という考え方ですが、佐々井さんがやっていらっしゃるように自分も生まれ変わろうと思いました。
1回死んだ人間で、お金も名声も全部ゼロリセット。ずいぶん恩をいただいて生きてくることができたので、今後はとにかく恩返しをする。利他、他人さまのために生きていこうという今の心持ちになってから、ずいぶん気づきがありました。
小野:モノも今は(スライドの)これしか持っていません。
犬は持っているものではないんですが、ほとんどのものは捨てました。服も今着ているこれと黒い袈裟だけです。パンツもTシャツも4枚だけです。
お金も今40万円ぐらいまで減ったんですけど、上限を設けました。もともと108万円を一生分のお小遣いにしたんですが、多すぎるなと思いました。南無南無というダジャレですが、76万7,600円以上に増えたらすべて誰かに送る。佐々井さんにも送らせていただきました。
モノもお金も持ちすぎない。あるものだけでやっていく。こういう生活をするといろんな気づきがあります。当たり前のことですが、永遠の成長なんてもともとなかったよなと。物理でも習っていなかった。般若心経でも不増不減とあります。
命も、必ず老いていつか死ぬんだから、慌てなくても大丈夫。残りの時間はわからないけど決まっているんだし、急いでもしょうがない。どうせ死ぬ時は全部灰になる。肩書きや名声なんて、灰にすらならないんですね。
銀行上の数字なんて持っていても灰にもなりません。でもお金ってすごく強い魔力を持っている。このあたりも得度してようやく自分なりに少しずつ見えてきました。
自分の体や持ち物もそうですけど、すべて地球上の元素が集まって、分子が集まってまた戻ってくる。いわば借り物にすぎませんよね。人との比較も無意味で、生きられるのは自分の人生しかなくて、比較なんかしてもしょうがない。
あと、ずいぶん体重も減ったんですが、毎食毎食に対するありがたみも変わりました。自分たちは日々誰かさまの命をいただいて生きながらえているという、当たり前のことに気がつかされたことも大きかったです。
今までいかにもっと欲しいと言ってきたか。もっと数字が大きい方がいい、もっと若く見える方がいい、もっと名声もある方がいいと求めていた。ないものばかり求めて、キリがない苦しみに苛まれていたんですが、今は「ある」ことがありがたいじゃないかと考えています。
「ありがとう」は「有る」ことが「難しい」と書くわけですが、あることに対して「ありがとう」の気持ちが増えました。感謝が増えることによって、日々の幸せと言いますか、おだやかさを取り戻すことができましたし、時間に対しても同様で慌てることがなくなって、非常にゆったりとした生活を過ごすことができております。
これはもともと得度前から考えていたことではありますが、あらゆる状況に対してケチをつけることも、おもしろいと捉えることも、全部自分の心次第なわけです。そういった何事も限られた時間の中で楽しんでいこうという考え方も、ずいぶん強くなったことが得度後の気づきです。
小野:今日のこの場もそうですが、今は少しでも誰かさまの役に立つと言われれば、参ってお話しさせていただいたり。今日もお金はいりません。交通費ぐらいはいただければいただくこともありますが、そんな生活をやらせていただいています。
(スライドの)これはソクラテスの言葉です。
金や名誉ばかり考えるのではなく、魂を磨きなさいと。もちろん彼は仏教徒ではありません。たまたまソクラテスさんは、仏陀とほぼほぼ同じ世代というか、同じ時代を生きているんですが、同じようなことをおっしゃっています。
(スライドは)「そんなことはわかってるよ」という方が大半かもしれませんが、自分なりの気づきや考えを少しまとめさせていただきました。
もし今の世の中が曇って見えたり、汚れて見えると思ったら、ひょっとしたらそれは自分の心が汚れているのかもしれません。埃をかぶっているかもしれないという思いを持つようにしています。
そしてどんな状況であっても、自分の心次第で見方は変えられる。今晩隕石が落ちて死ぬかもしれませんし、いつまで命があるかはわかりませんが、限られた人生だったら、せっかくだったら心楽しく、仲間と支え合っていきたいというのが今の心持ちです。
最後に、自分自身はどこかの道場に入っているわけではありませんが、自分の一言一言の発言や、一息一息、一歩一歩、すべての生活が修行になりうるという捉え方をしています。
その中で自分自身に常に言い聞かせているアンチョコ。ついつい未来のことを考えてあれこれ悩んでしまうんですが、未来はまだ来ていないのでわかりません。過去は過ぎ去ったことなので変わりません。できることは今この瞬間にどう向き合うかということだけだと思っています。
ありがたいことに、これは仏教経典にもちゃんと書いてあります。何かに囚われたり、貪られたり、怒りが生まれたり、他人を軽んじたりする心が、たやすく生まれるのが人間ですが、今の自分に集中するための手段として呼吸に集中して、心を集中する。
自分の心を見つめることで、悪しきことを避けることができやすいし、良いことをしていきやすい。そしてすべてに対する感謝が生まれる。これが自分なりの心持ちです。こんなことを日々考えながら、時にここから外れそうになりながら生きています。
ソーシャルアカウントをすべて消してしまったので、Twitter、Facebook、どこから連絡いただいたかは覚えてないんですが、今日も山下さんから連絡をいただいてこのような場にあるということで、簡単ではありますけども、お時間をいただきありがとうございました。
山下悠一氏:ありがとうございます。長いストーリーを短くまとめていただいて恐縮です。
資本主義の中で生きた投資家が旅先で「出家」を決意したワケ 売上、時価総額…ひたすら「数字」を追い続けた日々の苦悩
投資家が出家してようやくわかった、お金の「魔力」 「もっと欲しい」の欲求がなくなって気づいたこと
人口減少下での国の借金増加は「どう考えたっておかしな話」 出家した元投資家が語る、全員が「成長」を求める社会への疑問
出家した元投資家・連続起業家が資金調達は「不要」と説くわけ これからの日本市場で数字のインパクトを追うことの負の側面
SNS、ギャンブル…増える、脳の仕組みを利用したビジネス 「ドーパミン系の欲求」を刺激する仕掛けへの対処法
おしゃれに「グリーンテック」「SDGs」なんて言わなくていい お金を手放した元投資家が語る、環境問題へのレスポンス
2024.12.10
メールのラリー回数でわかる「評価されない人」の特徴 職場での評価を下げる行動5選
2024.12.09
10点満点中7点の部下に言うべきこと 部下を育成できない上司の特徴トップ5
2024.12.09
国内の有名ホテルでは、マグロ丼がなんと1杯「24,000円」 「良いものをより安く」を追いすぎた日本にとって値上げが重要な理由
2023.03.21
民間宇宙開発で高まる「飛行機とロケットの衝突」の危機...どうやって回避する?
2024.12.10
職場であえて「不機嫌」を出したほうがいいタイプ NOと言えない人のための人間関係をラクにするヒント
2024.12.12
会議で発言しやすくなる「心理的安全性」を高めるには ファシリテーションがうまい人の3つの条件
2024.12.06
嫌いな相手の行動が気になって仕方ない… 臨床心理士が教える、人間関係のストレスを軽くする知恵
PR | 2024.11.26
なぜ電話営業はなくならない?その要因は「属人化」 通話内容をデータ化するZoomのクラウドサービス活用術
2024.12.11
大企業への転職前に感じた、「なんか違うかも」の違和感の正体 「親が喜ぶ」「モテそう」ではない、自分の判断基準を持つカギ
PR | 2024.11.22
「闇雲なAI導入」から脱却せよ Zoom・パーソル・THE GUILD幹部が語る、従業員と顧客体験を高めるAI戦略の要諦