私たちは「本当の色」を判別できているわけではない

カリン・ユエン氏:今まで番組をご覧になった方々のなかには、私が色についてとても興味があることはすでにご存知だと思います。

色はとても素晴らしく、時には商品の魅力を左右したり、視覚をだますことさえあります。

今日は、その「色」について、5つのおもしろい事実をお伝えします。

(1)

人間の目は、700万もの色を知覚することができると言われています。しかし、本当にその全てを判別できるわけではありません。

ここに2つの明るい色をした四角形があります。2つとも、同じ色のように見えますよね?

しかし、この2つの四角形を真ん中でくっつけるようにして伸ばしてみると、色が違うことがわかります。

私たちの目は、すぐ隣で比較しないと、正確に色を判断できないのです。

(2)

「正反対同士は引き合う」と言われますが、色についても同じことがいえます。

補色とは特別な色のペアのことですが、隣同士に配色すると振動やハロー効果といった面白い光学効果が生じます。

それがダイナミックで活動的な色のペアの正体です。

(3)

少し違うことを試してみましょう。この赤い丸の中心にある、黒い点を20秒間見つけてください。

そして、20秒経ったら下の図を見ます。

後ろの円の残像が見えましたか? ここでは、あなたが見ている色の反対のものが見えるのです。

(4)

そのほかにも、色から遠近間隔をつかむことができます。

濃く塗られた部分や暖色は、他の部分よりも目立ちます。これが、赤色が会社の製品やロゴとして人気がある理由の1つです。

明るい色は遠くに見える一方、暗い色はより近くに見えます。これは(5)でご紹介する要素につながることなので、難しくとらえないでください。

(5)

色は関連性を持っています。「自分の目を信じることができますか?」といった、隣接する色によって見え方が変わることを説明している動画などを見たことがあれば、すでに知っているかもしれません。

この絵を見てみると、左側のオレンジ色の内側にある四角より、右側にあるオレンジの四角のほうが明るく見えます。しかし、真ん中にある黄色と青色の四角を取り除くと、実際は同じ色であることがわかります。

一体何が起きたのでしょうか。

私たちの目は客観的に色を見ることができず、実際にスクリーン上で見ている色と頭で理解している色が同じとは限らないのです。