マネーフォワード・辻氏によるオープニングトーク

辻庸介氏:(辻氏の声が、音声認識によりスクリーンにテキストで表示)みなさま、おはようございます。マネーフォワードの辻です。本日は、お足元の悪い中、ご来場いただきまして、誠にありがとうございます。

(客席に向かって)おはようございます! マネーフォワードの辻でございます。今、音声認識で、(最初の挨拶を)やってみました。このように、我々の生活はいろいろなサービスによって、本当に変わってきていると思います。

「MFクラウド Expo」は本日で4回目になります。今回のテーマは「イノベーション」です。巷でよく聞く言葉ですが、現代は第四次産業革命に直面していると言われています。みなさまと一緒に(歴史を)振り返っていきたいと思います。

18世紀~19世紀に第一次産業革命が起こり、蒸気機関の発明によって、工業化や都市化がどんどん進んでいきました。第二次産業革命が起きたのは、第一次世界大戦前と言われています。鉄や石油や電力が普及することによって、大量生産、マスプロダクションが可能になり、世の中が大きく変わりました。このあたりが、国民の実感が湧いてくるところですね。

続く第三次産業革命で、アナログがデジタル化しました。パーソナルコンピューターが登場して、インターネットが拡がり、情報通信技術が進化して、文字通り生活が激変しました。

テクノロジーが、すべての既存産業をテイクアップしていく

今我々が直面しているのが、第四次産業革命と呼ばれるものです。これはチャールズ・シュワブさんが、ダラス会議で生前おっしゃっていたもので、あらゆる産業がデジタル化していくことを意味しています。今までパーソナルコンピューターとインターネットという、ITの世界だけで起きていたことが、今はリアルの世界で起きていきます。

(第四次産業革命に)代表されるのはIoT(Internet of Things)の分野で、モノのインターネット化、ロボット化が起こりました。次に、人間の体の中にもチップが埋め込まれます。さらに、量子コンピューターというものが出てきて、今まででは考えられないようなスピードで処理できるようになるのではないかと推測されています。

「テクノロジーが既存の産業を、すべてテイクアップしていく」という時代の入り口に立っているのではないかと思っています。ここからは、みなさまご存知のサービスが続々と登場してきます。1つ目がモビリティに関する話で、Uberです。

現在、Uberの時価総額は7兆円。彼らが誕生したのは、たった9年前です。9年前にできた会社が、日本で言えば時価総額のトップ10に入ってくるレベルになっていて、世界のモビリティをテイクアップしている。革新だけでなく、モビリティの体験をテイクアップしているということです。

建設機械のIoT事例

もう1つ、注目すべきは自動運転です。最近いろいろな話題を振りまいているイーロン・マスクの率いるTeslaが、世の中を大きく変革しています。みなさまも一緒に、動画をご覧いただければと思います。

(ステージ上のスクリーンで動画再生)

このように画像でモノを認識して、距離感を測りながら、いろいろなデータを取り込んで、(自動で)運転していきます。くねくねした上り道でも、正確に運転できる世界になってきています。

自動運転やカーシェアリングが進むと、日本の一大産業であるクルマ業界が大きく変わります。カーシェアリングが進めば車を買う必要もなくなりますし、自動運転が進むことでドライバーも必要なくなるという世界がすでに来ています。

IoTでは、コマツ(小松製作所)さんの例があります。コマツさんの建設機械は全世界に約40万台あるんですが、それがネットワークで完全につながって、(機械の不調などを)常時監視したり遠隔操作したりすることが可能になっています。

部品が故障する前に、音などで識別することもできます。故障して業務が止まってしまうと多大なる損害が発生してしまいますが、その前にコマツさんの方で感知されて、部品を交換することができます。

1つの企業が社会の評価システムを提供する時代

我々の身近なところでは、医療です。(スクリーンを指して)これはカナダのベンチャー企業(が発表したアプリケーション)で、傷口を写真に撮ると、画像認識で傷の形であったり、深さを識別して、適切な治療方法を教えてくれます。

1,000以上の病院と連携し、数十万の画像データを用いて機械学習を行っています。人間のお医者さんにかかる前に、こういったものをパッとつなげて、(症状を)送ることができます。

さらにフィンテックの領域では、ご存知のように、キャッシュレス決済が始まっている状況です。国が設定している目標は、2025年までに40パーセント、将来的には80パーセントのキャッシュレス比率を目指すというものです。

さらに、中国ではアリババグループのアント・フィナンシャルサービスグループが提供する、「芝麻信用(セサミ・クレジット)」というサービスがあります。ユーザーのソーシャルデータや、アリババグループにおけるいろいろなサービスの購買データなどを基にして、その人の信用度を計るというものです。1企業に過ぎないはずのアリババグループが、社会の評価システムを、すでに提供しているんです。

これによって、お金を借りる時の金利や運用のリーチ、国の出国(審査)において、「この人は信用が高いので、パスポートを出さなくて良い」という判断ができます。ちょっと変わった話ですと、信用度、クレジットスコアが800点以上の人(一般的なユーザーは、600~700点程度)しか入れないお見合いサイトがあったりします。このように、完全に評価システムを作ってきているのが現状です。

生き残りのカギは「データ」にある

一方、経営におけるイノベーションも進んできています。サービス同士がつながり、データ活用が進んでいます。人事、労務、販売、管理、財務、会計、総務、法務、営業、マーケティング……いろいろなサービスがつながり、業務の生産性が上がっていきます。

クラウドであれば、リアルタイムに業務の進捗を把握できます。いつでもどこでも仕事ができるので、政府が進めている「働き方改革」を実現するための、非常に重要なツールとなっています。

最後に、これから起こることについてです。(企業ごとに過去の)大きなデータがありますので、このデータを基に、今まで人間には絶対できなかったアルゴリズムによる個別最適化のアドバイスが、AIによる分析・最適化によってできるようになります。

例えば、「コストが安い方に変えたほうが良いですよ」とか、「この費用の割り当ては、こうした方が良いですよ」といったことを、自動で、かつ個別に最適化できるようになります。

つまり、AIによって正確に、速く、安く、個別最適化された経営ができるようになる。これには、やはりデータが一番の鍵になってくると思います。