最初に手を挙げる人は責任感、2番目に手を挙げる人は冒険心の持ち主
青木耕平氏(以下、青木):いや、(最初に質問をしようという)責任感が素晴らしいよね。ありがたいです、もう本当に。それで、次は2番手になってくると、責任感から冒険心とかがある人が(手を上げる)。
小野裕之氏(以下、小野):出てくる前から、分析しない(笑)。
青木:(笑)。出てこいやーって。
小倉ヒラク氏(以下、小倉):さて、なんか……。
小野:次のご質問……。
青木:質問じゃなくても、なんか言えばいんだよね。
小野:でもね、今、聞きながら思ったんですけど。
小倉:外からの足掛かりがないと、プロデュースおじさん、一歩も動けない(笑)。
(会場笑)
青木:ぜひ、この時間を取り返すためにね。それで、こういたたまれない空気になると、手を挙げちゃう人いるんだよね(笑)。
小野:(笑)。
青木:これ、絶対いるのよ。
小倉:さて、どうでしょうか。あー、いらっしゃいました。ありがとうございます。では、こちらへどうぞ。
(会場拍手)
小倉:ありがとうございます。拍手が温かい。
青木:どうも初めまして。
質問者2:初めまして。私、実は今日、夕方5時前ぐらいに、友達が病気になって行けないからって、急遽代わりに来たんです。
青木:おー。じゃ、意味わかんないでしょ。
(会場笑)
小倉:いやー、意味もわからず闇鍋に来た(笑)。災難でしたね、それは。
質問者2:いやいや、そんな、ありがとうございます。それで、(お聞きしたいのは)なんでこの会をやっているのか、というところで。主催者がこのテーマでやってくれ、という話だったんですか? それとも3人でなんか話そうよ、というかたちでやってるんですか?
青木:いやいやいや。経緯? 経緯はモデレータが。
小倉:これの経緯はなんなの?
青木:おれも、よくわかんない。
小野:経緯は……まあ、なんか僕が毎年出てるからですかね(笑)。
青木:あ、違う、最初は福岡で。
小倉:あ、僕だ。この3人が仲良しで、いつもいろいろなところを旅してるんですよ。それで、僕がちょうど福岡でなんか仕事してて、そのときに、おもしろいイベントとかやりたいなって話になったんです。そのときに、いつも仲良しの3人が、福岡で一緒にご飯を食べて遊べる機会がほしいと思ったので、イベントにしちゃった、っていうところから始まって。
それで、イベント名をどうしようかってなって。僕、学びがありそうなイベントって嫌いなんですよ。なんていうんだろう、学んだということで満足しちゃうからね。だから僕は、なんだかよくわからなかったな、というイベントがすごく好きで。そのときに、なんかよくわからないイベント名にしようと思って、「プロデュースおじさん」というタイトルが閃いたんですよね。
こっそり検索しているカタカナ語や英語の略称
質問者2:そのときは、おじさんじゃなかったんですか?
小倉:もう、おじさんですね、バリバリ。
小野:3年ぐらい前。
小倉:2年ぐらい前? それで、ノリで「プロデュースおじさん」って名前つけたら、意外に好評で。あとはそのまま続いてる感じですかね。
青木:そうですね、場所を移して。本当に、こちら側にはとくになんのコンセプトもなくて。まあ、お座敷がかかって、この3人で同じタイトルでやってくれ、というふうにお誘いいただいて。じゃあ、という感じでやっているのが、本当のところなんですよね。
質問者2:じゃあ、なにか「今日持ち帰ってほしいものはこれです」とか「覚えておいてほしいものはこれです」とか。そういうのはとくにない?
青木:ないんですよ。
質問者2:いいじゃないですか。
(会場笑)
青木:どうもどうも。逆に、最近興味あることってなんですか?
質問者2:興味?
青木:興味というか、自分の中でこのテーマがなんとなく頭を(占めているとか)、いつもこの辺にあるんだよね、ということとか。ちっちゃいことでもいいんですけど、悩みとか。そういうものは何かないですか?
質問者2:そうですね。あんまりないか……、どうですかね? 私、普通にサラリーマンなんですけど。
青木:なにしてる人なんですか?
