コミュニティ成長のトライアングル

小島英揮氏(以下、小島):うまく回ってきたコミュニティ。どういうことが起きるかと言うとこんな感じです。

まず、勉強会でコンテンツが生成されます。懇親会でネットワークがちゃんとされて、ソーシャルや色んなウェブサービスで情報が見つけられる。例えば、クラウドで悩んでいてサーチしたら、「あ、こんな勉強会をやってるんだ。次行ってみよう」とこんな感じになるわけです。

この場があると、我々は非常に楽で、ここに1回行くと必要な情報のフィードが出来るし、フィードバックも得られる。例えば、勉強会に50人のディベロッパーが来る場があったとします。もしこのコミュニティという器がなければ、同じことをやろうとするとこの50人に会わなくてはいけません。大変ですよね。

しかし、場があれば、情報のロードが一回で済むし、その時こうですね、ああですね、と直にやりとりできる。非常に素晴らしい。この場があることで、うちの場合は、今までクラウドに興味あったんだけど触る機会がなかったとか学ぶ機会がなかった、という人が来れるんです。来てくれると我々と繋がります。この場がなければここにたどり着きません、この人達は。

これをコミュニティ成長のトライアングルと言っていますが、この場がちゃんと育てば、我々とのコミュニケーションがすごくうまく行きますし、どんどん人が吸い寄せられてきます。ひとつのメディアみたいになります。このトライアングルが出来ると、どんどんコミュニティが大きくすることができます。

もっと欲張ると、こんなことが出来ます。東京にコミュニティがあります。大阪にコミュニティがあります。九州にコミュニティがあります。北海道にコミュニティがあります。これを繋ぐとどうなるか。そうするともっと大きなムーブメントが出来ます。我々がやるのは、一緒になにかをやるというきっかけをつくる、それをファシリテートする。規模が大きくなりすぎたら、会場をサポートするだとか、そういうことをやるわけです。

全国のコミュニティメンバーが集まるイベント「JAWS DAYS」

例えば、今年の3月15日にあったイベントで、「JAWS DAYS」というイベントがありました。イメージ画が書いてあるのですが、全国の支部の人が一か所に集まって、ライトニングトーク、発表、デモ、そういうことが出来る場を用意しました。これは土曜日でしたが、集まる過程からエクスペリエンスを提供しようということで、大阪、名古屋、仙台から東京に行くのに夜行バスを用意しました。

さすがに、これは我々がお金を出しました。前の日に皆さん仕事が終わって、仙台、名古屋、大阪の勉強会に出て、勉強会を一回経験して、その後一杯飲んでからバスに乗って朝、東京に着く。朝すごく早く着くので一回大江戸温泉に着けて、お風呂に入って頂いてから会場に来て頂くという風にやりました。無謀な人がたくさんいますね。大体七十人くらいツアーに参加したのですが、フィードバックは大体一緒でした。「リクライニングシートが欲しかった」と。

(会場笑)

バスをちょっとケチったんです(笑)。自分が乗らないもので、安いのでいいんじゃないかと。今の世の中、リクライニングしないバス、そんなので高速移動しないですよね。体がバキバキになった、って言っていましたね(笑)。でも楽しかった、とも言っていました、はい。これはエクスペリエンスなので、大事なことです。

コミュニティサイドにコンテンツを任せる

「JAWS DAYS」のイベントのライトニングトークがあって見ている人はお酒飲みながら見てるんですね。大体、(写真に写っている)会場は600人くらいです。このイベント、コンテンツは完全にコミュニティサイドでつくっています。それでやったセッション数が50を超えています。50セッション、アマゾンの人間が色々用意してやろうとすると、その工数とか準備とかだけで大変なことになりますけど、これが出来てしまう。

レジストレーションが1300。実際の参加率もよかったです。1000人以上の方がいらして。このライトニングトークとパーティは600人くらいの方がいらして。更に、金曜日にバスに乗って、土曜日大きいイベントがあって、まだ帰しません。

