2024.10.01
自社の社内情報を未来の“ゴミ”にしないための備え 「情報量が多すぎる」時代がもたらす課題とは?
サービス事業の効率化と収益向上を実現する SAP サービスソリューションの概要(全1記事)
提供:SAPジャパン株式会社
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奥寺まゆみ氏:「サービス事業の効率化と収益向上を実現するSAPサービスソリューションの概要」と題しまして、ご紹介させていただきます。SAPジャパンの奥寺と申します。よろしくお願いいたします。
このセッションで「サービス」と申し上げているのが、製造業のアフターセールスサービスをイメージしたものになっています。お客さまが商品を購入された後のサービスも重要であり、その接点としてのサービス部門はこれまでも非常に重視されてきました。
近年では例えばIoTやAIを使ってサービスをどんどん進化させていくところも注目されていますので、ますますこういったサービスの視点が重要になってきていると思います。
そういった新しいチャレンジをしていく際に、企業の仕組みもやはり変えていく必要があるかと思います。サービス自体もデジタル化していっている場合は、社内の仕組みも変えていって、その変化に迅速に対応できるようにすることが求められているのではないでしょうか。
調査会社のIDC Japan株式会社が産業機械メーカー向けに行ったアンケートで「サービスビジネスにおける課題や目標を5つ挙げてください」という質問項目がありました。
その中で、「製品の品質やサービスの問題への迅速な対応」と同様に、リモートサービスや他社とのコラボレーションを課題に挙げている企業さん(もあります)。
それから「実際の製品や設備パフォーマンスからの情報の使用」とあります。(そのほかにも)お客さまに納入した製品の稼働状況を活用していく、さらには、お客さまとその設備のビューを併せて見たいというところも課題として挙げられています。
こういった課題感にも表れていると思うんですが、今製造業では「サービス」が非常に幅広く捉えられていると思います。何かトラブルが起こった時に対応していくカスタマーサポートや修理をするところと、トラブルが起こらないようにするためのメンテナンスはこれまでも提供されています。
また、よりお客さまの運用に近い領域、例えば設備の最適な利用方法をトレーニングしたり、コンサルティングしたり、新しい技術を使って設備のモニター情報をお客さまにも公開していく。それから設備の稼働時間のように、一定のパフォーマンスを達成すればその成果をベースにして料金をいただくような形態もあります。
また、「Equipment-as-a-Service(サービスとしての設備)」とありますけれども、お客さまに製品を購入いただかないで「サービスとしてひと月いくらでお貸しします」といったかたちも珍しくなくなってきています。
従来のサービスからいろいろな新しいビジネスが広がっていくと、その仕組みも作っていかなくてはいけないですし、それによってよりお客さまとの接点が増えていきます。設備のライフサイクルにおけるシェアが増えていくことになりますので、収益も上がっていくと思います。一方で、コストもいろいろな方面でかかってきますので、きちんと収益が確保できるように、その把握が重要になってくるかと思います。
SAPでは、そういったさまざまな業務に対応し、ソフトウェアでそれを支えてきています。サービスのビジネスにおいても、いろいろな業務に対応できると思っています。
やはりSAPですので、基幹システムである「SAP S/4HANA」を中心として、サービスのさまざまな業務に対応していきます。見積や、お客さまと契約をする、請求をするといったお金周りのところ、修理をする際のパーツの管理は、このSAP S/4HANAで行っていきます。
電話やメールを受けるとか、もしくはチャットでサービスの依頼を受けるといった、よりお客さまと近い接点になるところを「SAP Service Cloud」で対応していきます。
右側の緑のところは、社内や外部の外注先のサービス担当者の方を適切にアサインするとか、モバイルで現場の作業の計画や実績を入れていく「SAP Field Service Management」です。
そして一番下に「Intelligent Asset Management」とあります。修理をする場合に、早く解決する意味でも作業をスムーズに進める上でも、お客さまの設備の状態を知るために非常に重要なデータになりますが、メーカーがお客さまの設備情報をきちんと管理できるようにする機能になります。
