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持続的な成長に導くDX戦略とは~変化のスピードに追い付き、今とるべき業務改革 次の一手~(全1記事)

2023.11.29

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全社的なDX改革には「クラウドERP」が必須 SAPジャパンが提供するソリューションの数々

提供:SAPジャパン株式会社

ビジネスを取り巻く環境が大きく変化し、従来型のビジネスモデルでは対応できないような、さまざまな課題が起こっている昨今。「TOYOKEIZAI ビジネスプロセス変革 FORUM 2023」では、DXが必須となっている中、企業の経営層やIT担当者にデジタル化推進のカギとなる知見を伝えるセミナーが催されました。本記事ではSAPジャパン株式会社 バイスプレジデント ミッドマーケット事業統括本部長 田原隆次氏による「持続的な成長に導くDX戦略」についての講演をお届けします。

持続的な成長に導くDX戦略とは

田原隆次氏(以下、田原):みなさん、こんにちは。SAPの田原と申します。私からは「持続的な成長に導くDX戦略とは」というテーマで、30分ほどお話しいたします。

多くの企業が直面している、昨今のビジネス、ITにまつわる状況を踏まえまして、弊社SAPがどのようにご支援しているのかについて、具体的なお客さまの事例を交えながら、お話をしていきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。

まず最初に現在企業を取り巻いている状況と、それに対して目指すべきアプローチについてお話をさせていただいて、その次に具体的なお客さま2社ほどの事例をご紹介いたします。

そして最後に、それらを解決するクラウドERPがもたらす価値ということで、それをどのように構築をして、利活用し続けていくのかについてお話をさせていただきます。

本題に入る前に、少し弊社SAPの自己紹介をさせてください。SAPは、2023年で創業51年目を迎えるビジネスアプリケーションを国内外で提供している、ドイツが本社の企業となります。

約50年前に、当時IBMのエンジニアだった5人の創業メンバーが、企業の業務プロセスの90パーセントは共通化・標準化できることに着目をして、世界初のERP(Enterprise Resources Planning)と言われることになる製品を開発して創業した会社となります。

それから一貫して50年以上、企業のビジネスプロセスの標準化、最適化、統合化を支援を続けてきております。

多岐にわたるSAPのソフトウェア導入企業

田原:現在、具体的にカバーしている範囲は、企業にとってのデジタル基盤である基幹システムのERPと言われる領域から、仕入れ先、物流先も含めたビジネスネットワーク、購買・経費精算をカバーする支出管理。

顧客接点強化としてのカスタマーエクスペリエンス、人的資本管理、タレントマネジメント等、人に関わるマネジメント基盤といったところまで、幅広くカバーしており、企業全体に関わるバリューチェーン全体を最適化・統合化して、企業のデータドリブン経営をご支援しております。現在はグローバルで51年、日本でも31年を迎えておりまして、180ヶ国以上でビジネスを展開しております。

売上規模としては約4兆円。お客さまの数もグローバルで44万社。日本でも3,000社を超える企業さまにお使いいただいております。

例えば経済産業省と東証が毎年選定している「DX銘柄」があるかと思います。そちらの約90パーセントがお客さまです。日本でも非常に幅広くお使いいただいています。

導入企業の売上規模も問いません。確かに大企業から多く導入していった歴史がありますが、実はこの10年ほどのトレンドとしては中堅、中小企業の導入が急増しています。年商で言うと、1,000億円以下のお客さまが弊社のお客さまのうちで80パーセント、500億円以下は50パーセントを占めている状況です。

そういった背景もありまして、ある調査会社によると、世界のGDPの87パーセントが、SAPのソフトウェアを経由して経済活動を行っていると言われるほどになっており、今ではビジネスプロセスのインフラ企業といった状況になっております。

本日は、これまでの我々の経験、ノウハウも踏まえてお話をさせていただきたいと思います。

全社的な経営情報基盤がカギとなる

田原:それでは、ここから本題に入らせていただきます。まず最初に現在の企業を取り巻く環境と、その中で企業がどういった対応をすべきかについてお話をいたします。

こちらは私から改めて申し上げることでもないですが、今の環境はとにかくダイナミックで、非常に多岐にわたる変化がものすごいスピードで起こっている状況かと思います。予期せぬサプライチェーンの混乱や重要部材の不確実な供給、人手不足等ですね。

