雨の匂いの正体は何か
その発生理由を解説

Why Does Rain Smell?

雨が降る前や降った後に、独特の匂いを感じたことがあるでしょうか。この「雨の匂い」が好きだという人もいますが、なぜ無臭のはずの水から匂いがするのでしょうか? 今回のサイエンス・チャンネルでは、この「ペトリコール」と呼ばれる匂いについて解説します。パルミチン酸やステアリン酸、そしてゲオスミンやオゾンの匂いが組み合わさっているそうですので、今度雨が降ったときには、化学物質のことも少し意識して匂いを嗅いでみてください(SciShowより)。

雨の匂いは「ペトリコール」という

マイケル・アランダ氏:雨のにおいが好きだという人は多いですね。雨のにおいはさわやかさや清潔さ、そして……湿った感じを連想させます。でも水には何のにおいもありません。それでは、あの香りは一体何なんでしょう?

私たちは雨のにおいを清潔なものとして感じていますが、実はそのにおいの大部分は泥や岩から来ているのです。雨のにおいには「ペトリコール」という科学的な名前がついています。

これはギリシャ語で岩を意味するペトラと、血のような物質でギリシャの神々の血管の中を流れていたとされるイコルに由来しています。でもにおいの原因は岩自体にあるわけではありません。雨のにおいは主に植物によってもたらされているのです。

とりわけ長期間の乾燥期の間に、ある種の植物は脂肪酸が豊富に含まれる油を放出します。その油のことは、パルミチン酸やステアリン酸などの食品原料成分としてご存じかもしれませんね。植物は水が不足している時にこれらの酸を放出します。そうすることで地中の他の種子が発芽するのを抑え、水の競争相手を減らしているのです。

時とともにこれらの油は土壌や岩石に蓄積していきます。そして雨が降ると、この油が大気中へと上がり、良い香りのする揮発性物質が放出されるのです。その物質が、私たちにとってはさわやかで植物のような、全体的に心地よい香りに感じるのです。

ゲオスミンとオゾンの香りも含まれている

でもそれは雨のにおいの1つの構成要素に過ぎません。ペトリコールには、ゲオスミンまたは「大地のにおい」と呼ばれる土壌細菌によって放出される化学物質も含まれています。ゲオスミンは、私たちが「土っぽい」と考えるようなにおいを土壌に与えている化合物です。実はゲオスミンは刺激臭のあるアルコールで、一部の野菜やワインに土っぽく泥臭い風味を与えているのです。

ある種の土壌細菌は、特に暑く乾燥した状況で死んだり休眠したりする時にゲオスミンを放出します。そしてようやく雨が降ると、土壌細菌は細かい霧として大気中に化学物質を拡散させます。

ですから、雨のにおいを嗅ぐ時に感じるものの多くは、実際は生き物が渇水期を切り抜けるために作り出した化合物のにおいなのです。これが雨がしばらく降らないと雨のにおいが特に強くなる理由です。

しかし、雨が降る前からでも嗅ぐことができる雨の香りの原因がもう1つあります。オゾンです。

オゾンは酸素の分子に過ぎません。しかし、オゾンには非常に特徴的な香りがあって、その名前もギリシャ語のozein(におう)に由来しています。オゾン(O3)は雷が酸素(O2)の分子を大気中で電離させ、原子を分離させる時に発生します。原子が再結合する時にいくつかの原子が3つでかたまりを作り、オゾンを作り出すのです。オゾンは強いすがすがしい香りを持っており、それがペトリコールのさわやかな特質を生んでいます。

ですから、次にあなたのいる場所で雨が降った時には、ちょっと足を止めて……化学のにおいを嗅いでみてください。

SciShow

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