SAPは昔から設備を運用される側、お客さま企業側のアセット管理の機能も持っています。それぞれのデータを共有できるようにして、メーカーと運用されるお客さまが、共同で設備のメンテナンスを行える仕組みもご用意しています。これらをスムーズに連動させていけるところがSAPの強みだと思います。
「さまざまな業務に対応できます」と申し上げたんですけれども、今日は一例として、お客さまからサポートの依頼があって、それに対応していくところを、デモで少しご覧いただければと思います。
大きく3つに分けていまして、一番初めがお客さまからトラブル対応の依頼が届くところ。それに初期の段階の切り分けをして、フィールドサービスに作業依頼をしていくところになります。
モバイルアプリでお客さまが機器に付いているQRコードを読み取ります。一瞬で終わっちゃったんですけど(笑)、これが今回ちょっとトラブルのある機器ですね。
お客さまが、簡単な症状とどういった問題なのかというカテゴリーを指定して登録すると、「ポンプの音がちょっとおかしい」というケースとして、メーカーのサービス部門で把握できるようになります。こちらは今回モバイルアプリから入れていきましたけど、電話やメール、チャットで受けたりして企業側では問題を認識をします。
これは今1次切り分けをしているところです。一番上のほうに矢羽みたいなものがあるんですが、これは各ステップを定義していただいて、このタイミングで集めなきゃいけない、確認しなければいけない情報を、担当者の方が抜け漏れなく実施できるようにしています。これは企業ごとにいろいろなステップがあると思いますので、自由に定義していただくことが可能です。
過去にあった障害をナレッジデータベースで検索したり、あとは同じような症状のお客さまからのレポートがあるかもしれないので、「類似ケース」の「これが近いんじゃないか?」という緑の数字の確度も参考にしながら切り分けを行っていきます。
専門家に聞くために、ここからMicrosoftのTeamsを立ち上げて、リモートで社内会議をすることもできます。デモでは、「実際に現場に行ってみないとちょっと対応できないね」ということで、担当者を派遣することにします。今の画面で過去のやり取りを確認しながら、「今回はこの問題ですね」と確認してお客さまと日程調整をしていきます。
日程を決めながら、フィールドサービス部門に対して作業の依頼をするサービスオーダーを登録しているところです。お客さまの希望日として「20日から22日」と入れますと、「サービスオーダーが登録されました」ということで、作業の依頼ができました。
ちょっと駆け足できてしまったので、「こういうことをお話ししました」という確認をしていきますと、まず、お客さまからいろいろなチャネルを使って依頼を受けることができます。
その際に、担当者の方が情報を切り分けたり、過去の対応状況を知るために、1つの画面でいろいろな情報を表示して、判断をサポートすることができます。これによって、お客さまからご依頼いただいた内容について、解決に至るまできちんとステータスを管理していくことができます。
続いて、本来これは後ろ側のSAP S/4HANAの中で自動的に決まっていくことですので、すぐ担当者を派遣してもいいのですが、SAP S/4HANAで管理できることもみていきましょう。
サービスの提供をする際に「作業にはどれぐらいお金がかかるのか」といった見積もりをしたり、事前に契約をしている場合には、その契約の条件に基づいて作業指示の内容が自動的に決まっていきます。「こんなことが自動的に決まりますよ」というところをちょっとご覧に入れたいと思います。
先ほど受け付けた依頼が一番上に出ています。例えば「パーツを手配する」といった場合に、SAP S/4HANAの中で作業の計画をします。その時にこの画面から行っていくんですけれども、先ほど受け付けた内容からサービス契約も自動的に決まっています。
この契約の中をちょっと見てみますと、CBont Industriesというお客さまとの間に1年の契約があります。この契約を結んでいる間は、例えば何か作業が発生した時は週7日・24時間対応します、サービスレベルは一番高いものでやっていきますといったSLA(Service Level Agreement:サービスレベル契約)が定義されています。
