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埼玉りそな銀行様登壇!チャットコマースで実現する次世代型オンライン接客(全2記事)

2023.05.08

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接客や店舗のデジタル化は「導入・習熟・改善コスト」が高くつく オフライン業務のDXに欠かせない2つの観点

提供:株式会社ZEALS

LINEなどのチャットアプリ上で、顧客とOne to Oneコミュニケーションを創出し、新規獲得につなげる「チャットコマース」。世の中のデジタル化が進み、オンライン上でも顧客の心をつかむことの重要度が増しつつある中で、株式会社ZEALSの渡邊大介氏と株式会社埼玉りそな銀行の小笠原充俊氏が、金融機関の新規顧客獲得の舞台裏を語りました。前編では、接客業務のデジタル化についての課題と、成果を出すために必要な考え方について解説します。

チャットコマースで「接客領域のデジタル化」に挑む

渡邊大介氏(以下、渡邊):それでは始めさせていただきます。本日はお集まりいただきまして、誠にありがとうございます。

「チャットコマースで実現する次世代型オンライン接客」と題して、我々株式会社ZEALSと埼玉りそな銀行さまの共同セッションで進めさせていただきます。約40分ほどのセッションになりますので、最後までお付き合いいただければ幸いです。

まず簡単に自己紹介いたします。あらためまして、株式会社ZEALS執行役員の渡邊と申します。サイバーエージェントという会社に新卒で入社し、いわゆるアドテクノロジー領域で、広告のデジタル化に注力してまいりました。

その後はリクルートさんとのジョイントベンチャーというかたちで、今でいうHR SaaSとかHRテクノロジーの領域で、人事のデジタル化をしてきた人間です。

今の株式会社ZEALSには、2020年11月頃から参画して、主に接客領域のデジタル化に邁進しております。

今日は私からDXの変遷や、その流れの中でのチャットコマースの重要性について、前情報として整理させていただいた上で、埼玉りそな銀行さまの事例を交えてお伝えしていきたいと考えております。

オフラインのデジタル化は高コストになりがち

渡邊:まず、このような問いから進めていきたいと思います。もちろんみなさまは、こういったイベントに参加されているので、さまざまなDXの取り組み、デジタル化の取り組みに従事されていると思っています。

いろいろな取り組み方があると思うんですが、最近は本質的なデジタルトランスフォーメーションは、単なるデジタル化ではなく、最新のデジタル技術を取り組んだ経営改革や経済環境改革として捉え直されている最中かと思います。

とは言え、一方で実務に落とし込んでいくと、やはりオフライン業務のデジタル化、オンライン化というニュアンスが非常に強いのではないかなと捉えています。

より具体的に言うと、店舗接客や窓口業務の無人化やリモート化。あるいは会員機能のアプリ化、最近は来店予約もかなり一般的になっていると思います。こういったものの導入で、どうやって店舗にデジタル技術を搭載していくのか。

そういったベクトルの変革が第一想起として、非常にメジャーなのかなと捉えております。オフラインのものをオンライン化していく、デジタル化していくというベクトルは、非常にインパクトが大きいと認識しているのですが。

一方で、いろいろな企業さまとお話をさせていただくと、やはりかなりコストがかかる。金銭的なコストもそうですし、リソースや時間的なコストも非常に高くつくと見聞きしております。

店舗の何らかのデジタル化を促進していきますので、物理的なデバイスを必要することが多く、初期費用が非常に高くついてしまうこともございます。ツールを導入していくことで、現場スタッフの学習コストや習熟コストも必要ですし、なかなかオンボーディングしないという声もよく聞いております。

加えて、ずっとデジタルをやってきた人間からすると当たり前の考え方ではあるんですが、デジタル化は導入して終わりではなく、むしろ導入してからが勝負という類のものと思っております。

そういった意味で言うと、改善コストも大きくかかってしまう。オフラインのデジタル化が成されれば、かなり施策のインパクトが大きく、時間(生産性向上)としても大きいものがもたらされるものの、実現までには人もお金も時間もかかる。それがいわゆる接客領域、オフライン領域でのデジタル化の特徴なのかなと捉えております。

