52歳になっても、ボロボロのオフィスで夢を追い求めたい

河上純二氏(以下、河上):ちょっと後半戦に入ってきたからさ、重松さんの未来的な話を聞いてみたいなと思うんだけど。もちろんスペースマーケットの10年後みたいな話もあるし、重松さん個人としては……10年後だから52歳のタイミングで。どうなっていたいかって、なにかあったりする?

重松:そうですね。自分としては……なにをやってるだろうな? スタートアップ投資みたいなのをやりたいな、みたいなのはすごくありつつ。

河上:そういうのもあるんだ。

重松:もう1発くらい、なにかビジネスをやるか。

河上:まったく違う領域で?

重松:そうそう。リアルが絡むのはやっぱり得意なので。ゼロイチがすごく好きなんですよね。

河上:なるほどね。

重松:やっぱり現役でいたいですよね。常にバッターボックスに立っていたい。

河上:52歳でも最前線っぽいね。

重松:52歳とかでも、ボロいオフィスとかで次を夢見てる、みたいなのはすごくやりたい。

河上:なるほど。それって何だろうね? 持ち合わせた性格なのかね?

重松:ハングリー精神。そういう状況がすごく燃えるんですよね。

河上:みんなで雑魚寝してる状態みたいなね(笑)。

重松:いつか見てろよ! みたいな。楽しいんですよね。

河上:最初はNTTだけどね。

重松:そうそうそう。

河上:20万人くらいいるからね。

重松:ね。

河上:そのギャップ感が、なんかいいんだろうな。

役職が下のほうが上に奢る、という不思議な文化

重松:あれはあれでたのしかったですけどね。毎晩おじさんたちと飲む、みたいな。割り勘で飲む。割り勘なんですよ。

及川真一朗氏(以下、及川):割り勘なんですか(笑)。

河上:部長は払わない、みたいな。

重松:そうそうそう!

河上:部長は払わないんだよ。

及川:どういうこと?

重松:ああいう会社……って言ったら失礼ですけど。好きなんですけど、不思議な会社で。普通は役職が上のほうが奢るじゃないですか。

及川:ですよね。うんうん。

重松:逆に、下のほうが上に奢るっていう文化があって。

及川:上に奢るんですか? 下から上へ?

河上:(笑)。

重松:もしくは、割り勘。

及川:そうなんですか!? へ~、おもしろい。

重松:けっこう衝撃でしたよ。

及川:確かに。

重松:新卒歓迎会みたいなのでも、支店長とか来ても割り勘なんですよ。「え、今日入社するんですけど」みたいな。思わず聞いちゃいましたもん。「え、これ本当なんですか!?」って。何言ってんだみたいな。

河上:ちょっと怖いでしょ? 怖くない?

重松:まあ、不思議な。

河上:怖いなんて言っちゃダメだ。カットしてもらっていい?

及川:もう出ちゃった(笑)。

河上:やばい。

重松:あれは独特の企業文化ですね。当然はぜんぜん奢ってくれた先輩もいるんですけど。

河上:逆もあるしね。

重松:あれはけっこう、僕が学生からあがって一番びっくりしました。「え!?」とか言って。

河上:そういう考えでいるんだったらさ、スペースマーケットの会社とか事業は、本当に任せられる人が現れてたら、その人に任せていくっていう気持ちもあるのかな?

重松:はい。そこは常に最先端で、最速でいきたい。自分がやれるんだったら、ぜんぜん自分でやるけど。

ことあるごとにビジョンやミッションを語っていかなければならない

河上:未来で締めくくりに入っていこうと思ったんだけど、1個聞きたかったことがあるから、やっぱりちょっと聞いていい?

重松:大丈夫ですよ。

河上:会社のさ……一体感というかモチベーションというのかな。ぶっちゃけのところ「辞めたくない空気感」みたいなのとか、同じ目線に持っていく努力みたいなのっていうのは、どんな感覚でやってる部分がある?

重松:ビジョン、ミッションに共感することと、あとやっぱりサービスが好きかどうか、みたいな。

河上:自分のサービスが好き。

重松:そうそう。

河上:ビジョン、ミッションについては定期的に語っていくの?

