2024.10.21
お互い疑心暗鬼になりがちな、経営企画と事業部の壁 組織に「分断」が生まれる要因と打開策
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この盗まれたNEMですが、1つのアカウント・1つの鍵データのウォレットですべて盗まれたと思うんですが。その時、この盗まれた資産はお客様のものだけであって、御社が自社で持っていたものは盗まれていなかった。そういう意味で分別されていた。そういう理解でよろしいんですか?
大塚雄介氏(以下、大塚):左様でございます。
記者16:わかりました。じゃあ再度確認ですが、すべての仮想通貨について、お客様の資産と御社自身の持ち分はすべて分別していて。さらになんですが、今回1つのアカウントについてすべてのNEMが5億2,600万、蓄積されていたということですが。それを分散させて管理するとか、管理の仕方については今後、どうしていく予定ですか?
大塚:今後の対策に関しましては、預かったNEMに関しまして、コールドウォレット化のほうを今させていただいております。その中で、コールドウォレットでも複数にしたほうが、よりリスクの分散というかたちになりますので。そういうところも視野に入れて対応していく所存でございます。
記者16:なるほど。コールドウォレットは複数にするし、取引に使うウォレットのほうも、これは1つのままということなんですかね?
大塚:そこはリスクの洗い出しの中で、どこまでのリスクを許容するかというのを、先ほどのCISO室も踏まえまして議論をしていって。最終的にはリスク委員会で、どこまでのリスクをとるか、というところで決めていくようなかたちになっております。
記者16:はい。わかりました、どうもありがとうございました。
記者17:日経フィンテックのオカベと申します。4点ほど教えていただきたいんですけども、途中から来たので、もしかしたらかぶる部分があるかと思うんですけれども。
まず先ほどおっしゃられたコールドウォレット化の話なんですが、こちらは自社で開発する予定なのか、既存のハードウォレット等々使って対策を打つのか。いずれなのか教えてください、というのが1つ目。
2つ目が、マルウェアに感染した端末なんですが、こちらについては御社の社内にある会社用端末なのか。あるいは御社は在宅勤務等々も可能だったのかなと思っているんですけども、いわゆる社外で使われていた端末なのか。そちらを教えていただきたいのと。
3つ目がですね、こちらの内容には書かれていないんですけども、かなり気付くまでに時間がかかったかと思いますが、そちらはなぜなのか。「アラートを出す仕組みも整えていた」というお話も先日、あったかと思うんですけども。それに気付けなかった理由というのを改めて教えていただきたい、というのが3つ目です。
4つ目が今、金融庁等々と、今後の交換事業者の登録に至る際に、なにをすれば登録できるのか、といった前向きな会話みたいなところはあるのか。4つ、教えていただけますでしょうか。
大塚:はい。私のほうからご回答させていただきます。
まず1点目、コールドウォレットの開発のほうなんですが、こちらは社外のセキュリティの専門家の方のアドバイスを受けながら、開発自体は弊社の社内で行っているかたちになります。
2点目、マルウェアに感染された端末に関しましては、弊社社員の会社から支給されたPCのほうでの感染となっております。
3点目、時間がかかってしまったというところに関しましては、我々のほうでそこに気付くシステムがなかったところがありまして、気付く時点が遅くなってしまったという事実がございます。
4点目、登録に向けてに関しまして。基本的には仮想通貨交換事業者登録に関しましては、そちらの要件というのが出ていますので、そちらの要件を満たすべく今、我々のほうで努力しているかたちになっております。以上になります。
記者18:東洋経済のニカイドウと申します。よろしくお願いいたします。1点目、今現在の業務資本提携に関する考え方、ならびに進んでいる場合の進捗状況。御社として、どういった業種・会社が提携先として望ましいと考えられているかも含めて教えてください。1点ずつお願いします。
大塚:はい。1点目のほう、お答えさせていただきます。業務資本提携ならびにどちらかというと経営体制の抜本的な見直しだと思うんですが、そちらに関して本日、業務改善命令のほうを受けまして。これから鋭意、そちらの検討を進めさせていただくというかたちになっております。
記者18:この前だと、和田社長のほうから資本増強に向けた選択肢もあるようなお話があったと思うんですけども、そちらに対しては今どういうスタンスなんでしょうか。
大塚:あくまでもそれは選択肢の1つ、というかたちになっておりますので、なにか具体的なものがあるというわけではございません。
記者18:それに対して、どういうふうにしていきたいっていう考え方ってありますか? 必要に応じてやるのか、極力やらないのか。
和田晃一良氏(以下、和田):私たちとしては、基本的には顧客の保護を第一と考えております。そのための手段として、取り得る手段、1番良い手段を取りたいと考えております。
記者18:であれば、大手の傘下に入るようなことも1つの手段としては考えられる?