DXをスムーズに進めるための「両輪」の考え方

渡邊:とはいえ、事業体として経営している以上、これらの流れの中で、一定の成果をスピーディに出さなければいけない。こういうところも、現場の責任者のみなさまにとって喫緊の課題だと思います。そうなると「他のアプローチ方法はないのか」という話になると思います。我々は他のアプローチ(を提供する)側なので、「あります」というポジションなんですけれども。

我々が想定しているアプローチは、オフラインをオンライン化していくのではなく、すでにあるオンラインの領域を強化していくことで、結果的にオフライン領域に浸食し、オフラインの業務効率や生産性を高めていく。あるいは最大化していくといった考え方があるんじゃないかと捉えております。

こういったものは基本的にはデジタルで完結するので、オフラインのデジタル化と比べると、相対的に安価に取り組みができます。また、デジタルの本質的な特徴として、思いついた仮説をすぐさま検証できる。トライアンドエラーがしやすいので、PDCAサイクルが回りやすい。改善コストがかなり安価で、かつスピーディに回せるところがあると思います。

それによって、結果的に比較的短期間で一定の成果を出せると思っています。こういったベクトルを取り入れていくことも、今後の考え方として必要なのかなと捉えています。

我々は「オンライン至上主義」というよりは、今までのオフラインのデジタル化をしながら、オンラインの強化という両輪でDXを進めていくことが必要だと思っています。

この2つがうまく回っていけば、最終的にはOMO(Online Merges with Offline)ということで、オンラインとオフラインの業務が、どんどん融合していく環境を作れると思っています。我々はまず、前提としてこの両輪を回していくことを提唱したいと考えています。

オンライン強化につながる主な施策

渡邊:ZEALSは創業が2014年なのですが、さまざまな業界のデジタル化を担わせていただいております。例えば自動車業界。この業界は2014年とか2015年頃から、いわゆるコンサルティングファームを入れて、デジタル改革も進めてこられました。

店舗のデジタル化を進めていらっしゃる販売会社さまからは、やはり結果が出るまでに時間がかかり過ぎて、担当者も変わってしまったり、推進力がなくなっているという相談をいただいたりしています。

やはり一定の長期間に渡るプロジェクトは、中間の結果をKPIとして達成していきながら、徐々に本来設定したゴールに向かっていくことが重要だと実感しております。これは、金融業界においても変わりなく通じる考え方なのかなと思っています。

繰り返しになりますが、オフラインのデジタル化、オンライン化だけではなくて、オンライン機能をより強化していこう。まずは、こういった考え方を両輪で回していくことが重要だというお話をさせていただきたいと思います。

オンラインの強化として、一般的なところを整理しました。コロナ禍も相まって、いわゆるリモートが促進されているのは、みなさまもご存じのとおりと思います。コロナ禍でデジタルマーケティングに関与されている方は、かなり感度高く情報をキャッチされていると思います。

昨今、Apple社やGoogle社がサードパーティクッキー、サードパーティデータといった、第三者が提供するデータの利用に制限を掛け始めています。それによって、マーケティング施策にも制約条件が掛かり始めています。

横文字や略称文字が続いてしまうのですが、カスタマーデータプラットフォーム(CDP)を導入して、企業自らがファーストパーティデータを取得し、顧客理解を促進していこうという取り組み。

あるいは、概念としてはCRM(顧客関係管理)は20数年前からあると思うんですけど、こちらも最近でいうとセールスフォースさんといった強力なサービスベンダーが現れて、オンプレミスの形態からクラウド化を促進していっていると思います。

サイトやアプリの役割もかなり重要性が高まっていますので、そのUI/UXの改善が昨今のオンライン強化のメジャーな施策だと考えています。こういったものは当然、非常に強力だと認識していますが、我々のチャットコマースもこうした流れの中で採用いただくことが増えていますので、ご紹介していきたいと思います。