重松:そこはもう常に語ってます。当然社員会とか社員総会とかでもやるし、あとは当然メディアとかネットを使ってもやるし、そこはすごく大事だと思っています。そういうホストのみなさんとか集まると、やっぱりそういう話をずっと聞かされる。

みんなやっぱり、最初にやるときは「本当にこんなところ借り手つくのかな?」みたいなそんなレベルからやって、「いや、すっげえ借り手ついちゃって、人生変わったわ!」みたいな方を見たりとかすると、やっぱすごく楽しい。あと、けっこう自分の家のスペースを貸しているメンバーが多いんですよ。

河上純二氏:なるほど。

重松:そうすると、めちゃくちゃいろんな使われ方するので、すっごいおもしろいなって。やっぱりおもしろいんですよね。「こんな使い方するんだ?」みたいな。

場所には「ロマン」と「ドラマ」と「想い」がある

磯村尚美氏(以下、磯村):いいですか? 「ビジョン、ミッションは何ですか?」ってコメントがあって、みなさん聞きたいんだなって。

重松:ビジョンは「チャレンジを生み出し、世の中を面白くする」ということで。やっぱり場所を簡単に貸し切りできるようにすることで、場所を貸す人は新しい収益源を得るし、新しいいろんな人と出会えるわけですよね。

一方で借りる人は、例えば「こういうイベントの企画をしたい」とか「ちょっとしたお店を1週間限定でやってみたい」とか、あと「起業するので、1ヶ月ぐらい籠もってやりたい」とか、やっぱりなにかやろうとすると、場所って意外と必要じゃないですか。それをスムーズにしたい。そこがやっぱりハードルになることがあるので。「場所を借りられないから、やめちゃおうかな」みたいな。「簡単に借りられるんだから、あとはやるだけですよ」みたいにしたい。

及川:確かに。

重松:そうして、結果的にいろんなチャレンジが出てくると。こういう取り組みもおもしろいじゃないですか。やっぱりおもしろい社会にしていきたいなという。ミッションは、それをやるために、世界中のあらゆるスペースを簡単に流通させるということです。

河上:場所にはロマンがあるもんね。ロマンとドラマがある。

重松:ロマンとドラマと想いがあったりして。

河上:俺、良いこと言ってない?

磯村:それを褒めてほしいんだなって。めっちゃ(笑)。

重松:やっぱりこだわりがないとね。

河上:社長に褒めてもらおうと思って。

及川:すごい(笑)。

重松:こだわりがけっこうみんなあったりして。それってすごくおもしろいですよね。

重松:そこを褒めてもらったりすると、もう「いや、本当やっててよかった」みたいな。「貸してよかった」みたいになる。

空きスペースのレンタルが、文化になっていく流れを感じる

磯村:今、5年目ですよね。

重松:そうです。

磯村:5年やって、社会はどんなふうに変えられたとか、実感はありますか?

重松:いや、でも本当になんか文化になりつつあるなって。まだまだですけどね。認知度5パーセントぐらいですけど、かなりいろんなチャレンジが増えてきて。

磯村:ですよね。おもしろいですよね。

重松:うん。まだまだいろいろできると思っていて。自分の住む家とかだって、別に1週間単位で、下手すりゃ1日単位で変えてもいいわけじゃないですか。

河上:そうですね。

重松:働く場所だってそうだし。パッと思ったらパッと借りられる、みたいな。パッと思ったらパッと貸して、パッと収益をあげられる。よりシームレスになって、フリクションレスになって、やりたいこと・やれることによりフォーカスできる、すごい時代ですよね。

河上:おもしろいよね。

重松:うん。

磯村:逆に「ホテルの部屋を売ってください」とか「貸してください」とか、そういうのもある?

重松:ホテルも最近ある。

磯村:ああ、あるんですね。

重松:はい。ホテルの持ってる会議室とか、それこそ待合ルームみたいな。待ち合わせ室みたいのあるじゃないですか。あそこってけっこう借り手がつくんですよ。

磯村:へえ。

重松:打ち合わせで1時間とか、どうせ空いてるんだったら、お金を払ってくれた人に貸したいじゃないですか。

河上:うん。

重松:有名なホテルのそういった待合場所みたいのを勝手に使ってるおじさんっているじゃないですか。

及川:うんうん。いますよね。

重松:それならちゃんとお金を払ってもらって「一応オフィシャルですよ」みたいにね。

及川:確かに。うん。