採用のすべてを代表の青木氏が担当

青木耕平氏(以下、青木):僕自身の時間の半分は採用のことに使ってるかもしれないですね。500人を相手にする採用プロセスも僕が1人で全部やっているので。

砂流恵介氏(以下、砂流):え?

青木:ブッキングから、1次面接、2次面接。全部、僕がやってるんですよ。

砂流:人事、いないんですか?

青木:人事、いないです。僕、一人間接部門なんで。経理も総務も人事も全部僕がやってますから。

砂流:経理も総務も人事も?

青木:はい、全部僕がやっているので。経理とか総務とか、ほぼ外注でコントロールしてるだけですけど。採用は僕しか、それこそ採用ページ作るのも僕なので、みんなから受け付けたメールを「応募書類、届きましたよ」とメールを出すのも僕ですし。「送りましたよ」とか。

砂流:すごい(笑)。

青木:「面談いつできますか?」というのも僕が1人でやってるので。

砂流:この話を聞かなければ、入るまでとても青木さんがしてるとは思わないですよね。

青木:最初から僕がメールしてくるので、みんなビビると(笑)。

砂流:そうですよね(笑)。

会社はメディア、採用で会社を編集する

青木:1次面接で僕が出て、ある程度足切りをしておいて、現場の担当者を2次面接から呼んで「ある程度、揃えといたんであとよろしく」みたいな感じで。要するに、僕が落としたくない人は落としてほしくないんですね。

僕が選んだなかで誰を選んでくれてもいいという感じなので、2次面接である程度足切られた人を僕が見たら、そこがコントロールできないので。ただ、毎年延べ100人弱くらいの面接をやってます。

砂流:そこまでされてるから世界観の統一というか、勝手な想像ですよ。御社のなかで服装のイメージとかって、ふだんサイトを見てるんで、白いシャツもいっぱい白があると思うんですけど(笑)。なんとなく、ありますよね? とても僕みたいにこういうTシャツ(真っ赤なTシャツ)着てる人がいるとは思えないです(笑)。

(会場笑)

青木:いるんですよ(笑)。いるんだけど、ただ僕は経営者としての会社がメディアだと思っているので、僕の編集対象は人ですね。人事が僕の編集手段なので。

砂流:会社を編集されてる?

青木:そういうことだと思います。さっきの「ブランドとは何か」というお話の時に、究極的には「仲間になりたい」と思わせることだとありました。その仲間のコアにいるのは会社だと思います。

一緒に働きたい人がいる会社を作る

なのでその会社に、例えばファンという言い方が適切なのかわかりませんが、弊社のブランドに興味持っていただける方の興味の度合いにグラデーションがあると思うんですよ。「あ、知ってる」というくらいのところから、「あ、よく見る」みたいな人から「買ったことある」「よく買う」みたいなところのなかで、たぶん一番コミットメントが強まるのが入社なんじゃないかと思うんです。

そのコミュニティの大きな設計として、中心にいくほどなにか非常に魅力が高まっていくことにならないと、求心力がないと思うんですね。

だから、中心にある会社ってものがみんなが入りたい会社になるというのが非常に重要だとすると、入りたいかどうかにはもちろん給料がいいとか、オフィスがすげえとか、もちろんいろんなことがあると思うんですけど、そこにいる人たちが魅力的だという。実際、入ってみたらギャップなく「あ、本当だった」と思えるということが超重要だと思うので、ほとんどそのことしか考えてないですね、僕は。

そうなれば勝手にみんなが仕事してお金は儲けてくれるだろうというところがあるので、とにかく会社を組織として魅力的でハッピーな場所にすることができれば、その会社に入りたいという気持ちが究極的な部分としてあって。

あとはグラデーションで「ちょっとだけ絡んでみようかな?」みたいな感じで感想のメールをしてみるだけのコミットメントの人もいれば、「椅子を買ってみよう」という人もいるかもしれない。

好きだから「宝塚に入りたい」

砂流:すごいですね。なんか、アイドルになりたい子の究極系というか。アイドルになりたいから、モー娘に入りました、AKBに入りましたみたいなプロセスを全部見れてて、本当に関わりたい人の最終形がそこに行きつく場所を見えてるわけですもんね、お客さんから。

青木:宝塚をよく例に出すんですけど、宝塚の本質的なプロダクトって何だろうと思った時に、例えば演目があるじゃないですか。これは、はっきりいって本質的なプロダクトじゃないと思うんですよね。ファンにとっては『ヤマトタケル』でも『ベルサイユのばら』でも正直どっちでもよくて。

砂流:観に行きますね。

青木:じゃあ、俳優さんなのか。でも、俳優さんも卒業というのがあるので卒業するたびにファンが離れてるのでないとすると、俳優さんも究極的なプロダクトではない。おそらく、宝塚ファンというあるコミュニティに所属してることの気持ちよさみたいなものが究極的な商品だと思うんですね。

その気持ちよさを作っているひとつの要素だな、と僕が勝手に思ってるのは、さっきも言ったように宝塚のファンの人たちもコミットメントにグラデーションがあると思うんですよ。「スカパー!」で見る人から、「東京で公演ある時は観に行きます」という人から、「本拠地まで行きます」という人まで。

おそらく究極的なファンは、「自分ないし自分の娘を(宝塚へ)!」と思っている(笑)。

砂流:そうですよね(笑)。

「年に一度、中途一括」採用プロセスをオープンに

青木:宝塚ファンの夢というところがあって、その夢に至るルートが1個しかなくて明確だってこと。つまり、宝塚音楽学校という学校に何十倍なのか何百倍なのかわかんないですけど、倍率を通って入って、そうするとそのなかに入れるというのがすべてのファンに明らかになっている。つまり、中心にいくための方法がフェアで1個しかないとことですね。

だから僕らが今、年に一回、中途一括採用というのをオープンにやってることの主な意味というのはそういうことだと思っていて。さっきも言ったように、究極的にはお客さんに「この会社、入ってやってもいいかな」と思ってもらえる会社を作っている。

ただ、その会社にどうやって入ったらいいのかというルートがわからない。どういう基準で選ばれてるのかわからないという感じだと、そこにアンフェアさが漂うと思うんですけど、競争は激しいかもしれないけど、あるフェアな審査を受けて通れば入れる。

なので、我々新しく入社した人をサイト上でご紹介するコンテンツをやるんですけども、お客様から「おめでとうございます!」みたいな感じですごいメールが来るんですね。

砂流:おお! うれしいですね。

青木:そういうことを考えて、ひとつの採用を中心としたブランドの基礎みたいなものを作ることを意識してるかもしれないですね。

砂流:予想以上でびっくりしてしまったんですけど、そこまでされてるんですね。

青木:そこだけ頑張ってる感じですね。あとはみんなが頑張ってくれてるんで。

砂流:それ、いつくらいから意識されてるんですか?