質問者2:私は、事業企画室みたいなところで働いていて、アウトドアをもっと世の中の人に伝えていこう、という仕事をしているんですけど。
青木:へえー。
質問者2:若い人たちが、昔も、昔っていうか、まあどの年代になってもそうなのかも知れないんですけど。言葉が、カタカナが多くって。(今回のイベントの)3文字の、なんかわからないんですけど。
小野:(注:後ろのプロジェクターのイベントタイトル「帰ってきた『プロデュースおじさん』〜ギーク・ハスラー・ヒップスターの分業論〜 」を指さして)
質問者2:ああ、そう。ああいうのとかね。
(会場笑)
青木:ああいうのね、よくないねー(笑)。本当によくない。
小倉:すみませんねー、本当に(笑)。
青木:なんか、PDCAとか。
質問者2:そうそう(笑)。そういう、頭文字系とか。それは本当に、みんながそうやって普通にしゃべってるのをすごいな、と思いながら、検索して、なるほどっていうふうなところで。
青木:けっこう、こっそり検索しますよね。俺、最近検索したのって「SaaS」。
小野:サースね。
青木:SaaS。絶対1回は検索してるはず。
小野:(笑)。
小倉:僕、最近(検索)したのって「SDGs」。
青木:あー。せざるを得ないですよね。あれ、でも、言ってること一緒じゃん、みたいなことあるじゃないですか。前はこういう言葉で言ってたって。
小倉:あ、この足掛かりでもうOKなの?
小野:(笑)。
小倉:もうちょっと聞く?
青木:あー、そう。ああ、ああ(笑)。
小倉:せっかくだから、もうちょっと聞こう(笑)。
(会場笑)
分析してわかることよりも、直観を活かしたほうがいいこともある
小野:(笑)。それで、カタカナが多くて。
質問者2:そう、カタカナをいっぱい使ってしゃべってると、その言葉もわからないなと思いながらも、なんか妙に立派なことを言ってるように聞こえる、というふうなところに。若干、まだまだ自分も修業が足りないな、と思うことはあるのと。そのぐらい……、そうですね。あと、みんな分析が得意というか。
青木:あー(笑)。
小倉:あー、いや今ね、おじさん的にはいい足掛かりもらったよね。
小野:分析が得意というのは、裏返すとどういうことですか?(笑)。
(会場笑)
青木:本当に言いたいことは、そこじゃないよねと。
小野:みんなも思ったでしょ、みんなも思ったよね、今ね?(笑)。
青木:そこじゃないだろ、言いたいことは、と。
質問者2:例えばブレストとかで、別に結果が出なくっても、どういうかたちで進めて、このことをやるべきかどうかとか含めて話をしているだけなのに、それをこう、グラフに書いてみたり。それってどういうカテゴリでどうのこうのとかって、分析するわけじゃないですか。
そうしたら、まるでそれがすべてのような雰囲気になると。そういうふうに理論的だったり、合理的に物事を考えられなくて、でも直感的には、絶対こっちの方がいいのになって思うことが、採択されないようなところがあるのは、なんとなく恐ろしいなと。
青木:恐ろしいですよね。「お前、気がついたら分析しかしてなくね?」っていうやついるじゃないですか。それこそさっき、ラジオの方がいらっしゃいましたけど。「ラジオ、ああなるほど、つまり電波媒体ですね」とか。いやいや、それわかってるよって。
小野:(笑)。
(会場笑)
青木:それ言い換え、みたいなね(笑)。あるんですよ。
小野:言い換え要員みたいな(笑)。直感的な人を、もうちょっと活かした方がいいよな、っていうところが若干あるということですよね。
質問者2:そうですね、それだけじゃいけない。さっきのギーク・ハスラー・ヒップホップ?
青木:ヒップスター。もうそれでいいっす(笑)。確かめる価値ないんで。
小倉:ヒップホップ。YO!
(会場笑)
「考えること」と「悩むこと」はどう違うのか
質問者2:(笑)。そういう感じで、いつも直感的なだけでは絶対いけないと思うんですけど。でもそういう人たちが、表で活躍できなくなるのもいやだな、寂しいなとは思います。