とにかく、何か物を作るにしても、サービスを提供するにしても、その能力の制約に常に向き合っていかなければいけない状況かと思います。売上や利益創出といった観点で見てみても、為替変動や、原材料、人件費の高騰等、ビジネスの着地、シミュレーションの難易度も高くなってきてるかと思います。

ですので、企業は常にこういった複雑な変化に対してさまざまな要素をグローバルレベルで考えていきながら、スピーディに舵取りをしていかなければいけない状況になっているんだと、みなさまも日々感じられてると思います。

そういった中で企業が備えておくべき能力としては、これは当たり前のことですけれども、自社の今の状況を正しく理解するために可視性を高めることが必要となってきます。そしてその変化に対して、組織、オペレーションレベルで柔軟に対応して、企業全体をコントロールしていくことも必要になってくるかと思います。

その際に必要となってくるのが全社の経営情報基盤です。我々の言うところのERPです。

各拠点だったり、部門を跨がったサプライチェーンの今の状況と、そのプロセス、各経営指標が瞬時にわかり、それをもとに迅速な意思決定を行っていきます。それに伴って、ITも含めたオペレーションの変更ができる状態が必要となってきているかと思います。

人に関しても、全社の組織や人、スキルセットといった情報が一元的に可視化がされていて、戦略および施策の実行に向けて、リソースの最適化と効率化が図れる状態も必要となってきています。それに合わせて、昨今とても求められていると感じるのが、それらをスピード感を持って構築、活用していくことです。

「とにかく早く」を実現するために

田原:我々SAPは多くの企業にこういった取り組みを支援していますが、その中で経営層の方々によく言われるのが「とにかく早くやってくれ」ということです。

検討に1年、導入に3〜5年かかっていくと、その間に社会もビジネスも変わってきてしまっているので、とにかく早く立ち上げてほしいというご相談をよくいただきます。

それを解決するのが、弊社のソリューションであるクラウド型ERP「SAP S/4HANA Cloud」となります。SAPのクラウドERPの特徴は4つです。

1つめは、短期間で使い始められることです。冒頭の会社紹介でもお話をさせていただきましたが、世界の40万社以上ですでに利用されている標準的な業務プロセス群が、SAPでは完成されたかたちで用意されております。それを活用することで、短期での立ち上げが可能となってきます。

2つめは、変化に迅速に対応していくことです。SAPには25業種に対応したプロセスがクラウドベースで1つのパッケージの中に用意されています。それらを活用することで、さまざまなビジネスモデルの変化に迅速に対応していくことが可能となります。

3つめは、最新テクノロジーへの対応です。従来型の基幹システムと違い一度導入したら塩漬けではなくて、スマートフォンのアプリのように自動的に最新テクノロジーが適用されていきます。

また、そのテクノロジーに関しても、SAPだけではなくて、マイクロソフトさん、Googleさんなどのビジネスパートナーとも共同開発されたものも適用されていきます。最近で言うと、ChatGPTにも対応してきています。

最後に4つめですけども、ITリソースの余力を生むことです。みなさんもよくご存じだと思います。経済産業省から発表されたDXレポートの中で、いわゆる「2025年の崖」問題として挙げられていますが、日本企業の、このITリソースの実に80パーセント以上が、既存システムの維持運用に、人も金も費やされている状況です。

それに対して、クラウド型のERPを採用・活用し、維持運用のアウトソーシングをすることによって、ITリソースの余力を生むことができ、再配置などが可能となっていきます。

第一稀元素化学工業のユースケース

田原:お話をさせていただいたクラウドERPを具体的にどうやって活用しているのか、事例を2社ほどご紹介させていただきたいと思います。

(動画開始)

※本動画は公開当時(2019年)の情報に基づいて収録されております。

井上剛氏(以下、井上):ジルコニウムという原素に特化しまして、電子材料であったり重要部材の素材として多くの分野で当社の製品は使用されています。

ほぼ100パーセント、海外から主原料は輸入していますので、その安定調達や、世界のあらゆる拠点のお客さまに対して均一なサービスを提供していこうと。そういったことをその中期経営計画の中で掲げているんです。