あとは、この契約でカバーされる設備の一覧や契約料ですね。「毎月いくら払っています」という実績と計画が出てきます。
この契約締結中は、「このパーツは50パーセント引きで提供しますよ」という価格の定義も行っていきます。今回はこのパーツを使いますが、こちらも契約で定義されている価格条件が適用されていて、本来は50ドルのパーツが、契約で協議された50パーセント割引になって、25ドルで提供されるのがわかります。
また、在庫してない部品の場合は、ここから購買依頼をして仕入先に発注するとか、作業する前に見積をして、「その金額が承認されたら作業します」といった場合の見積登録も、こちらのSAP S/4HANAで行っていきます。
では、作業を行う担当者のアサインになります。今ご覧いただいているディスパッチボードには、上に担当者のスケジュールが、下に先ほど登録した作業の依頼が出てきています。
ここで右側に「TeamViewer」とありますが、例えばリモートで作業をしている方と現場の方をつないで、コミュニケーションを取りながら修理していくことも可能です。今見ているのが、顧客情報だったり設備だったりといった作業の依頼の詳細ですね。スキルが必要な場合は、そのスキルも定義されます。
修理をする際に必要なツールも、ここで予約をしていくことができます。この割り当て方は、期間と必要な資格を加味して一番合う担当者を提案させるやり方もありますし、手動でドラッグ&ドロップして、時間のところに割り当てていくこともできます。この担当者の割り当てを行っていくと、担当の方のモバイルに通知が飛んで作業をしてくことになります。
今、モバイルでプッシュ通知が来てましたけれども、担当者の方がそれに気づいて中身を確認しているところです。この作業に割り当てられた設備の情報から、過去の作業履歴を確認して対応するかどうか判断をします。「この道具を使うんだな」とか「パーツはこれだな」というのを見て、実際に持っていくための準備をしていきます。
これは(作業に)行く前なんですけれども、「このお客さまは対応しますよ」となった場合に、ここで確認をしていきます。そうしますと、お客さまの訪問先が地図で見られるようになっていますので、これにしたがってお客さまのところまで移動します。
あとはチェックリストも割り当てができますので、やるべきことを抜け漏れなくやれるように確認しながら作業を進めていくことができます。
こういったチェックリストにしたがって使ったパーツ等を入れていきますと、このモバイルの中で自動的に報告書の作成ができるようになっています。最後にお客さまにサインをもらって、あとは右上の矢印のところで同期をとっているんですけど、これで管理者側も「作業が完了したな」とわかるようになっています。
こちらはちょっと今日はご紹介ができませんでしたが、たくさんの作業がある場合に、条件に基づいて自動的に一気にアサインをしていくとか、担当者がいる場所から一番いいルートで回れるように計画をすることもできます。
モバイルを使っていただくことで、実績も非常に入れやすくなっていますので、かかったコストをリアルタイムで把握し、請求へとつなげていくことができます。
SAPは本当にいろいろな業務に対応するのですが、本日全部はご紹介し切れませんでした。サービスの部門も、障害に対応していくだけではなくて、例えばお客さまに何か働き掛けをしなくてはいけない場合には、マーケティングのツールとも連動してお客さまにお知らせをすることも可能です。
また、サービスのパーツ、部品の販売をECを使って行っていくことも可能です。これまで製品とサービスは別々に販売されることも多かったと思いますが、それをソリューションとして組み合わせて販売していく仕組みもご用意しています。
その際にサブスクリプションで、使った量に基づいて従量で請求するという複雑なこともできるようになっています。これもきちんとコストと収益を比較できるような「きちんとビジネスとしてサービスが儲かっているのか」を把握できる仕組みになっています。
本日は非常に駆け足になってしまったんですが、サービスビジネスをなさる上で課題がありましたら、SAPも一緒になって考えさせていただき、解決のお助けをしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。ご清聴ありがとうございました。
SAPジャパン株式会社
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