2024.10.10
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LINE採用組織のビジョンと求められること(全1記事)
提供:LINE株式会社
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稲垣あゆみ氏:みなさん、お忙しい中お集まりいただきありがとうございます。LINE採用組織のキャリアイベントとして、新しくなった人事体制でどんなことを目指しているかについて、私からお話しさせてください。
まずは自己紹介です。私は現在上級執行役員で、CEO特命と人事の担当という役職を持っています。大学を卒業してベンチャー企業の立ち上げをしたあと、中国のバイドゥという会社の日本法人を経て、今から12年前にネイバージャパンという、LINEの当時の社名の会社に入社しています。
2011年の6月にLINEというアプリが立ち上がっているんですが、最初の頃からずっと企画を担当してきています。その後、2015年にLINEの企画室長になり、2016年からは執行役員を務めています。
2019年に上級執行役員になりまして、昨年の10月からは企画というより、CEOの出澤(剛)と一緒に社内のさまざまな案件に対応していて、CEO特命担当という役職を拝命しました。今年4月からは、人事領域の執行役員もやることになりました。
プライベートでは3歳の子どものお母さんをしています。なので、育休明けから上級執行役員になるというキャリアになっています。LINEの成長と一緒に、本当に自分も成長させてもらってきたなと思っている12年でした。
ちょうど七夕だったので懐かしい写真を持ってきたんですが、2011年の6月にLINEのアプリをリリースして、翌月の7月に「100万人ユーザーになってほしい」と願を掛けました。見事に成功したので、その翌年は「1億人ユーザー」、さらにその翌年には「3億人ユーザー」と願掛けをして、全部の願いが叶いました(笑)。
2016年の7月には見事、会社としても上場を果たすという軌跡になってきています。そんなLINEですが、たぶん外から見ていると、すごく順調に会社もサービスも大きくなっていて、けっこう順風満帆だと思われているかなと思います。
私が就任する前、外から現状の人事を見ていた時の課題として、感じていたことを5つ挙げました。
1つ目に、経営との距離がちょっと遠いのかなと思っていました。仕事柄、毎日取締役たちと事業についての議論が多かったんですが、いろんな戦略の情報が人事には入っていないのかなと思っていました。
2つ目。私はずっと全社の中で採用・育成も責任を持ってやっていたんですが、人事としてはもっと協力してほしいというか、手が回っていないのかなと思っていました。
3つ目が、そんないろんな議論の中で重要タスクが出てきても「誰がそれに向いているんだ?」という話に対して、すぐには対応しづらいのが問題かなと思っていました。
4つ目が、LINEにはいろんな福利厚生や学習、教育制度があるんですが、社内外の発信がそんなに強くなくて。私が社内にいても意外と知らない制度があったりして、それが若干もったいないなと思っていました。
5つ目が、人事の組織の中での連携が若干弱そうかなと思っていました。それは日本のLINEの中の人事もそうなんですが、LINEは世界各国にグループ企業があるので、国をまたいだ法人同士の間でももっと連携できたらいいなと思っていました。
そんな課題がありましたので、「今後は人事としてこの5つをやっていきますよ」と、新しい人事の組織に呼び掛けて推進しています。
1つ目が、LINEの経営・事業を理解すること。2つ目が、PMの採用・育成により注力していくこと。3番目が、社内のコア人材をタレントマネジメントしていきましょうと掲げました。4つ目が、社員のみなさんのモチベーションを引き出せるような制度設計や文化作り、さらにそれをより伝えるようなコミュニケーションを工夫してもらうこと。
最後に5つ目が、人事組織の中での連携も、国をまたいだグループ間連携もより強化していきましょう、ということを掲げてやっています。
それを実現するために、こんなかたちで組織再編をしています。目立ったポイントとしては、「Talent Management室」と、PMの採用活動や内外の情報交流などをサポートする「PM Successチーム」という2つのチームを直下に新しく作りました。
図の赤枠のところに一番注力しているんですが、部門の間で各ファンクションがバラバラに動いていたところを、各部門に対して人事の各ファンクション組織が一体となって、人事課題を解決していけるようにしたいと考えています。
各組織が専門家として一緒に取り組めるようなスクラムな体制作り、HRBP(Human Resource Business Partner:戦略人事のプロ)をメインとして一緒に展開する体制作りをがんばってやっています。