LINEなどのチャットアプリを接客ツールに転換

渡邊:チャットアプリは、日本でいうとLINEが支配的ですし、韓国ではカカオトーク、アメリカではWhatsAppメッセンジャーといったものが該当すると思います。

そういった一般生活者が使っているチャットアプリにチャットボットを搭載することで、接客体験をデジタル化していく。接客体験をデジタルの世界で実現することを「チャットコマース」と言っております。

チャットボットというと、どうしてもWebサイトの横にピコンと出てくるような、いわゆるWebサイトの受付窓口といった印象が、非常に強いかと思います。

そうした受けのチャットボット活用ではなく、より積極的にユーザーに近いところで接客体験を提供していくビジネス形態がチャットコマースというモデルです。

なんとなくご理解いただけるところもあるかと思うのですが、まだよくわからない部分もあると思うので、本日お話しいただく埼玉りそな銀行さまのチャットコマースの体験をご紹介して、セッションに移っていきたいと思います。

みなさまがお持ちのWebサイトのランディングページなどに、検索エンジンや広告施策からユーザーが来訪してくれると思います。そのLPやWebサイトから、このようなかたちでチャットボットを搭載したLINEアカウントに誘引します。

ここで友だちになっていただくと接客体験が始まり、診断コンテンツのような体裁で少しリッチな体験として、お客さまにおもてなしをすることを基本設計としています。

商材に対する顧客の疑問や不安を払拭し、理解を手助けする

渡邊:さまざまな接客体験、やりとりを進めて行く中で、どういったデモグラフィック情報や指向性があるのかといった、お客さまのインサイト情報をヒアリングします。その上で、例えばカードローンで言えば、適切なローンプランをご提示させていただいています。

こちらの事例がなぜ有効かというと、(お客さまが)Webサイトに来て(いただいても)、金融商材は読み込んで理解いただくのが難しいところもあると思いますし、それで離脱してしまう方もたくさんいらっしゃると思うんですね。

そういった方にチャット形式のQ&Aで理解を促進することで、疑問や不安が払拭される。また、離脱してしまったあとに、テンションが少し下がってしまっているユーザーさまを温め直すような体験も必要になります。こういったところを特徴としたコミュニケーション設計になっております。

加えて、LINE公式アカウントにユーザーを引き入れていく仕様になっておりますので、後日のプッシュ配信なども可能になります。実際Webサイトに来て、いったん検討して取りやめたユーザーさまなので、そのまま契約してくださるお客さまもいるにはいるのですが、やはりもう1回検討したいという方もたくさんいらっしゃると思います。

実例で言うと4割5割くらいは、そういったお客さまです。そういった方々には、後日プッシュ送信でリマインドをかけさせていただき、また新たな接客体験を提供することによって、取りこぼしなく顧客化していただく。そういったことを実現しているサービスです。

一見非常にシンプルなので、どれくらいの効果があるのかは、実例でお話ししたほうが感覚をつかんでいただけると思っています。ここからは、埼玉りそな銀行の小笠原さんと一緒に、セッション形式でお話しさせていただければと思います。

埼玉りそな銀行の「Webローン施策」の舞台裏

渡邊:それでは小笠原さん、よろしくお願いいたします。まず自己紹介からお願いしてもよろしいですか?

小笠原充俊氏(以下、小笠原):埼玉りそな銀行のローン事業部の小笠原と申します。主に消費性ローンの企画推進を担当しておりますので、今日はZEALSさんといろいろお話させていただければと思います。よろしくお願いします。

渡邊:よろしくお願いします。ではさっそく、いろいろと質問をぶつけさせていただきたいなと。まず、チャットコマース云々に入る前に、いろいろとWebローン推進に取り組んでおられたと思いますので、今までの取り組みからご紹介いただけますでしょうか。

小笠原:そんなに特別なことはやっていないんですけれども、基本的にWeb広告であれば、リスティングを中心に、アフィリエイトやいわゆるリターゲティングと、特に最近はSNSのチャネルを使ったプロモーションということで、FacebookやInstagramでの動画配信をやってきています。

渡邊:ありがとうございます。ベーシックなリスティングやアフィリエイトといった金融業界一般的な取り組みと、(SNSチャネルのプロモーションといった)チャレンジングなことをされているということですね。