和田:それが顧客の保護に繋がるのであれば、当然そうだと思います。
記者18:わかりました。もう1点、今朝出たコインチェックの行政処分の書面の中に、「監査役も機能を発揮していない」という記述がありました。今後この監査役は交代するのか、それとこの監査役というのは昨年、御社の創業以降から関わっている方だと思うんですが、どういう役割を発揮されてきた方なんでしょうか。
大塚:私のほうからご説明させていただきます。基本的には「経営体制の抜本的な見直し」というところに、もちろん監査役も含めて対象としております。そこも含めて新しくどうしていくかというのを今日以降、こちらを受けて検討のほうを進めていくようなかたちになっております。
記者18:創業初期から関わってきた方だと思うんですが、一心同体と言いますか、経営に対する考えを一にする方だと思うんです。どういう役割を発揮されてきた方なんでしょうか。
大塚:監査役ですので、我々が取締役会として決めることに対して監査をしていく、という立場で振る舞ってきた方でございます。
記者18:出資者でもあると思うんですけども。
司会者:ご質問を制限させてください。お願いします。
記者18:どういう役割を発揮してきたか、今回こういうかたちで指摘を金融庁からされているわけですから、この方についてどういうご評価をされてるか、教えていただきたいんですが。
大塚:株主であり監査役であり、というところで……繰り返しになってしまいますが、我々が取締役としてやることに対して、監査の機能をやっていただいた方になります。
司会者:続いての質問に移ります。なお、できるだけ多くの方からご質問をお受けするために、ご質問はお一人様2問とさせてください。ご協力をお願いします。
(会場挙手)
では、その後ろの方、お願いします。
記者19:『財界』のオオウラと申します。2点お願いいたします。以前のご説明で、体制が整わないうちにNEMという新たな仮想通貨を取り扱った、というような大枠の理解をしているんですが。この動機は一体なんだったんでしょうか、ここを改めてお願いします。
もう1点が、御社の利用者の方でNEM以外の仮想通貨を保有していらっしゃる方々の中で、この間の業務の停止で、取引ができないことによる損失を被っている方も多くいらっしゃると思います。こういった方々へのなにか、補償なりというのはお考えがおありでしょうか。以上です。
大塚:(和田氏に)これはいける?
和田:まず、なぜNEMを取り扱ったのか、というところなんですけども。私たちとしては、当時2017年4月にNEMの取り扱いを開始いたしました。
その当時ではまだまだ現在のように、仮想通貨に対して一般の方が興味を持っているような段階ではなく、私たちとしてはなるべく多くの仮想通貨の購入機会を設けることが、この仮想通貨業界の発展に繋がると考えておりました。
ただその後、4月から5月、6月にかけまして、NEMであったりほかの仮想通貨の価格が急騰しました。それを受けて、私たちが予想していたよりもかなり多くの顧客が、新しく登録や取引をすることになりました。その頃から内部管理体制だったりというところに、業容の拡大に対して私たちの管理体制が追い付いていなかったものと考えております。
続いて2番目の質問ですが、価格の下落への補填というところなんですけども。私たちの利用規約上、ここについては責任は負わないと、私たちとしては考えております。
記者20:日本経済新聞のサトウと申します。よろしくお願いします。御社のビジネスモデルについてちょっとおうかがいしたいんですけれども。一番の驚きは、今回463億円、最初からおっしゃってますけれども、十分返せると。御社の財務状況を一切開示してませんけれども、御社の年間利益というのはどれぐらいあるのでしょうか?