世界の各拠点が機能的につながるために、システムの整備、統合を目的とした再構築をしないといけないということで、今のD-Valueというプロジェクトを進めることになったんです。

萩原成紀氏(以下、萩原):SAPさんとのお付き合いは、かれこれもう12〜13年になります。「SAP ECC 6.0」でもサーバーを今回変えたことで、レスポンスは非常に良くなりました。これで身の丈にあってるんじゃないかという考え方もしてたんですけれども、コンセプトとしてはやはり10年前の考え方で作り続けてたシステムなんですね。

体の成長、企業の成長に合わせてシステムも成長していくんだ。そういうコンセプトを持ったERPが「SAP S/4HANA Cloud」だということを認識しました。

三井里絵氏(以下、三井):選んだ理由としては、スピード感を持って展開できるというところが一番大きいと思っています。

3ヶ月に1回機能が追加されたり改善されていくので、本当に比較にならないぐらい改善のスピードが早いですね。今、ITの進化は以前にも増して早いですから、その一番新しい機能がクラウドファーストでどんどん組み込まれていっていること。それを理解して使っていくところ。

大変ではあるとは思うんですけれども、同時にすごく楽しみでもあります。

萩原:体を使うところから、頭を使おうというかたちへのマインドセットのチェンジができてきてるんじゃないかと思います。現地法人でバラバラのように分析をしていたんですが、共通のデータを集めて、共通の基準で分析することで、何がグローバルレベルで問題なのかが早くつかめるようになるんじゃないかと期待しています。

井上:基盤を活用して何をしていくかが重要だと思うんです。自動車業界にかなり軸足を置いているんです。燃料電池を伸ばしていったり、定置型の2次電池の分野で市場参入をもっと図っていったり、軸足をもっと増やしていきたい。そんなふうに思っています。

(動画終了)

企業の成長に追随できる機能アップデート

田原:こちらが事例のサマリーです。まず、スピード導入と、スピード経営ということです。導入にあたっては、クラウドベースですでにあるものをそのまま使っていくアプローチで、スピード感を持って展開しています。

それと同時に、仕事のやり方も変えていって、グローバル共通の情報基盤と共通言語を持つことで、全社レベルでの業務および経営のスピード化につなげられています。

次に、企業の成長に合わせてシステムも成長していく点です。従来のオンプレミス型ですと、一度導入したらそのままの塩漬け的なものになりがちで、企業の成長に追随していくことが難しいです。クラウド型は毎年、毎四半期ごとに機能がアップデートされていきますので、陳腐化せずに最新テクノロジーを享受し続けていただけます。

そして、3つめとしては、起点は経営戦略の実現です。井上社長のお言葉にもありましたが、中期経営計画を実現するための基盤として取り組まれています。こういった全社レベル、部門横断で業務を変えていくような取り組みには、大義名分が必要です。経営のリーダーシップを伴って、それを進めていくことが不可欠だということです。

日立ハイテクはERPをどう導入したか

田原:次にもう1社、日立ハイテクさまの事例を見ていただきたいと思います。こちらも動画をご覧ください。

(動画開始)

※本動画は公開当時(2018年)の情報に基づいて収録されております。

坂井卓哉氏(以下、坂井):私たち日立ハイテクノロジーズは、バイオヘルスケア、社会産業インフラ、先端産業システムにおいて、ハイテクソリューションをグローバルに展開しております。

近年、弊社でもグローバルな企業買収や、グローバルな企業提携等がかなり早いスピードで進んでおります。今回買収した会社は、グローバルな会社で、規模は大きくないんですけど、5ヶ国に及ぶバリューチェーンを持っています。

いかにシンプルに早くERPを立ち上げるか。そういうところで「SAP S/4HANA Cloud」に関して言えば、非常に早く立ち上がるところに我々は着目して検討を始めました。

竹林亜紀恵氏(以下、竹林):実際に触る前は正直不安が大きかったんですけれども、実際に触ってみて2つのことを感じました。

1つは、新しい機能ですね。具体的には、Fioriタイルから始まるメニュー画面や、検索性の向上。それからグラフィカルなインターフェースに非常に感銘を受けました。一方、今までオンプレでできていたことが、そのままできるところは安心感につながりました。

