河野外務大臣の総裁選挙のエピソード

山本一太氏(以下、山本):河野外務大臣の話が出たんですが、外務大臣として水を得た魚みたいにやってるんで。河野太郎外務大臣も長官のことを慕ってるんですが、どう見てますか? 河野外務大臣は総裁候補になってきますか?

菅義偉氏(以下、菅):(笑)。実は私、当選同期なんです。

山本:あ、外務大臣と同期なんですか。

:当選同期なんです。ですから、ずっと彼を見てまして、前に一緒に河野太郎総裁候補の推薦人になったんじゃないですか。

山本:そうなんです。実際、野党時代に太郎が私のところにきて、「一太さん、話がある。総裁選挙に出たい」とか言って、それで今、経済産業省大臣の世耕さんと河野太郎ちゃんを不遜にも私が週末に呼んで、それで、そこからみんなで推薦人を集めようと(したんです)。そしたら「ばかやろう」とかあちこちで言われて。

河野太郎を大好きな人と大嫌いな人しかいなくて、なんで集まったかっていうと、兄貴(官房長官)が応援してくれたからなんです。

:いやいや、でも私が。

山本:あの総裁選は、どういうふうになりました?

:最初から負けるやつを応援するのは大変です(笑)。

山本:こういうところに男気があるから、兄貴のところに行ったら「よし、応援しよう」とか言ってくれて、それで20人集まったんですよね。

:でも、よく集まりました。

山本:でも、(官房長官は)これはやはり河野太郎はそういう資質があると見て。

:私はそう思っています。まったくぶれないですよね。

山本:そうですよね。

:少し外れてるけど(笑)。

山本:ええ、そうですよね(笑)。でもまあ河野外務大臣、しっかりがんばってください。もうわれわれ大変な酷い目にあって、20人集めて。

:でも、(河野外務大臣は)今日も韓国に行ってまして、大統領と会談してますよね。

山本:ええ。

:非常に行動的です。そして、すぐ電話しますから。

山本:ええ、そうです。英語がまたできるんでね。

:そうらしいですね(笑)。

山本:これまたうまいんで。

:歌と一緒で下手くそなのかと思ったら(笑)。

ビザを緩和したら観光客がおもしろいように増えた

山本:歌はもうほとんど望みないんですけど。そこでちょっと外交の話も続けたいんですが、実はみなさんに知ってほしいんですけど、やっぱり危機管理の官房長官として、もはや稀代の名長官になっていると思うんですけど、実は観光戦略の兄貴なんです。

安倍内閣で今起こっている、訪日外国人の増加。これは実は官房長官が大きく貢献しているということで、観光収入を見てみたら、5年前は1.4兆円ですからね。昨年4.4兆円。観光客数800万人だったのが、もう2,900万人ということで。

:そうですね。

山本:官房長官が相当リーダーシップを取って、免税の品目を広げて、これはすごく効きましたよね。

:まあ、そうだと思いますけど、まず日本は当時約830万しか訪日観光客がいなかったんです。その原因はもう明確でして、やはりビザを制限した(ことでした)。

山本:そう。ビザの緩和もやったんですよね。

:外国人を日本に入れない政策だったんです。私どもの考え方は、少なくとも隣の韓国とか、隣近所の国と同じような政策を行うべきだというものだったんです。

山本:なるほど。

:やはり会合すると法務省と警察庁と治安当局の大反対がある。しかし、他の国々もやってるわけですから、それと同じようにしようと。これは総理が最初の施政方針演説で「観光先進国をめざす」って、国民のみなさんに約束したんです。それを受けて、総理の指示でやれという話で、それで当時の法務大臣が谷口さんで、国家公安委員長が古屋さんでした。

山本:ああ。

:お二人に最初に政府方針を提供して、ご理解をいただいているんで。国交大臣が観光庁を所管してますよね。それで外務大臣、その5人で、10分かからないで決めました。

山本:ああ。

:(ビザの)緩和。

山本:官房長官から「ビザを緩和したいんだけど、どうかな」って、それでもうオッケー?

:容認しました。翌月から(ビザを)緩和したら、(観光客が)おもしろいように増えました。

免税品目を増やしたことで観光収入が急増

山本:そうですね。みなさんは、ご存知かわかんないですけど、観光立国を目指す歩みの中で、官房長官の貢献はすごく大きいと思うので。

:貢献というよりも、やはり日本はそれだけ魅力のある国なんです。それは私、この観光政策を行うにあたって、アトキンソンといって。

山本:デービッド・アトキンソン。ここにも2回くらいでてもらいました。

:ああ、そうですか。私は彼の本を読んで、自信をつけたんですよね。日本は世界で1番か2番くらい、観光に適している国だと。

山本:なるほど。アトキンソンが。

:はい。そう言ってくれているし。

山本:デービッド・アトキンソンはもう、官房長官にけっこうシンパシーを持って。

:いや、私はそんな。

山本:すごく尊敬しているふうですけど。

:彼のアドバイスで(観光)政策を行っているんですけど、そういう意味でビザ緩和をして。免税品も、日本に免税店売場って看板がないのは、私はおかしいと思っていて、当時、私のところにきている財務省の秘書官になんでだって調べさせたんです。

山本:はい。

:最終的に、免税品が少なかったんです。

山本:品目がね。

:当時は電気製品などが主で、今一番売れているものは、ほとんど免税対象じゃなかったんです。薬だとか化粧品だとか。ですから、そういう意味で、そうしたことを一挙に改造したら。

