触れたものすべてを凍らせる…
海中に生まれる「死のつらら」

Brinicles: Icicles o' Death

海のなかにつららができる現象、“ブライニクル”。触れたものすべてを凍らせてしまうことから、“死のつらら”とも呼ばれています。どのようにして海中につららが生まれ、すべての生物を凍らせてしまうのでしょうか?

おそろしい死のつらら

ハンク・グリーン氏:たった今、この瞬間も、北極海の凍った海水の下では、塩水の柱があっと言う間に周りの水を凍らせて、氷の管を作り続けています。凍らせるスピードは、なんと、目でも確認できるくらいです!

凍った短剣が、何メートルも下に伸びていくと、氷の網をどんどん作ってしまえる場所にまで到達します。すると、ゆっくりとしか動けないために氷のできる速さから逃げることができない、ありとあらゆる生き物を凍らせてしまうでしょう。

このまるでこの世のものとは思えないような仰々しい形をしたつららは、「死のつらら」と呼ばれています。

そんな呼び方がされていますが、その現象はブライニクルという現象だと研究者たちは知っていますし、あなたが実際にこの現象に巻き込まれない限り、傍観しているだけなら結構イカした現象ですよね。まあ、巻き込まれたらめちゃくちゃ寒いでしょうけどね。

ブライニクルについては1960年代頃から解明されています。しかし、実際にどんなものなのか、ほんの数年前まではっきりと目にすることはできませんでした。

そこはBBCに感謝、ですね。BBCが今までにない、カッコいいタイムラプスビデオを使ったドキュメンタリーを製作してくれたのですから。

冬が到来し、新しい氷が形作られようとしている北極海、南極海の両方でそのブライニクルは発見されました。

海洋の水というものは冷蔵庫の水や湖の真水のようには凍りません。

海上が凍る時、凍るのは水分だけで、塩分やその他のイオンは凍らずに海水中に押し出されるのです。

水がさらに凍り続けると、塩分濃度の高い海水は細かくなって氷のなかに散らばります。

氷にヒビが入り、少しでも割れると高濃度の海水は外に放出されます。高濃度の海水は氷の下の海水よりも密度が高く、より冷たい水です。

ヒトデやウニはひとたまりもない

塩分が多いということは、真水よりも低い気温で凍るということです。つまり、めちゃくちゃ冷たくてめちゃくちゃ塩辛い水分が海の氷から放出され、海底へと沈んで行くのです。

その水分が海底へと沈み始めて、真水が凍るぐらいの温度のところ、ただし塩分が多く含まれた水は凍らないほどの温度のところまで到達します。  

そこから驚異の瞬間冷凍が始まります。塩濃度の高い海水は海底に向かって沈んで行きながら、それに触れる水をすべて凍らせてしまうのです。

もろい氷の管がゆっくりと下降してゆくつららの周りに形作られ、ブライニクルが安定すると共にぶ厚くなってゆきます。

この氷の形成過程は海底にたどり着いても続けられ、触れるものすべてを凍らせてしまいます。ヒトデやウニのような動きが遅い生き物にとっては危険地帯となることがわかるでしょう。

研究者たちは迫り来る氷から逃れられなかった海洋生物の骸骨が散らばった「死の黒いプール」をブラニクルの下部やブライニクルが起った場所に発見したと発表しています。

ブライニクルの研究はまだ初期段階でしかありません。研究者たちは、まだまだ解明できていないことがたくさんあると見ているのです。

マイナス2度の海の氷の下なんて、快適な研究環境とは言えないところですから、私たちはすべての解明を急いで求めてはいけませんね。

実際にそんな環境下でブライニクルを目の当たりにするというのはとても勇気のある、価値あることでしょう。

だからと言って、私にはとてもできることじゃありませんけどね。

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