4月に着任してから人事のみんなに伝えたことで言うと、ここに書いている『会社の元気は人事がつくる』という20年前ぐらいのかなり古い本なんですが、私が一番最初に人事について学んだ本です。
今回人事になるにあたって読み返したんですが、エッセンスはぜんぜん変わっていないなと思いました。会社の元気は人事が作るものだな、とあらためて思ったので、「みんながいろんな努力をして貢献していくことが、会社の元気になっていくと信じてやっていこう」と話をしています。
さっきの紹介にもありましたが、LINEはプロダクトをどんどん作っていくところにとてもパッションが強い会社です。プロダクトを作る時に我々が一番大事にしているのが、「WOW」というキーワードです。
これは、週末に友だちに久しぶりに会った時とかに「最近どう?」と話していく中で、「最近このサービスを使ったんだけどすごい!」と、つい自慢したくなったり伝えたくなるような、ユーザーを動かしてしまうぐらいインパクトの大きな驚きを「WOW」と呼んでいます。
人事に置き換えると、「うちの人事すごいんだけど!?」「人事よくわかってるよねー」というのが、部門や外のみなさんから出てくることが「WOW」だと話しています。そんな「WOW」ないろんな制度や対応を、各部門の人事のみんなが生み出していってほしいと毎月発信しています。
今では各部門の中でもだんだんと「WOW」が実現できていたり、全社のマネージャー向けの集会に参加した方からも「今までで一番『WOW』なイベントでした」という声をいただいたり、どんどんそちらに近づいてきている手応えもあります。
今日のイベントは、点線で囲っているTalent Acquisition室のお話です。これからパネルで出てくる4人のみなさんも、このTalent Acquisition室に所属しています。
Talent Acquisition室はどんな室かといいますと、人材獲得(Talent Acquisition)によって、より会社の中で「WOW」なプロダクトを生み出すチーム作りに貢献するための室だと考えています。
部門側から頼まれた人をただ連れてくるだけではなくて、どんな人材が必要なのかを部門と一緒に考えながら、どんなブランドやメッセージを発信するとそんな人材が見つかるのかを考えたりしています。さらに、採用したあとの定着に向けたサポートや、いろんな範囲で活躍していってほしいなと思っている室です。
具体的にTalent Acquisition室でやっていきたいことは、ただ各事業の状況や必要なポジションを理解するだけではなくて「WOW」なこと、つまり「そうそう、こういう人が欲しかったんだよ」と事業側からも言われる採用の戦略を自分で考えて実行ができることです。
私も12年ぐらいLINEにいますが、社員としては「当然だろう」と思っていることも、外から見たら良い点とか、LINEの特徴になるようなところをピックアップしていって、採用のブランドを構築していきたいです。
そして、採用はすごく得意というか、成果をガンガン出しているメンバーの方もいるので、そういった個人に属しているいろんなノウハウを組織全体、リクルーター全体でシェアしていって、もっと精度を上げられるような活動に取り組んでいこうと思っています。
私も一緒にやっているんですが、あらためて採用はとても奥深い仕事だなと思っています。ただ人を採ってきて入れるだけではなくて、各事業の中でどんな人が必要かを見立てて、ヒットする人を連れてくるかで、事業の成否が分かれるぐらい大事な仕事だなと思います。
そこの奥深さをより深めていけるような人材の成長の過程というか、プランを一緒に作っていけたらいいなと思っています。
具体的に取り組んでいることはこの4つで、1つ目が事業戦略とのシンクですね。「ただ言われた人を採ってくる」じゃなくて、背景にある事業戦略とか、なんで今この組織にそんな人が必要なのか。事業側が「Aさんみたいな人」と言っても、「いや、Bさんが必要ですよ」と言える力をつけていってほしいという狙いがあります。
また、採用ブランディングもけっこう課題があるなと思っています。LINEはカンパニー制も敷いていますので、いろんなカンパニーでバラバラとした発信もあります。LINE全体としても、どんな採用ブランディングを持っていけるのかは、これからLINEがより成長していくためにも必要かなと考えています。
先ほど申し上げたみたいに、CX向上は個人のノウハウとして培っているものを組織全体に広げていくために大事なプロセスかなと思っています。そこの過程については、このあとのパネルディスカッションでもぜひ話してみてください。
また組織力の向上としては、採用に取り組んでいくメンバー自身がどんどんキャリアアップしていけるように、採用の中でいろんなポジションや専門性を身につけていってほしいという思いもあります。ひいては採用から、ほかの人事のいろんな機能や役割に挑戦していけるよう、土台を作っていきたいなと考えています。
ちょっと駆け足になりましたが、以上です。
LINE株式会社
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