日曜日に、これは我々のオフィスですが全国のコミュニティリーダーに集まってもらい、今困っていることとか上手く行っていることとか、情報をシェア、レベリングをする場を設けました。もともと気を付けてセンスの良い種の方に集まっていただいているので、このように同じ器に入れるとすごく議論が生産的です。

こういうやり方をしているんだけど、それをそっちでもやったほうがいいんじゃない? これをこういう風に悩んでいるんだけど。じゃあ、一緒にそれを解決しようじゃないか、みたいな話がどんどん出てくる。この結果生まれたイベントも結構あります。

例えば、複数のイベント会場をネットでつないで、お互いコンテンツをひとつの勉強会、まとめるのが大変なので半分半分にしよう、と。例えば、大阪と福岡で繋いで。そうするとスピーカーが半分ずつで済むんです。それで質問する人は二倍になるので、これはいい、ということでその勉強会を運営したりしています。

コミュニティ成長のための必須アイテム「ロゴ」

コミュニティ成長のためのアイテムです。小物ですが、結構大事です。ロゴ、大事です。JAWS。もっと言うとサウンドロゴも大事ですね、ジョーズという響き。単にアルファベットの短縮形で、なんとかユージーとかありますけど、あまり耳に馴染まない言葉とかが結構あったりするじゃないですか。それよりも覚えやすいサウンドロゴ的なものが良いです。

このジョーズというのを名前にした時のエピソードがあります。色んな案がありました。AWS-UGがいいじゃないか、とかですね。とにかく並べただけ、というのが結構あったんですけど。その中の一つがこのJAWS-UG。

これ、すごく音が良くて、海外でも響きやすいなと。で、シアトルのほうに聞いてみたんです。それいいんじゃないの、と言われました。どの名前にするか、って時にちょっとだけ神の手を出して、「アメリカではジョーズってのがウケが良かった」ってポッとだすと、「じゃあそれにしましょう」ということになって決まりました。

じゃあ、マークもそれにちなんだものがいいよね、ということでサメのマーク。日本っぽいということで富士山がモチーフになっていますが、そういうところからコミュニティを表すマークをつくっています。ハッシュタグ、情報拡散に欠かせません。すごく大事です。コミュニティに関係あることは、全部「#JAWSUG」で流しましょう、と。 特別なイベントの時は、イベント用のタグをつくりましょうということで。今#JAWSUGが非常に幅を利かせています。AWS、オフィシャルのハッシュタグをつくりたいのですが、大体#JAWSUGってつけられちゃうんです。なので、これは諦めてAWSというハッシュタグは公式には持っていません。#JAWSUGで流すようにしています。

コミュニティに貢献している人物には、お金ではなくリスペクトを

そしてレコグニション。さっきコミュニティの色んな活動に直接お金を払ってはいけないと言いました。ロックスター、こういう人になりたいな、というのを作り出す。そのひとつに、権威付けじゃないですけど、ちゃんとレコグニションをすることは凄く必要です。アマゾンでは「AWSサムライ」というロゴ付で、この人はすごくコミュニティにコントリビュートしているんだよ、ということを毎年アワードで出すようにしています。

そうすると、例えばアワードもらった人が北海道とか沖縄のコミュニティの人だったとします。その界隈では有名だけれども、ちょっと離れたところだとその人を知る機会がなかった。でも、このアワードに選出されることによって、あぁあの人すごいんだ、という風にどんどん皆さんのリスペクトを集める。こういう構図をつくることで、すごくコントリビューションして頂いている方に、お金ではなくリスペクトというものでリターンする仕組みにしています。

当然、皆が納得する人を選ばないと、制度そのものがおかしくなってしまうので、ここは厳格にやっています。我々のパートナーさんでコントリビューションしている人もいるのですが、その人達は出張費で行ったりしているので、そこはポイントマイナスしてその人達はアワードをもらうにはあれなんじゃないか、ということで調整したりしています。