山本:そうですよね。

:今、先ほど言いましたけど。

山本:観光収入ね。

:一挙に4兆。

山本:そうですよね。今日ちょっと申し訳なかったですけど、最初に森友とかの話を聞かなきゃいけなかったんで、いい話もちゃんとしようと思って。官房長官がすごく力を入れて、相当のリーダーシップで免税品の種類を増やしたこと。

これ実はすごく評判が良くて、少し前の『日経ビジネス』かなにかに出てたんですけど、欧米の財務省かなにかが書いてたのか、(日本の)免税のシステムはすばらしいと。韓国とか欧米は、例えば免税品を買ったとしても、一応書類をもらって、それから並ばなきゃいけないですよね?

:はい。

山本:実は日本の場合はそれがないんで、これはすばらしいって書いてあって、もっと宣伝するべきだということでした。免税品の種類を広げたのは、実はすごい大きな貢献ですよね。

:私の財務省の秘書官がこのアイディアでやったんです。

山本:なるほど。

:それはもう大きかったと思っています。

美術館の開館時間や特別観覧への取り組み

山本:アトキンソン氏が一生懸命、観光戦略をやっていて、私も本を読んだんですけど、地域にある寺社仏閣とか、「いい文化財についてなかなか説明がないんですよ」と言ってたんですけど。

なんだかやっぱり観光地は一生懸命やっているんだけど、私の感覚で言うと文化庁がのろのろしている感じがして、官房長官に言いつけたら悪いんだけど、ちょっと文化庁のお尻を叩いていただけるとありがたいです。

:いや、文化庁も変わったと思います。

山本:変わりましたか?

:ええ。

山本:いろんなことがけっこう遅いんです。申し訳ないです、文化庁の人。

:文化庁長官に宮田(亮平)さんという、芸大の教授を迎え入れまして、今ものすごく積極的にやっていただいてます。

山本:そうですか。国語の問題とかもそうだし、寺社仏閣とかいろんなところにちゃんと英語の解説をちゃんとつけるべきだというアトキンソン氏のアドバイスがあるならば、もっと早くやってほしいなって。

:変わってきていると思います。例えば美術館なんかあるじゃないですか。

山本:はい。

:最初、10時(開館)、5時(閉館)なんです。10時5時。働いている人は見れないじゃないですか。

山本:そうですね。

:今、金曜日と土曜日は9時(閉館)になっています。だんだんそういうふうに変わってまして。あるいは、夜に閉館をした後に、人数を絞って特別観覧みたいなことをやってるんです。

山本:なるほど。

:(特別観覧で)しっかり説明をして。例えば2,000円くらいの入場券を、3倍の6,000円くらいにしてやっても、いっぱいなんですって。

山本:なるほど。

:そういうことを文化庁もやってくれるようになりました。大きく変わったと思います。

山本:わかりました。それは非常に心強い話なんですけれど、文化庁、もっとちゃんとやってね。長官もこう言ってるんだけど、ちゃんとやってください。

沖縄問題への見解

山本:ということで長官、もう2つだけ。1つは沖縄の問題。これは自民党のカフェスタなんでいいと思うんですが、沖縄もずいぶん雰囲気も変わってきて。

:変わってきたと思います。

山本:選挙で一応勝ち続けているというのが、これはある意味でいうと世論も変わってきたってことなんですけど。「オール沖縄」とか言って、あれは長官「おかしい」と言ってたんですけど、だんだんこう、この間のやっぱり宜野湾から始まって、やはりなんと言っても、あそこで勝った。

:名護。

山本:名護で勝った。あれは大きかったと思うんですけど。

:大きかったと思います。

山本:どんなふうにご覧になってますか?

:(私は)基地負担軽減担当大臣なんですけども、やはり沖縄の観光によって大きく経済が変わったと思うんです。当時、私どもが政権を取る前は、有効求人倍率は0.43(パーセント)だったんです。今は1.2(パーセント)くらいありますから。

山本:日本で一番元気ですよね。

:ええ。沖縄の魅力があるんで、ハワイより多くなったんですから。

山本:ハワイより多いんですか?

:ええ、観光客が。ですから、国内はもちろんですけども、沖縄の魅力がアジアやヨーロッパへどんどん広がって、これから(観光客が)どんどん増えると思います。ですからそういう政策に理解をしてもらって、やはり世論が変わってきたのかな、と思います。

山本:なるほど。官房長官、基地の問題も率直にお聞きしたいんですが。

:はい。

山本:これは官房長官が相当、基地負担軽減と言い続けてきて、ずいぶんアメリカの飛行機も移駐させたりとか、あるいはその北部訓練所の返還を実現したり、いろんなことをやってるんですけど。

なんとなく今、現場とアメリカ軍と、仲が悪いわけじゃないけど、ちょっとコミュニケーションが下がっているような気がしたり。

アメリカ軍もオスプレイを飛ばしているのがなんかなんだけど、「あそこ(でオスプレイを)見た」って言ったら、「飛んでない」って言ったりとか。遠くから見たから、そう見えたのかわかんないですけど、ここら辺の対応って、すごく事故も多い。これはちょっと心配なんですけど、これはなんなんでしょうか?

:事故は多かったですよね。

山本:多いですよね。