もう1つなんですけれども、その利益の源泉、これが、まぁ今まで築いてきた利益の源泉、これは取引を通じた仲介手数料以外に、御社自らの仮想通貨を売買して、その値上がり益で蓄積した利益というのもあるのでしょうか? 以上2点お願いします。
大塚:私のほうからご説明させていただきたいと思います。当社のビジネスモデルに関しましては、主に2つの形式がございます。
まず1つが「取引所」という形態になりまして、こちらはお客様同士が売ったり買ったりしていただくようなかたちになります。こちらが取引量の約80パーセントぐらいを占めておりまして、こちらは手数料のほうというのをいただいておりません。
続いて「販売所」という形式のほうがございます。こちらはお客様が、我々から仮想通貨を買っていただいたりとか売っていただいたりとかしていただくようなかたちになりまして、こちらが全体の取引量の2割程度を占めるようなかたちになっております。
ビジネスの収益の源泉に関しましては、販売所のほうで我々が仕入れてお客様に売る、ないし、お客様から我々がお買上げさせていただいて、ほかのところで売ると。その差のところ、いわゆるスプレッドというものを我々の収益の柱にしております。
最後におっしゃっていただいた、我々が仮想通貨を保有してなにかをすると。そういうところのビジネスモデルは基本的にはございませんので、主にはスプレッドと言われる売ったり買ったりするところの差額で我々の収益のほうを成り立たせているようなかたちになります。
記者21:ありがとうございます。「ダイヤモンド」のスズキといいます。今の話と、あと先ほど質問のあった事業の継続性に絡めてうかがいたいのですが。
顧客の資産を分別管理しているから出金が相次いでも問題ないというのはわかるんですけれども、今のお話からすると、スプレッドで稼いでいるというところで、取引する人がいなくなってくれば当然収益源が減ってきて。
事業の継続性はたして大丈夫かという話にもなってくるのではないかなと思うんですけれども、そのあたりはどのように現時点でお考えになっているのか教えてください。
大塚:私のほうでお答えさせていただきます。もちろんお客様がいなくなってしまいましたらば、事業というのは継続することはもちろん難しいと思いますので、お客様に継続して使っていただけるように、これは普通の企業の努力としてやらせていただくようなかたちになっております。
記者21:今般の話で、リスク管理体制だとかでおそらくコスト増の要因というのは増えているかと思うんですけれども、そのあたりを踏まえても、今後の事業継続というのに自信を持っていらっしゃるのか、そのあたりのお考えを最後聞かせてください。
大塚:はい。私のほうからご説明させていただきます。基本的には、そちらの財務の増強に関しましても、金融庁様のほうにご報告させていただいて、継続の意思のほうをお伝えさせていただいているかたちになっております。
記者22:朝日新聞のシンカイです。いくつかうかがいたいんですけれども、先ほどの収益の源泉のところで、スプレッドで儲けていらっしゃるということなんですけれども、いわゆる買い注文か売り注文がお客さんから来ると同時に、別の取引所に反対売買を出して渡すというかたちという理解でよろしいのでしょうか?
大塚:左様でございます。
記者22:あとテレビCMの今後のあり方と、あとレバレッジ取引の5倍までやっていらっしゃったと思うんですけれども、これについての今後の考え方を教えてください。
大塚:私のほうから回答させていただきます。テレビCM含めてもそうなのですが、まずはやはりお客様の、まぁ今回の業務改善命令でいただいておりますとおり、内部管理体制ならびに経営体制を整えたあとで、ここらへんがちゃんと抜本的な見直しがされたあとに関しまして、検討していくという考えでおります。
記者22:レバレッジも同様?
大塚:レバレッジも含めて。はい。
記者22:あと、ごめんなさい、数字の確認で、先ほどの返金額のところなんですけど、流出したNEMが最初の発表の時よりも少し増えて、5億2,360万10XEM。これに2月2日だったと思いますけれども、レートを御社として換算された1NEMの88.549円をかけた金額という理解でよろしいんですよね?
大塚:左様でございます。
記者22:すいません。そうだと、たぶん466億円になると思うんですけど、いま手元で計算はされていないということですよね。
大塚:私のほうの計算で463億円になって……。
記者22:88.549×5億2,630万のかけた値という理解で?
大塚:はい。
記者22:あと、ごめんなさい。もう1つ、流出時は580億円と換算されていたと思うんですけれども、このときの1NEMあたりの単価というのはいくらと換算されているのでしょう?
大塚:こちらは、正しくその時の数字というのが、私のほうでバタバタとしていたところがありましたので、正確なマーケットの数字ではなかったというところが事実でございます。
記者22:そうするとじゃあ御社としては、流出時の金額というのは今手元に持っていらっしゃるんですか? 総額で流出時で換算するといくらというのは持っていらっしゃるのでしょうか?
大塚:それのほうはございます。あっ、すいません。ここの手元は、すいません、ちょっと今はございません。
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