年金をもらえないのは「100パーセント間違っている」

司会者:他にはございますでしょうか。

質問者5:はじめに出口さんがおっしゃっていた「All supporting all」。年齢に関係なくみなさん支え合おうということをおっしゃったのですけど、僕はソースが理想論過ぎるなと思っています。

例えば、「定年後に退職された方が、また職場に戻ればいい」っておっしゃったんですけど、それによって、たぶん労働環境は僕は悪化すると思っていて。やっぱり年功序列の恩恵をすごく受けてきた方々なので、恐らく若者たちがぜんぜん伸び伸びできないんじゃないかなと思います。

実際に僕の同期とかも働いているんですけど、新しいことをしようとすると、今までそれで動いてたのになんで変える必要があるんだといって抑えられることがすごくあって。2、3年経つとみんな新しいことが言えなくなってしまうという話をたくさん聞きます。

また消費税を上げるとおっしゃいましたけど、若者にとってすごく不利だなと思ってしまいます。年金は僕らの時にはたぶんこのままではもらえないですし、お金払っているだけなので。僕は先週までずっとドイツに留学していたんですけど、授業料が完全に無料であって、本当に30代、40代の方も大学にたくさんいました。

なので消費税を上げるなら、まずは、博士とか修士の学生の給与がきちんと出たり、そういうことをしないと、若者にとっては本当に良くないなと思っています。

出口治明氏(以下、出口):その2つでいいですか?

質問者5:はい。年功序列を廃止したほうがいいと思いますし、若者に対して教育にもっとお金を回してほしいなと感じています。

出口:はい。まずこの後で名刺を渡しますから、僕にメール打ってもらっていいですか? 

(会場笑)

それはなぜかと言えば、若者が年金をもらえないというのは100パーセント嘘っぱちです。若者は年金がもらえるので。ちゃんとデータを示して僕が論文を書いているのでそれを読んだほうが早いので、ここでは詳しく説明しませんが、まず年金保険料を払うなんて若者が損しているという考え方は「young supporting all」を前提にしているからで、100パーセント間違ってます。

税金問題は「中負担中福祉」「大負担大福祉」が解である

出口:世界中の年金学者で年金が破綻すると考えている人は日本を除いて1人もいなくてその根拠も丁寧に書いてあるので、後で送りますから読んでみてください。

それから最初の年功の話は、定年を止めたら年功はなくなるわけですが、君の意見で1つ抜けているのは、働き始めたおじいさんが松坂大輔ではないと。俺はこんな記録を持っているんやと威張る人やったら、社会の雰囲気が悪くなってくると言っているんですよね。

では、なんで君らが「それはあかんで」と、そのおじいさんに「松坂大輔とは違うで」となんで言わないんですか? 松坂大輔みたいに行動しないおじいさんは、社長に言ってクビにしてもらったら終わりじゃないですか。なんで変えようとしないんですか? そんな人が入ってきたら雰囲気が悪くなるというのは、自分事他人事で他人事でしかモノを考えていないからそうなるので。

自分のところにおじいさんが入ってきて、松坂大輔じゃないんだったら、「松坂大輔のようになってください」と言えばいいじゃないですか。なんで自分で変えようとしないのかだけだと思いますけれどね。

消費税の話については、これは数字で明らかです。これを見てください。OECDの平均と比べた時にこれが日本です。ぜんぜん税金払っていない。じゃあ給付の大半を占める社会保障はどうなっているんだと言えば、見れば明らかですよね。

OECD平均よりはるかに上です。これでは持つはずがないでしょ。ちょっとしかもらわなくてたくさんお金を払っていたら、この差は借金で賄うしかないので。これは世界中の経済学者が全員言っていますが、日本は税金を上げて中負担中福祉にするか、大負担大福祉にする以外に解はないんですよ。

だから税金を上げるのはけしからんというのは数字の議論ではなくて、ただの感情論です。僕も税金とか大嫌いですよ。でも数字のデータで見てみたら、他に解はないんですよ。全世界の学者がIMFや世界銀行を含めて、日本の一番の課題は税金を上げることだと。それで答えになりますよね。

なんとなかなるではなく、ちゃんと心配できるようになる安心感

質問者5:税金を上げて若者にとくに博士学生にしっかりお金を回してほしいというか。

出口:そういう政治家を選挙で選べばいいんですよ。

質問者5:どなたがいらっしゃいますか?(笑)。

田中慶子氏(以下、田中):立候補されたらどうですか?(笑)。

出口:そうですよ。ある外国人が言っていました、日本の若者と議論したり飯くったりすると、「年金もらえるかわからへん」とか、「年寄りは威張っていて、けしからん」とか、ものすごい問題意識を持っていると。こんなすごい国民だったら投票率100パーセントに違いないと思って、投票率を見てみたら50パーセントで、先進国で一番低いと。

どうなってんねんという話ですよね。これが日本の問題ですよね。みんな賢くていろんなことを言うんだけれど自分で行動しない。他人事になっている。

質問者5:じゃあ、メールください。お願いします。

(会場笑)

出口:はい。メール送ってください。君のメールアドレスがわからないので。

質問者5:はい。わかりました。

出口:そうしたら年金の論文を送りますから。

田中:恐らくメール送ってもらって、その年金の話を出口さんから受け取ると思うのですが、出口さんの書かれた『日本の未来を考えよう』という本に、すごくよくわかりやすく書いてあって。

日本の未来を考えよう

年金の話だけではなくて、いろんなことが、女性の活躍の問題とか教育の問題とか、すごくわかりやすく書かれているので、私は出口さんの本をいつも拝見すると、すごく楽観的な気持ちになるというか。

楽観的というのはなんとかなるというのではなく、ちゃんと心配しよう。心配することをきちんと考えようと。でも、ものすごくあやふやに未来が暗いとか、そういうような気持ちは少し整理がつくようなこともありますし。

あと、もっともっといろんなことを知りたいなという気持ちになりますので、出版社の回し者ではありませんけども、おすすめでございます。

すべてのスタートは生産性を上げるということ

質問者6:お話ありがとうございます。出口さんも企業経営に長らく携わっておられた立場から、例えば、消費税を上げるとか税金をもっと上げるべきだということに、私もやっぱりそれしか道がないというふうに思うのですけども。

税金を払ってもいいけど、日本の今の給与水準というのが、やっぱり他の国と比べて伸びていないのではないのかと。もっと稼ぐ力を付けて、もっとみんなが分前を取り合うというか、きちんと給与水準を上げられるような企業を増やしていく必要があると思ってまして。

出口:100パーセントその通りです。

質問者6:それを出口さんが他の企業のトップの方にアドバイスを求められることもあると思うのですが、どういうアドバイスをしてますか?

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