坂井:一番大きいのはスピードです。新しい会社にシステムを早く提供できます。グローバルにいろいろなシステムはありますけど、確実に入るところがもう1つありますね。

現地のSIerか何かに頼んで、そちらで作ってもらうことも可能です。ソフトウェアですから、いかようにもいろいろな導入の仕方がありますけど、早く確実に入ります。システムのバグがないです。

竹林:この5ヶ月で立ち上げることができたのは、逆に言うとパブリッククラウドでなければ無理だったかなと思っています。すでに動くシステムがあること。それによってユーザーがイメージを具現化できるところ。そこもスピードアップに貢献してくれたと思います。

坂井:新しい会社にはITマネージャー1人とインフラ担当2人しかいません。グローバルなビジネスを3人で回せるのが大きな魅力ですね。

竹林:パブリッククラウドを採用したことで、我々もユーザーのほうも、アドオンができないという割り切りのもと、Fit to Standardを強力に進めることができました。

その過程で当然痛みも伴うところもあったとは思うんですが、結果として、この四半期のアップグレードが自動的に行われること。それによって、システムを常に最新の状態に保てること。少人数であっても、ERPが鮮度が保てるところは、大きなメリットだと思います。

坂井:Fit to Standardをすることによって、早くビジネスが回ると。ビジネスの結果、今後の予定など、いろいろなデータがリアルタイムで分析できるようになることを期待しています。

(動画終了)

スピード導入を実現できたポイント

田原:日立ハイテクさまの事例のサマリーとなります。こちらも、まずはスピード導入ということで、5ヶ月で導入されています。

そして、それができたポイントとしてFit to Standardが挙げられています。これは、SAPにある業務プロセスをスタンダードとして、それをそのまま使うアプローチをされています。そうすることで、開発リスクがありませんので、バグのない必ず動くシステム。そして、最新機能が自動でアップデートされていくシステムを手に入れています。

そしてそういった手のかからないシステムを構築されていますので、IT部門としては3人でグローバル全体をサポートでき、ITリソースの負荷を大幅に低減しています。

「Fit to Standard」でERP構築するには

田原:先ほどの事例で、ERPをFit to Standardで構築する話がありましたが、それがどういったことかをお話をさせていただきたいと思います。

実は、これが昨今のアプローチとして、最も主流となってきているものです。全社基盤の早期構築や利活用の最大化に向けて、最も有効なアプローチであると考えております。

従来型の基幹システムのアプローチは、個社仕様の要件をまとめて、それをベンダーさん側に「こう作ってください」と依頼したり、ベンダーの持っているソリューションに対して、自社固有の要件が合うのか合わないのか、フィット&ギャップ等をして合うところだけを使って、合わないところは開発をしていくアプローチです。

つまり、業務にシステムを合わせていくアプローチですね。その場合の傾向としては、個社仕様に作り込みを行っていきますので、構築に時間とコストと要員がかかってきます。

作るアプローチとなっていきますので、どうしても現行踏襲型、個別最適型になりがちです。そして結果的に標準化が進まずに、属人化された業務が残ってしまい全体業務の効率化が進まないこともよくあるかと思います。

全社基盤の早期立ち上げも実現できる

田原:また、システムとしても、インフラが仮にクラウドベースであったとしてもアプリケーションが作り込みのオンプレミス型となってしまうと、やはり、一度作ってしまうとそのまま塩漬けになるといった傾向もあるかと思います。

それに対して、Fit to Standardをクラウドベースで進めるとはどういったことかと言いますと、すでに世の中で有効だと実証されたソリューションやビジネスプロセスをベストプラクティスとしてそのまま使っています。そして、構築に時間のかからないクラウド上に立ち上げていくアプローチになります。

それによって、全社基盤の早期立ち上げといったことができます。そして、変化に対しても迅速にかつ柔軟に対応できるような、変化対応力強化にもつながっていきます。

そして、そのベストプラクティス自体が信頼できるものであれば、それを活用することで自社の業務を変えていって、業務の標準化、最適化、各種情報の見える化等も推進し、結果として、業務品質の向上や経営管理の高度化につながっていきます。

また、クラウドで導入することは、アップデートし続けるということです。先ほどからお話ししているとおり、システムが塩漬けになりません。SAPでは、明確なロードマップと投資計画やリリース計画などがありますので、ユーザーはそれらを将来にわたって享受し続けられます。結果、継続的なイノベーションへの対応が可能となります。