小笠原:はい。

渡邊:ベーシックなことをきちんと導入しながら、チャレンジングな領域をやっていくのは、体制としてもなかなか大変なのかなと思うんですけれども。どういったチーム編成や役割分担をされているのか、ぜひおうかがいしてもよろしいでしょうか。

小笠原:私のところは、私を中心にプロモーションといわゆる事務関係も見ていますが、商品開発やプロモーションをやっているのは実質3人くらいで、残りが事務管理系で2名くらいという体制です。

渡邊:少数精鋭感がすごいなと思います。みなさまの事務的な仕事とプロモーションの時間の配分は、それぞれどのような感じですか?

小笠原:人によって違うところもありますけれども、プロモーションよりは商品企画のほうが負荷としては高いですし、事務・企画もそれなりにボリュームがあります。プロモーションのところは、ある程度は広告代理店さんにお願いできる部分があるので、そこの時間をうまく活用しながらやっている感じですかね。

金融機関の課題はいかに地域の面を広げていくか

渡邊:今の体制面でかなり負荷がかかっているところも課題の1つかなと思いますが、そういった施策を実施していく中で、他にも課題はあると思います。具体的にはどういった課題があったのでしょうか。

小笠原:そうですね。私どもは埼玉りそなという名前の通り、実質埼玉県の地域金融機関ということで、マーケットも埼玉県内とその近隣とかなり限定されています。リスティングするにしても、基本的には埼玉中心に配信していくとなると、やはりボリューム的な頭打ちはけっこうありました。

それ以外にリーチできるやり方がほしいなとずっと考えていて、その中でSNSや今回の御社のチャットコマースなど、新たな媒体を活用して金融機関として狭い世界でもいかに面を広げていくかが一番の課題かなと思っています。

渡邊:ちなみにそうした取り組みの中でうまくいったものは、チャットコマース以外にもありますか?

小笠原:SNS動画は最初は認知のつもりで、多少お金はかかってもしょうがないかなと思って始めましたが、思いのほか(リードが)取れたというのはあります。

渡邊:おお、なるほど。獲得にも寄与したんですね。

小笠原:そうですね。

渡邊:エリア配信などもされていたんですか?

小笠原:一部東京など被っている部分はあるかもしれないですけど、エリアは基本的に埼玉県ですね。

渡邊:地域ターゲティングと動画というフォーマットがあったんですね。

離脱しかけているユーザーを惹きつける工夫

渡邊:そうした中で、チャットコマースも知っていただいたと思うんですが……きっかけや、どういった印象を持たれたかも教えていただきたいです。

小笠原:チャットコマースを知ったきっかけは、提携企業の1社から紹介をいただいたことです。最初は、特に私の年代だと「簡単に(LINEで)友だち登録してくれるのかな?」という懸念がすごくありました。

とりあえず当社のホームページを見に来てくれている人なので、当社に対する関心は高いけれども、簡単に友だち登録してくれないと、その後もなかなかコンバージョンまではつながらないんじゃないのかなという疑念がちょっとありました。

渡邊:なるほど。僕らはWebサイトに来ていただいたユーザーさんのうち、契約に至らなかったり、離脱しようとしているユーザーさまにチャットボットに来ていただくという体験をご用意しています。

この説明をさせていただくと、今まさに小笠原さんがおっしゃられたとおりで「そもそも離脱しようとしているユーザーさんが、友だちになってくれるのか?」というご懸念が出てくると思います。

そこに対する我々の工夫は、デジタルでの接客体験として、診断コンテンツのような体裁で「ぜひあなたの診断をしてみませんか」といったオファーを提示させていただいています。

これは日本人の特性かもしれませんが、いわゆる診断型のコンテンツはかなりフックとして強いところがあります。実際にこういったコンテンツを作ろうと思うと3桁万円かかってしまったりと、取り組みとしてはけっこう難しかったりもします。

我々は、こうしたコンテンツを基本的に初期費用無料でご提供しておりますので、このあたりがフックになって、友だち登録率も担保できているのかなと思っております。

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