「山登り型」「フィールド型」で見るキャリアデザイン
徳田葵氏(以下、徳田):では、そろそろ次にいきましょうか。「キャリアプランと学び、どう結びつくのか?」。
清水久三子氏(以下、清水):いよいよ学びに近づいていく。
徳田:近づいてきています。
清水:「なにをするの?」とみなさんも思われているかと思うんですけれども、まず最初にキャリアデザインの考え方ですね。私はだいぶ変化を感じていますので、その話をさせていただきます。
(スライドを指して)キャリアデザインの変化として2つ。「山登り型」と「フィールド型」という考え方なんですけれども。
山登り型で例えられるものとしては、企業の中で上を目指していく、昇進昇格をしていく。これはすごくわかりやすいですよね。1つの頂点を目指して登っていくという。
徳田:1つずつ登っていく感じですね。
清水:対してフィールド型というのは、頂点を目指すというよりは、自分の価値を出せるフィールドを探していくとか。探すだけではなくて、それを見つけて耕してフィールドを作っていく、そんな考え方です。
山登り型は、どちらかというと既存のものを登ることに対してで、フィールド型は新しく作っていくという考え方なんですよ。これがたぶんすごく大きく変わってきているところかなと思います。
「山登り型」=定性的無期限目標
山登り型のキャリアプランやデザインはどうやっていくのか。(スライドを指して)これは私がコンサルタント時代、実際に企業の人事制度の中でやっていたものでもあります。
まず、定性的無期限目標、「こんなふうになりたい」というありたい姿を考えて、定性的中期目標として「3年後ぐらいを目指して、どんなふうになっていたらいいのかな」というものを考えて、「じゃあこういうふうにしよう」と定量化をするんですね。
「こういう状態だったらいいよね」とやっていって、最後に短期的アクションに結びつけていくと。こんな感じで山を登っていくデザインをしていくことを、実際に目標設定の中でやっていました。
ご参考までにという感じなんですけれども、私自身は「プロを育てるプロになりたいな」ということを無期限目標として掲げ、「そのためには人材戦略領域を目指したほうがいいんじゃないかな」と考えて、「じゃあこういうことで認知されて、こういうことをやっていこう」というふうに決めていきました。
これは大きな人材領域などの山があって、「それをどんなふうに登っていったらいいのかな」ということで立てるキャリアデザインになります。対して、フィールド型はけっこう「どんなふうに立てたらいいか?」と悩みますよね。
徳田:悩みますねえ。