そのスタンダードにはどういった範囲のものが含まれているのかについて、お話ししていきます。それは、こちらの資料にあるとおりです。25業種に対応したビジネスのエンドツーエンドのビジネスプロセスが、完成された状態で揃っているということです。

会計、販売、調達、在庫、製造等、サプライチェーンにまつわる主要な業務プロセス全般と、主要となるKPIライブラリ。それらが各業種に対応したかたちで提供されています。

ですので、SAPを導入される企業さまはこれらを使って、あるものを選んで使うことが可能となりますし、必ず動きます。そして多くの優良企業のベストプラクティスをベースにしている、全体最適化されているビジネスプロセスも手に入れることが可能となります。

クラウドERPを短期構築する「GROW with SAP」とは

田原:こちらは、弊社が提供している「SAP S/4HANA Cloud」をベースにそのアプローチをさらに加速させるために、弊社が2023年7月に日本でローンチをした「GROW with SAP」になります。

そこでは、クラウドERPの導入をより早く、そして安全に進めていただくためのサービス、ソリューションがバンドルされています。

確実にプロジェクトを立ち上げて、稼働、利活用するまでの手順や、製品理解を継続的に深めていくためのラーニングコンテンツであったり、Fit to Standardを進めるにあたって、そこから外れてしまったプロセスだったり、システムとの連携。開発するためのPaaS基盤の「ビジネステクノロジープラットフォーム(BTP)」があるんですが、それも含まれてきます。

BTPは、この環境を使ってどんどんシステムを外出したり、開発をしてくださいということではありません。SAPのERPの中で、極力シンプルにFit to Standardで導入を推進していきますが、どうしても実現できないプロセスだったり、連携しなければいけない周辺システム等もあるかと思います。

そういったものともルール、アーキテクチャを決めて、きちんと連携、そして運用しやすい基盤をSide by Sideで提供するものになります。そうすることで、システムをよりシンプルに柔軟性も兼ね備えたかたちで構築していくことができますし、運用し続けていくことが可能となっていきます。

人的工数かつコストを大幅に削減できる

田原:これらのアプローチをとることによる大きなメリットとして、検討と導入、運用といったところに関わるリソース、つまり人の工数とコストを大幅に削減することが可能となります。

当社比となりますけれども、このアプローチをとることで、効果を創出していくまでの期間が40パーセントから60パーセント削減されていきます。そして検討の仕方も変わります。

つまり、従来型のアプローチのような、机上であるべき姿を検討したり、フィット&ギャップ等をしていきませんのでそこにかけていく時間もコストも、大きく削減されていきます。

導入に関しても、短期間で開発の少ないプロジェクトとなっていきますので、50パーセント以上のコスト低減にもつながっていきます。結果、維持運用に関わるTCOも40パーセント削減されます。そしてそれで余ったリソースを、他の領域に活用いただけると思います。

DXの全社改革は経営のイニシアチブあってこそ

田原:本日のまとめとなります。まず冒頭にさまざまな変化に対して企業全体で対応していくために、全社基盤構築の必要性について、お話をさせていただきました。数多くの、この多岐にわたるさまざまな範囲の環境変化に対して、個々の仕組みや組織、ソリューションをつぎはぎで対応していくことは、もはや追いつかない状況ということです。

そしてそれらを迅速にかつ柔軟に対応できる全社基盤を、スピーディに構築していく必要があるとお話しさせていただきました。

そして全社、部門横断で実行するためには、起点は経営戦略の実現であって、経営のリーダーシップのもとでのスピード導入を推進する事の必要性についてもお話させていただきました。

全社改革となっていきますので、部門をまたがった方針策定、推進、利害調整、意思決定等いろいろあるかと思います。それらは、経営のイニシアチブ、オーナーシップなしで実行はできないという事です。

そして方法論としてのクラウドERPを活用すること。Fit to Standardで導入していくことの重要性を、お客さまの事例と併せてお話しさせていただきました。

ぜひ、本日お話しさせていただいたこれらのポイントの中から、みなさまでも参考になるところがあれば取り入れていただければ幸いでございます。以上、本日の内容となります。ご清聴どうもありがとうございました。

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